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2012年7月 1日 (日)

歯磨きで右肘が痛い→円回内筋に問題あり。

 50代男性、歯を磨く時に右肘が痛いとのこと、部位は肘窩中央よりやや尺骨寄りから前腕近位部(肘の近く)です。

 御本人は腱鞘炎のようだとのことですが、その位置なら円回内筋か上腕筋の痛みのようです。

 円回内筋は上腕骨前面下端内側の内側上顆に起始し、尺骨をまたいで斜め下方の橈骨上部、円回内筋粗面に停止します。作用は前腕の回内と屈曲です。

 上腕筋は上腕骨前面下部に起始し、尺骨上端の尺骨粗面に停止します。作用は前腕の屈曲です。

 上腕骨から尺骨へと真っ直ぐに伸びる上腕筋の上を、円回内筋は斜めに横切ります。

 歯磨きは、肘を曲げて前腕を中間位から回内させ、細かい回内とその戻しの動きを繰り返して、歯ブラシを動かします。

 前腕の屈曲と回内が歯磨きの動作です。

 どうやら円回内筋に問題がありそうです。

 さて、どうして円回内筋を傷めたか?

 この男性は剣道とゴルフをします。

 竹刀を持つ時には手首を絞るように構え、ゴルフのグリップも同じように手首を絞って構えます。

 この雑巾絞りのような構えが前腕の回内です。

 上肢の筋肉がよく発達していますから、使い過ぎで円回内筋と上腕筋の交差する部位で肘関節の刺激もあって炎症が起こっているようです。

 右肘の関節運動でただ前腕の屈曲だけでは痛みが再現されず、前腕の屈曲+前腕の回内で痛みが再現されました。

 円回内筋の問題であれば肘窩から前腕上部は腱ではなく筋肉です。

 筋肉の使い過ぎですから、安静にして円回内筋を休ませてあげることがまず第一の治療法です。

 上肢内側は屈筋が集まっていますが、このケースでは肘や手首を曲げて傷めたのではなく、前腕の回内と等尺性収縮による屈筋群の緊張の連続によって炎症が起きたのだと考えられます。

 歯磨きの時にだけ痛みを感じて、剣道やゴルフの時に痛みを感じないようですから、剣道やゴルフをしばらく休んで安静にするという発想にはならなかったようです。

 電動歯ブラシを使っていれば歯磨きでも気づかなかったかもしれません。

 ですから電動歯ブラシを使うようにすれば痛みを感じないで歯磨きができる、つまり円回内筋の炎症部位を安静にすることができます。

 剣道やゴルフは控えるように申し上げましたが、電動歯ブラシのアドバイスまではその時にできませんでした(惜しい!今考えつきました)。

 「シャーカ、シャカ、シャカ」と高速回転で前腕を回内させて歯を磨いているのだとしたら、歯磨きのやり方にも問題があります。

 指圧中には頭の中で歯磨きをする自分を登場させて、円回内筋の動きのデモンストレーションをしていたのですが…。

 (その時に登場した自分はCMタレントのように超ニコニコ歯を磨いていて…。どーでもいいことですが、指圧のセンセイとか呼ばれてますが指圧中に浮かぶ絵ヅラはけっこうバカっぽかったりすることもあり、そんな時は自分で楽しんでいます)

 指圧後、全身の筋肉の緊張は緩和されましたが、右前腕屈曲+回内での痛みは残りました。

 使い過ぎず、無理をしなければ、時間の経過とともに傷は癒えていくはずです。

 

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