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2013年7月14日 (日)

問診で上がらず足趾を触って激痛、2週間前のは打撲?

 いつも言うことですが、指圧・マッサージの問診で全ての訴えを漏れなく伝えてくださる御客様はまずいらっしゃいません。

 問診表にも漏れはあり、御本人が忘れている古傷もあります。

 筋肉のこりや関節の痛みで施術を受ける方も大病の後かもしれない、癌の治療中かもしれない、女性なら本人が気づかずに妊娠していることだってあります。

 指圧・マッサージの問診では、病院にかかっているから内科の病気を上げないという御客様が多いものです。

 逆に言えば運動器以外の病気を主訴として扱うことの多いセラピストは、技術も知識も信頼も得ているということになります。

 肩こりと全身の疲れ、手が動かしにくいことなどの訴えで指圧をした60代女性の御客様に、とても痛い思いをさせてしまった施術例を紹介します。

 座位では円背と言っていい背中の丸さがありました。

 円背=骨粗鬆症と考えていいと思います。

 固まった背中を上から強く押し潰せば肋骨にひびが入る(これはよく起こると思ってください)だけでなく、椎骨骨折の危険もあります。

 伏臥位で後頭部から弱い刺激の指圧をしていきます。

 円背になると脊柱の間隔が縮むので身長が低くなり、猫背のために内臓が下がって便秘になります。

 仰向けで寝ると亀がひっくりかえったようになるので仰向けでは寝られない、横向きかうつ伏せで寝るようになります。

 うつ伏せ寝の時には上肢を体側方向に下げることで胸を張り、猫背を矯正して寝ます。

 側殿部の中殿筋のこりと大腿後側のこりからO脚で膝を曲げていることが多いこと、坐骨神経に沿った緊張があることがわかります。

 そして右第5趾に触れた瞬間、「右足が飛び退く激痛」を与えてしまいました。

 2週間前から疲れは溜まっていたようで、朝起きてすぐに右第5趾を強くぶつけ、そのまま仕事に行ったそうですが、その後あまりの痛さで足趾を見ると赤黒く腫れていたので整形外科を受診したそうです。

 検査では「骨折ではなさそう」「強い打撲」ということで湿布を大量に処方されたそうです。

 御本人はここで指圧を受けるまで右第5趾の痛みは忘れていたとのことでした。

 もともと右の爪先には体重をかけていないのと、「打撲?後」はおそらく右足外側は無意識に浮かし気味にしていたのでしょう。

 靴下をとって右第5趾を診ると、黒くはありませんが関節が赤く腫れています。

 2週間たって腫れが引かずに「軽く触れて飛び退く激痛」というのは変形がありそうで、ただの打撲ではないように思います。

 全身指圧後、疲労で固まっていた全身が緩み背中が伸びると、足趾の痛みが強く意識されるようになったとのことでした。

 血行促進だけでなく、神経の伝達も促進されるようになったということです。

 指圧後、「すみません」と頭を下げて見送りました。

 骨にひびが入っているにしても傷が治っていないにしても今のところは湿布をして痛みが出ないような使い方をすることが治療になります。

 軽く触れて痛む傷があっても御本人が忘れていて問診で上がってこない場合は、施術者には全く予想できず、痛みを与えてしまうことがあります。

 ですからくれぐれも、ファーストコンタクトはふわりと触れるお知らせのタッチから、ここをこれからこのような行程で触れていきますよとお知らせしてください。

 そうしてさえこのケースのように「飛び退く痛み」を与えてしまうことがあるのです。

 1,2,3で圧し込むのは基本練習のタッチです。

 臨床のタッチは腫れものに触るように、だから弱いタッチのギアを増やしていく必要があるのです。

 

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