80代女性、鼡径部痛・殿部痛、仰臥位で寝られない。
80代女性、久しぶりだなぁと思っていたら胃癌の内視鏡手術をしたのだそうです。
1cmのはずが4cmの癌が内視鏡で摘出されたとか。
指圧に連れてきたくださったお友達の方が、摘出されたその癌を見たそうです。
喉を通して取り出す場面を思い描くとえずきそうです。
主訴は両鼡径部の痛みと右殿部から下肢にかけての痛みです。
背中は丸くなり、上半身はでっぷりと肥満し、下肢の筋肉は衰えています。
仰臥位で股関節の動きを確かめてみましたが、仰臥位になることで背部に痛みがあり、普段は横を向いて寝ているようです。
股関節の動きに問題はなく、股関節の変形は問題にしなくてよさそうです。
伏臥位では頚、肩から背部がこっています。
背中が盛り上がって脊椎の後弯が増強し、脊柱管狭窄症の病名がつくと思われる状態です。
母指を重ねず広く使い、手掌も持ち上げずに安定した柔らかい圧で背中を伸ばしていきます。
昨日は喉が痛かったそうで、やや微熱があり、今日は鼻水が出るということでマスクをしての指圧です。
のど飴をなめ続けていたらのどの痛みは治ってしまったといいいますから大したものです。
右殿部の指圧では圧し込むと筋肉が強く収縮しました。
坐骨神経に沿って下肢まで緊張が走ります。
背中が丸くなり脊柱管狭窄によって坐骨神経症状が出ていると考えられます。
伏臥位の指圧を終えると痛みもなく仰臥位がとれました。
力を入れない指圧でも背中は伸びるのです。
全身指圧後、立位の背中が真っ直ぐに伸びています。
伸ばせば伸びる背中です。
東日本大震災の影響の残る地域で相続した不動産の問題や御自分の健康問題で夜はなかなか眠れないとか。
脳梗塞、腎臓病、食道ヘルニア、正座のできない膝、そして胃癌の手術もしています。
ペニシリンが使えない体質でもあるとか。
高齢の一人暮らしということもあって不安でいっぱいのようです。
ペニシリンが使えない体質でもピロリ菌の除去はできたのだとか、今は薬もどんどん開発されています。
鼡径部の痛みは肥満のおなかがかぶさっての血行不良もあったようです。
玄関を出て車に乗り込んだと思ったら戻ってきて「センセイお風呂に入っても大丈夫ですよね?」との御質問です。
微熱も下がり、指圧中鼻水も出ませんでした。
そんなに勢いよく玄関から入ってこられる方にお風呂に入らない理由はありません。
『入りたいのですから』、もちろん「お風呂に入って大丈夫です」とお答えしました。
気持ちのいい方へ導いていけばいいのです。
これだけ病気を抱えていても、胃癌の手術をしてケロッとしているのです。
指圧の時間に吐き出した重荷がありますから、きっと夜の眠りがおだやかに訪れたのではないでしょうか。
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