経脈に基づくツボ指圧を考える時は四足歩行での陽の当たり方を考えてみる。
経脈は陰と陽に分かれています。
四足歩行で陽が当たる部位に陽の経脈が、影になる部位に陰の経脈が流れています。
陽の経脈である足の太陽膀胱経を考えてみましょう。
内眼角の「睛明(せいめい)」から始まる膀胱経の「睛」という漢字は瞳を表しています。
目の内側と鼻との間のツボ「睛明」から始まる膀胱経は、額→頭部→背部→下肢後側と流れていきます。
下腿後側の外側から外踝を周って第5趾外側爪甲根部の角を去ること1分の「至陰」に終わるのが膀胱経です。
「陰に至る」ツボが至陰ですから、足の太陽膀胱経は足の少陰腎経の「湧泉」に脈気をつなぎます。
足底中央にある「湧泉」は陰の経脈のツボですから、東洋医学的な思考で体を考える時は足底は地面(床)についていると考えます。
膀胱経の他に四足歩行で陽が当たる足の陽の経脈は、外眼角の「瞳子髎(どうしりょう)」から体の外側を流れる足の少陽胆経と、瞳孔の下7分の「承泣(しょうきゅう)」から始まり体幹から下肢前側を流れる足の陽明胃経があります。
胆経は外側ですから陽に当たることはわかりやすいのですが胃経は体の中心近くを流れているので、東洋医学的な思考では四足歩行になって下肢前側までは陽に当たっているイメージが必要になります。
東洋医学の挿絵では肥満気味のおなかが描かれていますが、太った体で考えると陽が体の中心部近くまで届くことをイメージしやすいと思います。
四足歩行の姿勢を思い描くのに、足底は地につき、足はやや外側に開くから下肢の前面まで陽が届くとイメージしてみましょう。
四足歩行で足の陽明胃経と比較して考えれば、手の陽明大腸経も正面を向きます。
母指は内側に開き、四指は外側に開いて、母指と示指の間を流れる大腸経は胃経と同じく正面を向いて陽に当たってこそ「陽明」です。
体の陽の部位と比較して陰の部位の範囲が狭いこともこれらのことからわかります。
体の陰の部分を大きなものと感じるなら、陽の部位が使えていないのかもしれないと考えるのも東洋医学的な考え方です。
1点のツボで考えるか、ダイナミックに太陽と人間の関係性から考えるか、それでツボ刺激は違うものになります。
「5kgから15kgの刺激が快圧」、「強圧は30kgを超えてはいけない」、この基本もしっかりとおさえてツボ指圧をしてください。
時々体重計を圧して自分の指圧の刺激量を確認しておかないと5kgと思って圧しても刺激量はたいてい5kgを超えています。是非確認してみてください。
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