40代男性、右腰痛の指圧。
40代男性、主訴は5日前からの右腰痛です。
「右目の白内障の手術をした」という病歴に驚きました。
目をこすって感染症から白内障になったということです。若くても白内障になることがあるのですね。
座位では頭頚部が左に側屈し、頚椎から円弧を描いて脊柱が側弯し、腰椎は後弯しています。
背部からの脊柱起立筋、脊柱棘突起の触診で痛みはなく、強度のギックリ腰や椎間板ヘルニアではなさそうです。
立ち仕事をしているということ、指先が黒く汚れる手仕事であること、触診での肩上部のこり、大胸筋のこりを頭に入れて指圧を始めます。
まず「仰臥位になれるか、寝る姿勢になる時にどれだけ大変か」を診ます。
仰臥位になるのに時間がかからず、肘屈曲で指先を頭上に向ける姿勢を取りました。
「腰の状態は治りかけている」、「胸郭出口症候群になるような猫背ではない」と診ました。
咳をしても激痛が走るようなギックリ腰ではないことはわかりましたが、頚から腰にかけては「ふわりと乗せるタッチ」をファーストタッチとします。
「触れるだけで痛む部位はないか?」をまず確認します。
筋肉が発達しているので徐々に圧を乗せていく指圧で、筋肉は緩んでいきました。
臀部から下肢にかけて異常な筋緊張はなく、坐骨神経痛症状もありません。
下肢伸展後方挙上股関節回旋のストレッチも丁寧に行えば痛みはないようです。
仰臥位の体位変換も躊躇なくできました。
右大腿前側の指圧から胃腸が音を立てて動き始めたことから「右腸腰筋の傷」がますます疑われます。
全身指圧後、垂直横臥位側屈のストレッチをこのケースでもやってみました。
左右ともに痛みなくできました。
伏臥位で肘をついて体幹を起こし、片方の下肢伸展で反対側の股関節を平泳ぎのように外転外旋させるストレッチでは左右ともに右腰の奥に響いたようです。
施術後立ち上がる時にはすでに楽になっていたようで、座位では脊柱が真っ直ぐになり腰椎も前弯を取り戻していましたから、これでほとんど治ったと言っていいと思います。
後は全身の血行促進でどんどん体全体がリフレッシュされていきます。
右目白内障の病歴(手術後よく見えるので右目で見ている)と体の左側屈の関係がありそうだと感じた症例です。
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