40代女性、耳がキーンとする、肩こり、肘から前腕外側の違和感。
雨が降ったり止んだりで気圧が低い日が続いています。
急に最高気温が30℃を下回るようになったので体が気候の変化についていけず、冷えを溜めているのに気づかない人が指圧にいらっしゃいます。
40代女性、耳がキーンとしていて、右肩から肘(上腕骨外側上顆)、前腕外側に重だるい違和感を感じて指圧にいらっしゃいました。
「高低差あり過ぎて耳がキーンとするわ!」、漫才のフットボールアワー後藤さんのツッコミにあるように、高層ビルのエレベーターで高い階に上がる時や飛行機に乗っている時に急上昇して外気圧が急に下がると内耳の気圧はその変化についていけずに内外の気圧差で耳がキーンとしてきます。
中耳から咽頭に開口する耳管によって内耳の気圧を調整することができるので、口を大きく開けると「耳のキーン」を緩和することができます。
しかしこの御客様は顎関節症があって、「口を閉じる、奥歯を噛み締める傾向にある」というのが指圧をしていく過程で分かってきたことです。
また上腕骨外側上顆の違和感は、以前に整形外科で「テニス肘」の診断を受けていたということがあります。
テニスはしないようなのですがピアノを弾きます。
ピアノの高い音の鍵盤を弾く時に、右肘はテニスのバックハンドの動きになりますから、バックハンド肘の症状が出やすいということが言えます。
体が冷えていましたが自覚はしていませんでした。
上肢の症状は頚から考えていきます。
猫背の手仕事で肩が上がって肩こりになるということがまずあって、第5頚神経から第1胸神経が橈骨神経となって上肢外側に伸びていきますから、その出口である後頚部から肩甲間部の筋緊張を緩めていきます。
冷えがあれば交感神経が優位になっていますから、血管を拡げて温めるためには強い刺激で血管を収縮させてはいけません。
丁寧に足先まで伏臥位で温めるように指圧をしていくと、腎機能が活発になって伏臥位の終わる前にトイレで指圧を中断しました。
再開し、伏臥位から仰臥位に移って下肢、上肢と指圧をし、耳の周囲の指圧では耳珠の付け根の下側にある胆経の「聴会」の指圧で強い痛みがありました。
耳珠の付け根の狭い間隔には3つのツボがあります。
「聴会」の上の小腸経「聴宮」ではなく、その上の三焦経「耳門」でもなく、体側の経脈である胆経の「聴会」にポイントが現れたことは、右足体重、股関節の外への開き、ピアノのペダルなど、普段の体の使い方のイメージが浮かんできます。
顎関節症と「聴会」の圧痛、「耳のキーン」は血行不良で結びつきます。
耳の裏側も圧して痛みがあり、耳たぶを引っ張ると咳が出ました。
咳は耳かきでも起こることがあり、耳の裏側や外耳道は迷走神経支配なので、延髄の咳中枢を迷走神経が仲介しているので迷走神経の刺激が咳になったということでしょう。
全身指圧後、体が温かくなり、「耳のキーン」が消えました。
右肩から肘、前腕の症状も猫背が解消されたことにより、ほとんど気にならなくなったようです。
顎関節症があると口が開けずらいので、顎関節から耳の周囲の血行不良で耳鳴りがするという方がいらしゃると思います。
関節に沿ったミリ単位の刺激ができると詰まり解消のポイントに当たってきますから、その微妙な感覚を時間をかけて研究してみてください。
角度の調節、浅く当てる、深く当てる、手指でできる調節はたくさんあります。
冷えていることに気づかずに冷えを溜めている方がいらっしゃいますから、温かな手にウオームアップして、準備万端で施術に臨んでください。
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