寝違えの指圧。
先週寒そうな顔で指圧に来た40代女性はやはり風邪の引き始めだったようで、その後軽い風邪の症状が出て、治まって、今回の主訴は寝違えです。
朝起きたら右頚から肩に痛みがあって、頚が動かしにくいということでした。
触診すると右肩上部僧帽筋と前斜角筋の停止部が硬くなっていました。
前斜角筋は第3~6頚椎横突起に起始し、第1~2肋骨に停止します。
鎖骨内側で少し指をもぐりこませるような位置が硬くなっています。
寝違えは東洋医学では「落枕」です。
手の甲の示指と中指の間、中手指節骨遠位の窪みに「落枕」というツボがあります。
上腕から指までの神経は頚神経の枝ですから、橈骨神経(第5頚神経~第1胸神経)支配部位である「落枕」へのツボ刺激は頚の筋肉へ影響を与えることがわかると思います。
寝違えは捻挫と考えて、患部に強い刺激をしてはいけません。
患部の前後やツボ刺激を使った誘導作用で血行促進をはかります。
猫背で胸椎の後弯が増強すれば、いつもの枕では顎が上がり、頚から肩と枕の間に隙間ができます。
風邪を引けば項背部が緊張するものなので、猫背で顎が上がって頭の安定を欠いて寝返りの時に枕から頭が落ちてしまったのではないでしょうか。
寝違えの施術では肩甲間部から背部の指圧で胸椎の後弯を矯正し、鎖骨下から腋窩・上肢と、頚神経の枝から遠隔操作で頚の筋肉を緩めていきます。
頚部にはソフトタッチで指圧をし、患部を刺激するのではなく、起始と停止をそれぞれ外側に引っ張るように軽いストレッチを加えた刺激をします。
全身指圧後、猫背が改善され肩上部のこりは緩みましたが、前斜角筋停止部の緊張は残りました。
最後に残るこりが痛みの中心と考えればいいでしょう。
捻挫ですから2~3日は痛みがあるものです。
「痛みを確認しないように」との一言を添えて指圧を終えました。
グリグリ圧したり、痛みが出るまでのストレッチをするのは逆効果です。
痛みを確認しなことで安静が保たれ、早く治ります。
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