左第1趾巻き爪手術後の大腿直筋の緊張。
70代女性、巻き爪で炎症を繰り返すので左第1趾の爪の手術をしました。
右第1趾も手術をすることになっていますが、手術が痛くてしばらく先にしてもらうことにしたそうです。
爪は部分切除で縁に喰い込む部分だけをはえてこないようにできるようです。
歩くのが大変だというだったので車で送迎しました。
主訴は両第1趾のしびれで、坐骨神経痛もあり、肩もこっていて猫背です。
右下腿外側中央の腓腹筋のたるんだ部分には、2月に湯たんぽを使っていてできたという500円玉2つ分の大きさの低温火傷の痕がありました。
えぐれて細菌感染も起こったようで、この火傷も治るまでにはずいぶん時間がかかったようです。
両第1趾のしびれは巻き爪も原因としてはずせませんが、腰からの坐骨神経痛も見逃せません。
痩せ型の虚証で内臓下垂で下腹がぽっこりと出ています。
いきなりの伏臥位の指圧は負担が大きそうだったので、膝枕を当てて膝軽度屈曲で下肢の指圧から始めました。
左下肢はあまり使っておらず、足底内側中央の内側楔状骨付近の指圧では痛みを感じたようです。
内側楔状骨は前脛骨筋の停止部ですから、踵体重で前脛骨筋を使っているので緊張が続いているということがあるようです。
右の大腿四頭筋のうち大腿直筋の起始部である下前腸骨棘付近は特にこっていました。
左に比べて右股関節の可動域は狭く、巻き爪手術の影響で左足に体重をかけないようにしていて、右足体重になっているようです。
大腿直筋のこりですから、右下肢は日常的に膝伸展の力が強く入っています。
上肢には三角筋前部のこりがありました。これは肩が上がり気味だということです。
頭にむくみはなく、のぼせているようなことはありませんでした。
腹部の指圧では心窩部から臍の近くまでがスカスカで手ごたえがありません。
腹部9点の手掌圧で、じっくりと内臓を上げていきます。
伏臥位に移り、猫背を伸ばしていきます。
腰にはしつこいこりがあったので弱い圧で緩めていきます。
右中殿筋のこり、右大腿二頭筋のこり、坐骨神経痛の症状は右下肢のほうが強いようです。
右下腿外側の低温火傷の痕は触れても痛みはなく、茶褐色の痕が残っていますがよく治っています。
伏臥位下肢の指圧の後に膝屈曲の大腿四頭筋のストレッチをすると、左右両方で痛みを感じたようです。
右は使い過ぎ、左のこりはそれほどでもなかったのですが、膝を突っ張って歩いていると思われ、やはり緊張を続けていたということと、ストレッチ不足も明らかです。
垂直横臥位のストレッチで脇腹(腰椎)を伸ばして指圧を終えました。
仕上げの座位指圧でも形状記憶されたように内臓は上がったままでした。
おそらく腰椎には加齢的な変形があり脊柱管狭窄症がありそうですから猫背のほうが楽なので、また内臓は下がってくるでしょう。
加齢的な変形への施術は、生活の質を高めるための施術です。
元に戻ったら、また伸ばすということの繰り返しです。
それは少しでも長く幸せな時間を作るということ、決して無駄なことではありません。
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