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2012年12月16日 (日)

小野寺殿点(食道から十二指腸の病気の圧痛点)、腸骨稜外側下3cm。

 今朝のTBSテレビ『健康カプセル!ゲンキノ時間』では腰痛のトリガーポイントを取り上げていました。

 トリガーポイントは「患部から離れた場所にできる、患部の痛みをかばうことによってできた筋肉のこり(圧痛点)や神経が過敏になっている部位」を指します。

 殿部の坐骨の下際は坐骨神経に触れるトリガーポイントです。

 かばう姿勢によってトリガーポイントのできる場所は様々ですが、神経に触れやすい部位、骨の際や関節周囲はトリガーポイントとなっていることが多く、坐骨下際殿溝中央に取る「承扶」や、膝窩中央の「委中」は、坐骨神経やその延長の脛骨神経に触れるトリガーポイントの代表です。

 番組では腰痛の第3ゾーンとして腸骨稜外側下のポイントをあげていました。

 それは「小野寺殿点」と一致します。

 小野寺殿点は消化管疾患(食道~十二指腸)の圧痛点として臨床医学総論でも学びます。

 例えば十二指腸潰瘍では強い痛みがありますから、背中を丸めて痛みを我慢するような姿勢をとることが多くなります。

 腰への負担も長期間続き、脊柱の両側からは少し離れた腸骨上の部位に圧痛点が現れます。

 これを東洋医学で考えていくと、そこは仙骨上にある膀胱経の「小腸兪」の高さとほぼ一致します。

 小腸兪の高さに十二指腸の痛みが反映され、逆に考えれば経験的にそうなることが頻繁にあったから「小腸兪」というツボの名前がついたとすると納得できますね。

(☆ 小野寺殿点は腰神経の枝の上殿皮神経、小腸兪は仙骨神経の枝の中殿皮神経ですからデルマトーム(脊髄神経分布皮膚領域)が違うのですが、高さが同じ(姿勢の影響)ということで私は納得できたのですが…いかがでしょう?)

 背中を丸めることによって腰の前に食道下部から十二指腸があるとすると(胃下垂があれば普段の姿勢でも)、消化管疾患の圧痛点と腰痛のトリガーポイントが一致してもおかしくありません。

 デルマトームやマッケンジー帯などの内臓筋肉反射や内臓皮膚反射の反応点を「圧痛点」、腰痛や肩こりなどの患部から離れた反応点をトリガーポイントと分けていたりもしますが、だいたい同じことととらえていればいいと思います。

 トリガーポイントにも強い刺激は逆効果です。

 あまりグリグリやると固まって癒着した筋繊維がちぎれてかえって修復に時間がかかるので、「気持ちのいい刺激」を超えないようにしてください。

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