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2012年7月31日 (火)

70代女性、右大腿外側の痛みが消えた後に左膝の痛みが浮かびあがってきたこと。

 「70代女性、主訴は右大腿外側の痛み、肩こりもあって夜眠れません。3年前に左の、2年前に右の変形性膝関節症の手術をしています。」

 まず、右大腿外側の痛みの原因として①股関節の変形②坐骨神経痛の関連痛③膝痛の関連痛、この3つが考えられます。

 膝の手術はしていても新たに膝に炎症が起こって上行性に痛みが走ることもあります。

 ハイハイを始めたお孫さんを毎日預かっているので、いくら可愛くても肉体的・精神的ストレスもあります。

 ハイハイの後を四つん這いでついていって、膝を痛めることもあるかもしれません。

 左右の肩上部僧帽筋、左肩甲骨外側の棘下筋を圧してみると、強い痛みを感じたようです。

 抱っこは疲れるので意識して控えていたようですが、全くしないわけにもいきません。

 伏臥位で後頭部から足まで指圧し、伏臥位の右下肢伸展挙上のストレッチではまず右大腿後側に突っ張り感があり、40センチくらい持ち上げると右膝に痛みを感じたようです。

 右下肢の挙上位置を20センチくらいに下げると大腿後側の突っ張り感も膝の痛みも感じないようでしたから、そのまま股関節の回旋運動、さらに下肢をおろして膝90°屈曲で下腿を左右に倒す股関節の回旋運動をしました。

 股関節の回旋運動で痛みを感じないようでしたから、大腿外側の痛みの原因として股関節の変形は除外できます。

 右膝の炎症と坐骨神経痛は、この時点ではどちらも否定できません。

 仰臥位の指圧が終わる頃にはむくみが回収され腎機能が活発に働いて尿となったようで、指圧後にはトイレに行かれました。

 仰臥位の仕上げの下肢のストレッチでは、右坐骨神経伸展のストレッチでも、右膝の関節運動でも、全く痛みはなくなっていました。

 ということは、主訴の右大腿外側の痛みは「ストレッチ不足」が正解のようです。

 坐骨神経症状や膝の動かし始めの痛みはあるようですが、これは歩くことによって緩和されるくらいのことのようです。

 実際最近の暑さで外出もほとんどしていないようでした。

 しかし、最後のストレッチで「左膝の痛み」が浮き上がってきました。

 不思議なものです。

 右大腿外側が気になっているうちはストレッチをしても痛みがなかった左膝が、最後になって痛みを主張し始めたようです。

 右大腿外側の痛みは左膝をかばって右下肢を使い、右下肢の筋肉を短縮させていたということのようです。

 両方の膝の手術をしていますから、時々は膝に違和感があるようですが、左膝の使わな過ぎと、右足体重での生活が体のバランスを崩させていたようです。

 ストレッチでは左膝に痛みが出ましたが、立って歩いていただくと、来た時よりも体全体がはるかに楽になっていると感じていただけたようです。

 大量のジャガイモとタマネギをいただきました。

 実はこの女性は昨夜めまいで指圧をした男性の義理のお母様です。

 朝、電話をいただいた時には涙ながらの声だったので、『昨夜指圧をしためまいの婿殿のお礼のつもりで指圧に来るのかな、娘さんが上手に報告してくれたんだろう』くらいに思っていました。

 指圧を終え体全体の状態を診た印象では、お義理で来たというより指圧に来たくてもなかなか来れなかったようです。

 「今夜は眠れそうだ」と言って帰っていきましたが、帰ればお孫さんのお世話です。

 人間はなかなか休ませてもらえませんね。

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2012年7月30日 (月)

良性発作性頭位めまい症と思われる回転性めまいの指圧。

 昨日は何年かぶりに腰痛を感じてしました。

 左股関節の痛みから始まり、ストレッチで患部を確かめていくと、腸骨稜とぶつかる腸骨筋の傷が主で、股関節上部の大腰筋にも小さな傷があるか、腸骨筋の傷の痛みが股関節まで響いている感じでした。

 おそらく原因はマットでの伏臥位の指圧で、足の位置取りが遠過ぎたことです。

 猫背のため上肢を下げて外側に開いている大柄な男性の指圧の時、スタンスに遠慮があって、指圧の母指の位置と、足・膝の着地位置の距離が遠過ぎて、腰を伸ばしてしまったようです。

 過伸展の状態が続けば筋肉は危険を感じて収縮しようとし、またややこしいことになります。

 ベッドではベッドの幅でスタンスが決まりますが、マットの場合は腕をまたぐことになっても、後ろになる膝をできるだけ体幹に密着させましょう。

 膝が入るだけ腕をもう少し外側に開いてもいいと思います。

 「体をまたぐようなマウントポジションは殺法」だと私は考えていますが、腕をまたぐのまで遠慮をして腰を痛めたことは反省しています。

 いつまでたっても勉強ですね。

 さて、腰痛でしたが「大腿骨骨折の方」から電話をいただきました。

 私は「この腰痛は骨盤内の傷だからアロマでも指圧でもない、温泉で温めるのは不可」と判断し、35℃くらいのぬるま湯で半身浴をした後、腰に湿布を貼ったところでした。

 さっぱりして、少し休もうかというところで、炎天下の午後に指圧に出かけました。

 不思議と介護ベッド周りの指圧では全く腰痛を感じませんでした。

 腰痛を再現しない力の抜けた体の使い方は習得できているようです。

 ここでもいろいろあったのですが、夜に指圧をした「めまいの男性」のほうが書き残しておく価値があると思うので割愛します。

 

 「30代男性、昼に目覚めて奥様の声に右斜め上方向に頭を向けたら、今までに経験したことのない回転性のめまいがしました」

 電話ではまず「熱中症のようではないですか」と尋ねてみました。

 そんな様子はなく、奥様が運転して車で連れて来ていただけるということなので、指圧の準備を始めました。

 まずアロマミストはペパーミントにしました。音楽はなしでもよかったのですが、おとなしいヒーリングミュージックを低音量でかけておきました。

 玄関を上がって、靴をそろえるのにしゃがんだ時に、強い回転性のめまいが起こったようです。

 太った人ですから血圧を聞いてみると、だいたい130-80くらいだそうです。

 病院で処方されている薬はなく、4年前くらいから時々めまいが起こるようですが、今回ほどのめまいは始めてだということです。

 橈骨動脈の脈は強く打っていますが、1分間に72、額や頚の熱もありません。

 耳鳴りや難聴はなく、頭痛や吐き気もありません。目を見ても眼球が激しく動いているようなことはありません。

 「頚を動かしたことによって突然起こった」ことや、会話は冷静に受け答えができ、著しく血圧が高いような興奮した様子もないことから、おそらく「良性発作性頭位めまい症」だと思いました。

 耳石がはがれて三半規管の中で浮遊して回転性のめまいが起きているようです。

 座位で触診していくと、猫背で右肩上部僧帽筋(肩井)、左斜角筋群がこっていて、上腕外側、鎖骨下もこっています。

 肩こりの血行不良もめまいの原因でしょう。

 座位で耳の周囲を中心に頚と肩、背中を指圧し、めまいが治まったところでマットに仰臥位で寝てもらうことにしました。

 仰臥位になると激しいめまいが起きてしまったので、もう一度椅子に戻ってもらいました。

 もう一度肩や頚の筋肉をゆるめ、耳の周囲、頭部を指圧すると、めまいの治まっている時間が長く続いていたので、もう一度仰臥位になっていただきました。

 目を閉じるとめまいがするとのことでしたから、目はガーゼで覆わずに頭部を中心に指圧を続けます。

 耳の周囲にポイントがありそうなこと、右肩井のこり、そして下肢外側の緊張などを総合すると、見えてくるのは「胆経」の問題です。

 できるだけ全身に指圧をし、「良性発作性頭位めまい症」の運動法(エブリー法)を試してみました(健康番組を毎日チェックしていますから頭の引き出しにはこんな知識も入っていました)。

 奥さんの方を向いた頚の動きを再現し左斜め45°に頭を向けると、激しい回転性のめまいが再現されました。

 専門家のお医者様ならこの方法を続けるかもしれませんが、私は確定診断ができませんし、せっかく指圧の血行促進によってめまいの出現が抑えられていたのが水の泡になっては困るので、頭を元の位置に戻し、何回も繰り返してきたように耳の周囲、頭頂部、肩と指圧をしていくと、まためまいが治まりました。

 仰臥位の指圧を終えて座位で仕上げるために立ち上がっていただくと、まためまいに襲われました。

 しかしこれは起立性低血圧くらいの程度だったようです。

 その後の座位指圧では回転性のめまいは再現されず、奥様が迎えに来て、靴を履いて帰る時にもふらつきはありませんでした。

 後で調べると、良性発作性頭位めまい症の運動法(エブリー法)は、めまいを再現させてめまいに慣れさせるという目的もあるようです。

 激しく回転するめまいは30秒程度で治まるようですし、この病気のほとんどは自然治癒するようなので、血行促進の指圧で今朝めまいが治まっていることを期待しています。

 しかしめまいが続いている場合は、耳鼻咽喉科か専門のめまい外来へ受診することを勧めておきました。

 中程度には強いめまいのようでしたし、日曜の夜に救急外来に行ってもおそらく薬が出るくらいですから、けっこう緊迫した指圧でした。

 この時も腰痛を忘れていました。

 ストレッチをすると今朝もいくらか骨盤内に痛みを感じますが、腰痛は8割くらい回復したようです。

 指圧をすることが自分を健康にするような圧し方を研究してきましたから、力を抜いて指圧をすることが無理のないリハビリ運動になり、自分の腰痛を快方へ向かわせたようです。

 今日も暑くなりますが、これから体と心の準備を始めます。

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2012年7月29日 (日)

法事の日の偏頭痛。

 20代女性、土曜日の法事で前日に家に帰って、法事の朝から偏頭痛に悩まされて指圧にいらっしゃいました。

 ロキソニンを飲みましたが、効かなかったということです。

 吐き気はありませんが、太陽のまぶしさは辛いようです。

 ここにあげただけでも偏頭痛の典型的な特徴がいくつかありますので整理してみましょう。

①まず週末のセロトニン不足が偏頭痛の条件として考えられます。

②ロキソニンは非ステロイド系抗炎症薬ですから鎮痛解熱作用があります。解熱作用は抹消血管を拡張させるので、血管の拡張でズキズキ痛む偏頭痛に、ロキソニンは効かないか、悪化させることがあります。

③偏頭痛は、光刺激、騒音、人ごみ、赤ワイン、チョコレートなどのポリフェノールを含む食品が原因で発症することがあります(ストレスや血管拡張物質の摂取)。

 週末に法事で家に帰ることはリラックスもしますが、悲しみを思い返し、堅い法要の儀式に参列することでストレスにもなります。

 月曜日からの仕事のストレスで幸福感を高める物質でもあり血管収縮物質でもあるセロトニンを使い果たすと、セロトニンの素になるトリプトファン(タンパク質の一つ)の補充が追いつかなければ、一部血管が拡張して偏頭痛になります。

 偏頭痛のお客様の体の特徴は、体側のむくみです。

 頭の片側がズキズキ痛むのが偏頭痛ですから、ズキズキと拍動する血管の手前にはホースを踏むつけたような血管の収縮があります。

 血行不良によるむくみは片側の体側の使わな過ぎに由来し、このケースでは左上肢外側、左下肢外側のむくみが顕著でした。

 右手を使うために体幹が左に回旋し、頭部顔面が前傾し、頚がやや左に側屈し、頚から頭に向かう血管では一部収縮している、しかし左半身は使わな過ぎでむくんでいるという状態でした。

 左頭部の圧迫で患部の血管に圧をかけて収縮させるというのが、お客様の求めるアプローチですから、まずそれをやっておきましょう。

 しかし、これが即解決策にはなりません。

 血管の拡張した部位には持続的圧迫でよいのですが、その手前には必ず血管の収縮した部位があります。

 収縮した血管を潰し続ければまた同じことが起こります。

 側屈の連続で硬くなった左頚部の筋肉を弱い刺激のタッチでゆるめ、この部位の血管は拡張させて血行を促進させます。

 デスクワークで肘をついてほとんど置いているだけの左上腕外側(二の腕)と、座位姿勢で股関節を外側に開いてむくんだ左下肢外側も、血行促進をして体全体のバランスをとっていきます。

 大切なのは寝てもらうことです。

 5分でもいいから寝てもらうとストレスが緩和されますから、血管のリセットになります。

 偏頭痛の患部と、むくんだ部位は血管を収縮させます。

 偏頭痛の患部には持続的圧迫で氷で冷やしたのと同じ効果を狙い、むくんだ部位にはシャキッとさせるために、運動をさせるイメージで速いテンポの強めのタッチが効果的です。

 指圧中よく眠り、伏臥位終了後にはトイレに行きむくみが流れ、全身指圧後には偏頭痛が解消しました。

 「週末の焼肉」というアドバイスは、セロトニンの素になるトリプトファンの補充になるので、指圧・マッサージあるあるとして覚えてしまえば公式のように何度も使い回しができます。

 「金曜日はフライデー」というバリエーションもあります。できるだけ堅苦しくならない雰囲気を作って終わることを心がけましょう。

 セラピーの現場では、ボロボロどころか、涙が前に飛び出して放物線を描くくらいの感情を揺さぶるタッチをいつのまにかしていたりするものです。

 そこで起こったことは施術終わりで切り換えて帰っていただく、涙というカタルシス(浄化作用)はセラピストが度々いただくスタンディングオベイションのようなもの、施術が終わったら次の準備を始めます。

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2012年7月28日 (土)

20代女性、鼻炎と猫背で顔がこる、頭痛がする、頭頂部を圧して痛い。

 ロンドンオリンピック開会式、ローワン・アトキンソン(ミスター・ビーン)さんの「炎のランナー」のキーボード演奏(音楽コント)、素敵な演出でした。

 「炎のランナー」の曲はどこかで使われるだろうと思っていました。ドリフターズの荒井注さんの音楽コントを思い出しました。

 話は変わって、主訴が頭痛の20代女性の指圧について、思い返しながら書きとめておきます。

 まず椅子に座っていただいて、座位の姿勢からわかることは、猫背で脊柱がやや左に側屈、上半身はやや左に回旋しています。

 これは右手を使うために体幹を左にねじっている姿勢です。

 ズボンの中央のラインが左にずれていて、左のお尻に体重をかけて座っていました。

 猫背で手を使い、頭が肩より前にあるので、鎖骨周囲の大胸筋や三角胸筋溝が詰まり、右手を使うために体幹を左にねじっているので右腋窩が詰まり、右腋窩の肩甲下筋を圧すと跳び上がるくらいの痛みがあるようでした。

 猫背で頭の重さが頚の付け根にかかると、下行性には肩から上腕、頚から背中、上行性には後頚部で後頭骨際の『天柱』『風池』『完骨』から後頭筋と、血行不良による筋緊張が広がっていきます。

 この椎骨動脈周囲の血行不良だけでなく、前頚部の頚動脈の血行不良も上行性には顔面、目、脳へ、下行性には鎖骨周囲へと広がっていきます。

 この女性は通年性のアレルギー性鼻炎もあるので、鼻粘膜の炎症から顔面の筋肉の緊張も続いています。

 特徴的なのは頭頂部の帽状腱膜を軽く圧しても痛いということです。

 後頭筋と前頭筋をつないでいる薄い膜が帽状腱膜です。

 血行不良により痛み物質が溜まっていることもありますから、指紋部を広く使って頭皮をとらえ、それをずらさないように前後左右、円を描くなどに動かして、軽い刺激で癒着を少しずつゆるめるようにします。

 側頭部、耳の周囲も同様にゆるめていきます。

 顔の筋肉の運動を支配する顔面神経は顎関節の近くを通っていますから、耳の下の顎関節周囲をゆるめることは顔面や頭の緊張をゆるめることになります。

 指圧中も頻繁に鼻をかんでいました。鼻をかむ時は、息を止めて顔の筋肉を緊張させることになります。

 鼻には炎症があるので鼻づまりで呼吸が浅くなり、顔や頭の筋肉は酸欠になって、こりやすいということもあるでしょう。

 猫背を矯正する、脊柱の歪みを矯正することと、酸欠気味の頭部顔面に軽い刺激の指圧をすることで、頭痛は緩和されました。

 シャンプーや化粧をする時、化粧を落とす時に軽いタッチのマッサージをしておけば、こんな頭痛にも悩まされず、指圧を受けて気持ちがいいはずなのですが、20代前半の女性だと、まだ頭皮ケア、スキンケアがほとんどできていないない人もいるものです。

 シャカシャカ豪快に頭を洗うのではなく、「指紋部で頭皮をとらえていろいろな方向へ少し動かすような揉捏」、これは腕や足でやってみても揉み返すことが少ないので、一般の方にも是非覚えていただきたいタッチです。

 痛いような圧し方でなく、神経が張り詰めたような頭部の緊張をゆるめるためには、羽根で触るようなタッチでいいいのです。

 アレルギー性鼻炎で鼻を頻繁にかむことだけでなく、緊張性頭痛の場合は「歯を噛み締める癖」も原因になっていることがあります。

 「鼻の周囲に圧をかけて血行を促進する、顎関節の緊張を緩める、猫背の矯正をし、前頚部・後頚部の緊張をゆるめる」、緊張性頭痛には、このようなアプローチが有効なことが多いので、参考にしていただければお客様のお役に立てるのではないかと思います。

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2012年7月27日 (金)

メッセンジャーナース。

 患者側に立って医療側との橋渡しをする「メッセンジャーナース」の設立総会が10月に開かれるそうです。

 患者もその家族も、医療の選択を迫られる場面は多々あります。

 在宅介護の寝たきりの方が食事ができなくなった時、感染症の危険性が高くチューブの引き抜きなどにも注意が必要な「鼻腔栄養」にするか、いたずらな延命治療となるかもしれない「胃ろう(胃に穴を開けて人工栄養のチューブを通して栄養をとる)」にするかの選択は難しい問題です。

 胃ろうにすれば入浴ができたり、鼻腔栄養よりは介護施設が受け入れやすいというメリットはあります。

 高齢で回復の見込みがない状態で胃ろうの選択を迫られた場合、家族が心から納得するための質問をしようとしても予備知識がなければ難しく、医療側に従うことになりがちです。

 メッセンジャーナースが医師の治療説明に同席して家族の理解を促すのに必要な質問をしたり、家族の思いを医師に伝えることができれば、治療方針や今後の見通しに家族の心からの納得が生まれ、末期医療、末期介護の質が高まります。

 医療機関と患者のマッチングをする医療コーディネーターとは違い、手術後の患者や、要介護となった患者やその家族と医師の橋渡しをするメッセンジャーナースの今後の活躍が期待されます。

 今日も暑くなります。タマネギは血液をサラサラにするといわれますが、血管の内皮を若返らせ、動脈硬化を改善することもわかってきたようです。

 水分補給と塩分補給で熱中症を予防するだけでなく、タマネギも食べなくては!

 (指圧でお客様に密着するので、臭いの強いニンニク、ネギ類などは避けていたのですが、夕食にはタマネギを食べることにします。)

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2012年7月26日 (木)

「自分の脂肪幹細胞で乳房再形成」の臨床研究。鳥取大病院で7月25日より患者5人募集。

 鳥取大病院(鳥取県米子市)は「癌で乳房を部分切除した部位に、自分の体から取った脂肪幹細胞を移植して乳房を再形成する臨床研究」が厚生労働省によって承認され、7月25日より乳房をできるだけ残す温存手術を受けた患者5人を募集することを発表しました。

 問い合わせ先は、鳥取大病院次世代高度医療推進センター(0859-38-6745)です。

 自分の体の脂肪幹細胞なら拒絶反応が抑えられ、シリコンよりも自然な乳房再形成が期待できます。

 現在は保険適用外ですが、臨床研究が進んで安全性と有効性が確立されれば、保険適用の道も開かれ、乳房を切除した多くの乳癌患者の方の救いになります。

 「美容形成の豊胸手術が脂肪幹細胞の注射」という時代も、もうすぐやってくるかもしれません。

 しかし胸が豊かになってもボディのメリハリには筋肉や靭帯の支えが必要です。

 大胸筋の支えを鍛え、良姿勢で重力に抵抗していかないと、乳房に脂肪が増えただけでは垂れ下がってしまいます。

 必要な所にだけ脂肪を集め、他は筋肉で締めてナイスボディです。

 人間は一生、体中を働かせてこそ健康で美しく過ごせます。

 それにしても幹細胞の研究は進んでいますね。

 医療の倫理の範囲をあまりにも逸脱したサイボーグのような手術は恐ろしいことですが、拒絶反応や副作用に苦しまないですむ治療法として幹細胞の移植手術が確立されていけば、病気に苦しむ方々の救いになります。

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2012年7月25日 (水)

ヤンキース移籍のイチロー選手、ヤンキース3Aには福留選手も。

 イチロー選手のヤンキース移籍は号外が出るほどのニュースでした。

 リストラの気配を感じての決断という見方もあるようですが、名門ヤンキースへ移籍できるだけの実力は、第一打席でのヒットと盗塁で自ら証明しました。

 ヤンキースは外野手の補強が急務だったようですが、3Aには同じ外野手の福留孝介選手も在籍しています。

 38才のイチロー選手、35才の福留選手、ヤンキースでレギュラーを獲得するには激しい競争の中で結果を出さなければなりません。

 マリナーズのベンチからヤンキースのベンチに移ったイチロー選手、3Aからメジャーへの昇格を目指す福留選手、厳しい世界です。

 

 話は変わって、10日ほど前の暑い日に、道で擦れ違った近所の高齢の女性の顔色と目つきが気になっていました。

 昨日お話をうかがったら、貧血でその後入院して、退院したばかりなのだそうです。

 熱中症には気をつけていても、貧血予防の食事はできていなかったのかもしれません。

 貧血には消化管の出血が原因のものもありますから、便の色にも注意が必要です。

 黒色便なら上部消化管出血、赤い血が混じっているようなら下部消化管出血が考えられるので、病院への受診が必要になります。

 手軽に貧血を予防できる食品には「きなこ」があります。きなこには鉄分が豊富に含まれていますから、ヨーグルトや牛乳などに混ぜて食べると鉄分を効率良く吸収することができます。

 また、運動前にトマトジュースを飲んでおくと、アミノ酸やクエン酸の働きで疲労物質の発生を抑制するので、疲労軽減効果があるということがわかってきたようです。

 ここ最近、蒸し暑くなってからの高齢者の足を見ていると、足首が太くなり、足のアーチが崩れて偏平足気味になっている方がほとんどです。

 貧血予防のきなこヨーグルト、運動前には疲労軽減のトマトジュース、そして足裏を指圧して足のアーチを整え、重力に逆らって足首のたわみの原因であるむくみを還していくマッサージ、この夏を元気で乗り切るためにはやっておいたほうがいいことがあります。

 イチロー選手、福留選手も体力を維持して悔いのないプレーを続けていただきたいと思います。

 昨夜は生放送で100キロマラソン2日後のスマップ・草彅剛さんのステージを見ることができました。

 膝、腰は大変なことになっていると思いますが、何とか立ってリズムに合わせていました。

 最初の歌で木村拓哉さんだけマイクが生きていたのは新曲だからかなと思いましたが…。

 草彅剛さんの体も回復に向かっているようでした。

 

 

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2012年7月24日 (火)

「足に打撲をしたような…」、草彅剛さんの100キロマラソンゴール後の感想。

 100キロマラソン翌日に「笑っていいとも」に出演した草彅剛さんは足を引きずっていました。

 前夜にゴールした時には「足を打撲したような…」と酷使した足の状態を語っていました。

 先週私が指圧した男性は100キロマラソン6日後でした。その時に「走った後すぐは足底が痛かったけど…」と語っていました。

 マラソンは、足の着地を続けることによって足底に打撲を続けるようなことになるようです。

 そして走りながら足の着地の痛み、足が前に出ないということにまず気づくようです。

 着地の繰り返しによる足底の痛みを打撲と表現する感覚、これは「揉み返し」になった時の感覚と同じだと思いました。

 日常の歩行の着地を打撲とは感じません。

 しかしそれが限度を超えて積み重なると打撲になります。

 指圧でも揉捏でも叩打でも限度を超えれば打撲、挫傷を作ります。

 この後、草彅剛さんの体は老廃物の排出を続けて膝、腰と主訴が移動していくことでしょう。

 私が指圧した男性も100キロマラソン直後は足底筋膜炎の状態だったのではないかと思います。

 100キロマラソン直後の体の状態をテレビを通してですが垣間見ることができ、指圧までの6日を大雑把にですが埋めることができました。

 ロンドンオリンピックでは東アフリカのマラソン選手のふわりとした爪先着地に益々注目です。

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2012年7月23日 (月)

80代女性、左大腿後側坐骨神経痛。

 書道の先生の作品が毎日新聞社主催の会で秀作となり、午前の授賞式から夜のパーティーまで日曜日の日程はぎっしりつまっているということで、美容室で髪を整え、ネイルも輝かせ、最後の仕上げに指圧にいらっしゃいました。

 80代ですが最近の検査では骨密度が増えていたと喜んでいらっしゃいました。

 しかし左大腿後側の坐骨神経痛が気になっていて、高血圧でもあり、1日かかるイベントの健康不安を解消する指圧をしたいと思いました。

 肩のこり、上腕のこり、墨をするのにも力を使います。

 防腐剤の入っている墨汁と、3万円もする固形の墨は別物のようです。

 自動墨磨り器というものもあるそうですが、墨を磨るところから精神集中は始まるのでしょう。

 秀作に選ばれたのは草書体の「崖」一文字の書で、紙は90cm×120cmの大きさだそうです。

 時代や御自分の心境を表した一文字のようです。

 その大きさの一文字に納得のいくまで何枚書いたことでしょう?

 膝立ち、四つん這い、姿勢による坐骨神経への負担もあると思いました。

 伏臥位で頚から腰までゆるめていき、左殿部の梨状筋と左大腿後側の坐骨神経上を圧すと御自分で感じている神経に響きと一致するようでした。

 坐骨から大腿後側中央を下り脛骨神経となるラインと、途中から外側に分かれる総腓骨神経はしっかりととらえて圧を乗せておきます。

 80代ですから強く圧せばいいということではなく加減が必要です。

 「もっと圧してほしい」「ずっと圧してほしい」という要求を感じましたが、しっかりとした密着と持続で圧を乗せることで強い刺激として感じていただくようにしました。

 右大腿後側には緊張がありませんから、左はいつも同じ姿勢で使っているのではないかと思われます。

 書を書く時の位置の移動では立て膝で右には動きがあって、左は膝屈曲で膝をついた姿勢の連続ではないかと思いました。

 指圧前にトイレに行き、仰臥位腹部の指圧の途中でまたトイレに行きました。

 年齢的に主訴にあらわれない全身性のむくみもあり、指圧が全身運動になって血液循環が良くなり、腎機能が促進されたことは確かです。

 この指圧のポイントは翌日の1日がかりの表彰式やパーティでの健康不安の解消ですから、揉み返しを起こすようなことは避けたいところです。

 左大腿後側の坐骨神経痛が主訴のケースでは、伏臥位で大腿後側を圧してもらいたいというのがクライアントの要求となります。

 しかし、「仰臥位」で大腿後側のストレッチもできるし、上半身の血行促進で下半身の血行促進もできるのです。

 通常、左の筋肉は右に比べてやや細く弱いということと、年齢的に強い刺激を足していけばいいというわけではないことを考えに入れて施術を構成していかないと、疲れさせてしまいます。

 私はもの足りないくらいの刺激量で十分に全身運動をさせた手ごたえを感じています。

 指圧・マッサージによる血行促進は、施術の終わりが終わりではありません。

 その後も効果が続いていく「伸びしろ」があるのです。

(*「排尿により血圧が下がる→血圧が下がれば筋緊張がゆるむ→筋緊張がゆるめば坐骨神経の圧迫も緩和される」、効果の評価を単純化できるようになるということもセラピストとしての成長です。)

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2012年7月22日 (日)

100キロマラソン6日後の指圧。

 昨日からスマップの草彅剛さんが100キロマラソンに挑戦していますが、一週間前にも木曽の御岳山を走る100キロマラソンがありました。

 午前0時スタートで頭にライトをつけて山道を走り、天候は雨だったそうです。

 16時間半かけて完走したという30代男性は100キロマラソンから6日たって指圧にやって来ましたが、玄関から上がってくるにも両足ともに引きずるような状態でした。

 「両ふくらはぎの痛み、左膝後側で外側の大腿二頭筋腱の痛み、左大腿外側で膝近くの腸脛靭帯の痛み、左手小指のしびれ」と訴えは盛りだくさんです。

 付け加えるなら、肩こりもあり、腰痛もあり、ひどい猫背になっています。

 頭にライト、背中にリュックを背負って雨の降る山道を100キロ走りきった体は、全身にぎっくり腰が発症したような状態です。

 せっかく木曽まで来たからと、完走翌日に温泉に入ったことも逆効果だったようです。

 6日目でこの状態ですから、翌日は温泉で温めずに足を高くして氷水で冷やし続けるのが正解です。

 ここに来るまでに整形外科、接骨院と行ってきたようですが、納得できずに指圧にやってきました。

 100キロマラソンの前からふくらはぎを傷めていましたから、私は「出場してもいいけど辛くなったら棄権しなさい」と忠告してありました。

 30キロ過ぎからは十分な走りができなくなっていたようですが、沿道の応援にのせられて、棄権したくてもできなくてとうとう完走してしまったようです。

 肩こりは、頭に慣れないライトをつけて山道のアップダウンを走ったので、ライトの重さで頚の付け根にこりを作ったのかもしれません。

 背負ったリュックには水も入れていたようなので、その重さも肩にかかります。

 右手は汗を拭いたりして使いますが、左手は肘を曲げたランニング姿勢の連続なので腋が詰まり、小指のしびれは腋窩か肘部管で尺骨神経が圧迫されているようです。

 まず伏臥位で足枕で足を高くして、頚から腰を弱い刺激の指圧の繰り返しでゆるめていきます。

 臀部はさほどこっていません。これは救いです。急性期の全身性の筋肉疲労が回復してきていることの証明です。

 大腿後側、下腿後側と丁寧に弱い刺激でゆるめていきます。

 特に両ふくらはぎの内側、脛骨と筋肉の間には炎症があります。

 100キロマラソンの前から走り過ぎで「シンスプリント(骨間膜の炎症)」の状態でした。

 強い刺激はできませんから、ふくらはぎ内側に手指を密着させて「振動圧」をかけていきます。

 伏臥位で足まで指圧して、股関節、膝関節、足関節のストレッチは、関節可動域の90%以上できました。

 仰臥位になると自から上肢をバンザイの形にしました。

 猫背の人の特徴的な姿勢です。まだ猫背の矯正は十分ではないということを頭に入れておきます。

 左鼡径部の指圧からは、おなかが音を立てて動き始めました。

 背部の緊張がゆるんで、副交感神経が優位になったということです。

 左大腿外側腸脛靭帯は確かにこっています。

 両大腿内側の内転筋群もこっていたので、100キロマラソンで下肢全体にダメージを負ったということです。

 下肢長は右足のほうが短くなっていました。

 右足に体重をかけて右足主動で山道を走っていたのでしょう。左足はやや外側に出ていたと考えれます。

 足関節の底屈+背屈の(速く行う)運動が気持ちいいとのこと、これは振動圧がふくらはぎの深部や股関節から腸腰筋に伝わって、実際に触れることのできない筋肉をゆるめることになるからです。

 左上肢は左腋窩と左肘関節周囲を丁寧にゆるめ、尺骨神経の圧迫を解放して左手小指のしびれを緩和するようにします。

 ここでも手首を持って上肢伸展牽引で振動圧をかけていくと、深部の筋肉がゆるみ、猫背の矯正にもなります。

 続いて右上肢、顔面、頭部、腹部と指圧をして腰と下肢のストレッチで指圧を終えました。

 上体を起こして自分でふくらはぎに触わり、「柔らかくなっている!」と感動が笑顔で伝わってきました。

 仕上げの座位指圧の時には、背中が真っ直ぐに伸びていました。

 このケースは関節の際などに炎症が残っています。

 普通のタッチでは届きませんし、グリグリいじるのは愚の骨頂です。

 遠隔操作と振動圧、つまり患部周囲の刺激で患部の血行を誘導的に促進することと全身性の指圧でさらに血行促進をすることが最良のアプローチです。

 こういった施術は指圧・マッサージの特長で、整形外科や柔道整復では主眼としていないアプローチです。

 伏線を引いて伏線を引いて、遠回りをしてゆるめていくという施術に習熟してください。

 ここに指圧・マッサージのセールスポイントがあります。

 ふくらはぎの炎症は完治までには時間がかかります。

 しかし深部の筋肉をゆるめている、そして全身性の施術をしているということは、患部付近に表面的に強い刺激をするだけとは全く違う、しっかりとした効果があります。

 自信を持って弱い刺激で遠回りの施術をしてください。それが近道であることは経験を積めばわかります。

 

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2012年7月21日 (土)

尺側手根伸筋の張りを感じながら四指を手前に引き、母指指紋部に圧を集中させる型の練習。

 「ペンギンのまねをするイメージ」で、指力を使わずに体重移動で圧す指圧の型の練習法を考えてみました。

 ペンギンのまねの上肢のおきまりは、腋を少し開けて、肘関節伸展、手関節背屈です。

 その形で手関節背屈のまま、指先を斜め後ろに向けてみましょう。これで手関節背屈に尺屈が加わりました。

 この手の形のままテーブルにでもベッドにでも体の正面で楽な位置に、両方の母指と四指の指紋部をあててみます。

 母指は前を向き、四指は斜め後ろを向いています。

 母指には力を入れず、動かしもしません。

 斜め後ろを向いた四指の指紋部はそろえて隙間をなくし、四指の指紋部を母指の方向に引いてくると手掌の位置が高くなります。

 手関節背側で尺側(小指側)の筋肉の張りを感じてきましたか?

 これが尺側手根伸筋を使っている感覚です。

 これは型を感じ、体重移動を安定させる練習ですから、実際の臨床ではもっと力を抜いて柔らかいタッチをしてください。

 感じてほしいのは「屈筋を使わない」ということです。

 練習を積むうちに伸筋も緊張させなくてすむようになりますが、使うならむしろ「伸筋」だということを感じてください。

 肘伸展、手関節背屈ですから、使うなら伸筋です。

 しかも母指側の橈側ではなく小指側の尺側だということがイメージできると、「母指の関節を曲げて肘を曲げて猫背で圧すという悪習」とは別の次元に指圧があることがわかると思います。

 そうです。何もかもが違うのです。

 根本的に変えればすむどころか根本さえ違うので、抜本的に変えてしまわなければ「屈筋を使った圧迫法」は指圧ではないのです。

 テーブルの板の上に母指指紋部、板の下に四指指紋部をあてて四指を手前上に引き上げる「栓抜きのイメージ」を、背中という同一曲面上に母指と四指をあてて行うのが指圧です。

 ペンギンのイメージを少し変化させた、手関節背屈+尺屈で尺側手根伸筋の張りを感じる手の構えの練習から、体重移動の指圧の核心をつかんでください。

*臨床では無理に母指の先端を真っ直ぐ前に向けるような形はしません。皮膚表面の曲面に柔軟に指紋部を密着させることだけを考えて、後は息を吐きながら漸増漸減の体重移動をするだけです。

 型を作って、作った型を破ることが臨機応変なライブのパフォーマンスには必要です。

 ライブでは型にこだわってはいられないので、型破りなパフォーマンスをするためにも、破る土台となる理論的な型の練習をしてください。

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2012年7月20日 (金)

指圧を始めてすぐに「天国だ…」と言われたこと。

 寝たきりの方の指圧を始めてすぐに「天国だ…」と言われました。

 嘘も飾りもない言葉として心に響きました。

 『生きていないと天国のタッチを受けられませんよ』、声にはしませんでしたが頭の中では『Tears in heaven』のメロディーが流れていました。

 その時の「天国のタッチ」は、右手も左手も同時に使って、動きはランダムにしていました。

 遠心性と求心性の動きを混ぜ、右手と左手の施術部位の組み合わせは右大腿と左下腿であったり、右足と右膝であったり、感覚にまかせた自在な即興演奏のようなものでした。

 「天国だ…」と言われたからには、そのタッチを続けたいと思いました。その手の使い方の大きな流れは、手掌全体で部位をとらえていくことでした。

 手掌圧+母指と四指で軽くつまむようなタッチです。

 この軽くつまむタッチに自分では「ツマミー」というはずかしネームをつけています。

 究極のタッチは、被術者のその日その時の体調に合わせることができ、部位ごとの緊張の度合いにも合わせることのできる『弱い刺激』だと考えています。

 タッチを適量刺激の範囲の上限に合わせるのではなく、下限に合わせて漸増もできるようにしておくと、応用範囲が広く、気持ちがいいものです。

 天国にはお上手な先生がたくさんいらっしゃることと思いますが、あちらの世界へいけば快適で、きっと指圧・マッサージを必要だとは思わないでしょう。

 痛みを伴うこの世では、次回も「天国だ…」と思っていただけるように、その日その時の体調を把握してアプローチの仕方を微調整しながら指圧をしようと思っています

 弱い刺激なら足すことができます。持続すれば強い刺激にもなります。

 「適量を間違うなら弱いほうに間違う」、これがセラピーになるタッチの鉄則です。

 痛がられるほど強く圧して、終わって解放されたことによってリラックスするマッサージなど、私は教わってきませんでした。

 まともな理論、テキストでは、いじめのような刺激をよしとてしていません。

 ワンタッチが転地療養の扉の鍵となるような「天国のタッチ」、幸福感をもたらすような微笑みのタッチを創作してください。

 それで救われる方がどれだけいることか。

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2012年7月19日 (木)

頬杖をついて両拳を頬骨周囲にあて、拳の位置を変えながら頭部顔面の重さを利用して胃経を刺激する。

 エアコンの効いた屋内から外へ出て、外気の蒸し暑さ、車の暑さ、そしてやがてエアコンの効いてきた車の環境と太陽のまぶしさを感じながら運転していたら、急に眠くなりました。

 不快な環境から快適な環境に変わり、サングラス越しのセピアに鈍く光る昼間のまぶしさは、血管拡張、副交感神経優位に働き、眠気を誘ったようです。

 猛暑の中に置かれた体は、環境と戦って気づかないうちに疲労しています。気をつけないといけませんね。

 運転中に眠気に襲われたら、車を安全な場所に止めて休憩をとるのが一番です。

 眠れるなら15分でも眠りたいところですが、エアコンを切った車の中では暑くて眠れませんね。

 サービスエリアなどのテーブルのある場所なら、『テーブルに肘をついて両拳を頬骨周囲にあててすこしづつ位置を変えながら頬杖で顔面の胃経の刺激』をしてみましょう。

 ① まず瞳の下から鼻に向かう頬骨の上部に薬指と小指の中節骨をあて、目を閉じて「顔をグッと下に向けることで」胃経のツボ『承泣』『四白』を刺激します。

 拳はあてているだけで圧し込みません。顔をゆったりゆらゆらと左右に振ると、圧刺激が浸透するのがわかると思います。

 ② 同様に頬骨と小鼻の間『巨髎』

 ③ 拳の広い面・基節骨を使って頬骨下面内側~唇の外側『地倉』

 ④ ③の下、指節関節をあて、下顎骨に沿って唇の外端斜め下『大迎』

 ⑤ 下顎骨に沿って④の上、頬骨斜め下の咬筋上『頬車』

 ⑥ ⑤の上で頬骨下面に沿った下顎骨の際『下関』

 拳の使う部分を変えながら、位置を移動して圧迫していきます。

 顔を下に向け、左右にゆるゆると顔を振ることで、頭部顔面の重さを両拳に伝えて、圧を奥中央の延髄あるいはその下部の頚髄に向けるようにイメージします。

 目を閉じて、自分の力を使わない圧刺激を感じていれば、上手な指圧師の指圧を受けてウトウトとしながら体の疲れがとれていく状態と同じです。

 どうでしょうか、眠気が覚めてきたのではないでしょうか。

 靴を脱いで、反対側の大腿の上に膝を曲げて下腿下部を乗せ、第2趾を母指と示指、中指でつまんで牽引しながら足を底屈+反対側の手で足の甲を手前にひねって足底を外に向けるようにする(足の外反をする)と、前脛骨筋のストレッチになるので、顔で行った胃経の刺激を足まで引っ張ってくることができます。

 立位で片方の足首を持って膝関節を最大屈曲する大腿四頭筋のストレッチも胃経のストレッチになるのでやっておくとよいでしょう。

 何故胃経なのか?

 運転中に眠くなると頭が下がってきますから、眠気で頭を下げた姿勢を圧迫で刺激きる経絡が胃経です。

 目の周囲の指圧で目の血行を促進すれば眼精疲労の回復にもつながります。

 アクセルに乗せた足が背屈に使われるのはスピードを落とす時や、ブレーキペダルに足を移す時など運転中には何度もありますから、胃経の前脛骨筋をしっかりとストレッチすることに意味があります。

 他にも反応点や経絡の引きつれ感があれば、そこにも力を使わない指圧を考えてみてください。

 大きな効果が発揮される時の自己指圧は、圧してはいるけれど自分の力は使わずに、誰かに圧してもらっているような感覚に包まれます。

 力を抜いて重力を利用すれば、自己指圧の間に体を休める睡眠をとっているのと同じ疲労回復効果が期待できます。

 

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2012年7月18日 (水)

寝たきりの方がエアコンで冷えを溜めれば痛みが増強する。

 梅雨が明けました。猛暑が続いています。

 80代、右大腿骨骨折の男性が退院して、久しぶりにお宅で指圧をしてきました。

 奥様の介護には限界があるので、今回は老人介護施設で3ヶ月の入院をしてきたようです。

 今後しばらくはデイケアやショートステイを取り入れながらの自宅介護になります。

 「マッサージはしないでください」と言われているようですが、その介護施設のケアマネージャーからは連絡をいただいたこともあり、奥様の認識も私の指圧は例外のようで、何より御本人の「センセイを呼んでくれ」が始まったようなので35℃越えの陽射しの中を指圧に出かけました。

 介護ベッドで横になっている部屋に入ると、寒いと感じるくらいにエアコンが効いています。

 6畳の部屋で27℃のエアコン設定、感覚的には我が家より10℃温度の低い軽井沢に降り立った時のようでした。

 熱中症対策にエアコンは必要ですが、寝てばかりいて使っていない筋肉は冷えを溜めて痛みを増強させているようでした。

 エアコンの温度を28℃に上げてみましたが、まだ涼しいくらいに感じました。

 入院中もたいしたリハビリはしていなかったようで、もちろん「マッサージはしないでください」の注意をされて退院してきていますから、まともなマッサージができる人材はその介護施設にいないのでしょう。

 皮膚の乾燥で痒みがあるようですが、顔はふっくらとしていて、以前より黒い髪の毛が増えているようです。

 電話をして指圧のセンセイが来るとわかったとたんにおとなしくなったようで、痩せて衰えたようにも見えず、下腿から触っていくとすぐに眠りました。

 左を下にした横臥位で寝ているので、下になる左足の甲がカサカサしています。

 背中に硬さがあり、右大腿の付け根、下前腸骨棘付近の大腿四頭筋の起始部が骨折の痛みの反射区となっているようです。

 このケースで「ツボを強く圧す指圧」や「スポーツマッサージ」のようなタッチ、「ドSストレッチ」のようなこと、あり得ません。どれも「使えねぇ」と言うしかありません。

 それをマッサージとして「マッサージをしないでください」と言うなら、適量刺激に調整していく『あるべきマッサージのかたち』は誤解されています。

 じゃあどこに寝たきりの方が安心して受けられるマッサージがあるのかといえば、『おまえがちょっとがんばっとけ』と大いなるものからのメッセージを受け取っているような気もします。

 しっかり当てて部位をとらえますが、私は圧し込みません、ねじりません。

 曲がったままの右膝だって、1時間かけて部位を移動してはまた戻って少しずつ、見ている人がいたらイライラするくらい徐々に伸ばしていきます。

 NHKの『ミラクルボディ』のボルト選手の回で、怪我を抱えているというハムストリングスへの容赦ない一気のストレッチには「オイオイ!」とテレビにつっこんだくらいですから。

 介護の方針は「寝かせておく、現状維持なら上出来」ということなのでしょう。

 私はこのケースで有効なのは「まともなセラピストの行うまともな指圧、マッサージ」だと思います。

 だって睡眠薬や鎮痛薬や抗不安薬が効かない人が、指圧で眠るんです。

 まだそんなに体は衰弱していないと思いました。

 冷房の効いた部屋でただ寝ているだけではやがて冷えを溜めて、痛みが増強することがあります。

 熱中症を避けるためにエアコンは必要ですが、痛がるようならタオルケットをもう一枚かけるなり、マッサージをするなり、冷えを溜めない工夫が必要です。

 動かしていない筋肉を他動的に動かせば、熱が発生し、血行促進にもなります。

 温かい手をあてて丁寧に体中の血行促進をすれば、使わずに曲がった膝の関節も少しずつ伸ばすことができます。

 くどいようですがこのケースで強い衝撃的なタッチや我慢を強いるストレッチなど必要ありません。

 患者様にタッチやストレッチと戦わせる必要などないのです。

 副交感神経が優位になり、体が温かくなって安心したのでしょう、眠っていただいたまま指圧を終えてお宅を後にしました。

 健康な方でもエアコンの冷えには注意が必要ですし、節電から冷たい飲食物に頼ってしまうと胃腸から冷えて、抹消の毛細血管が収縮して熱を放散しにくくなり、冷えを溜めます。

 喉ごしの冷たい快適さもエアコンと同様に「過ぎれば」気づかずないうちに体の不調の原因となります。

 肌や便通にあらわれる変化を見逃さないようにして、猛暑の季節にも免疫力を衰えさせないようにしていきたいものです。

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2012年7月17日 (火)

NHK『ミラクルボディ』第3回、爪先からの着地が疲労を軽減しマラソンの記録を更新する。

 NHK『ミラクルボディ』第3回は、マラソンのケニアやエチオピアの選手の強さを解明する内容でした。

 マラソンで2時間3分台の記録を持つケニアのパトリック・マカウ選手は幼い頃から日常的に山道を裸足で走っていたので、足に怪我をしないように『爪先からの着地』を身につけました。

 山道を裸足で走ることで、足趾を曲げる深部底屈筋群が子供の頃から強化され、足に怪我をしないために身につけたソフトな着地は、30kmを過ぎても乳酸の溜まりにくい省エネ走法になっているのです。

 血中濃度4ミリモルまで乳酸が溜まると疲労を感じるようになります。

 そして筋肉が収縮しにくくなり、タイムが落ちてきます。

 検査の結果、マカウ選手は爪先着地の省エネ走法で、ゴールまで乳酸値3ミリモル台を維持していることがわかりました。

 これからのマラソンは、爪先着地の省エネ走法が主流になってくることでしょう。

 マカウ選手は子供の頃からの山岳地域での生活やトレーニングで赤血球が濃く、しかもサラサラな血液だということですから、組織への酸素の供給に優れた血液の持ち主であると言えます。

 番組ではエチオピアのハイレ・ゲブレシラシエ選手の心臓を分析していましたが、血液を送り出す左心室の大きさが一般人と比べて1.6倍、左心室の筋肉量が1.3倍だということがわかりました。

 東アフリカのマラソン選手は高地トレーニングを常とするので、赤血球の量が多い上にトレーニングによって心臓が肥大して血液を送り出すポンプの力も強いのですから、筋肉には十分な酸素が行き渡り、疲労しにくいのです。

 酸素濃度の薄い高地でトレーニングをすると、必要量の酸素を得るために赤血球産生を促進するホルモンであるエリスロポエチン(主に腎臓で作られる)が増えるので血液中の赤血球が増加します。

 高地トレーニングで赤血球を増やして酸素供給量を増やすということは、すでに多くのマラソン選手が取り入れている練習法です。

 そしてこれからは爪先着地の走法がマラソン選手の根本的な発想転換となりそうです。

 逆に、健康ウォーキングでは、踵着地で筋肉をしっかりと使うということが、長距離の省エネ走法と対比してよくわかりました。

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2012年7月16日 (月)

NHK「ミラクルボディ」、体操・内村航平選手が技をイメージする時、脳の高次運動野が働いている。

 NHK総合テレビの特番「ミラクルボディ」は、ロンドンオリンピックで注目される選手の肉体の秘密を、最新の映像技術を使って科学的に解明する興味深い内容で目が離せません。

 第1回のウサイン・ボルト選手の回では、「脊柱側弯症のため歩幅に左右差が約20cmもあり、骨盤の前傾によってハムストリングス(大腿後側の膝の屈曲と股関節の伸展に働く大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)を使う時に強い負担がかかって怪我を抱えていること」などがわかりました。

 コーチは「ハムストリングスに大きな負担がかかる100mはやらせたくなかった」と語っていて、「選手の適正とリスクを把握している良いコーチだなぁ」と思いました。

 ボルト選手は脊柱側弯症からの影響で、スタート時に足を外側に蹴ってしまうこともタイム短縮のネックになっているようです。

 世界陸上でフライングをして失格になった原因は、少しでも速くスタートを切ろうとした焦りだったのでしょう。

 ロンドンオリンピックの100mでのボルト選手のスタートに、今から注目しています。

 昨夜の第2回「ミラクルボディ」は体操の内村航平選手を取り上げていました。

 (内村選手の横顔は、なでしこジャパンの澤選手に似てますねぇ。)

 内村選手が技のイメージトレーニングしている時の脳を調べると、高次運動野が活性化していることがわかりました。

 高次運動野は、運動部位に直接指令を出す中心前回の一次運動野の前に位置し、複雑な運動をする時や、実際に運動をしているように一人称でイメージできた時に活性化します。

 テレビの画面を視覚でとらえている時や、テレビを見るように外から第三者的に三人称でイメージしていては高次運動野は働きません。

 これはタッチにも言えることで、どこまで思い入れをこめて正解に近い感覚をイメージできるかということが、一人称のイメージにつながります。

 外から見たタッチをしている人の視覚的な映像をイメージするだけでは、まだまだタッチの正解からは遠いのです。

 内村選手の腕を使って姿勢を修正し両足同時に着地するテクニックも、なるほどと感心しました。

 着地は下半身だけの意識ではぶれるのです。

 指力の意識では指圧の垂直圧がずれるのと同じことです。

 『重力の感覚は「無意識の感覚」に属し、そのセンサーは耳石器だけではなく、筋肉や関節にもセンサーが存在する』と番組では説明していました。

 これは「重力とオトモダチになろう」と努力していけばわかってくると思います。

 内村選手の空中での優れたバランス感覚は、三半規管だけでなく、幼少時からトランポリンで視覚が鍛えられたことも大きいようです。

 成長期の五感の活性は、これからのスポーツ界、教育界の大きなテーマになってくると思います。

  「体操は楽しくなければ続かない」「絶対に理想の演技などできるわけがない」「答えがあると面白くない」これらの内村選手の言葉からは、だからその良さを楽しみながら理想を追求し、答えを求め続けようという現実的で前向きな姿勢がうかがえます。

 いいですねぇ。

 今夜の「ミラクルボディ」はアフリカのマラソン選手を取り上げるようです。

 鍛えて肥大した「スポーツ心臓」が映像で明らかにされることになると思うので、今から楽しみにしています。

 

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2012年7月15日 (日)

セントジョーンズワートの抗うつ作用を証明する「抗うつ薬」服用時の摂取の注意。

 お客様が「くすりの手帳」を見せてくれました。

 「くすりの手帳」から、現在の治療状況を知ることができました。

 薬の服用時の注意に、「セントジョーンズワートを含む製品は控える」とありました。

 精油のセントジョーンズワートですぐに思い浮かぶのは「抗うつ作用」です。

 抗うつ薬服用時に「セントジョーンズワートを含む製品」を摂取すると、抗うつ作用が増強する(ハイになる)ことがあります。

 セントジョーンズワートはハーブティなどの食品として摂取しても、抗うつ薬との併用に厚生労働省が注意を喚起するほど、抗うつ作用が期待できるハーブなのです。

 食品でさえ注意喚起されているのですから、アロマオイルトリートメントでセントジョーンズワート精油を使用する時には、抗うつ薬を服用中でないことを確認すべきです。

 また、関節痛などでセントジョーンズワート浸出油をキャリアオイルとして使用する時にも、抗うつ薬を服用していないことを確認すべきです。

 「くすりの手帳」の薬の変遷を読みこなせるようになると、病気の推移と現在の治療状況を知ることができます。

 服薬状況や服薬歴は問診の貴重なデータですから、服薬中の薬がわかったらカルテに書き込んで、後でその薬について調べるようにしていきましょう。

 「くすりの手帳」に記載されたデータを読み解いていくと、プロファイリングの貴重なデータに変換することができます。

 セントジョーンズワートは抗うつ薬だけでなく、抗HIV薬、免疫抑制薬、強心薬、気管支拡張薬、血液凝固防止薬、経口避妊薬、抗てんかん薬、抗不整脈薬などでも注意喚起されています。

 抗うつ薬以外のほとんどの薬では、セントジョーンズワートの摂取によってその作用が減弱されてしまいます。

 セロトニンを増やす抗うつ薬との併用では作用を増強させるので注意が必要なセントジョーンズワートが“脱法なんたら”に使われていたとしたら…。

 アロマ環境協会もセントジョーンズワート使用については、もっと注意喚起をする必要があるのではないかと「くすりの手帳」を見て思いました。

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2012年7月14日 (土)

運動で細胞内のミトコンドリアを増やしてアンチエイグ。

 人間は生物ですから命ある限り「生きている」ことを選択するのが自然です。

 人間は動物ですから動けるならば「動く」ことが自然です。

 人間の細胞は約60兆個で、一つの細胞の中には100~数千個のミトコンドリアがエネルギー供給の働きをしています。

 長寿には遺伝子が関係していることが最近の研究でわかり、その遺伝子の働きを活性化させてミトコンドリアを増殖させるのが「運動」だということもわかってきました。

 運動のように少し負荷をかけて脈拍を早くしていくとミトコンドリアは増えるようですから、幸せなときめきが頻繁に訪れる人や、発見の喜びが大きい人は長寿傾向にあるようです。

 指圧の先生は長寿の方が多いようです。

 指圧・マッサージは少し息が上がるくらいの運動になり、主訴のポイントやこりの原因を見つける喜びがあり、お客様に感謝していただいて嬉しくなってテンションが上がり、さらに喜んでいただこうと新しい知識を吸収する前向きな生活習慣をセラピストは続けていくことになります。

 アンチエイジングになる運動で大切なことは、「気持ちがいい」を続けていくことです。

 「身を粉にして」自分の体を傷めつけるようなマッサージをしていては、細胞が死んでいきます。

 指圧・マッサージやアロマオイルトリートメントをしていて「眠くなった」という講座の生徒さんがよくいますが、力が抜けていてそれはとても良いことなのです。

 「自分が気持ちよくないマッサージ」は力が入り過ぎていると思ってください。

 手関節の力は抜けていますか?

 指圧でも、マッサージの軽擦でも、手関節に力が入ってれば、それは触圧刺激のストッパーになります。

 手関節の最大背屈でできることが掌底打であったり、最大屈曲で拳を握ればボクシングができることからも、手関節に力を入れれば「殺法」になることはわかりますね。

 ミトコンドリアを増殖させて自分もお客様もアンチエイジングになるような施術をしてください。

 お客様にリラックスしていただきながらも、たるんだ筋肉には運動をさせるような刺激を与えて締めていく、これが「気持ちのいい幸せな時間」を作るのです。

 人間は生物だから生きていることがまず第一、人間は動物だから動けるならば動くことが第二、動けない方や、動かすことができない部位のある方には、指圧・マッサージがあります。

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2012年7月13日 (金)

「弱いタッチでも疲れしまう方はいます」、揉捏やストレッチなどの御質問にお答えして。

 山本さんの御質問にお答えします。

 ①ストレッチとエクササイズ(主動筋と拮抗筋の関係)

 肘を曲げる動きで考えると、主動筋は上腕二頭筋で、その反対側に肘を伸ばす拮抗筋の上腕三頭筋があります。

 二の腕がたるむのは「上腕三頭筋の使わな過ぎ」に原因があります。手作業は肘を曲げて手掌が下に向くのが常だからです。

 肘を曲げた状態が続いて上腕二頭筋がこった時には、①「上腕二頭筋のストレッチをする」ことを考えますが、②「上腕三頭筋のエクササイズをする」ことを意識すると、メンタル面でも前向きな感じがしてきますね。

 疲労した筋肉は「いじり過ぎる」と症状を悪化させてしまいます。

 また、いきなり衝撃的な強度でストレッチをすれば硬くなった筋繊維が引きちぎれたり、傷ついた神経繊維や毛細血管が断裂することがあります。

 疲労して硬くなった筋肉をストレッチするイメージではなく、その筋肉の拮抗筋に対してエクササイズをするイメージに変えてみると、主動筋をリラックスさせることができるので、効果的に主動筋の緊張を緩和することができます。

 こっている筋肉にタッチをしてこりを緩めるには、丁寧なアプローチで受け手がもの足りないと感じるくらいで終わりにしなければ適量刺激を超えてしまいますが、よく使っていないその拮抗筋へのアプローチなら多少強めの刺激で運動させるようなタッチができますし、その血行促進によって反対側の主動筋も血行促進されていきます。

② マルの形や前後に動かす揉捏は、やり過ぎたり、刺激が強過ぎれば、筋繊維を傷つけて必ず揉み返します。

 輪状揉捏、渦巻き状揉捏は筋繊維をねじることになるので、筋肉をしっかりととらえて密着をずらさないということが大切なテクニックです。

 しかしそれができていても、やり過ぎ、強過ぎで揉み返しになります。

 指圧でもやり過ぎたり、強過ぎれば揉み返します。

③ 体の弱い方は、弱い刺激の施術でも疲労させることになったり、筋肉痛になることがあります。

 体の弱い方は筋肉が弱く脆く、老廃物を排出する機能が衰えています。

 スポーツマンの鍛えた太い頑丈な筋肉なら、多少荒いタッチでも受けとめることができます。

 しかし弱い筋肉は運動能力、持久力が劣っているので早く疲れます。

 施術で血行促進されると老廃物や痛み物質が体を巡るので、体の弱い方は激しい運動をした後のように疲れることがあります。

 高齢者や体の弱い方には、くれぐれも丁寧に応対し、通常よりも弱い刺激のタッチと短い施術時間の設定を考えてください。

 「受け手が強いと感じるタッチは、自分がどんなに弱い刺激のつもりでも強過ぎる」のです。

 撫で肩で筋肉の細い方の肩こりに、タッチを足し続けていけば逆効果です。

 筋肉の太いスポーツマンと比べて触圧刺激の許容量はすぐに限界がくるので、普段から肩の筋肉のエクササイズをしていただくことを提案するのも生活の質の改善のために価値があります。

 軽い負荷のダンベル体操などを続けて筋肉が太くなってくると、肩が疲労していく時間を遅らせることができます。

 人間は動物ですからよく動きつづけるためには筋肉の質を良くしていく必要があり、ストレッチだけではなくエクササイズも必要です。

 施術による筋肉痛が揉み返しです。

 揉み返しは施術者のテクニックと見識に問題があり、施術によって筋肉痛になったとクレームがくるようなら、「やり過ぎ、強過ぎ、ねじっている」のです。

 私も完璧に適量刺激を合わせられるわけではありません。

 今日も一つ一つのタッチを丁寧に、丁寧に。

 

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2012年7月12日 (木)

「包丁は垂直に圧さない」、包丁の使い方と指圧。

 昨夜の「ためしてガッテン」は包丁の使い方がテーマでした。

 包丁をまな板に対して垂直に圧しつけて切ると、柔らかい食材の繊維は潰れてしまい、見た目が台無しになります。

 包丁の刃は曲線に見えても実はノコギリのようにギザギザしているので、圧しこむのではなく「前に押して切る、後ろに引いて切る」ことが、柔らかい食材を綺麗に切り分けるプロのテクニックなのだそうです。

 幅の狭い包丁の刃を垂直に圧しこむと食材の繊維が潰れてしまうということを、指圧に当てはめてみましょう。

 指紋部を立て気味に使って皮膚表面に狭く当てて指圧をする時は筋繊維が潰れてしまい、逆に指紋部を広く使って垂直圧をかければ「筋繊維を傷つけない」のです。

 「包丁は、前に押したり、後ろに引いたりしてこそよく切れる」、これを指圧に当てはめてみると、狭い指紋部の密着で皮膚を前や後ろにずらして圧して圧刺激の向かう方向が斜めにずれてしまうと、筋肉を傷つける揉み返しが起こります。

 ケーキを切り分ける時は「ケーキの直径より長い包丁を使って、刃先はケーキから出したまま、包丁の重さを利用して切るとケーキが綺麗に切れる」というプロのコツも紹介していました。

 「包丁の重さを利用して」「意外と圧さない」のがコツ、これは指圧にも当てはまります。

 指圧も「意外と圧さない」のがプロのコツです。

 手首から先の重さで、肩から先の重さで、体幹の重さで、利用できる重さを計算に入れてちゃんと使っていれば、圧し込まないほうが綺麗な圧刺激になります。

 「指圧は芸術である」、料理のプロやアーティスト、アスリートの極意がそのまま指圧に活かせることからも、タッチだけではない様々な分野のトップレベルと共通する真理を感じることができるのが指圧です。

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2012年7月11日 (水)

マイコプラズマ肺炎後のむくみとだるさ。

 30代女性、咳が続きマイコプラズマ肺炎と診断されて、抗生物質による治療を受けました。

 マイコプラズマ肺炎は治りましたが、だるくて体が本調子ではない状態です。

 触診では、頭部を除く全身がむくんでいます。

 御本人によると「昨夜はふくらはぎの一番太いところと足首が同じ太さだった」ということでした。

 『…んなばかな…』とは一概に言えないもので、さすがに触診ではそこまでのことはありませんでしたが、それほどまでに血液の還りが悪くて不快であることを察して指圧を始めます。

 色白で水太りタイプですから、東洋医学ではまず腎の問題を考えます。

 肺と腎は、肺が腎の働きを助ける相生関係にありますから、肺を病むということは腎の働きも衰えると考えることもできます。

 「肺は皮毛をつかさどる」ので、肺が病むと呼吸によって食物から得た栄養を「皮毛」に巡らせることができず、皮膚の潤いがなくなったり、皮下に浮腫があらわれたりします。

 尿を作ることでその浮腫を排出するのが腎です。

 肺機能が活発であれば腎機能も活発に働きますが、マイコプラズマ肺炎から腎機能も衰えたままの状態にあるようです。

 肩から肺の裏側の肩甲間部、そして腰まで、咳や肺炎の影響で硬くなっていました。

 しかしそれだけではなく、背部から上肢にはむくみもありました。

 また臀部から下腿までは「とてもむくんでいました」。

 こういう時のタッチで大事なのは、母指で圧す時も「手掌と四指で広い面に圧をかけていくこと」です。

 重ね母指で圧す時も、大半は手掌と四指を皮膚表面に密着させて軽擦のようにむくみを流していきます。

 いつも言いますが、遠心性の指圧でも圧をかけて筋肉が収縮すればむくみは還っていきますから、求心性の施術でむくみを還さなければいけないということはありません。

 緩んできたら母指を起こしていけばいいので、こっている時ほど手掌を密着させた軽い刺激が適量になります。

 下半身はむくみだけでしたから、軽擦のように手掌を密着させた指圧でむくみを流していきます。

 大腿は伏臥位も仰臥位も、中央、外側、内側と両手掌を3つの部位に分けて、しっかりと密着させてむくみを流していきます。

 下腿もひどくむくんでいる場合や太い(失礼!)場合には、内側・外側と分けてタッチをしていきます。

 手掌でむくみを包み込むように移動させていけば、必ずむくみは還ります(流れます)。

 伏臥位で足までの指圧をした後に、膝屈曲90°で足の両側を手掌ではさんで上下に揺さぶるコンディショニングを行います。

 足のコンディショニングは、足の内反と外反が繰り返されるので、後脛骨筋につながる足内側から下腿内側の刺激にもなり、足が高くなっているのでむくみを還す他動運動になります。

 膝最大屈曲で股関節を後方挙上(伸展)させる大腿四頭筋のストレッチや、膝伸展で股関節を後方挙上させ股関節の内回し、外回しをする腸腰筋のストレッチを加えていけば足が高くなることもありますから、鼡径部から血液やリンパが還っていきます。

 仰臥位の指圧ではむくみ解消の質問をされた時に「歩く時に股関節の後ろの幅を大きくしてしっかりと爪先立つこと」や「バレリーナの爪先立ち」の話をしたのですが、しばらく静かだった後に「すいません、寝てました」だって…。

 まるで話がくどくて眠られてしまってスベッタようになってしまいましたが、今週のオモシロ話です。

 全身指圧後トイレに行った後、「足首がある!」とシミジミと長い時間立ったまま体幹を前屈させて見ていたのも嬉しい印象的なポーズでした。

 

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2012年7月10日 (火)

足を外反・背屈する「第3腓骨筋」(足を内反・底屈する後脛骨筋の拮抗筋)。

 下腿後面の骨間膜から足の内側に停止し足を内反・底屈する「後脛骨筋」は、足のアーチを維持する筋肉であるにもかかわらず、十分に使えていないことが多い筋肉なので、指圧・マッサージでは血行促進のポイントとなります。

 後脛骨筋の拮抗筋が「第3腓骨筋」です。

 「第3腓骨筋」は腓骨前面などから起始する「長指伸筋」から足関節前面中央付近で分岐して第5中足骨底に停止します。

 「第3腓骨筋」は、足関節中央から斜め外側に足の甲を横断して第5趾延長線上に伸びる短い筋肉です。

 「長指伸筋」は、第2趾~第5趾を伸展し(上に持ち上げる)足を背屈させ、「第3腓骨筋」は足を外反・背屈させます。

 「足内側中央から内踝外周を回ってふくらはぎの内側を上行する後脛骨筋の求心性マッサージ」の効果をさらに上げるためには、「足外側の第5中足骨底(中足骨の近位・足関節寄り)から足関節中央に向かう第3腓骨筋の求心性マッサージ」で拮抗筋にも血行促進をはかるようにします。

 サッカーのインサイドキックの動きをまねたエクササイズで、股関節を外転させて振りかぶった時、その勢いで足関節を外反+背屈させれば「第3腓骨筋」が使われて反動が増し、股関節の内転でボールを蹴る時の動きで足関節を内反+底屈させれば「後脛骨筋」が使われます。

 足のマッサージは、「反射区で考える」ことも「ツボで考える」こともあります。

 しかし基本はあくまでも筋肉の起始・停止と筋肉の作用を理解して、一つ一つの筋肉をしっかりととらえることです。

 エクササイズとストレッチを理解するために、一つの筋肉について勉強する時には、その拮抗筋についても勉強してください。

 足のマッサージをする人はたくさんいますが、第3腓骨筋が長指伸筋の分束だと言える人は少ないと思います。

 反射区やツボの反応は、その作用が得られる臓器や部位までの様々な拘束がそのままであれば弱まります。

 大雑把に1対1の反応を信じてよしとするのか、一つ一つの障害を丁寧に取り除いてリラックスさせていくのか、それが施術でよいのか、セラピーがしたいのかの違いです。

 それにしても“長「指」伸筋”と解剖学の教科書にあるのはどうしても変な感じです。

 足ゆびが手編だなんて。“長「趾」伸筋”を使って困ることはないでしょうに。

 

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2012年7月 9日 (月)

四指を反対側の後頚部にあて、頚をいろいろな方向に軽く動かして圧刺激のバリエーションを感じるための自己指圧。

 指圧は、筋肉を伸展させながら圧すこともできますし、筋肉を収縮させて圧すこともできます。

 代表的なのが伏臥位、僧帽筋の指圧の時、僧帽筋は肩を挙上する筋肉ですから、被術者が上肢を体側に沿って下げていれば筋肉は伸展の状態、被術者が肘屈曲で指先を頭部を向けていれば筋肉は(比較的に)収縮している状態になります。

 一般的に肩の緊張状態が強ければ、被術者は上肢を下げたほうが指圧を受けやすく、猫背の状態が強い時も、伏臥位では上肢を下げたほうが猫背を矯正する姿勢を強要することにならないので被術者は楽です。

 僧帽筋の自己指圧で、指で圧さない感覚を練習してみましょう。

 (曲げた肘が肋骨弓の前にくるように)四指を体幹の前面から反対側の肩上部に当てて、「指では圧しこまず当てただけの状態で、肩を下げます」。

 指を当てた部位の僧帽筋は、ストレッチされる時に「等尺性収縮」の状態で圧がかかります。

 指を当てだけでは肩を上に上げたほうが圧がかからない感覚も確認してください。

 (ちなみにこの状態で肘を肋骨弓に押し付けるようにすることで、肩上部の四指から圧をかけることもできます)

 微妙な圧刺激の方向性やタッチの力加減を得るために、後頚部でも練習してみましょう。

 反対側の後頚部に後ろから肘を曲げて四指を当てます。

 小指が“天柱”のあたりにくるようにして、示指が下になり、母指ははずします。

 肩関節の外転~内転(腋が開き肘が遠ざかる~腋が閉まり肘が目の前に来る)の繰り返しで後頚部を圧すこともできます。

 しかしここでは肩関節の動きは使わずに、頚部の前屈・後屈・回旋・側屈の組み合わせのバリエーションだけで微妙に圧が変わることを感じてください。

 右四指を左後頚部に当てた時には、ゆっくりと斜め右下に向かって頭頚部を前屈+回旋してみてください。必ず息を吐きながら行います。

 筋肉が盛り上がってきて、圧がかかるのを感じると思います。

 頚を前に倒しても回旋をプラスすれば筋肉が離れていくのではなく、指を当てている部分の筋肉が収縮して盛り上がり、むしろ指に近づいてきます。

 そのままゆっくりと元の位置に頚を戻す時にも前屈+回旋とは違った圧がかかります。

 今度はそのまま軽く頭頚部を前屈させてから左に側屈して圧がかかるのを感じてください。

 同じようにゆっくりと元の位置に戻します。

 頭頚部を起こして真っ直ぐの位置では、側屈で圧がかかってこないことも確認してみましょう。

 後頚部の筋肉は頭部を支え後屈させる筋肉なのですが、「圧をかける時には前屈気味のほうがよい」、こんなことからも猫背で頭の重さが後頚部にかかって緊張状態が続くと、こってくることがわかると思います。

 指で圧し込まなくても十分な圧刺激が得られることを感じられたでしょうか?

 これは伏臥位、臀部外側、梨状筋の指圧で、母指指紋部を当てただけにして膝屈曲90°で足首を持って股関節の外旋+内旋の繰り返しで圧すこととも同じです。

 指のほうに体を近づけてくれば、力ずくで圧し込まなくても安定した密着によって素晴らしい垂直圧がかかります。

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2012年7月 8日 (日)

つまづいた時に姿勢反射で体を立て直すような意識的な力の抜けた筋肉の使い方。

 NHK BSの古田敦也さんが司会をつとめる「スポーツ・トライアングル」でバドミントンの佐々木翔選手を知りました。

 佐々木選手は、2年間に渡って「つまづいた時の姿勢反射のような意識的な力の抜けた筋肉の使い方」のトレーニングを行い、世界のトップレベルの選手に勝てるまでになったようです。

 無駄な力が入っていればスタートの一歩が遅れたり、コントロールが悪くなったり、体力の消耗が早くなって、試合の後半では実力が出せないというような残念なことになってしまいます。

 佐々木選手のスマッシュのポイントは「仙骨から打つこと」だそうです。

 佐々木選手は仙骨が脊柱起立筋の起始であることを理解していないようでしたが、ラケットを振りかぶって背中を反らせた反動でスマッシュを打つのですから、背中を反らせるのに脊柱起立筋の起始である仙骨から使えば一番大きなしなりが生まれるので強いスマッシュを打つことができます。

 「脊柱のしなり+肩関節の振り子運動+手首のスナップ」を無駄な力を抜いて連動させることができれば、強烈なスマッシュを打つことができ、しかも疲れにくいプレーを続けることができます。

 腕を振る時に肘の力は使っていないとも語ってました。

 肩関節の回転と手首のスナップを最大限に活かして大きなしなりを生み出すためには、肘関節は遠心力にまかせてしまったほうが連携が取れやすそうなので、納得です。

 また、番組の中で古田さんが元広島カープの北別府学さんから聞いたというコントロールの秘訣を語っていました。

 北別府さんはコントロールの優れた右投げの投手でした。北別府さんのボールをコントロールするコツは「左肩を投げようとするコースに向ける」ことだそうです。

 姿勢反射のような力の抜けた体の使い方と、左肩のリードでボールをコントロールすること、これらは指圧のコツにも近い体の使い方です。

 伏臥位で、肩甲下部の「左脊柱起立筋」を指圧するとしてみましょう。

 肩甲下部の脊柱起立筋を骨盤の際まで10点圧す時の腰椎下部の8点目付近は指紋部をそのまま垂直に着地できる部位ですから、そのあたりの指圧でイメージしてみてください。

 左背部の指圧では、施術者の左足が前に、右足が後ろに位置しています。

 「左半身の力は必要ありません。」

 「右母指が下の重ね母指の指圧」での左半身の役割は、自分の体幹の中心(正中線)の延長線上に右母指を位置させ、その上に左母指を乗せて体幹が正対できるように、わずかに右に上半身を向けることです。

 「左母指で右母指を圧すことはしません。」

 右母指の1点に体重移動をするための目的で、左母指を正中線の延長線上で右母指の上に重ねます。

 体重移動を母指の1点で安定して支えるために、両腕を体幹の中心に寄せてプッシュアップをするイメージで体を使います。

 後ろにある右膝を右母指に向けて体重を移動していくことで、垂直圧が完成します。

 北別府さんが左肩でボールコントロールの照準を合わせるように、指圧は正中線で照準を合わせ、右足にあった体重の支えを右膝のリードで右母指に移していくことで垂直圧をコントロールします。

 「右母指も圧しません。」

 右母指で被術者の背中や腰に乗っている感覚でこそ、垂直方向に圧が向かいます。

 指圧はスマッシュの動きではありませんが、仙骨から背中を起こすことができていれば、力の抜けた体の使い方で指力ではできない垂直圧を作ることができます。

 無駄な指力があれば垂直圧はねじれます。

 肘を曲げて指力で圧すのではなく、肘を伸ばして「崖の上に立つライオン」のイメージで、自分の力は抜いて徐々に体重移動をしていくと、「重力をオトモダチにした」垂直圧になります。

 伸ばしている肘をさらにしっかりと伸ばして背中を起こすことで体重移動をします。

 バドミントンの佐々木選手の体の使い方や、北別府さんのコントロールのコツが、指圧のコツとも似ているなぁと思ったので、いつも言っていることではありますが書いてみました。

 100回考えて、1000回やってみて、自分のものになるかといえば、なかなかそうもいかないと思いますが、一生、このことだけをテーマにしても十分に遊べますから、わかってくると面白いですから、あれこれやってみてください。

 流し打ちのようにアウトステップしてミートポイントを後ろにずらして圧すこともできるので、必ずしも正中線で照準を合わせなければいけないかというとそうでもありませんが、まずは基本的なことをできるようにしておきましょう。

 誰でも続けていけば触圧覚が発達し、自分の体の使い方に新発見が生まれ、指圧・マッサージは必ず上達します。

 力を抜いて大きな力を集めるためには、指で圧すという先入観は捨ててください。

 

 

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2012年7月 7日 (土)

1回の指圧で肝の硬さと口臭が消え不眠が改善、しかし胃痛が浮かび上がってきた女性。

 先週指圧をした60代の女性、肝の硬さや口臭、青黒い顔色、むくみなど、気になることがたくさんありました。

 指圧をした日の夜は睡眠薬なしでよく眠れたそうで、それから睡眠薬は飲んでいないということです。

 化粧の加減もあるかもしれませんが、顔色が良くなりました。

 前回の指圧は夕方、今回は午前中という違いもありますが、臀部から大腿外側にあったむくみも、気になるレベルではなくなっています。

 ウォーキングを始めたということで、1回の指圧が生活改善のきっかけになったのは嬉しいことです。

 首の右側方偏移と肩こり、背部のこりは今回もあります。

 背中から腰も、頚椎からつながるように右にずれています。脊柱がカーブを描く側弯ではなく、右から左下へ向かう斜めの直線でずれています。

 口臭を感じなかったのは意外でした。

 普通、中高年の方で口臭が強い場合は慢性疾患があって、マウスウォッシュなどのデオドラント商品を使っても臭いは消えないものなのですが…。

 鼡径部でも橈骨動脈でも、脈がとれるようになりました。

 左前腕外側の肘に近い部位(三焦経)の指圧で痛みを感じたようです。これは腹部の指圧での胃の痛みと結びついてきます。

 前回にあった右肋骨弓に沿った肝の硬さはほとんど感じられなくなりましたが、上腹部中央には手掌を置いただけで顔をしかめました。

 三焦経の真ん中、中焦は胃です。

 病証は太陽病(小腸経・膀胱経)→少陽病(三焦経・胆経)→陽明病(大腸経・胃経)→厥陰病(心包経・肝経)と進行して重篤になっていくと東洋医学では考えます。

 B型肝炎の病歴もあって、前回は厥陰病の肝の病態を感じていましたが、少陽病の三焦経の病態にまで回復したと考えていいかもしれません。

 あるいは前回の臀部外側から下肢外側のむくみと肋骨弓に沿った硬さを胆経の問題と考えて、少陽病の病証が続いていると考えることもできます。

 胃経に沿った指圧での圧痛の訴えはなく、三焦経の指圧で圧痛の訴えがあったことから、陽明病である胃経の問題というよりは、少陽病である三焦経の問題として上腹部痛を考えることにしました。

 上腹部痛ではありますが急性か急性に近いもので、進行した重篤な胃の病気ではないと診ました。

 首の傾きによって右肩の緊張が強いのですが、左の肩こりもあります。

 パソコンの他に趣味で洋裁をするということですから、右手の使い過ぎと左手の使わな過ぎのバランスにも問題がありそうです。

 指圧中の会話の内容から、繊細な感性を持った方であるという印象が強くなってきました。

 体の状態も前回の肝機能障害のイメージから、今回は「神経性胃炎」のイメージに変わっています。

 胃炎でも口臭を感じそうなものですが、ローズカプセルかシャンピニオンエキスカプセルでも飲んできたのでしょうか?

 最後に脊柱の歪みに対してストレッチポールを使ったストレッチをしました。

 円筒形のストレッチポールの上に背中で乗っていただき、おなかを手掌で圧しながら、上肢を片側ずつ90°と180°で伸展牽引し、その時に腹式呼吸をしていただきます。

 脊柱の歪みは簡単には矯正できない長年の積み重ねによるものですが、1回目の指圧の効果を考えれば、徐々にズレを直していけるのではないかと考えています。

 

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2012年7月 6日 (金)

腰のメンテナンス。

 昨日の飯能、生活の木、薬草香園のアロマ指圧講座は「腰のメンテナンス」がテーマでした。

 「伏臥位で腰を圧しても、圧しているのは腸腰筋(大腰筋)ではない」、まずこれがわかっていないと話になりません。

 お辞儀をする、または大腿を挙上することで腰痛が確認できれば、それは腸腰筋に原因があると考えられます。

 猫背と長時間の座位は、お辞儀と大腿挙上を続けているようなものなので腸腰筋が収縮し疲労します。

 背中側から腰部脊柱起立筋を圧すことは腰椎を正常な前弯の状態に近づけることができますし、腰部の血行促進になりますが、脊柱のおなか側についている腸腰筋に直に触れているわけではありません。

 腰痛には強い圧ではなく、「腸腰筋に届くような持続による深い圧刺激をすること」、これは「解剖学的なタッチ」を考える時の一つの典型になりますから、しっかりと自分のものにしてください。

 ぎっくり腰のような急性腰痛ではお辞儀をする腸腰筋を使わないようにして、その代わりに腹筋を使って体幹前傾の動作をします。

 急性腰痛では伏臥位になりにくので、仰臥位で腹部の手掌圧から始めます。

 腹筋の緊張を緩めるとともに、脊柱よりおなか側にある腸腰筋に届くような持続による深い手掌圧をします。

 伏臥位では、軽く圧して痛みの強い部位は触れる程度にしてはずしていきます。

 殿部の仙骨前面から大腿骨大転子へ停止する梨状筋を膝屈曲で股関節の外旋位でとらえて、足関節を揺さぶって股関節の内旋+外旋で圧すと、指力に頼らず坐骨神経をとらえることができます。

 坐骨結節と大腿後側の際を、坐骨結節の方向に(頭部に向かって)圧し込んでから圧し下げるという圧し方も、坐骨神経をとらえるテクニックです。

 大腿後側中央部を真っ直ぐ下りていく坐骨神経~脛骨神経のラインと、大腿後側の外側から下腿前側に向かう総腓骨神経のラインはまさに“圧さえておきたい”ポイントです。

 足まで指圧をしたら、最終的には伏臥位下肢伸展挙上+股関節の外旋・内旋で腸腰筋のストレッチ(=大殿筋のエクササイズ)が目的です。

 下肢伸展挙上では伏臥位でも牽引することで、大腿骨小転子に起始する大腰筋のストレッチはより効いてきます。そのまま足首を持って微振動を加えることも効果的です。

 アロマオイルマッサージでは、カモマイル・ローマンとジュニパー+スイートアーモンドオイル1%濃度のブレンドオイルで鎮静とむくみの排除による坐骨神経を介した腰痛の緩和の実技をしました。

 仰臥位でわずかに膝を曲げて外側に倒し、片手で足を底屈+内反させ、後脛骨筋収縮の状態で内踝からアキレス腱、下腿内側、膝、と軽擦していくと、効率の良いむくみの解消ができ、足首が細くなります。

 もちろんこのラインは坐骨神経の延長の脛骨神経に沿った軽擦になるので、第4腰神経から第3仙骨神経の出口付近の腰部、仙骨部へと伝わる刺激となります。

 腰を良い状態に保つには腰だけ圧して終わりではないということが一番のポイントです。

 インド音楽風のBGMを作っていって流してきましたが、ここにも仕掛けがあって、大きなリズムの流れは1分間に50拍、細かいリズムの刻みは1分間に100拍で、被術者の脈拍をゆったりさせるタイミングを持ちながらも施術者には動作を次につなげやすくしたつもりです。

 施術者が動きやすいマッサージミュージックは作り続けていこうと思っています。

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2012年7月 5日 (木)

スミス&ウェッソン社など武器製造メーカーのボールペン、万年筆は武器とされて税関で止められている。

 「スミス&ウェッソン社のボールペンは武器である」とされて、筆記具として輸入されたものが税関で止められているそうです。

 他の武器メーカーのボールペンや万年筆も同じ理由で税関で止められているようです。

 スミス&ウエッソン社のボールペンはアルミ二ウムやステンレスを使っているのでボディが硬く、先端には尖ったキャップが付いているので、いざとなれば護身具として使うこともできます。

 指圧棒だって、使い方によっては治療具にも凶器にもなります。

 心あるセラピストが使えば、スミス&ウエッソン社のリボルバー(回転式拳銃)でも、ちょうど良い指圧棒になります。

 事件のニュースでよく登場する『バールのようなものでこじあけられて…』の“バールのようなもの”だって、鉄の棒なんだか、何を使ったんだかわからないわけで…。

 指圧棒で突いたのか、スミス&ウェッソン社のボールペンで突いたのかわからない事件が起きたとしても、それは指圧棒やボールペンを凶器として使うヤカラに問題があります。

 傘の先端で目に怪我をさせてしまう事故は何度も起きていますし、杖の中には突くと武器になるものだって、仕込み杖だってあります。

 デザインがかっこ良くて護身用にもなるボールペンなら一つ欲しいくらいです。

 もしも手に入ったら、それでツボを柔らかく圧してみたいと思います。

 指圧棒で馬鹿力で圧して青痣を作るのは使い手に問題があるんです。

 痛がらせて喜んでいるのはセラピストではなくテロリストです。

 武器と言われる先端が鋭利な硬いボールペンだって、羽根のように使う(工夫をする)のがセラピストです。

 皮膚に当たる接地面積が狭ければ、指でも怪我をさせることがあるのです。

 物質に重量を与えるヒッグス粒子も見つかったようですし、活法と殺法を分けるものは何か考えてみてください。

 重量、スピード、硬さ、接地面積の狭さ、これらが極端になれば殺法になります。

 軽く、ゆったりと、柔らかく、広く当てれば、活法になります。

 スミス&ウェッソン社のボールペンを横に使って転がせば、活法になります。

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2012年7月 4日 (水)

後脛骨筋のエクササイズで足のアーチを保ち足首を細くする。

 足のアーチが崩れて偏平足になると、タコや魚の目、巻き爪の他、運動量が減って冷えやむくみ、腰痛、巡り巡って全身性の疾患にまで影響を及ぼします。

 足の内側のアーチは、「後脛骨筋」によって保たれています。

 後脛骨筋は下腿後部の下腿骨間膜に起始し、土踏まず内側上部の舟状骨とその前方の内側楔状骨に停止します。

 後脛骨筋の働きは、足を底屈、内反させることです(足の底屈は爪先を下に向けること、足の内反は足関節を外側にひねって足の内側を浮かせる(立位なら足の外側で体重を支える)ことです)。

 後脛骨筋のエクササイズは椅子に座って下腿下部を反対側の大腿に乗せ、足を底屈させてから、足底が見えるように足関節を内反させます。

 足を底屈+内反させる動作といえばクラッシックバレーくらいですから、手を使わずに足をこのように動かす感覚はつかみにくい方が多いと思います。

 足関節をリラックスさせた軽い底屈位から、「フッ!」と強く力を入れてしっかりと底屈させ、その勢いで内反のひねりを加えるとよいでしょう。

 10回連続して行えば、かなり効いている感じがしてくると思います。

 そしてこれをとてもキツイ運動だと感じることでしょう。普段しない運動ですから、キツイと感じた方は後脛骨筋が弱くなっていて足のアーチが崩れているか、崩れかけていて足の老化が始まっています。

 足を底屈+内反させて後脛骨筋を収縮させれば、下腿内側から足関節内側のむくみやすい部分の血行促進になって、「足首が細くなり」、冷えやむくみが解消し、足のアーチが復活します。

 同じように足背屈位で内反させれば、下腿前側の前脛骨筋のエクササイズになります。

 立位でも、両方の爪先を内側に向けて足を内反させれば後脛骨筋の、爪先を外側に向けて足を内反させれば前脛骨筋のエクササイズになります。

 立位の縦軸を、後脛骨筋ではやや後ろに反らせ、前脛骨筋ではやや前傾させると、下腿の筋肉が収縮して効いている感覚がわかりやすいです。

 立位では壁やテーブルに手をついて、無理な内反はしないでください。内反捻挫をしたら大変です。

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2012年7月 3日 (火)

埼玉医大肥満専門外来、朝食をマイクロダイエットにして5kg減量した女性。

 埼玉医大の肥満専門外来で夕食をマイクロダイエットにするようにと処方された女性、夜は家族と食事をしたいからと朝食にマイクロダイエットのプロテインを飲んで5kg痩せたそうです。

 埼玉医大の肥満専門外来は「内分泌 糖尿病 代謝」の診療科に属しているので、生活習慣病のハイリスクが指摘されている人が対象になりますから、ちょっと太めくらいの女性では相手にしていただけないと思います。

 担当の先生は一人なので、肥満外来は予約制で、大変込むそうです。

 マイクロダイエットが処方されれば、市販の半額で購入できるようです。

 マイクロダイエットの広告の動画では500以上の専門機関で研究されているとありますから、埼玉医大もその一つなのでしょう。

 保険診療にはなっていないようですが、研究のために会社がマイクロダイエットを半額で提供しているということのようです。

 マイクロダイエットは1食170kcalで、50種類の栄養素を含んでいます。

 カロリーを制限するとどうしても栄養素が足りなくなるのですが、イギリス サリー大学の栄養学博士ジャクリーヌ・ストゥーディ女史の研究チームが1983年に開発したというマイクロダイエットは、低カロリー・高タンパクで豊富な栄養素を含んでいます。

 脂肪を1kg減らすのに7000kcal減量する必要があり、マイクロダイエットを食事に置き換えれば1日マイナス1000kcal×7日で体重(脂肪)1kg減を目指しやすい設定になっています。

 (脂肪1gは9.3kcalのエネルギーになりますから、9300kcal減らさなければ脂肪1kgは減らないことになりますが、成人女性で1日の基礎代謝が1200kcal、成人男性で基礎代謝が1500kcalありますから、基礎代謝を低下させないこと、運動をすることでもっと痩せそうです。

 基礎代謝を低下させるのは睡眠、飢餓、低体温ですから、眠り過ぎ、食べないダイエット、冷え症は太るということですね。)

 普通食を500kcalにおさえることがコツのようで、2食をマイクロダイエットに置き換えれば1日の摂取カロリーが840kcalで、1食はタンメンくらいのカロリーなら食べることができます。

 味が10種類くらいあって以前のプロテインと比べると美味しいそうです。

 5kg減量できても頚と肩が痛い、腰が痛い、膝が痛い、右足底が痛いということで指圧にいらっしゃいました。5kgの減量ではまだまだ体重の負荷が大きいようです。

 指圧+ストレッチ+徒手牽引で痛みは治まりましたが、やがてまた体重の負荷が腰から、膝、足底へとかかり、坐骨神経に沿ったしびれをもたらします。

 先生の処方どおり夕食をマイクロダイエットに置き換えたほうが痩せるでしょうと申しあげましたが、さてできるかどうか…。

 以前、若い頃のアイドル歌手のような写真を見せていただきましたが(その時はどういうセクハラなんだと思いましたが…)、大事にその写真を持ち歩いているなら痩せたい願望も強いはずですから、きっと腰や膝が楽になるくらいのダイエットに成功するでしょう。

 マイクロダイエット、値段が高いだけによくできています。そして肥満外来で処方されれば半額で買えるんですね!

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2012年7月 2日 (月)

60代女性、主訴は右肩こり、肝の硬さ、口臭、顔色の青黒さと骨盤から下肢外側のむくみが気になった症例。

 60代女性、主訴は右肩こりです。

 顔が正面を向いたまま首が右にずれています(首の右側方偏移:インドやアラブの踊りの首の動きを想像していただければ)。

 頬の肝班が青黒いのも気になります。

 「眼が疲れませんか?」と聞いてみました。

 東洋医学を勉強していればこの質問の意図はわかりますね。

 「右肩こり、五色の青、眼」の症状が示す臓器は肝です。

 仕事でパソコンを使う時間が多いようですが、自覚的な眼の疲れはないとのこと。

 しかし30代でB型肝炎を患ったことがあるということでした。

 抗体ができ、治癒とされているそうですが、その後の継続的な肝機能の検査はしてこなかったようです。

 眠れないので睡眠薬を服用中とのことですが、抗高脂血症薬や降圧薬は処方されていないとのことでした。

 口臭も気になりました。

 「ケトン臭、アセトン臭、ねずみのオシッコのような臭い」とまではいかないのですが、健康的な口臭ではなく、癌患者の方の口臭の記憶が蘇りました。

 伏臥位から指圧を始めます。

 撫で肩で首が細く長いので肩がこります。筋肉が細いので、首、肩はパソコン作業ですぐにこってしまいそうです。

 パソコンのマウス操作で右腋窩を詰めていることが多く、右橈骨動脈の脈は弱く、腋窩の肩甲下筋を圧すと震えて目を強くつぶるくらいの痛みがあったようです。

 右肩から右骨盤までの背部には強い筋緊張がありました。

 下半身はひどくむくんでいます。

 下半身の太さを通常とするならば、上半身は現在の倍の大きさでないと釣り合わないくらいのむくみです。

 足には冷えを感じず、下腿外側に冷えを感じるということなので、鼡径部から足関節までの間に詰まりがありそうです。

 仰臥位ではやはり両鼡径動脈の脈が非常に弱く、臀部外側から大腿外側がひどくむくんでいることがとても気になりました。

 腹部の指圧では右上腹部の「肝」が明らかに硬く、腹部の指圧のファーストタッチでは痛みを感じたようです。

 「おなかに静脈が浮いているということはありませんか?」と聞いてみましたが、それはないとのことでした。

 おなかの怒張した静脈は「メドゥーサの頭」、肝硬変や肝臓癌の時に姿を現します。

 全身指圧後、「とても気持ちよかった」とのことですが、首の右側方偏移は簡単には治りませんでした。

 そして5日後の予約をいただきました。

 B型肝炎は抗体ができて治っていても、その後に脂肪肝なっているかもしれず、下半身のむくみが夜勤明けの看護師さん以上だったことが気になります。

 肝班と肝臓は直接関係ないにしても、肝臓の栄養処理能力が追いつかなくて下肢がむくんでいるというようなことでなければよいのですが…。

 運動不足のようなので、ウォーキングのアドバイスをさせていただきました。

 「右肩こり、口臭、顔色の青黒さ、下半身の尋常ではないむくみ」で肝の病が気になる症例です。

 次回の変化を注意深く見ていきたいと思います。

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2012年7月 1日 (日)

歯磨きで右肘が痛い→円回内筋に問題あり。

 50代男性、歯を磨く時に右肘が痛いとのこと、部位は肘窩中央よりやや尺骨寄りから前腕近位部(肘の近く)です。

 御本人は腱鞘炎のようだとのことですが、その位置なら円回内筋か上腕筋の痛みのようです。

 円回内筋は上腕骨前面下端内側の内側上顆に起始し、尺骨をまたいで斜め下方の橈骨上部、円回内筋粗面に停止します。作用は前腕の回内と屈曲です。

 上腕筋は上腕骨前面下部に起始し、尺骨上端の尺骨粗面に停止します。作用は前腕の屈曲です。

 上腕骨から尺骨へと真っ直ぐに伸びる上腕筋の上を、円回内筋は斜めに横切ります。

 歯磨きは、肘を曲げて前腕を中間位から回内させ、細かい回内とその戻しの動きを繰り返して、歯ブラシを動かします。

 前腕の屈曲と回内が歯磨きの動作です。

 どうやら円回内筋に問題がありそうです。

 さて、どうして円回内筋を傷めたか?

 この男性は剣道とゴルフをします。

 竹刀を持つ時には手首を絞るように構え、ゴルフのグリップも同じように手首を絞って構えます。

 この雑巾絞りのような構えが前腕の回内です。

 上肢の筋肉がよく発達していますから、使い過ぎで円回内筋と上腕筋の交差する部位で肘関節の刺激もあって炎症が起こっているようです。

 右肘の関節運動でただ前腕の屈曲だけでは痛みが再現されず、前腕の屈曲+前腕の回内で痛みが再現されました。

 円回内筋の問題であれば肘窩から前腕上部は腱ではなく筋肉です。

 筋肉の使い過ぎですから、安静にして円回内筋を休ませてあげることがまず第一の治療法です。

 上肢内側は屈筋が集まっていますが、このケースでは肘や手首を曲げて傷めたのではなく、前腕の回内と等尺性収縮による屈筋群の緊張の連続によって炎症が起きたのだと考えられます。

 歯磨きの時にだけ痛みを感じて、剣道やゴルフの時に痛みを感じないようですから、剣道やゴルフをしばらく休んで安静にするという発想にはならなかったようです。

 電動歯ブラシを使っていれば歯磨きでも気づかなかったかもしれません。

 ですから電動歯ブラシを使うようにすれば痛みを感じないで歯磨きができる、つまり円回内筋の炎症部位を安静にすることができます。

 剣道やゴルフは控えるように申し上げましたが、電動歯ブラシのアドバイスまではその時にできませんでした(惜しい!今考えつきました)。

 「シャーカ、シャカ、シャカ」と高速回転で前腕を回内させて歯を磨いているのだとしたら、歯磨きのやり方にも問題があります。

 指圧中には頭の中で歯磨きをする自分を登場させて、円回内筋の動きのデモンストレーションをしていたのですが…。

 (その時に登場した自分はCMタレントのように超ニコニコ歯を磨いていて…。どーでもいいことですが、指圧のセンセイとか呼ばれてますが指圧中に浮かぶ絵ヅラはけっこうバカっぽかったりすることもあり、そんな時は自分で楽しんでいます)

 指圧後、全身の筋肉の緊張は緩和されましたが、右前腕屈曲+回内での痛みは残りました。

 使い過ぎず、無理をしなければ、時間の経過とともに傷は癒えていくはずです。

 

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