第12胸神経までの脊髄神経は肋骨に沿って胸腹部の皮膚知覚を支配する。
脊髄神経の分布する皮膚領域が「デルマトーム」で、第12胸神経の皮膚分節までが肋骨に沿った形で体前面の胸腹部を支配しています。
肋骨は胸腹部に周るとやや下がり、下部の肋骨では肋骨弓まで届かずにかなり下がっているので、第12胸神経は骨盤に沿って下腹部で恥骨の上あたりをたわんだベルトのような形で支配しています。
仙骨下部の第5仙骨神経の小円を中心に4、3、2、1と仙骨神経が殿部を同心円で支配していき、第2仙骨神経は前に回って局所の皮膚を支配しています。
指圧・マッサージの触圧刺激は皮膚分節を支配する脊髄神経に沿って上行し脳に伝達されます。
胃のあたりが痛む時、上腹部を支配するのはおよそ第7~9脊髄神経です。
肩甲下部を骨盤手前まで10点圧す時の肩甲骨のすぐ下の脊柱起立筋3点、これが第7~9胸椎の側点になります。
左第7胸椎側点は胃疾患の圧痛点とされています。
左第10~12胸椎側点は胃潰瘍の圧痛点「ボアス点」です。
第12胸椎側点が東洋医学でいう「胃兪」です。
デルマトームでいえば第12胸神経の皮膚分節は下腹部です。
胃痛では、西洋医学のボアス点、デルマトームと、東洋医学の胃兪を噛み砕いて理解し、広いタッチを心がけてください。
胃下垂の人もいますから、胃は上腹部にないかもしれません。
腹部の痛みが主訴の方の症状を緩和するのに、背中の指圧は大変効果を発揮します。
おなかの患部から見て背中ではかなり上のほうに「反応点」が生まれることがあるのは、こんな理屈もあると理解してください。
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