指圧で母指のIP関節が白くなるなら無駄な力が入っています。
青森の実家に引越した書道の先生が指圧に来てくださいました。
主訴は左坐骨神経痛で左殿部の梨状筋と左腓腹筋の神経痛症状が強く、時間をかけて全身指圧をさせていただきました。
都内で書道展があってお忙しいようで、こちらに着いてワンピースのままいきなり尋ねてきたのは余程辛かったからなのでしょう。
あちらで接骨院にかかってはみたもののリラックスできなかったようで、整形外科では体に触れることさえなく鎮痛剤の処方だけだったそうです。
ねぶたの絵のついたリンゴジュースを5本いただきました。重かったでしょうに、新幹線で持ってきてくださったようです。
猛暑の昼過ぎ、大汗をかいた80代女性の坐骨神経痛の指圧ですから指力で圧してはいけません。
座位で汗が少し引くまで肩を触り、この1ヶ月のお話をうかがって、少し熱が発散したところで仰臥位から指圧を始めました。
電車の長時間の座位姿勢や年齢的なもの、引越しのストレスなどで背部がこって猫背になり背が縮んでいたので、いきなり強い力で背部を圧せば骨折の危険性まであります。
ここではこの指圧の内容ではなく、指力が入ってしまっている母指の見分け方について説明します。
母指指紋部を皮膚表面に当てた時、母指の付け根のMP関節(中手指節関節)は屈曲させ、IP関節(指節関節)は伸展させます。
指圧で母指のIP関節が「白くなっていたら」、関節に過伸展の無駄な力が入り過ぎています。
「白くなる」のは強い力で血管が収縮して血流が止まっているということです。
普通に1、2、3で圧せばIP関節が白くなり、爪も白くなります。
これはセラピーになるタッチではありません。
ピアノの演奏でもフォルテの音が出せるというのは単なる入り口で、強い音を持たないと弱い音と組み合わせた絶妙な表現ができないので強く正確な打鍵を学びます。
指圧でも1,2,3で圧すのは基本練習です。
臨床で痛みを抱えた虚証の御客様にに対して、単純に1,2,3で圧し込む強い刺激ができる場面などありません。
普通の刺激では配慮が足りません。強いのです。
指圧をしながら爪やIP関節を見て白くなっているようなら、自然な体重移動はそこでねじれて「体重移動は逃げています」。
無駄な力を入れず、もっとふわりと皮膚表面に舞い降りるイメージで、そのまま圧の持続だけすれば母指指紋部には温かく勢いの良い血流が届くので、もっと遠赤外線効果が得られるようになります。
爪や関節が白くなれば「冷えた指」と同じです。「コンチクショー」という力が入っています。
指力で圧せばセラピーの精神世界から遠くなるのです。
これがわかるでしょうか?
これが何となくわかるようなら単なる施術では終わらせない心にまで届くタッチがやがてできるようになる素質があります。
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