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2013年10月30日 (水)

頭痛、手足の冷え、背部のこり、左ふくらはぎのむくみが強い症例。

 冷えが強まるこの時期に多い典型的な症例を紹介します。

 一週間前から頭痛が続いている夜勤明けの看護師の30代女性、手足が冷えていて背部の筋肉が緊張し、ウエスト以下の下半身がむくみ、特に左ふくらはぎがむくんでいます。

 シフトの関係で夜勤明けの日に夜の勤務があるのですが、眠れそうになく、このまま眠れずに夜の勤務では困るということで指圧にいらっしゃいました。

 まず、夜寝ていないので、自律神経の乱れは頭に入れておきます。

 脊柱や骨盤に左右の傾きはありませんが、左ふくらはぎのむくみから「左下肢の使わな過ぎ」、背部の緊張から左ふくらはぎと対角線の「右手の使い過ぎ」を考えます。

 後頚部のこりはほとんどなく、前頚部・前胸部のこりと目の疲れの訴えがあったことから、手仕事による猫背姿勢で「前頚部頚動脈からの血行不良による頭痛」と診ました。

 頭にむくみはなく、ズキズキとする片側の痛みの訴えもなかったので、これは「肩こりの延長の筋緊張性頭痛」です。

 背部の交感神経支配領域の緊張で交感神経が優位になり、血管が収縮して末梢の手足は冷えています。

 先週の台風など、気圧の低い日が多く、台風の後に冷えが一層強まったことも血行不良による頭痛の原因です。

 「体の緊張を自分では緩められなくなった状態」にあると考えて、ぬるい温泉に浸かってリラックスしている時のような時間を作ることをイメージして指圧をしていきます。

 交感神経が優位になっていますから「弱い・温かい・優しい・気持ちのいいタッチ」で背部の緊張を緩めていきます。

 この時のアロマデフューザーのミストにはフランキンセンスとローズウッドを使っていました。香りで「リラックスしていただく」「転地療養感」を出すことが大きな目的ですから、その日の天候や御客様の状態を診て、これはセラピストのセンスで精油の選択は違っていていいでしょう。

 フランキンセンスには鎮静作用、利尿作用があり、ローズウッドは坑うつ作用があって頭痛を和らげる精油でもあります。

 この施術前後と施術中の3回トイレに行きましたので、夜勤明けのむくみに対して、弱くて気持ちのいいタッチと、フランキンセンス、ローズウッドの香りの効果は十分にあったようです。

 左のふくらはぎは使わな過ぎなので、タッチのテンポを速め数を多くして、足の関節運動や股関節、膝関節の運動も右下肢よりも多めに行いました。

 指圧中よく眠りました。

 ぬるま湯に浸かったような指圧中の30分の眠りは、疲れの取れないまま眠る長時間の眠りよりも疲労回復効果があります。

 手足の冷えが血行促進されていく過程で冷たい血液が移動し「寒い!」ということなので、エアコンの暖房温度を上げ、タオルケットを1枚足し、足元も遠赤外線ストーブで温めました。

 こりが緩んでいく時に末梢が冷えていれば施術中に寒さを感じる人がいますから、施術中に何か言いたいことがあれば言える雰囲気作りと、寒さや尿意を我慢させないような気配りは是非してください。

 全身指圧、ストレッチ後、背部の緊張が緩んで身長が伸びました。

 夜勤明けの看護師さんはブーツが履けないと言って指圧に来る方がいらっしゃいますが、この日の指圧ではズボンのウエストがゆるゆるになったということでした。

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