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2013年9月30日 (月)

夜の急患(安心をお土産にすること)。

 昨夜は急患がありました。

 指圧・マッサージで急患というのは、とても信頼をしていただいているということです。

 家族に車で送られてきた70代女性、主訴は肩こりと足のしびれなのですが「いても立ってもいられない不安」があったのでしょう。

 夜は留守電にしているので電話のメッセージを聞こうとしたらメッセージはなく、それからそう時間を置かずに直接いらっしゃいました。

 座位で触診をすると猫背で背部の緊張が強く、肩や首にも足にも影響はあるだろうと思いましたが、頭痛や吐き気はなく、脳血管障害の心配はなさそうです。

 脈は1分間に84で、足の冷えはありません。

 弱々しい声で、いつもよりもへりくだった言葉使いですから、「休みで指圧はしてもらえないかもしれない」と余程不安だったのでしょう、まずは落ち着かせることです。

 「自分で肩を押していて疲れてしまった」ということですから、それでより肩がこってしまったようです。

 「またおばあちゃんの痛い、痛いが始まった」と思う家族と、そういう扱いを感じて自分の中で痛みを増幅してしまう老人心理もこういう時には関係しています。

 ゆったりとしたテンポで、急がずに、指圧をします。

 お話を聴いていくと前日はお孫さんとTBSテレビの感謝祭をずっと見ていて、いつもよりも寝る時間が遅かったようです。

 座位の連続でも肩こりと坐骨神経痛の症状悪化は起こります。

 伏臥位の指圧の後、仰臥位では膝枕を使い、クッションを重ねて膝より足を高くして、両腕にもクッションを当てて腕も高くしました。

 猫背というか、骨粗鬆症もある円背ですから、南の島でリゾートチェアに横たわるような姿勢ができれば体がしっかりとサポートされて、末梢からの血液の還りも良くなります。

 内臓が下がって坐骨神経の圧迫を強めることになっていますから、腹部の指圧で内臓を上げていきます。

 全身指圧後、座位で両上肢をしっかりと前に伸ばす肩甲骨外転のストレッチ→そのまま肩の高さで肘を90°に曲げて胸を張る肩甲骨内転のストレッチを覚えていただきました。

 気にいってしまったのか、「先生見ていて、どう?」と、とてもゆっくりとこのストレッチを10回は繰り返したでしょうか?

 腕を前に出して猫背になるほうはできても、胸を張って肩の高さで肘を曲げるというのはできないものなのですね。

 『そろそろやめてくれないかな?』と心の中では思いましたが、最後のほうは面白くなってきてしまって、日曜の夜にトレーナー気分です。

 遅くなって家族を迎えに呼ぶのも可哀想な気がして車で家までお送りしました。

 穴場の温泉に入って、アルカリ温泉水をたくさん飲んで、岩盤浴も高濃度炭酸泉も堪能してきたゆるゆるの夜に、『センセイ』と呼ばれ、センセイに変身しました。

 こんなことがたびたびあって、ずいぶん前にお酒を飲むのをやめたのですが、お酒を飲まなくてもお酒を飲んだに勝る感覚を自分にも御客様にも与えられるようになったことは感じています。

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2013年9月29日 (日)

顔を右に向ける癖(頭頚部右回旋)で左肩から左上肢に走る神経根症状。

 70代女性、主訴は左肩から左上肢の痛みです。

 座位では猫背で顔がやや右を向いています。

 頭頚部の右回旋は、右手を使う時に手元を見ることによっていつものことになっているようです。

 猫背で頭の重さがかかりながらねじられる左頚部と、右利きの手仕事の時にありがちな左上肢の運動不足による左鎖骨周囲の固定によって、左の腕神経叢に圧迫があって肩から上肢に走る神経根症状となっているようです。

 神経に圧迫がある時はストレッチをして痛む「伸展痛」が存在します。

 このケースでも左肩下制+頭頚部右回旋屈曲で左肩から上肢の痛みが再現されました。

 これは左肩甲挙筋のストレッチですから、斜角筋隙や鎖骨周囲、腋窩での腕神経叢の詰まりだけでなく、猫背も神経根症状の原因となっています。

 伏臥位の指圧で背部の緊張を緩め、下肢の指圧でむくみを還すことによって肩の周囲の血行促進をはかります。

 猫背ですから仰臥位前胸部の指圧では鎖骨周囲の筋緊張を緩和し、上肢の指圧では腋窩の筋緊張を緩和し、肩関節周囲の数ヶ所に母指指紋部を当てながら肩外転+外旋のストレッチと肩伸展挙上牽引のストレッチをしたところ、神経根症状は消えました。

 神経根症状が消えると、頭頚部の右回旋は矯正されていました。

 「昨日は眠れなかった」そうですが、肩から上肢の痛みが消えたので、痛みを気にせずにぐっすり眠れるようになるでしょう。

 このケースは筋肉の緊張や老廃物の詰まりや姿勢で神経根症状が出ていて、指圧とストレッチで症状が改善できた症例です。

 傷が深ければ痛みが消えないことのほうが多いのですが、そうであっても血行促進をしたことによって回復を早めるには有効ですから、丁寧に遠回りの施術をしてください。

 主訴の患部には最初は軽く触れるくらいにして、外堀を埋めてから、最後に丁寧に主訴の患部を施術するような工程にすると、痛みで緊張をさせることが少ないので、効果があります。

 

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2013年9月28日 (土)

体幹の右側屈+右回旋姿勢による「左背部」の痛み。

 40代女性、主訴は「あちこちが痛い、だるい」で、座位では体幹が右側屈し、右肩甲骨が後ろに突き出ているので体幹は右回旋もしています。

 右手を使うために右肩を下げてバックスイングをする時の姿勢です。

 この場合、右脊柱起立筋は短縮しますから、右肩甲間部、右肩甲下部はこっていました。

 左側に痛みはなさそうなものですが、脊柱の右側が詰まれば左側の椎間関節の間隔は開いて不安定になっています。

 左下部胸椎際には強い筋緊張があって、広く指紋部を使って弱い圧で指圧をしたところポキッと音がして筋緊張が緩んだので、「ずれていた椎間関節による神経根症状」が頭の方向にも足の方向にも走って全身の重だるさとなっていたようです。

 また左肩甲骨外側の小円筋、棘下筋もこっていました。

 これは右肩のバックスイングの使い方の時には左肩は逆に前・上・外に向きますが、右肩が前に出る時の左肩は小円筋と棘下筋が働いてバックスイングをします。

 左肩が前・上・外にある時も小円筋と棘下筋には等尺性収縮の力が加わることも、不動性萎縮と同じような状態になることも、それ以上伸展しないように収縮することもあります。

 左右の肩ではこの一連の動きが繰り返されたということです。

 右大腿四頭筋と左大腿内転筋群にも筋緊張がありました。このこりは肩の動きと連動した下肢の動きによるものと考えられます。

 右利きのテニスプレイヤーが右サイド奥ギリギリのボールに反応して、右フォアハンドでボールを打つ時、回り込む余裕がなければ左大腿を内転させて左爪先が右を向き、右足は爪先立って膝が伸び右大腿四頭筋を緊張させることになります。

 全身指圧後、体幹のねじれは矯正できました。

 昨日は前頭部に締め付けられるような頭痛があったそうですから、体幹の右へのねじれがあっても右片頭痛になるとは限らないということです。

 また、この御客様はテニスをして体がねじれたわけではありません。

 日常生活動作の積み重ねの中で、小さな歪みがやがてフットワークを使って腕を一杯に伸ばしてフォアハンドでボールを何度も打った後のような大きな体の歪みになってしまうこともあるのです。

 

 

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2013年9月27日 (金)

使っていない筋肉を使えば痩せる、痛みが緩和する、強過ぎる刺激は逆効果。

 谷川岳に登ってきたという30代の女性、主訴は顔のむくみと身長が縮んだと感じている背中のこりです。

 家に帰ってから自宅近くのマッサージ屋さんで施術を受けたそうですが、痛過ぎてかえって筋肉が硬くなってしまったようです。

 その施術者は女性で「痛いから弱くしてください」と頼んだら、「バスケットをやっていたのでもっと強く押すことならできる」と言ったそうです。

 これでは話になりません。

 女性の細い指のほうが鋭角に当たってより痛いということがあります。

 「力でぶつかっていってこりを緩めることはできない」、「炎症をえぐるようなことをすれば症状は悪化する」、これは施術をさせる前に研修の中で繰り返し教えていただきたいことです。

 顔のむくみは腎機能低下の表れです。

 リュックを背負って登山をしてきた背中のこりは、マッサージ屋さんの施術を浮けて緊張を強めてしまったようです。

 こういう時は指を立てずに指紋部を広く当てていきます。

 手掌圧で母指に圧を集めるくらいの意識から始めていきます。

 繰り返し短い1秒圧を行い、やがて持続を長くしていき(といっても2秒、3秒~5秒の範囲です)、指を起こして圧を深くしていきます。

 指圧前、伏臥位から仰臥位への体位変換の時、指圧後とトイレに行き、顔のラインもすっきりして背中が伸びました。

 「登山をするようになってからふくらはぎが太くなった」と友人に言われ、御自分でも気にしているようでしたが、触れた感触では体は締まってきています。

 むくみもあり、脂肪もある中で、筋肉が太くなりながら締まってきているので、見た目は太いと感じるかもしれませんが、触ってみると中身が違っています。

 また見えないところが締まってきているということもあるので、運動の継続があれば必ずもっと痩せることができます。

 運動をやめてしまえばこれからもっと不健康に太っていきます。

 一時的に太く見えていても、運動の継続で一年後、3年後と、どんどん体は良く変わっていきます。

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2013年9月26日 (木)

平成28年大手町の高層ビルに星野リゾートの和風温泉旅館、三菱地所が温泉を掘る。

 大手町の日本政策投資銀行跡地に三菱地所が温泉を掘って、平成28年に完成する高層ビルの中で星野リゾートが和風温泉旅館を開業するそうです。

 1500m掘ればどこでも温泉が出るということですが、大手町に温泉を掘る企業があるとは思いもしませんでした。

 東京オリンピックを前にして外国人観光客を見込んだ経済活動が大がかりに動き出しているのですね。

 温泉が黒湯で、日帰り入浴ありだと嬉しいのですが、どうなるでしょう。

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2013年9月25日 (水)

ぎっくり腰の予防、重量挙げ選手のように顔を上に向けて立ち上がる。

 9月24日産経新聞の「骨つぎの知恵袋」という日本柔道整復師会 松岡保先生の連載に、「重量挙げ選手のように顔を上に向けて立ち上がると、腰に負担がかかる前に頚椎を反らせることで背中の筋肉が緊張し、脊椎がS字状に保たれて脊椎への負担が軽減される」というぎっくり腰予防法のわかりやすい説明がありました。

 「脊椎は首を後ろに反らすと連結力が強固になり、首を前に曲げると不安定で弱くなります」、これもわかりやすい説明です。

 首を後ろに反らすとおなかが前に出て腰椎の前弯が保たれます。

 「重いものを持ち上げる時に、首を後ろに反らす」、これを心がけておくと脊椎全体で重さを分担できるので腰への負担を減らして腰痛予防になり、すでに腰痛のある方には症状の悪化を防ぎます。

 首に痛みがある方は、無理に首を後ろに反らさないでください。

 首は正面に向けたまま、おなかだけ突き出しても、腰椎の前弯を保てるので、猫背で重たい物を持ち上げるよりも腰の負担を減らすことができます。

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2013年9月24日 (火)

「ミルフィーユ肩こりに筋膜マニュピレーション」、昨日のテレビ朝日「モーニングバード」より。

 昨日のテレビ朝日「モーニングバード」では、「ミルフィーユ肩こり」の対処法として「筋膜マニュピレーション」を取り上げていました。

 「ミルフィーユ肩こり」はネーミングの違いだけで、肩の筋肉には浅層筋もあれば深層筋もあるので、辛くなってきた時の肩こりは重層構造が普通です。

 また、筋膜は一つの筋肉の周囲にも、その中の筋線維の束の周囲にもありますから、肩こりの時の筋膜の緊張は何層にもなっています。

 後頚部、肩上部、肩甲間部などの肩こりのトリガーポインを刺激して筋膜のねじれを元に戻し、筋肉のこりを緩和する筋膜マニュピレーションの手技を紹介していましたが、上手な指圧師、マッサージ師ならそれは普段からやっていることです。

 強い力で圧し込むのではなく、気持ちのいい刺激の持続で深部にまで届くタッチができれば、筋膜のねじれも筋肉の収縮もアイロンをかけるように伸びていきます。

 癒着した筋膜、筋肉を剥がしていくには、圧し込んで潰すのではなく、圧が届いたら指紋部にくっつけて筋膜・筋肉を持ち上げてくるような「漸減の戻し」が重要です。

 典型的なツボだけを圧して良しとするのではなく、個人個人の姿勢の違い、体形の違い、ポイントの違いを考えて施術をしていけば、筋膜を意識していなくても筋膜もリリースすることになります。

 ①腕を前に伸ばして顎を軽く引いて背中を丸める肩甲骨外転のストレッチ30秒、②そこから肘を後ろに引いて90°屈曲し、上腕は肩の高さで胸を張り顎を引いて肩甲骨内転のストレッチ30秒、③②の姿勢から両肩を外旋させて指先を上に向ける肩甲骨内転のストレッチ30秒、これを1日3回朝、昼、晩に行うと肩こりを改善できると番組では紹介していました。

 筋膜に注目するか、筋肉に注目するか、違いがあるようで、肩こり緩和の考え方は同じです。

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2013年9月23日 (月)

「揉む」の注意点、『あん摩マッサージ指圧理論(医道の日本社)』より。

 揉捏法(揉み方)の注意点について、医道の日本社発行の『あん摩マッサージ指圧理論』より抜書きさせていただきます。わかっているようで、おそらく理解していないことがあるのではないかと思います。

 基本手技に揉捏法があるのは「あん摩」と「マッサージ」で、指圧に揉捏法という基本手技はありません。

 では、指圧で揉捏法を使わないかというと、腹部の指圧には櫓棹揉捏があり、ふくらはぎには把握揉捏を行うので、揉捏法を使っています。

 あん摩では揉捏法を「筋肉などの軟らかい組織をおし、こね、つまみ、搾るように揉む方法」としているので、「皮下組織までを対象とした揉捏」も考えていることがわかります。

 マッサージでも「主として筋肉を対象に行う手技で筋肉を他動的に動かす方法ともいえる」としているので、こちらも筋肉まで届かせない結合組織を対象にした揉捏法があることをにおわせています。

 これらの「などの軟らかい組織」や「主として」の文言が抜けてしまって、筋肉を揉むことしか考えていない方が多いのではないでしょうか?

 あん摩の揉捏法についての注意点には、「骨になるべく当たらないようにすること」「手指を体表に密着させて指でこすらないようにすること(衣服で患者の皮膚を擦りむくことがある)」「力を指先のみに加えないで、前腕、上腕から加え粗暴にならないようにすること」が大切であるとしています。

 またマッサージの揉捏法についての説明には「場合により筋肉の経路と直角の方向に動かし揉むこともある」とあります。

 これは、筋肉の走行と直角の方向に動かすのは「場合により」であって、通常のケースで推奨できることではないということです。

 言葉でテクニックを伝承することはとても難しいことです。

 しかしそのテクニックを伝えようとする文章を精査して心で受けとめた方には、タッチの本質が見えてくるはずです。

 揉捏法は萎縮した筋肉の運動機能回復にも、新陳代謝を活発にするにも、他動運動としても効果があります。

 ですが皮膚が真っ赤になるように揉めとは、どこにも書いていないのです。

 指でこすって皮膚を擦りむくことがないようにと書いてあります。

 皮下脂肪を燃焼させるにしても結合組織までを対象にすればいいのですから、雑巾を固く搾るようなタッチではやり過ぎです。

 結合組織は上皮組織、筋組織、神経組織以外の全てです。

 骨も、軟骨も、捕食機能を持つ肝臓、脾臓、リンパ節などの細網組織も「結合組織」ですが、これらはタッチセラピーの対象外です。

 リンパマッサージ、血管マッサージ、皮下組織(脂肪)までの結合織マッサージ、手技療法のテクニックには浅い部位を対象にしているものがあります。

 結合組織のタッチ(揉捏)を研究してください。

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2013年9月22日 (日)

40代男性、ヘルニア気味の腰痛の指圧。

 40代男性、主訴は肩こりと腰痛です。

 猫背で、腰椎に軽く触れて痛みがあります。腰の外側左右ともに強い筋緊張が診られました。

 伏臥位では、第3腰椎が後方に突出し高くなっていて、左脊柱起立筋の指圧で右手根部に触れるのがとても気になりました。

 椎間板ヘルニアで神経症状が強い時にはもっと痛みを訴えることが多いので、「ヘルニア気味」くらいの状態のようです。

 脊柱のS字の矯正をするには強く圧し込むのではなく、スタティックストレッチのタッチをしていきます。

 「深い呼吸をさせながらゆっくりと徐々に伸ばしていく」ことを心がけてください。

 後方突出した腰椎の、骨を圧し込んで戻そうとすると神経と強くぶつかって腰だけではなく体全体を緊張させてしまいます。

 腰部脊柱起立筋のストレッチだけでなく、猫背も肩こりもありますから、頚、肩、肩甲骨周囲、肩甲間部をまず緩めます。

 伏臥位の御客様の左体側に位置し、斜め下方(右大腿の方向)に顔を向けて右手で仙骨上部際(脊柱左側)に母指指紋部、腸骨稜に母指球、仙骨に四指を当て、肘伸展で足の方向に圧をかけ、左母指指紋部は項窩のやや右寄り「天柱」に当てて、脊柱全体を伸ばします。

 脊柱の右側と左側に母指指紋部を当ててその中間を大きく伸ばすストレッチ的な指圧は、姿勢の矯正に効果が高く、痛みも出にくいので私がよく使っているテクニックです。

 左の腰部脊柱起立筋に対しては、左母指を第1か第2腰椎の左側に当てて、右母指を当てた仙骨左上際とのストレッチをします。

 脊柱起立筋は仙骨から始まっているので、この時も四指で仙骨をとらえていることが大切なポイントです。

 左大腿後側中央のこり(坐骨神経症状あり)、右大腿後側の外側のこり(大腿二頭筋のこり→総腓骨神経の延長の下腿前側のこり=O脚+踵体重)、左上腕外側のこり(左の腋が開いている=右下肢の外開きとの対角線のバランス)などを緩めていきました。

 伏臥位背部の指圧中に第3腰椎の後方突出は矯正され、それに伴い腰部外側の緊張も緩和されました。

 全身指圧後には猫背も解消し、肩こりも腰痛も緩和されていました。

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2013年9月21日 (土)

ペインクリニックでの腰痛のIMS療法、神経ブロック注射、SCS療法。

 昨日の夜明けには十五夜の月が西に沈みそうなところにありましたが、今朝はまだずいぶんと高いところに月があって、このあたりの月の入りは7時過ぎだということです。たった1日で月の入りの時間は1時間も違うのですね。

 15日の日曜日に、テレビ東京で「驚き!腰痛治療最前線」という番組を見ました。

 痛みのとれない腰痛患者さんに対して、ペインクリニックなどで行っている3つの治療法を紹介していました。

 最初の治療法は『笑点』でお馴染みの林家木久翁師匠の腰痛に効果のあったIMS療法です。

 「IMS療法(Intra Muscular Stimulation=筋肉内刺激法)」は、鍼で深部の筋肉を刺激します。この治療法はトリガーポイント療法の1種です。

 木久翁師匠の腰は、長年の正座で負担がかかり続けて筋肉がガチガチに硬くなっていたそうです。しかし現役の落語家ですから、正座をしないわけにもいきません。

 筋肉を休める、緩めるということができずに、とうとう寄席の外までは車椅子という状態になって、やっと見つかった治療法がIMS療法でした。

 木久翁師匠はIMS療法に加えて加圧トレーニングなどで筋肉を鍛えて、腰痛を克服することができたということでした。

 IMS療法は保険がきかないということがありますが、筋緊張による腰痛には効果のある治療法のようです。

 次に取り上げていたのが「神経ブロック注射(麻酔薬を患部に注射する)」でした。

 神経ブロック注射の目的は、「麻酔薬が患部の緊張を緩和→血管が拡張→血行促進→自然治癒力を高める」ということです。

 週に1~2回、2ヶ月間注射をします。

 痛みの強さや患部の位置によっては適応でない場合もあるということでした。

 最後に取り上げていたのが「SCS療法(Spinal Cord Stimuiation)」です。

 SCS療法は、脊髄の硬膜外腔に電極を、下腹部に発生装置を埋め込む手術をして、リモコンを使って自分で硬膜を介して脊髄を刺激する治療法です。

 これらの3つの治療法は「痛みの連続を遮断」し「筋緊張を緩和する」ことで、血行促進によって自然治癒力を高めていくということを目指しています。

 この番組を見て、ますます指圧・マッサージ、アロマテラピーの可能性を感じました。

 痛みを忘れていただく幸せな時間を作ること、深部にまで刺激を届けること。

 痛みを感じさせないタッチで、心にまでストンと落ちる(届く)ような深い刺激ができれば、難治性の腰痛に対してもっと積極的に向かっていっていいのではないかと思いました。

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2013年9月20日 (金)

「柔軟剤の臭い」の相談が国民生活センターで急増のニュース。

 「咳が止まらない」、「頭痛がする」など、柔軟剤の臭いによる健康被害等の相談が国民生活センターで急増しているというニュースが報道されました。

 「隣人の洗濯物で」、「同僚の服の」など、柔軟剤の臭いは生活や仕事場でのストレスになることがあります。

 嗅覚は慣れによって臭いに鈍感になっていきます。

 香水も精油も、使い過ぎれば周りの方に「香り」ではなく「嫌な臭い」と感じさせてしまうことがあります。

 合成の香料を使用した柔軟剤の臭いは、天然自然のアロマオイルと比べて「尖った臭い」がします。

 アロマテラピーで「良い香りの中にはクサイ臭いの香り成分も混ざっている」ことを教わった方も多いのではないかと思います。

 刺激に慣れていくと刺激量が適量を超えて過剰になっていく、これは触圧覚の刺激も、嗅覚の刺激も同じです。

 気をつけたいと思います。

 奥ゆかしいという言葉があります。

 秘すが花という言葉があります。

 ほんのり香るかすかな香りにハッと心を奪われることがあります。

 デパート1階の化粧品売り場では、香りがにぎやか過ぎて、ぶつかり合って、なかなかそういう感覚は起こりません。

 足し算がいいとは限らないということです。

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2013年9月19日 (木)

今夜は十五夜で満月。中秋の名月と十五夜は一致しないことが多い。

 今夜は十五夜で満月です。

 十五夜は旧暦の8月15日のことですが、旧暦の8月15日が満月だったことは過去20年で9回しかありません。

 旧暦の8月16日の満月が9回、旧暦の8月17日の満月が2回あります。

 この中秋の名月と呼ばれる満月になる日のずれは、月の楕円軌道が原因で、新月から満月になるには13.9日から15.6日の幅があります。

 この数字を2倍すれば1ヶ月に28日から31日の幅があることが理解できます。

 月経周期、肌のターンオーバー、バイオリズムは月の満ち欠けの影響を受けています。

 28日周期にならない月があるほうが自然です。

 日の出が遅くなり、日没が早くなり、朝晩が冷えこむこの季節、意識していなくても体は環境の変化に順応しようとしています。

 空気の冷たくなる秋の夜のお月見の習慣は、月の満ち欠けのリズムに体のリズムを同調させるという意味もあるのかもしれません。

 

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2013年9月18日 (水)

肩こり、めまい、首から上の小刻みなふるえ。

 70代女性、電話では肩こりが主訴で、朝起きた時には非回転性のめまいがしたということでした。

 車で迎えに行った時に、顔、体、全身を一見した様子では強いめまいに襲われている様子はありませんでした。

 座位の触診では顔が斜め右を向き、首から上が小刻みにふるえて、頚部から腰部までの筋肉が緊張し、猫背になり脊椎の間隔が短縮していました。

 手にはしびれやふるえはなく、吐き気や頭痛もないということで、めまいは朝起きる時だけだったようです。

 両肩がこっていましたが、右半身よりも左肩から左背部の緊張のほうが強くなっていました。

 脈は1分間に108、肩から上に微熱があって、のぼせ気味です。

 自分で首を圧していたようですが、首の筋肉を圧すことで余計に肩がこってしまったようです。

 仰臥位で指圧を始めようとしたら、回転性のめまいが起こりました。

 低い枕だと顎が上がるので、高い枕に換えて、首を右回旋で顔を右に向けて10秒その姿勢を持続、首を左回旋で顔を左に向けて10秒その姿勢を持続、これを2回繰り返してめまいがしますかと尋ねてみると、回転性のめまいは治まったということでした。

 朝起きてすぐの非回転性のめまいは起立性低血圧によるもの、仰臥位での回転性のめまいは剥がれた耳石によるものか内リンパあるいは周囲の血行不良によるものだったようです。

 内臓は下がっていました。

 台風一過で今朝は冷えて、足に貼るカイロを貼ったそうですから、その足の冷えは、肩こりやのぼせ、内臓下垂が原因となっています。

 台風の日の運動不足、ニュースで見る濁流や浸水した家や車の映像、普段から心配の多い高齢者には肉体的にも精神的にも余計にストレスが溜まります。

 抱き枕を抱えていただいての横臥位の指圧、そして伏臥位の指圧、せっかく治まっためまいを再発させないように、体位変換には時間をかけて、めまいはしていないか確認をしてから指圧をしました。

 さて、今回お話をしたいのはここからです。

 心配性の御客様、特に高齢者は不安を探します。

 指圧が終わった時にはまだ首から上の小刻みなふるえが時々起こり、顔はやや右を向いていました。

 全身の指圧の刺激量は十分、これ以上の刺激をすると揉み返すことはあっても、さらに症状がよくなることはありません(是非この感覚を身につけてください。刺激の足し算には限度があります。筋力の弱い方への過剰な刺激は傷を悪化させるだけです)。

 吐き気や頭痛、頭のむくみがない、会話のやり取りは正常、顔の歪みや手の麻痺もありません。

 首、肩、背部の筋肉は緩んでいます。

 脈は1分間に72になり、その後めまいは起こっていません。

 首から上のふるえは「本態性振戦」が一番しっくりとする病名です。本態性振戦の原因は不明ですが症状はふるえることで、その多くはそのまま放っておいて問題ありません。

 以前にも時々首から上のふるえはありましたから、主治医の先生もこの症状は把握していらっしゃるはずです。

 台風のストレスもあり、心理的要因や首の周囲のこりもふるえの原因となっていそうです。

 ここでは一つ踏ん張って、次から次と沸き起こる不安からの質問を全部否定していきます。

 不安を背負うのもセラピストの仕事です。

 家まで車で送って「何かあったら電話してください」と笑顔でダメ押しをして、帰りには『あぁ背負ったなぁ、今夜電話が来たりして…』、これがセラピーです(電話は来ませんでした)。

 何か見落としていなかったか気になることは調べ、背負ったものはできるだけセラピーを助けてくれそうな神様仏様に預けてしまいましょう、インターネット上のクラウドにでも保存するように。

 そして切り換えて次の準備です。

 

 

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2013年9月17日 (火)

台風一過の朝。

 昨日の台風での避難指示は、京都の桂川沿いだけでも住民27万人が対象となり、全国では50万人が対象となったそうです。

 こちらでは台風が通過した昼頃に風が強くなりました。

 午後2時過ぎには風雨も止みましたが、夜の7時過ぎに吹き返しのような強風が吹き、これが一番強い風だったので油断はできませんね。

 避難しろと言われても、風雨と濁流と水に浸かった家や車の映像をテレビで見ると、家にいたほうが安全な場合もありそうなので判断は難しそうです。

 今朝日の出の頃の外は空気が冷たくて、道路には木の枝が散乱していました。

 霞がかかっていましたが筑波山の稜線が澄んだ空気の中に浮かんで、日の出の時間が5時半近くになり、日の昇る位置が東南の方向にずれて、台風一過でいよいよ秋が深まっていきます。

 台風や竜巻の被害に遭われた方は、片付けの疲労や心労でお疲れのことでしょう。

 朝晩の冷えを我慢しないで、重ね着をして、体力の消耗と風邪の侵入を防いでください。

 痛みにとらわれてそこに意識を集中すると、痛みが強くなっていきます。

 たいていの痛みは、忘れている時に自然に消えていきます。

 痛みを確認しないことが大切です。

 痛みを忘れる時間、大好きなことに集中する時間、それが自然治癒力を高める薬になります。

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2013年9月16日 (月)

台風18号。

 昨夜から台風の影響で時折強い雨が渦を巻くように叩きつけ、熊谷では突風で家が壊れる被害があったようなので、今朝明るくなってからすぐに外の様子を見てきました。

 5時半頃は雨が小降りになっていて、屋根が飛ばされた家もなく、道路に葉っぱは落ちていましたが、木の枝が折れて落ちているようなことはありませんでした。

 ウォーキングとまではいきませんでしたが、日課の近所の霊園でのお墓参りをすませ、帰りには突然の風でビニール傘の骨が曲がってビニールが剥がれ、傘が役に立たなくなりました。

 テレビのニュースは京都の桂川にかかる渡月橋が増水で水をかぶる様子を伝えています。

 嵐山のイメージにはない光景ですが、考えてみれば「嵐」山ですから、かつては何度も天災に襲われた地域なのでしょう。

 避難勧告が一万世帯を超える地域がありますが、避難をするにも、収容施設の中でも、混雑で大変なことだと思います。

 経験したことのないような大雨という表現を聞いたのは今年何回目でしょうか?

 敬老の日のイベントが各地で予定されていると思いますが、午前中は外出を控えたほうがよさそうです。

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2013年9月15日 (日)

「正」の語源は「一」度「止」まることではなく、「城に向かって進軍すること」。

 ある住職が、お寺の庭を鑑賞する時に、『「一」度「止」まって考えてみると「正」しい在りようが見えてくる』というお話をされたので、なるほどなぁと感心していたのですが、調べてみると「正」の語源は「城に向かって進軍すること」のようです。

 征服の「征」は行軍を意味し、政治の「政」は木で叩いて税金を取り上げることを意味します。

 一度止まって考えるのと、進軍して攻め込むのとでは真逆ですね。

 よく見て真実をとらえることが「正」の意味するところではなく、力のあるものが良しとすることが「正」になる、残念ですがこれが歴史的な事実のようです。

 タッチセラピーの刺激量の正解は、動き続けながら瞬間的に判断していきます。

 一旦止まって考えるのではなく、どこでも止まれる準備をした上で動きながら考える、そういう意味ではセラピストは病に対して進軍しているのかもしれません。

 物足りないくらいが適量刺激だと私は講座で皆さんにお話しているのですが、「少し攻めてみる」ということもお話してきたつもりです。

 施術中の全ての触圧刺激を変えてみる、刺激量、刺激部位、進入角度、どれもわずかな変化でいいのですが、有効な触圧刺激ができたのなら、それに続く次の有効な触圧刺激には、刺激の微調整があってしかるべきです。

 城の攻略法の正解を求めて試行錯誤するのとセラピーは似ているかもしれません。

 何度も言いますが、あんま・マッサージ・指圧理論でも、整形外科の先生の常識でも、炎症に対して強い触圧刺激をするということはありません。

 こりに対して強い刺激をするのは攻め方が間違っています。

 マラソンランナーの足底筋膜炎に対して、痛がって飛び退くような圧迫をすることがセラピーの世界の正解であるはずがありません。

 健康な人の足底腱膜に対しても、痛がって飛び退くような圧迫は、体罰やいじめのようなものです。

 こりに必要なのは血行を促す「手当て」です。

 「手当て」は決して「ぬるい手技」ではありません。

 手当ては単に手を当てておくだけではなく、動かせばいい、指紋部の手当ても母指球の手当てもできます。

 タッチに愛があれば、「痛みを感じて」、ゴリゴリ圧し込めない部位には気づくはずです。

 手技療法の理論を理解した上での手当ては、治療効果の高い、セラピーの根幹をなす手技です。

 セラピーのプロフェッショナルが、一般の方の見本となるような治療効果の高い手当てを実践していくことで、介護をする家族の方の「マッサージ疲れ」を減らしていくことができると私は思います。

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2013年9月14日 (土)

右陰嚢水腫手術後の左頚部から背部にかけての痛み。

 陰嚢水腫は液体が溜まって陰嚢が大きくなる病気です。

 腹腔と精巣の間には鞘状突起があって、普通は交通が遮断されています。

 成人男性の陰嚢水腫のほとんどのケースは、鞘状突起の一部の精巣鞘膜腔に液体が溜まって陰嚢が大きくなります。

 水を抜く治療法もありますが、根治には余剰の鞘膜を切除してから縫い合わせるなどの手術をすることになります。

 先日指圧にいらっしゃった男性は、右陰嚢水腫の手術後3ヶ月で、左頚部から背部の痛みに悩まされ、御得意様の紹介で指圧にいらっしゃいました。

 座位の姿勢は膝が大きく開いた過度のO脚で、爪先はほぼ90外側に向いていました。

 股間を閉じられなかった、そして今もそれが癖になっているだけではなく、まだそこに痛みがあることが後でわかります。

 脊柱は左に側弯していて、右腰から右の下腹部に体幹の重さを伝えたくないということがわかります。

 脊柱を側弯させることによって、左頚部から左背部の筋肉をいつも使っています。

 左側頚部、左肩上部の筋肉もこっていました。

 伏臥位から指圧を始めたのですが、一つ配慮の足りないことがありました。

 バストマットを当てていましたし、腰痛マットでの指圧ですから問題はないと思って指圧を始めたのですが、指圧中に右の鼡径部から股間にかけて痛くなってきたということで、右鼡径部に折りたたんだバスタオルを当てて指圧を再開しました。

 陰嚢水腫の手術後の方に施術をすることはなかなかないかもしれませんが、これは虫垂炎や子宮の手術後、産後の女性でもあるかもしれないことなので、そのような御客様に施術をする時には、是非バスタオルなどで患部の当たりを柔らかくする気配りができるように準備をしておいてください。

 頚部から背部を緩めていくと、脊柱の左側弯が解消されていきました。

 仰臥位の指圧に移ると、股関節を大きく外転させる姿勢をとり、爪先はやはり90°外側を向いていました。

 大き目のサイズのズボンをはいていらっしゃることからも、股間の違和感は大変なものだったのだろう、そして手術後もその違和感は治まっていないのだろうと推測します。

 大腿の内転筋群はほとんど使っていません。大腿外側のこり、下腿外側のこりを緩めていきます。

 左下肢伸展挙上牽引で右鼡径部に響くようなことはなく、右下肢の牽引でもゆっくりと徐々に引っ張ってみたところ患部に痛みは走りませんでした。

 膝を閉じ、両足趾を袋状につかんで手根部で足底を圧し、足背屈+内転で両方の爪先を合わせ、左右に足を揺らしながら振動圧を股関節に向けて飛ばします。

 これがO脚の矯正になります。

 上肢、顔面、頭部、前胸部、腹部と指圧し、腹部の指圧で患部が痛むようなことはありませんでした。

 全身指圧後、脊柱の左側弯は矯正されましたが、椅子に座ると股関節が開き、両方の爪先が外側を向いていました。

 習慣を治すことは容易ではありません。手術痕に痛みがあればなおさらです。

 正中線の延長の一直線上に爪先を出していくことを意識して歩くようにアドバイスさせていただき、実際にやっていただきました。

 ぎこちない歩きでしたが、この意識をしていかないとO脚のまま老化が進み、やがて左膝から先に変形しそうな状態であることを申し上げました。

 手術痕のさらなる回復と姿勢の改善で、痛みのない生活ができることをお祈りしております。

 陰嚢水腫の手術は腰椎麻酔で一週間入院だったそうです。虫垂炎と似ていますね。

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2013年9月13日 (金)

指圧の指の作り方、強い指は自然にできる、それよりも繊細な指を作ってください。

 「甘手の指の作り方」についての御質問をいただいたので、そもそも指を作るとはどういうことか、どういう指が臨床では必要なのかということを書きとめてみます。

 指がよく反る甘手の指圧での注意点は「指節関節で圧さないようにする」ということです。

 「関節で圧せば痛いから関節で圧してはいけない」、これが指圧の考え方です。

 指節関節を屈曲させて圧さないのも、指力で圧すことは指圧の目指すタッチではないからです。

 「指を作る」ということはピアノの演奏でもギターの演奏でも必要なことですが、簡単な練習曲を弾くことから始めて、毎日練習することで演奏に必要な指ができていきます。

 楽器の演奏でも、始めは確実に音を出す練習をします。

 それは最低限の基礎だから。

 レベルが上がれば必要なのは、音色(硬い音、柔らかい音)や、強い弱い、速い遅い、長い短いという音量、テンポ、持続の使い分けです。

 指圧の指作りでは触圧刺激の音色にあたる部分がおろそかにされがちです。

 強い指は続けていればやがてできていきますが、繊細な指は、それに気づいた人だけが試行錯誤しながら時間をかけて獲得していくものです。

 表現力の豊かな、いろいろなニュアンスの出せる指を作ることこそが、セラピストに求められる指作りです。

 具体的な指作りのトレーニング法もあげておきましょう。

 指圧では、母指の中手指節関節屈曲で指節関節は伸展させます。

 母指と示指の間隔は60°が目安ですが、甘手なら間隔は狭いほうが母指の反り過ぎを抑制します。

 逆に苦手ならば、母指と示指の間隔を目一杯拡げないと母指指紋部を皮膚に密着させることが難しくなります。

 四指は隙間を開けずに揃えて、四指指紋部でとらえた皮膚を離さずに手前に引くことで、母指指紋部1点に圧を集中させます。

 この指圧の構えでテーブルに片手をついて、肘を曲げ、膝を曲げてしゃがみ、テーブルについた手の支えで肘を伸ばし、膝を伸ばして、体を起こします。

 これが体重移動の指圧です。

 これを実際の臨床では肘伸展で、母指指紋部1点に徐々に体重を乗せていき、また徐々に体重を抜いて戻していきます。これが漸増漸減圧の指圧です。

 立位で壁に指圧の構えで片手をついて、肘伸展のまま、わずかに体重移動をする、この感覚が臨床での痛みを抱えた方に対する体重移動だということを理解してください。

 わからなければ両手を壁について、肘をわずかに曲げて、壁に対する指立て伏せの練習で感覚をつかんでいってください。

 やがて肘伸展でも感覚がわかるようになります。それが何年になるか、本当の本当にわかるには10年かかるか…、一生のことだと思っていてください。

 「指圧は芸術である」、日本指圧専門学校の道場には、この言葉が額に収められて掲げられています。

 繊細な指を作り続けて、感動的なタッチのできるセラピストに成長してください。

 

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2013年9月12日 (木)

夏の疲れから帯状疱疹になることがある。

 80代女性、夏の疲れから風邪を引き、治りが悪いと思っていたら骨盤から下肢外側が痛くなり、結局それは帯状疱疹だったそうです。

 患部には外用のゾビラックス(坑ウイルス薬)を使って治療中で、診察では水泡を潰す処置も受けたようです。

 夕方になると微熱が出るようで、まだ回復までには時間がかかりそうです。

 帯状疱疹は「引越し後の女性」が罹る病気という私的なデータがあります。

 強いストレスで潜在していたウイルスが暴れ出すのが帯状疱疹です。

 今年の暑さが「引越しするくらいのストレス」だった人、特に女性は要注意です。

 今週は咳喘息の発作が起きている高齢者の方にも指圧をしています。

 秋になるとダニが死んで死骸が増えますから、アレルギーのある方はいつも以上にしっかりと掃除をしたほうがよいでしょう。

 そろそろイネ科のアレルギーの時期が終わり、ブタクサのアレルギーの時期になります。

 空気の冷えや乾燥は呼吸器に影響しますから、夏の疲れが溜まっている方は風邪から帯状疱疹などにならないように、朝晩はマスクをしたり、指圧・マッサージで早めにメンテナンスをしておきましょう。

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2013年9月10日 (火)

120cmくらいの棒を使って肩関節の自己牽引ストレッチ。

 バスタオルの両端を持って、前から頭の上を通して背中側に肩関節外転外旋のストレッチをすることはできます。

 しかしバスタオルの両端を普通に握ると手関節が掌屈して上肢内側に力が入ってしまうので、肩関節を牽引気味にストレッチすることはできません。

 意識して手関節背屈で握ることはできますが、バスタオルは柔らかいので牽引する側の肩を反対側の上肢で圧し込んで牽引の方向に伸ばすことはできません。

 120cmくらいの棒の両端に両手の中指を当てて胸の高さで支え、右中指で左中指を圧すようにしながら左肩を水平外転させていき、できるだけ左上肢を遠くへ伸展させます。

 左中指の遠位指節関節屈曲でも、右中指で棒で圧し込むことによって左手関節には背屈の力が加わり、左肩関節は牽引の力が加わってストレッチされます。

 棒の両端に両中指を当てて棒を縦にして行うと、肩関節には屈曲(前方挙上)+牽引のストレッチとなります。

 真横に向かわなくても、真上に向かわなくても、斜め下とか、斜め上とか、無理をせず、できる角度で肩関節に隙間を作るストレッチをしておくと、肩の痛みに対する治療効果のあるストレッチとなります。

 伸び縮みする突っ張り棒や、壊れたモップの柄のなどでやってみてください。

 バスタオルではできない牽引のストレッチができます。

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肩関節烏口突起付近の圧痛+外転外旋で痛む、上腕二頭筋短頭腱だけでなく対角線の小円筋、棘下筋も緩める。

 肩関節の痛みには、烏口突起に起始する上腕二頭筋短頭腱の炎症が原因の場合があります。

 上腕二頭筋短頭は、鎖骨外側下にある肩甲骨烏口突起に起始し、三角筋前部線維の内側際に沿って上腕を下行し、橈骨粗面に停止します。

 三角胸筋溝の外側で肩の膨らみの内側を圧すと痛むポイントがあるとすれば、それは上腕二頭筋短頭腱の炎症の可能性が高くなります。

 肩関節の強い内転+内旋+肘屈曲での手仕事で痛めるのが上腕二頭筋短頭腱です。

 ギターのハイポジションでの演奏は、肩関節の強い内転・内旋+肘屈曲+手関節掌屈の動きになります。

 肩関節外転+外旋で痛みが出れば上腕二頭筋の炎症、肩関節外転+内旋で痛みが出れば棘上筋の炎症とおおよその見当をつけることができます。

 肩関節内側の痛みで患部を絞り込む時は、三角筋、大胸筋、鎖骨下筋も圧痛があるか確かめて、肩関節外転・外旋をしながら三角筋の膨らみの内側際に痛みがあれば上腕二頭筋短頭腱の痛みです。

 こりと違って触診ではわからないことが多いので、肩関節をゆっくりと外転外旋させながら「ここは痛みますか?」と聞いて、1点ずつ指をずらしていきます。

 上腕二頭筋短頭腱の起始する烏口突起付近には経穴で一致するツボはありません。

 典型的な症例や典型的なツボ以外に患部を発見することは、地図にない島を発見するのと同じです。

 地図にない島を見つけるには地図が必要、つまり基礎的な知識がないと典型例にはない真の患部を見落としてしまうことがあります。

 そして肩関節内転内旋でできた上腕二頭筋短頭腱の炎症には、対角線の肩を外転外旋させる小円筋や棘下筋のこりがつきものです。

 動かさな過ぎという同じ位置で固定された“使い過ぎのこり”が小円筋や棘下筋に生じます。

 肩関節外転外旋に働く筋肉のこりを緩めると、上腕二頭筋短頭腱の炎症があっても肩関節外転外旋での上腕二頭筋のストレッチ痛が緩和されます。

 なかなか理解しにくいところかと思いますが、一つの炎症は関連痛を生むと考えて広範囲に緩めることで無理のない症状緩和につなげてください。

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2013年9月 9日 (月)

タイガーバームスティックNのCM、肩を圧すトラの体重移動を見てください。

 タイガーバームスティックNのテレビのCMで、肩を圧すトラの体重移動が理想的なので是非見てください。

 トラは前肢伸展で肩に肉球部分を当て、それを支えにして背中を起こしています。

 後肢が少し動くことからも、後肢に体重が残っていて、全体重を強引にかぶせるようなことはしていません。

 前肢伸展で背中を起こすことによって、漸増の体重移動による圧刺激が皮膚表面に対して垂直に入っています。

 このCMを見ていて、太極拳に猿拳などの動物の動きを模した型があることに納得できました。

 動物の自然な動きは、物理の法則にのっとています。

 体重移動の圧刺激は、滑車やてこの力のベクトルが必要です。

 指で圧そうとすると体重移動にはなりません。

 指で圧そうとしないトラは、背中を起こして理想的な体重移動をしていました。

 YoutubeでもこのCMを見ることができます。

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2013年9月 8日 (日)

40代女性、耳がキーンとする、肩こり、肘から前腕外側の違和感。

 雨が降ったり止んだりで気圧が低い日が続いています。

 急に最高気温が30℃を下回るようになったので体が気候の変化についていけず、冷えを溜めているのに気づかない人が指圧にいらっしゃいます。

 40代女性、耳がキーンとしていて、右肩から肘(上腕骨外側上顆)、前腕外側に重だるい違和感を感じて指圧にいらっしゃいました。

 「高低差あり過ぎて耳がキーンとするわ!」、漫才のフットボールアワー後藤さんのツッコミにあるように、高層ビルのエレベーターで高い階に上がる時や飛行機に乗っている時に急上昇して外気圧が急に下がると内耳の気圧はその変化についていけずに内外の気圧差で耳がキーンとしてきます。

 中耳から咽頭に開口する耳管によって内耳の気圧を調整することができるので、口を大きく開けると「耳のキーン」を緩和することができます。

 しかしこの御客様は顎関節症があって、「口を閉じる、奥歯を噛み締める傾向にある」というのが指圧をしていく過程で分かってきたことです。

 また上腕骨外側上顆の違和感は、以前に整形外科で「テニス肘」の診断を受けていたということがあります。

 テニスはしないようなのですがピアノを弾きます。

 ピアノの高い音の鍵盤を弾く時に、右肘はテニスのバックハンドの動きになりますから、バックハンド肘の症状が出やすいということが言えます。

 体が冷えていましたが自覚はしていませんでした。

 上肢の症状は頚から考えていきます。

 猫背の手仕事で肩が上がって肩こりになるということがまずあって、第5頚神経から第1胸神経が橈骨神経となって上肢外側に伸びていきますから、その出口である後頚部から肩甲間部の筋緊張を緩めていきます。

 冷えがあれば交感神経が優位になっていますから、血管を拡げて温めるためには強い刺激で血管を収縮させてはいけません。

 丁寧に足先まで伏臥位で温めるように指圧をしていくと、腎機能が活発になって伏臥位の終わる前にトイレで指圧を中断しました。

 再開し、伏臥位から仰臥位に移って下肢、上肢と指圧をし、耳の周囲の指圧では耳珠の付け根の下側にある胆経の「聴会」の指圧で強い痛みがありました。

 耳珠の付け根の狭い間隔には3つのツボがあります。

 「聴会」の上の小腸経「聴宮」ではなく、その上の三焦経「耳門」でもなく、体側の経脈である胆経の「聴会」にポイントが現れたことは、右足体重、股関節の外への開き、ピアノのペダルなど、普段の体の使い方のイメージが浮かんできます。

 顎関節症と「聴会」の圧痛、「耳のキーン」は血行不良で結びつきます。

 耳の裏側も圧して痛みがあり、耳たぶを引っ張ると咳が出ました。

 咳は耳かきでも起こることがあり、耳の裏側や外耳道は迷走神経支配なので、延髄の咳中枢を迷走神経が仲介しているので迷走神経の刺激が咳になったということでしょう。

 全身指圧後、体が温かくなり、「耳のキーン」が消えました。

 右肩から肘、前腕の症状も猫背が解消されたことにより、ほとんど気にならなくなったようです。

 顎関節症があると口が開けずらいので、顎関節から耳の周囲の血行不良で耳鳴りがするという方がいらしゃると思います。

 関節に沿ったミリ単位の刺激ができると詰まり解消のポイントに当たってきますから、その微妙な感覚を時間をかけて研究してみてください。

 角度の調節、浅く当てる、深く当てる、手指でできる調節はたくさんあります。

 冷えていることに気づかずに冷えを溜めている方がいらっしゃいますから、温かな手にウオームアップして、準備万端で施術に臨んでください。

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2013年9月 7日 (土)

「…や体の筋肉の中に世界の秘密がある」宮崎駿監督引退会見の言葉。

 「アニメーションは世界の秘密をのぞき見ることだ。風や人の動きや表情やまなざしや体の筋肉の中に世界の秘密がある」、昨日の引退会見での宮崎駿監督の言葉です。

 宮崎監督は18才から絵の修行を始めて、監督になる前に「アニメーションは世界をのぞき見る仕事だ」と分かって、そのとたん、自分の仕事はやるに値する仕事だと思ったのだそうです。

 表情もまなざしも、心の動きと筋肉の動きによって生まれます。

 宮崎監督の世界の秘密の要素の一つ「風」は、気象や環境の外力であるだけではなく、人や組織や国など、外圧の象徴なのだと私は思いました。

 文化人になりたくない、町工場のおやじを貫きたいという宮崎監督の職人人生総仕上の今後の活動が気になります。

 筋肉に手で触れる私たちセラピストが「世界の秘密」に気づけないようでは困ります。

 筋肉の語る言葉、うめき、喜び、宇宙の始まり、生命誕生の秘密、問いかけて、探って、答えを求めていきましょう。

 

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2013年9月 6日 (金)

昨日のアロマ指圧講座「腹痛」。

 昨日は飯能の生活の木薬草香園で「腹痛」をテーマにアロマ指圧講座を行いました。

 内臓の痛みの背中の治療点だけでも、東洋医学では背部兪穴、西洋医学では脊椎側点、ヘッド帯、マッケンジー帯などいろいろあります。

 内臓痛や深部痛は局在性に乏しいので、いろいろな部位に痛みが現れます。

 内臓の痛みの反射として起こる腹壁の「筋性防御(腹筋が板のように固くなる)」や腹部を押して指を離すと痛い「ブルンベルグ兆候」は、腹痛時に触診でわかる重篤度の判断材料です。

 吐き気や発熱などを伴うような激しい腹痛は指圧・マッサージの適応ではないので、すぐに病院へ向かわせてください。

 月経困難症の治療穴として、背部では①腸骨稜上部中央に位置する「腰眼」、②第2仙骨棘突起外下方1寸の仙骨孔「次髎(じりょう)」、③第3仙骨棘突起外下方1寸の仙骨孔「中髎(ちゅうりょう)」、④上前腸骨棘から尾骨に向かって3cmの「浪越圧点」、下腹部では④任脈(正中線上)で恥骨から臍に向かって2寸の「関元」を中心に、⑤その上1寸の「石門」、⑥その下1寸の「中極」をピンポイントでとらえる指圧をしました。

 どれも効果的なツボですが、特に「次髎」「中髎」は副交感神経である仙骨神経を直に刺激することができますから、棘突起から1寸という定義にこだわるのではなく「一番ジーンとする微妙な位置の修正と圧し方」にこだわって最適な圧刺激を考えていただきました。

 私は滅多に講座で圧してもらうことはないのですが、とらえられるまでしつこく駄目出しをしながら何度も角度や位置を微調整して圧してもらっていたら、ドンぴしゃりの圧刺激がヒットして感動しました。

 「このワンタッチだけで十分に価値がある」と思える、それは経験したものでなければわからない触圧刺激の波紋のような広がりでした。

 技術の指導をする時に、技術が未熟な人のタッチを自分の体を犠牲にして受けるべきではないと私は思うのですが、私の講座を見つけて来てくださる方は感受性が豊かな方が多いので、細かい注文をつけていくと「まるで私に圧されているみたいな感覚のタッチになる」のですね。こんなタッチがあるなんて本当に凄いことです(自画自賛ですみません)。

 この他に胆石症の治療点の指圧と、カモマイル・ローマンとラベンダーを使った鈍い痛みにも鋭い痛みにも対応する目的のブレンドオイルによる腹部マッサージを行いました。

 硬さとぶつかったらそれ以上は指を沈めないということ、「触圧刺激の伝達が優先されて、痛みの伝達は抑制される」つまり手当ては鎮痛効果があるということ、慢性の鈍い痛みが長く続くような腹痛には指圧・マッサージが十分に効果を示します。

 仙骨の圧し方は、また講座で取りあげたいと思います。

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2013年9月 5日 (木)

体重増の腰痛、深部に届く垂直圧で代謝を上げる。

 昨夜から明け方まで稲光が続いていました。

 雨が降り出す前に朝のウォーキングに出かけ、帰ってきてから雨が降り出しました。

 埼玉、栃木と二日連続の竜巻被害、各地での大雨、家屋の浸水、夏には獲れない深海魚が網にかかったというニュース、気象は荒れる方向に変化しています。

 今朝も昨日、一昨日と同じように四方の空は厚い雲に覆われています。

 昨日は大阪でも「竜巻の卵」が出きたそうなので、どこにいても竜巻の時の逃げ方を考えておいたほうがよいでしょう。

 子供の頃、竜巻は「オズの魔法使い」の中でのことで、日本で竜巻注意報が頻繁に出る日が来るなんて、想像したこともありませんでした。

 天気が悪いから腰痛や膝痛の方が指圧にいらっしゃいます。

 30代男性、肥満体で右腰痛があります。

 高血圧、高脂血症、糖尿病があって薬を飲んでいます。

 しかし糖尿病の方にある筋肉の硬さはありません。

 おそらく血圧もコレステロールも血糖も数値はやや高いくらいで、予防的な意味での早目の投薬なのだろうということを問診からも感じました。

 仰臥位両膝屈曲で、膝を開かずに両股関節を屈曲させても痛みは出ません。

 右股関節外転外旋で右腰の痛みが再現されたので、おそらく体重がかかることによる右腸骨筋の傷であろうと判断して仰臥位下肢から指圧を始めます。

 左足は冷えていました。

 右利き、右足体重、左半身の使わな過ぎです。

 上肢の指圧で右腋窩、右三角胸筋溝を指圧して強い痛みがありました。

 これは右肩内転内旋で右手を非常によく使っているということです。

 右肩内転内旋で作った痛みと右股関節外転外旋で作った痛みは一緒に出やすい症状です。

 右の手仕事、右踵体重、右腰痛という右への傾きが診えてきます。

 伏臥位右背部の指圧で腰に痛みがなかったことからも、骨盤内の右腸骨筋の痛みが主訴のようです。

 背部の指圧中に腰が熱を帯びてきて、左足は温かくなっていました。

 そして全身指圧後、右腰の痛みは消えていました。

 この症例では、指圧の垂直圧によって深部の緊張が緩和され、脂肪が燃焼して熱を作り出したと考えられます。

 代謝が進み関節可動域が拡がって腰痛が解消しました。

 おそらく大きな傷にはなっていなかったのでしょう。

 太っていて運動不足なら、指圧で体重を落とすことは簡単です。

 強く圧し込むのではなく、深部にまで圧をじんわりと伝えることで、体の奥に溜まった脂肪までが融解するのでしょう。

 そうでなければあの熱の発生は考えにくいことです。

 全身指圧で使いづらい筋肉も運動させていますから、老廃物がたくさん流れて、おそらく夜には綿のような深い眠りが訪れたことと思います。

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2013年9月 4日 (水)

70代女性、動悸がする、血圧が高い。

 朝起きたら動悸がして不安だという70代の女性、御自分で電話をかけてこれたこと、その電話の声の様子から重篤な状態ではないと判断しました。

 まず落ち着かせることが大切ですから、ゆったりとした口調で、温かい音色を選んで、すぐに指圧ができることを電話で告げました。

 車で送ってくれる家族が出かけてしまったということなので、「お宅へ行って指圧をしましょうか?」と尋ねると、「申し訳ないけど迎えに来てもらってそちらで指圧をしていただけますか」とのこと、もちろんすぐにお迎えにうかがいました。

 施術室の「セラピーの場の空気」を感じていただいている方が多いのは、香りや音楽や雑貨などで演出している私にとって嬉しいことです。

 お宅の前で車を止めると外に出て立って待っていたこと、そしてその顔を診ると、狭心症の発作や脳血管障害などではなさそうです。

 車の中で「血圧が150-100だったが大丈夫か?」と心配そうなので、「大丈夫」を自信を持って繰り返しました。

 この御客様は、ウチで血圧を計って収縮期血圧が160を超えていたことが何度もあります。

 「前日に肩がこっていたので家族に揉んでもらったら今朝は右肩が痛い」とのこと、まず間違いなく揉み返しです。

 「肩や頚の筋肉が硬くなって血圧が上がり、血管が拡がらないので血液が十分に届かないから心臓が血液をどんどん送ろうとして拍動のテンポを早くして動悸がする」ということなのでしょう。

 頚、肩を触診すると熱が溜まっていました。

 この時点での脈は1分間に108、脈が跳ぶことはありません。不安になるほどの動悸がした時の脈は120くらいあったのではないかと思いました。

 座位の触診はいつも前頚部から始めています。

 前頚部1点目、胸鎖乳突筋の内縁「頚動脈洞」の指圧は血圧と心拍数を下げます。

 私は座位の触診の時の前頚部の指圧は、軽く触れる程度にとどめています。

 後頚部から後頭部にかけて頭痛もするとのこと、確かに後頚部も側頚部もこっていましたが、吐き気もなく、バットで殴られたような痛みでもないので肩こりの延長と診ました。

 伏臥位の姿勢をしてもらって胸が苦しかったり嫌な感じがしたら姿勢を換えようと思っていたのですが、特に伏臥位の姿勢を我慢している様子もなかったのでそのまま指圧を始めます。

 頚や肩は揉み返しの炎症があるので軽く触れて、弱い刺激で炎症の充血を散らしていきます。

 とにかくこの指圧の要点は落ち着かせること、「大丈夫」という言葉を度々かけていくことが、またひとまわり大きな大丈夫を生んでいきます。

 背部の交感神経支配領域の緊張を緩めていくと、背部の指圧中に脈は84に下がりました

 伏臥位の指圧中でも、肩甲骨から上腕、前腕と大きく把握揉捏をしていき橈骨動脈を計るということを私はよくやっています。

 施術の次の工程を考えたり、工程を入れ替える時には、こういうざっくりとした緩和の施術をしながら、次の最適な一手につなげることがあります。

 仰臥位に移って、下肢、上肢の指圧の後、「眼球掌圧(アシュネル反射で心拍数と血圧が下がります)」、「前頚部の指圧(ここで頚動脈洞を片側ずつ軽く刺激します)」、前胸部鎖骨周囲の指圧、腹部の指圧と全身指圧を終えると、脈は72に下がりました。

 テクニックや知識としては生理学的な反射や自律神経のしくみを理解してタッチをしていくことが大切です。

 しかしそれはプロフェッショナルなら当然のことで、セラピーを左右するのはどこでも教えてくれないようなことにあると私は思っています。

 それがゲームを作るということ。

 1点差で勝っている9回の裏、2アウト満塁、3ボール2ストライクから、ワンバウンドになるようなボール球をバッターが振ることを計算して投げるようなこと、その経験に基づいたたくらみというのがセラピーには必要です。

 触ってみなければわからないし、触ってみてさえわからないこともあります。

 それでも7割正解がわかっていれば3割の不確定要素は表に出さないでおくということも大事です。

 たとえ不自由な体であっても、その体を唯一無二の体として肯定していくことがセラピー、ネガティブな要素を口に出さなくても成立します。

 傷や炎症があれば完璧には良くならないことが多々あります。

 この時は毎日行う肩のストレッチを、バスタオル、つっぱり棒、余っていた水道管の凍結防止ウレタンホースなどを使って実際にやっていただきました。

 自宅に有る物を使って、肩を動かすだけでもいろいろなニュアンスが出せるのです。

 不安にはできるだけ答えを与える、そして痛みを探させない、これはとても大事です。

 セラピーは安心をお土産に帰っていただくこと、御自宅まで車でお送りし、次の指圧に備えました。

 

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2013年9月 3日 (火)

竜巻の前には耳に異常を感じる。

 昨日の昼前に指圧をしていた時に、カラスがたくさん集まってきて屋根やぶどう棚で騒いでいたので、「天気が悪くなる前に、今日は早くねぐらに帰るんですかねぇ」などと御客様と話していました。

 午後は越谷で竜巻が発生したとは知らずに指圧をしていて、「沖縄の西で台風ができるなんて、日本も熱帯になって災害が増えていきそうですねぇ」などと御客様と話していました。

 こちらでは午後2時前に通り雨が降ったくらいで、雲は多かったのですが晴れたり曇ったりの天気でした。

 台風と前線の影響で天気が悪くなるとは思っていましたが、竜巻が起きるとは…。

 竜巻の前兆として、急激に低下した外気圧と耳の内圧との差で「耳がキーン」とするなどの耳の異常を感じることがあるそうです。

 竜巻が近づいてくることがわかったら、1階の窓のない部屋に避難するというのが最善策、命だけを守る、竜巻の圧倒的な力に対してできることは命だけを守るということに尽きるようです。

 昨日のような天気の日に肩こりや腰痛の状態が悪くなって指圧にいらした方たちも、いつになく昼前から屋根やぶどう棚で騒いでいたカラスたちも、気圧の低下に体の異変を感じ、さらに悪くなる前に何とかしておいたほうがいいと敏感に感じていたのでしょう。

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2013年9月 2日 (月)

軽擦の始めに肘を大きく曲げることをやめる。

 軽擦を、肘を大きく曲げて、猫背で、自分の脇腹に近い位置から窮屈に始めることは、自分の体を疲れさせるだけで、刺激の方向も真っ直ぐには進みません。

 肘を大きく曲げて手掌の尺側が前を向く時、自然に肘を伸ばしていくと指先は外側に向かって円を描きます。

 ジャイアント馬場さんの逆水平チョップもそういう動きでしたね。

 手掌の尺側が前を向いたまま真っ直ぐに進ませる軽擦をするなら、両肩が外側に開かないようにする力と、手掌を下に向かって圧しつける力が必要になる上に、50cm進むのが限界で、それ以上進むなら指先を外側に開くか、スタンスを前に移動するしかありません。

 手掌を前に進めるという動作を肘屈曲から伸展で行う時は、母指と示指の中間を動線の中心にするのが自然です。

 これは「合谷」の属する大腸経、長・短橈側手根伸筋のラインです。

 相撲のツッパリも母指と示指の間が動線の中心です。こんなことからも活法と殺法は紙一重なのだとわかります。

 肘を大きく屈曲させて軽擦を始めるとカメハメ波でも出そうな感じがして、形としては何事かありそうで良いのですが、軽擦の適量刺激を自在に調節しようとするならば無駄な動きです。

 個性的で、歌舞いたことをやるのは賛成ですし、アロマオイルマッサージならむしろ儀式的にやってほしいと思います。

 そうは思っているのですが、自分の体を痛めつけないでくださいね。

 いつも言いますが、鶴の恩返しのように自分の体を痛めつけて行う施術はセラピーの本質からずれています。

 疲れが溜まるような施術をしていては判断力が鈍り、プロとして合格点のタッチを続けられなくなります。

 1秒の何分の1かで、体温、脈、硬さ、むくみなどを瞬時に判断してタッチを繰り出していくのです。

 無駄な力は抜いてください。肩に力が入ったタッチは御客様に不快なタッチになります。

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2013年9月 1日 (日)

手足が冷えて顔がのぼせるのはどうしてか?

 手足が冷えて顔がのぼせる「冷えのぼせ」についての御質問がありましたので、その原因について考えてみましょう。

 動脈血は肝臓から栄養を、肺から酸素を供給されて、心臓から末梢へと運ばれます。

 肝臓と肺は工場、心臓はポンプと考えると、心臓から送り出されたばかりの動脈血は出来立てで、横紋筋である心筋が作り出す熱にも温められています。

 脳や臓器へ送られるのが全動脈血の7割、残りの3割が四肢に分配されますから、上腕、前腕、大腿、下腿と細胞に栄養と酸素を与えてから末梢の手先、足先に届く動脈血は「量が少ない」ということがまずあります。

 末梢まで流れる途中にこりがあったり、炎症があれば、そこで血流の滞りが起こり、手先、足先まで届く動脈血はさらに少なくなります。

 運動不足だと唯一の熱発生器官である筋肉が使われないので末梢ではさらに冷えます。

 源泉と長いパイプで繋いで浴槽に温泉を溜めると、温泉の温度は源泉よりも冷めています。源泉が心臓の動脈血、長いパイプで冷まされながら届いた温泉が末梢の動脈血です。

 頭部顔面は、心臓に近い総頚動脈と椎骨動脈という左右2本ずつ計4本の距離の短い直通ラインがあるので、温かい動脈血が早く豊富に届きます。

 体は動かさなくても、脳や目、飲食のための口や喉を全く使わない日常生活はありませんから、頭部顔面は温かい動脈血が届くだけではなく、熱を作っているということもあって、顔がほてったり、頭がのぼせたりします。

 心配事や考え事が多かったり、ゲームやテレビなどで目を使い過ぎても頭はのぼせます。

 末梢の手足が温かければ末梢まで動脈血を送るためにも頭部顔面で使った動脈血は心臓に還らなければならない、つまり末梢の血行が良ければ血行は良い循環で巡っていきます。

 末梢の冷えが続くと毛細血管が退化して手先足先まで動脈血が届かなくなることがあり、心臓から近い頭部顔面では他に与えるべき熱が溜まってくるような状態になります。

 脳と内臓に送られる動脈血が全体量の7割ですから、内臓の働きが悪く内臓が冷えている場合は、より頭部顔面に熱が溜まる、顔がほてる、頭がのぼせるということになります。

 子宮や卵巣の病気では、下腹部に血流の滞りができるので手足が冷えて頭がのぼせます。

 おなかが冷えているとおなかで冷やされた動脈血が末梢へ流れるので、手足はさらに冷え、顔のほてりやのぼせの症状が強くなります。

 冷えは交感神経が優位な状態ですから、副交感神経支配の内臓の働きが悪くなるという悪循環が続いていきます。

 手足やおなかの冷えるので頭がのぼせるとしても、施術のポイントは肩こりや上腕のこり、鎖骨周囲のこり、背部のこり、つまり交感神経支配で使い過ぎの部分から緩めていくことが効果的です。

 使い過ぎや使わな過ぎの詰まりが、風邪の原因となり冷えの原因となっていきます。

 大きな血液の循環で体を整えていくことを考えてみてください。

 「これから冷えのぼせが多くなる」ということについては、夏バテで運動不足の方や、朝晩の急激な冷え込みに順応できるだけの体の余裕(筋肉や体力)がない方は、外気が冷えてくればそれに抗することができずに体に冷えを溜めてしまうということです。

 自分で体を動かす気力も体力もない方の、使っていない筋肉を動かし体を温めていくことは、予防医学として大事なタッチセラピーの役割です。

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