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2013年3月30日 (土)

70代女性、運動不足で膝痛が悪化。

 花粉や黄砂や強風で外出を控えた高齢者の持病やその随伴症状が悪化しています。

 先日指圧した狭心症の80代男性は日課の散歩をしばらくやめていたところ、肩こりが悪化して頭痛になりました。

 下半身の血行が心臓の働きを助けるのだということがこういう事例からもわかります。

 今回取り上げるのは、数年前に両方の変形性膝関節症の手術をした70代女性です。右膝の痛みが悪化し、夜眠れないということも訴えの中にありました。

 喘息の持病があるので外出を控えていたうえに、家の中で2才の孫の世話をする時の中腰・猫背の姿勢の連続も運動不足、ストレッチ不足の原因となっているようです。

 座位の触診では肩もこっていましたが、肩こりの自覚はないというほど意識は右膝の痛みに集中しています。

 不眠になるほどの交感神経支配部位の緊張を取り除くことがこの指圧の目的となります。

 仰臥位で膝枕を入れて膝軽度屈曲で下肢の指圧から始めます。

 左下肢は問題ありませんでした。

 右下腿は熱を持ってむくんでいました。膝に炎症があるということです。

 右大腿は前側、外側、後側とこっていて、後側は大腿二頭筋全体と半腱様筋と半膜様筋の膝上部分がこっていました。

 右膝関節をO脚気味に軽度屈曲させて痛みが出ないように力を入れて生活していたようです。

 右下肢の指圧後、右膝屈曲は90°を超えると痛みがあり、膝伸展も最大では痛みが出るので関節運動や牽引は痛みが出ない範囲で行いました。

 伏臥位の指圧で肩から背部の筋肉が緩んで血行が良くなってくると、足の甲を乗せた足枕に「ヒーターでもついているか?」と聞いたほど足が温かくなったようです。

 全身の血行促進によって炎症のある膝の熱くなった血液が末梢に流れて心臓に戻り、体温が平均化していきました。

 全身指圧後、背中が伸びて歩行による右膝の痛みはなくなったようです。

 狭心症の男性は上にのぼせ、膝痛の女性は患部周囲に熱を持ちました。

 歩くこと、体を動かすことで詰まりを除いていくということが高齢者の健康管理には重要です。

 

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