訴えのなかった左手関節の痛みにハッとヒヤッと。
医療事故の関連で看護師さんのうっかりミスが「ハッとヒヤッと事例」としてマスコミをにぎわせたことがありました。
夜勤や一人でたくさんの患者さんを看護しなければならないなどの労働条件の中で、看護師さんが注意力を維持し続けるのには大変な努力が必要です。
さほど問題のないお疲れの男性の左上肢の指圧でのことです。
伏臥位で肩から腰、下肢と体の緊張を緩め、仰臥位で眠ったまま、左上肢外転45°肘屈曲で肩関節外旋のストレッチをしました。
その時の「痛っ!」という顔に「ハッとヒヤッと」を思い出しました。
問診では出てこなかったことで、左手関節の指圧でも痛がる様子はなかったので、私は左肩関節の痛みだと思いました。
指圧後、「左肩の可動域が狭いようなのでストレッチを加減しておきました」と申し上げると、「言うのを忘れていましたが、重いものを持ったた時に左手首を痛めました」ということでした。
御自分でもそのことを忘れていたようですが、肩関節外旋に伴う左手関節の背屈では痛みが再現されたので、まだ傷は完治していないようです。
問診で出てくる情報はその時の主訴で、それ以外に御自分で省いてしまう小さな不調は多々あり、体全体から見ればほんの一部のヒントがわかったに過ぎません。
ここでも言えることは「強く圧すな、強く引っ張る」なということです。
丁寧に扱っているつもりでも角度によっては痛みが出ることがあり、そんな普段動かさない動かし方や普段圧さない部位を圧して御本人の気づいていない不調を一緒に探っていくのがわれわれの仕事です。
肩のこりも背中のこりも緩んで血行が良くなり、よく眠ったのでリフレッシュされたお顔を見ても疲労回復になった様子ですが、左肩外旋の軽い揺さぶるようなストレッチで「痛っ!」という顔をされて「ハッとヒヤッと」しました。
「命をもっともっと丁寧に扱え」との大いなるものからのメッセージだと肝に銘じました。
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