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2013年11月30日 (土)

「筋肉を緩める左右差で違和感が出ることもある」、ダメ押しの調整でバランスが取れた症例。

 70代女性、主訴は坐骨神経痛で両方の下肢後側から足先まで痛みとしびれがあります。

 この日の指圧では右大腿後側の坐骨神経症状が強かったので、最後に仰臥位膝軽度屈曲で股関節を少し外側に開いて屈曲させる「大腿二頭筋のストレッチ」20秒×3回を、右下肢だけに行いました(大腿二頭筋の10秒のストレッチは仰臥位下肢の指圧の後で左右ともに行っています)。

 指圧には十分に時間をかけ、筋肉がよく緩んでいたので問題はないだろうと思っていたら「歩きにくい」とのこと。

 左大腿後側に違和感があるということなので伏臥位で指圧をしてみると筋肉はよく緩んでいます。

 伏臥位左下肢伸展挙上回旋の腸腰筋のストレッチや膝最大屈曲の大腿四頭筋のストレッチでも特に問題はありません。坐骨神経痛の御客様の中ではトップクラスの股関節の柔らかさがあります。

 『これ以上刺激をすることは害になるだろう』と思いながらも、「自分で痛みを探している」ということもあるので、ここでは不安を払拭する何かをするべきだと考えました。

 (カリスマになる必要があるとしたらこういう場面です。)

 「あっ、わかった!」と声のボリュームを上げて言ってから、仰臥位左大腿二頭筋のストレッチを20秒×3回やってみました。

 「これで違和感が取れているはずだから歩いてみてください」とはっきりと言い切って実際に歩いてもらったら、違和感も痛みも消えていました。

 私がタッチセラピーをしている方に是非考えていただきたいと思うことの一つはタッチそのものの表現力を無限大に豊かにすること、そしてもう一つは「施術の駆け引き」です。

 タッチセラピーの効果を上げるには演出が必要です。

 「神経が傷ついていれば何をやっても痛いかもしれない」、左大腿二頭筋のストレッチを右と同じ回数・秒数やってみても痛みは取れないこともあるでしょう。

 しかし、カリスマになるとしたらここです。

 痛みを背負う覚悟を持って、「痛みを探させないように症状は緩和されていることを言い切って伝える」ことが不安の幕引きになります。

 筋肉はもう緩んでいる、これ以上の指圧は適量刺激を超えてしまう、しかし手詰まりになってはいけないということです。

 強い音圧のある言葉が「痛覚の伝達を遮断する」ことだってあると私は実感しています。

 20秒×3回のストレッチが最も効果的というデータがあるということですが、何が効いたのかと考えると「あなたの痛みに対して施術中も施術が終わってからでも私は最善を尽くす」という強い意志が鎮痛薬となったのではないかと思います。

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2013年11月29日 (金)

普段使わない小さい自転車に乗って右膝上内側の痛み。

 40代女性、連休に普段使わない折りたたみの小さい自転車に乗って家族で公園へ行ってきてから左膝上内側が痛くなり、4日たって右膝上内側が痛くなって指圧にいらっしゃいました。

 片道4kmくらいある公園まで、上り下りの坂道を小さい自転車に乗って普段使っているママチャリの3倍くらいペダルを踏んで往復したようです。ママチャリのほうはパパに乗せてあげたのだそうです。

 触診では両膝の周囲がむくんでいましたが、靭帯や膝の軟骨の問題ではなく、大腿四頭筋の内側広筋を圧して主訴の痛みが再現されました。

 左下肢の筋肉のほうが右に比べて弱いので先に痛みを感じたようですが、実際は筋肉の太い右脚主動で右下肢の筋肉をよく使い、左下肢をかばったことによって疲労していた右内側広筋が限界を超えて小さく裂けたようです。

 自転車は、ペダルをこぎ、膝を伸ばすことによって大腿四頭筋をよく使います。

 小さい自転車で下肢がO脚になって膝の内側に負担がかかったのでしょう。

 肘を伸ばす時に働く両方の上腕三頭筋がこっていて、猫背で背中と腰もこっているので、「肘を伸ばし、猫背、O脚で自転車のペダルを高速回転でこぐ絵」が浮かびます。

 右鼡径部外側下の下前腸骨棘につく大腿直筋起始部にかなりの筋肉痛があったので、右大腿四頭筋を大活躍させてペダルをこいでいた様子がうかがえます。

 右膝上内側は痛みが強いのでそこは軽く触れるだけにして周囲に血行促進の指圧をしっかりと行いました。

 全身指圧後、左の下肢の痛みは全くなくなりましたが、右膝上内側は痛みが残りました。

 仰臥位右股関節屈曲90°右膝屈曲90°から私が両手で足底を圧す抵抗に対して膝を伸展させる抵抗運動で痛みが出たので、これは一回やってやめました(これができるようなら抵抗運動の後にすっかり痛みが消えることがあります)。

 普通の筋肉痛の痛みではなく、傷になって筋肉が裂けているようです。傷が治るまでにはしばらく時間がかかります。

 その日の朝に筋緊張の限界を超えてできた傷なのでしょう。

 右膝上内側の痛みに対しては湿布を貼る、膝にサポータをして筋肉の負担を減らす、冷やさないようにする、などのアドバイスをしました。

 寒くなってきましたから、普段使わない小さい自転車に窮屈に乗ると、後で大変なことになるかもしれません。

 道具や椅子は吟味をして慎重に選んで、体に合ったものを使いましょう。

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2013年11月28日 (木)

「おいしい空気を作る」コニファー(ヒノキ科)の鉢植えをいただきました。

 コニファーの鉢植えをいただきました。シルバースターという名前で流通しています。

 抹茶腕を細長くしたくらいの鉢に入っていますが、ヒノキですから、『これをうっかり庭に植えて大木になったら大変だ…』と瞬間的に『ジャックと豆の木』の話を思い出して戦慄を感じたくらい、尖った葉っぱが生命力に溢れています。

 「おいしい空気を作ります」とネームの札に書かれていて、葉を指で圧して匂いを嗅いでみると、葉っぱの匂いにくるまれた青いヒノキの香りがします。

 ヒノキには抗菌作用があり、空気が乾燥していますから即戦力になります。

 クリスマスにモミにデコレーションをして家の中に飾る習慣も、経験的な風邪予防のアロマテラピーの意味合いがあったのでしょう。

 PM2.5を吸収するという春に買ったサンパチェンスも花を一つ付けています。「陽射しに耐える」という名前の通りに強い生命力に感心します。

 水を張った普段使わない小さな洗面台の中では庭で摘んだミントが根を出して生き生きと呼吸を続けています。

 アロマミストと植物で施術室の環境は快適です。

 いろいろないただきものはありがたいのですが、先日はお花のセンセイがトイレットペーパーのホルダーのところにホウズキと枯れ枝で独創的な作品をこっそり作って帰っていかれてびっくりしました。

 

 

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2013年11月27日 (水)

右頚部から肩甲間部を緩めることで右手首の痛みがとれる症例。

 「右手首の痛みが接骨に通って電気を当てても治らない」と言って先月指圧にいらっしゃた方は、もっと早く指圧に来るかと思っていたら、1ヶ月の間は痛みがとれていたようで、昨日指圧にいらっしゃいました。

 肩がこって右頚部から肩甲間部が詰まってくると右手首が痛くなるようで、昨日もその部位の指圧をしているうちに「手首の痛みがとれた!」ということでした。

 「不思議…」と言っていましたが、何も不思議なことなどありません。

 第5頚神経から第1胸神経までが腕神経叢となって指先まで延びていくのですから、手指の症状には頚椎から胸椎の間隔を拡げていく施術を必ず行うべきです。

 右利きの右手の痛みやしびれは、右上肢の屈筋の使い過ぎによる頚こり、肩こりを伴っています。

 これを足先のしびれが主訴の坐骨神経痛で考えれば、第4腰神経の付近からというよりはもっと大きく背部からというよりもっと大きく「頚から施術します」(その理由はまず間違えなく頚部から短縮しているからです)

 これを足の冷えで考えれば足先の施術だけで終わるのではなく、腹部大動脈が外腸骨動脈から鼡径動脈となり下肢に延びていくのですから「腹部(の冷え)から施術をする」というのが効果的な施術になります。

 患部の影響を大きく診て緩めてください。

 「不思議」のお礼にと、とれたての大根とキャベツをいただきました。

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2013年11月26日 (火)

水道の漏水調査が末梢からの聴診だったこと。

 水道の検針で漏水を指摘されて工事を御願いしました。

 自分で調べてみて水道の蛇口やトイレからの水漏れはないようだったので、車の出入りがある入り口付近の給水管からの水漏れを予想していましたが、漏水調査は家の中の水周りから始まりました。

 長い筒の先に漏斗のようなものがついた聴診器で水の漏れる音を聴いて調べていたので、人の体に置き換えると「末梢からの聴診」です。

 漏水の量が多くないようなので見つからないかもしれないと思っていたのですが、2ヶ所穴が掘ってあって、家の裏の砂利を敷いてある土の下で塩ビ管に亀裂が入っていたということでした。

 調査を含めて2時間半で工事が終わりました。

 家の床下だったり、駐車スペースのアスファルトの下だったりすればもっと時間がかかったことでしょう。

 穴を掘った場所は家の形に合わせて給水管を曲げてある部分で、水道の職人さんは経験的に漏水がありそうだと目を付けたようです。

 人の体でいえば関節部分ですね。

 車の振動を受ける駐車スペースの給水管に漏れはなく、人が歩くことさえない家の裏側に沿った砂利の下で水が漏れていました。

 給水管の曲がるつなぎ目付近、人間でいえば関節部分が水の圧を受け続けて傷つきやすいということなのでしょう。

 これが素人の目の付け所とプロの目の違いなのですね。

 足のむくみを水漏れとすると、原因は運動不足なのか、心臓か、腎臓か、肝臓かと可能性を考えて、末梢からチェックしていって原因を絞ったという水漏れ工事でした。

 職人技に感心しました。

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2013年11月25日 (月)

症状緩和の運動法まで教えることがセラピーです。

 昨夜のTBSテレビ『駆け込みドクター!』という番組では、腰痛や肩こりに「筋肉を鍛えること」を薦めていました。

 タレントさんが週3回マッサージを受けている整体院や激痛小顔矯正の施術の映像は、番組全体の趣旨から言えば「悪い例」としての扱いということになりそうです。

 もみほぐしてしまえば筋肉のテンションは下がります。

 疲れた筋肉、炎症のある筋肉に過剰な刺激は適切ではありません。

 「使わない筋肉を使うことで、意識しないうちによく使う筋肉のストレッチとなる」ように考えていくと無理のない運動になります。

 例えば押し売りのように「ゴリ押し」をされると、心も体も引いてしまいます。

 「痛い」と言われたら力を弱めるのがセラピー、ゴリ押しをするのは単なる施術です。

 施術が終わってホッとするというようなやり方は、いじめと同じ、頭が痛い時におなかを殴って頭痛を忘れさせようとするようなものです。

 体も心も傷つきやすいものですから、丁寧に、物足りないくらいの刺激を心がけましょう。

 足りなければ足せばいい、過剰な刺激は健康被害の訴えとなります。

 先日「健康体操」を復習に来た方から昨日、スチューベン(ぶどう)とラフランスをいただきました。

 「腱鞘炎がほとんどよくなった、もうすぐ治りそうな感じです」と言って、昼の留守の間にも来たそうで、夜にまた来て届けてくれました。

 とても美味しかったです。

 治っていく方法がわかると痛みで悩んでいた方はすごく嬉しいのです。

 それを聞いた後にいただいたスチューベンとラフランスのお味は格別でした。

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2013年11月24日 (日)

先月の健康体操で腱鞘炎が治った人がいました。

 先月健康体操の指導をしました。

 昨日はその一回の体操をやった後に右手の腱鞘炎が治っていたという方が来て、「今度は左手が腱鞘炎になったからもう一度教えてほしい」ということで、玄関でいくつかのストレッチのおさらいをしました。

 参加者にはプリントを渡してあるのですが、「効果が出る形」を理解するのはなかなか難しいようです。

 雑巾を絞る動きで左手の薬指に痛みが出るとのことなので、肩関節前方挙上90°弱くらいで肘を伸ばし手掌を上に向けてから右手で手掌を下に倒して手関節を背屈させる「前腕屈筋のストレッチ」が症状緩和には大事なストレッチになります。

 この方はこのストレッチを手背を上に向けて行っていたので前腕屈筋のストレッチが甘くなっていました。

 ストレッチの効果を分けるのは、ストレッチを持続する位置や向き、そしてちょっとした角度の微調整や持続にかける秒数です。

 もちろん血圧を上げないための「息を吐きながら」と、「無理をせず痛みが出ない範囲で」は必須です。

 薬指屈筋側の炎症だと考えられるので、胸の前で目一杯両五指を外転させて(開いて)指紋部を圧し合って指節関節を伸展させるストレッチも症状緩和には必要になります。

 このストレッチも自己流では指の伸展が甘くなっていました。

 グー、パーのストレッチや、朝起きたら手をぶらぶらさせる、疲れたらお湯で温めるなどはやっていたようなので、健康体操教室で理解できたことと自分のものになっていなかったことがあったようです。

 個別の筋肉を目標としたストレッチは、その筋肉の働きを理解して、その逆の動きを作って伸ばすことが必要になります。

 一般的に腱鞘炎は日常生活でよく使う屈筋に起こりますから、「伸筋を使う普段はほとんどしない動き」が理解しにくいというのは無理もありません。

 ただテキトーに関節を曲げ伸ばししただけでは、症状改善のストレッチにならないことが多いと思います。

 健康体操教室のセンセイの役は、私としては「あまり……」だったのですが、一回の体操で腱鞘炎が治って、またやり方を聴きに来る方があったということは、思った以上に役に立っているようです。

 来年は嫌がられても、もう少しクドイことまで教えてみようと思いました。

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2013年11月23日 (土)

「圧力鍋で高温高圧の調理ができること」から指圧を考えてみる。

 圧力鍋は空気を密封して圧縮することで分子運動を盛んにして熱発生の効率を高めています。

 圧力鍋による加圧は液体の沸点を高めて調理時間を短縮します。

 「密封した環境で圧がかかると熱の発生を高めることができる」のですから、指圧で大切なのは指紋部の密着であると言えます。

 母指の指節関節を曲げて指紋部を見てから、指節関節を伸ばして指紋部を見てください。

 指節関節伸展でなければ母指の指紋部の面積が狭まることは明らかです。

 「広い密着で加圧すること」で“圧力鍋”のような指圧になるのです。

 軽擦で擦れば摩擦熱を作り、指圧で圧をかければ圧力鍋のように熱を作ります。

 冷えた足を温めようとする時にどうしたらいいか、指節関節を曲げて力一杯圧すことと、圧力鍋のような指圧とどちらが効率的か、わかりますね。

 分子運動を盛んにして熱を発生させることを考えれば、「圧のかかった密閉された鍋となるような指圧」を考えてください。

 圧しつけて血管を収縮させるだけでなく、広く密着して漸増漸減で加圧することによって「指と患部で圧力鍋を作ること」を考えてみてください。

 冷えは交感神経が優位になっています。温めれば副交感神経が優位になって血行促進により痛みが和らぎます。

 「触圧刺激は痛覚の伝達を遮断する」という「手当て」によるゲートコントロールと、圧をかけることによって熱を作るということ、とても大事なことです。

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2013年11月22日 (金)

坐骨神経痛の足が厚ぼったいという感覚から起こってくること。

 70代女性、坐骨神経痛で両下肢に痛みやしびれがあり、起床時には足が冷えていて、「足が厚ぼったくて歩きにくい」という訴えがあります。

 背中が丸くなって腰背部の筋肉が緊張し、脊柱の間隔が短縮して身長が縮んでいます。

 大腿後側の大腿二頭筋に沿った外側の緊張が強く、O脚になっています。

 足関節が硬くて、背屈も底屈も他動的に動かしてみて強い抵抗があります。

 さて「足が厚ぼったいという感覚」ですが、これは正座で足がしびれた時を思い出してみてください。

 まずは血行不良を改善する必要があります。

 加齢により変形した骨が神経を圧迫して坐骨神経痛の症状が出ると、下肢には「正座をしているような運動制限」がかかってきます。

 足の感覚が鈍いので歩く時に柔軟に足関節や膝関節を使うことができず、突っ張った歩き方になるのでさらに下肢の筋肉が緊張します。

 猫背でO脚になれば、足底は外側を使って摺り足になり、爪先に体重をかけることはなくなり、膝をほとんど曲げずに歩いて、大腿前側から大腿外側に緊張が生まれます

 高齢者では寝返りを頻繁にしないで固まったように眠る人が多いので、起床時に肩こりや腰痛、膝痛が悪化していたり、足先が血行不良になって冷えているという方がかなり多いはずです。

 「腰で神経の圧迫があれば、症状は神経を介して上へも下へ影響を及ぼす」と考えて、首から足までを緩めていくのが「足の厚ぼったさ」を解消する施術です。

 このケースでは左腰部で脊柱起立筋の中でも外側にある「腸肋筋のこり」により左肩上部から左上腕外側がこっていて、左足底内側のしびれが最後に残りました。

 今までの指圧ではこっていない部位だったので、向きを換える時に寝違えのようなことがあったか、脊柱左側屈の姿勢を続けていたということが「足の厚ぼったさ」を強く感じるようになった直接の原因のようでした。

 左大腿後側と左足内側から足底内側の指圧は他の部位よりも時間をかけました。

 足関節背屈・底屈・内転・外転の関節運動と足趾の屈曲・伸展・外転の運動をしっかりと行いました。

 起床時に冷えを自覚していてあまり動かしていない足ですから、施術中にポキポキと関節が音を立てました。

 仰臥位では膝枕と足枕を使って足を高くして指圧をしていたので、このことも血行促進に役立っています。

 施術中にトイレに行ったのは血行が促進されたことの証拠です。

 自分が経験したことがない訴えに対しても「思いやる」ことはできますし、患部だけを漠然と圧し続けるのではなく、根本的な原因を考えたり、周囲から大きな目付けで緩めていくこともできます。

 部分の訴えを全身から考えていくことによって、施術のタッチを超えたセラピーのタッチが洗練されていきます。

 体が連れてきた物語を五感を使って(第六感まで使って)読み解いてください。

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2013年11月21日 (木)

「オキザリス桃の輝き」の鉢植え、御客様の目にとまりました。

 「オキザリス」という花の名前は寂しげですが、ギリシャ語の「すっぱい」が語源で、日本名でも「すいば」の名前があり「カタバミ」という名前でも知られています。

 「OX…」で始まる名前ですから、「酸」の意味があるのでしょう。

 先日カインズホームで手のひらサイズのオキザリスの鉢植えを198円で購入しました。「桃の輝き」という品種です。

 日中は5弁の濃いピンクの花が開きますが、夜になると「綺麗にたたんだ折りたたみ傘」のように小さな蕾が巻かれます。

 昨日急な腰痛で指圧にいらっしゃた御客様も、帰りには玄関のオキザリスに目をひきつけられたようでした。

 「こちらの思惑通り」でした。

 あちこちにセラピーのアイテムを仕掛けておきましょう。

 「超カワイイ!」と自分が思うなら、それはどなたかの心にも優しい気持ちを運んでくれるかもしれません。

 「芸は人なり」で、タッチの効果はセラピストの「人となり」が反映されていくものです。面白味のあるセラピストを目指してください。

 私はオキザリスの折りたたみ傘の蕾に一目惚れでした。ホームセンターや花屋さんに行く機会があれば探してみてください。

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2013年11月20日 (水)

指圧で小指を浮かしてはいけないことの解説。

 「指圧で小指を浮かせてはいけない」、その理由を筋肉の使い方で説明してみます。

 まず「おしゃれなティータイム」のティーカップの持ち方を考えてみましょう。

 母指と示指は屈曲させてティーカップの持ち手を対立圧で握り、中指と薬指は示指に軽く添えます。

 この時に小指には、①他の指と同じように隙間をなくして添えるか、②少し離すか、③しっかりと伸展させるか、の3つの形が考えられます。

 おしゃれなティータイムの絵ヅラの典型と言えば③の小指をしっかりと立てた(伸ばした)形です。

 この小指の伸展は、母指と示指の屈曲による前腕橈側の屈筋の緊張に対してバランスをとるために「前腕尺側の伸筋を緊張させている」ことになります。

 ティーカップを持つ時に小指を立てると女性的な印象を受けるのは、「前腕屈筋の弱さを補うために、前腕の伸筋も使ってティーカップを安定させている」からです。

 体格のいい男性がティーカップを持つ時に小指を立てると妙な感じがするのは、『腕が太くて筋力がしっかりしていれば小指を立てなくてもティーカップを持つのはたやすいから』です。

 さて、指圧の時に小指を立てると「前腕の伸筋を使うことになり、手関節には背屈+尺屈の力が加わります」。

 四指の隙間をなくしてそろえて母指圧をする形から小指を浮かせてみると、母指が尺側側に少し倒れるのがわかります。

 手関節が背屈すれば母指指紋部が浮いて先端で圧す痛い圧になります。

 ティーカップを持つ母指は指節関節屈曲ですから小指の伸展で橈側と尺側のバランスがとれますが、指圧はそもそも指節関節伸展ですから小指が浮いてしまうと体重を落とし込む指紋部を広く使えなくなって「前にのめったねじれた圧刺激」になってしまいます。

 また、指圧の時に小指を浮かせる癖がある人は「母指指節関節屈曲(気味)で圧しているからバランスをとるために小指が浮いてしまう」ということもあるかもしれません。

 「上肢を体重移動の1本の筒にして母指指紋部に圧を集める」には、上肢の屈筋にも伸筋にも指にも、力を入れないようにします。

 母指指紋部を広く使って安定した柔らかい密着をするためには、四指の隙間をなくしてそろえ、四指指紋部でとらえた皮膚を母指の方へ寄せます。

 指圧でおしゃれなティータイムのように小指を浮かせると、無駄な力を入れているというだけにとどまらず、圧を弱めていて、しかも前にのめった指頭で圧す痛い圧刺激になってしまいます。

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2013年11月19日 (火)

「口内炎ができて困る」と言われたら。

 先日、指圧の後で「口内炎ができて困る。どうしたらいいか?」と尋ねられました。

 こういった日常的にありそうな健康相談にはできるだけ答えられるようにしておきましょう。

 この時の私の答えは、粘膜や皮膚の再生を助けるビタミンB2やビタミンA(βカロテン)を多く含む食品を食べることと、唾液腺マッサージでした。

 ビタミンB2を多く含む食品にはレバー、海苔、アーモンド、チーズ、納豆などがあります。

 イクラやタラコなどの魚卵もビタミンB2を多く含みますが、塩分が多く、プリン体も多いので、私はお薦めの食品にはあげないようにしています。

 レバーや海苔はビタミンAも多く含んでいます。

 体内でビタミンAになるβカロテンを多く含む食品は、海苔、抹茶、パセリ、トウガラシなどがあります。野菜ではカボチャ、ニンジン、ホウレンソウなどが浮かびますね。

 海苔はビタミンB2もビタミンAもβカロテンも多く含むので、粘膜の再生に優秀な食品ですね。

 口の中の乾燥はウイルスや細菌を増殖させることになりますから、唾液の分泌を促すマッサージは口内炎予防になります。

 耳たぶの前の耳下腺を中指と薬指で、下顎骨先端下内側の舌下腺と下顎骨下両側外周の顎下腺を母指で、軽く圧迫し、輪状軽擦します。

 また、口の中で舌を大きく円を描いて動かすことも唾液分泌を促します。

 唾液は粘膜をウイルスや菌から守る「抗体IgA」を含んでいます。

 この時の相談では「口の中が乾燥する」ということだったので、マスクをして寝る、洗濯物か濡らしたタオルを枕元に干して寝る、加湿器を使う、などのアドバイスもしました。

 体に足りていない食品は嫌いで食べられないということもあるので、何品かあげられるように知識をストックしておきましょう。

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2013年11月18日 (月)

肌触りのいいタッチを目指すこと。

 圧そうとするから圧せないということはよくあります。

 肘の屈伸や体幹の移動を大きくすると、肘と体幹とのタイミングがずれて体重移動がずれてしまうことがあります。

 手掌で圧そうとする時に、手を乗せる位置が自分の体に近過ぎれば手関節に負担がかかり手首を痛めます。

 「圧そうとして圧す」と痛い圧刺激になって被術者の体は逃げていきます。

 自分が圧したいように圧すのなら素人でもできます。

 「御客様が気持ちがいいだろうなぁと思うタッチを想像して適量刺激を創り出す」、これがプロフェッショナルのタッチです。

 ですからまずは「ファーストコンタクトが肌触りの良いタッチ」を目指してください。

 ふわりと当てた手指が温かくて、密着があって、包まれ感があって、そういうファーストコンタクトであれば、後は大きな動きはいりません。

 肘をしっかりと伸ばして体幹を起こしたり(プッシュアップで体重を支える)、逆に肘を曲げて横に張って体幹を屈曲させたり(お辞儀をして体重を乗せる)というのは「ファーストコンタクトで圧がほぼ完成している」ようになるまでの練習過程です。

 上手なセラピストほど動きは少ないのです。

 呼吸で圧すという心境に至るまでは、姿勢を調整しながらマイベストな体重移動法を探してください。

 最悪なのは、指の関節を曲げて、肘を伸展から屈曲させて、猫背になって圧すことです。

 試行錯誤をしながら、手触りのいい上等なタオルのような、「肌触りのいいタッチ」を目指してください。

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2013年11月17日 (日)

ベッドが高くて圧しにくい時は「肘を曲げて胸を張り、肘を外側に引っ張りながら」体重移動の指圧をする。

 「ベッドが高くて肩甲間部が圧しにくい」という御相談をいただきましたので、その解決法をこのブログにも書いておきます。
 
 伏臥位の肩甲間部は指圧で一番難しい部位だと私は思っています。
 
 指圧ポイントが高い場合は背伸びをするのではなく、「肘を曲げてから胸を張って肘を外側に引っ張る力を入れながら」指圧をしてみてください。
 
 それで肘を伸ばしているのと同じ緊張を上肢にかけることができ、体幹から母指への体重移動が可能になります。
 
 上達すれば肘の力を抜いても体重移動ができます。
 
 わかりにくければ肘を曲げて体重移動をする時にお辞儀をしながらさらに肘を横に張るか、逆に指立て伏せのようにプッシュアップで少し肘を伸ばして体重を預けてみてください。
 
 爪先立って背伸びをしては、圧が放物線を描いて逃げていき、安定感のある漸増漸減圧の指圧にはなりません。
 
 必ず息を吐きながら、少しずつ体重を預け、少しずつ体重を戻していってください。
 
 どんな大きな人でも、どんな硬い人でも、高いベッドでも、体重移動の垂直圧で漸増漸減圧ができていれば指の力はいらないことがやがてわかります。
 
 硬く緊張した筋肉なら「コンクリートだと思って」指で圧し込むのをやめてください。
 
 雨で屋根を伝う水滴もやがて石をうがちます。
 
 垂直圧ができていれば指紋部を当てていればいい、乗せていればいいのです。
 
 やがて筋肉は表面から緩んでいきます。
 
 あせらずに触圧覚を豊かに広げていってください。

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2013年11月16日 (土)

左母指の指圧の練習、傘を立てて持ち手のカーブの部分を圧して体重を支える。

 右利きの人では「左母指の指圧の感覚がよくわからない」という人がほとんどです。

 右母指の指圧なら、足の位置を動かさずに体幹の向きをずらしていくだけでも5点、10点と圧して筋肉をとらえた感覚を得ることができる人が多いと思います。

 しかし右利きの人が左母指で指圧をすると、左腕、左手指の柔軟性・巧緻性に乏しいため、同じ足の位置で体幹だけを動かして筋肉をしっかりととらえられる範囲は数センチから十数センチ程度の人もいます。

 ですから左母指の指圧でしっかりと筋肉をとらえるには、1点ごとに少しずつ足の位置をずらして体幹の向きを一定にするということでもいいと思います。

 野球のバッティングで言えば、多少悪い姿勢でもミートができる右利きの右母指と、ミートのできる姿勢は一つしかない左母指との違いです。

 しかし、器用な右母指の指圧よりも、不器用な左母指の指圧のほうがこねないので垂直圧がしっかりと入るということもあるので、施術を続けながら左母指の柔軟性・巧緻性を獲得していってください。

 ある程度指圧を続けていれば、空のペットボトルなら左右の違いなく母指圧で同じように潰せます。

 おそらく左母指の指圧が苦手な人でも、ペットボトルを潰してみると左右差はほとんどないのでは?

 傘を使って、左母指圧の感覚の練習をすることができます。

 傘をステッキのように立てて、持ち手のRの部分を左右の母指で圧して体重をかけてみてください。

 右母指ではかなり体重をかけることができ、傘の位置をずらしても同じように体重をかけることができたのではないでしょうか?

 左母指では右と比べて少し体重を預けきらない、位置をずらすとやりにくいことがある、こんな感じだったのではないですか?

 左母指を当てる傘の持ち手の位置を前後にずらして、どの位置に当てても傘に体重を預けられるようになれば、それを体の曲面に対する指圧に反映させることができます。

 感覚をつかむには時間がかかりますが、あせらず、できるだけ左右対称に体を使うようにしてください。

 それが自分の体を疲れさせない施術になります。

 自分を疲れさせない施術が、御客様を疲れさせない施術です。

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2013年11月15日 (金)

加湿器肺(加湿器の中で増殖したカビが原因の過敏性肺炎)。

 空気が乾燥してきたので加湿器を使い始めた方も多いことでしょう。

 加湿器は蒸気で室内の湿度を上げますが、しっかり掃除をしておかないと空気中にカビを撒き散らすことになります。

 加湿器から空気中にばらまかれたカビを繰り返し吸い込むことによって、過敏性肺炎(加湿器肺)が発症します。

 エアコンのフィルターにカビが繁殖していても過敏性肺炎になることがあります。

 この他にも過敏性肺炎には、トリコスポロンというカビが原因の「夏型過敏性肺炎」、ハトやインコなどの鳥の糞が原因の「鳥関連過敏性肺炎(鳥飼病)」、牛の飼料に生えたカビが原因の「農夫肺」があります。

 カビは呼吸器の大敵です。

 カビを増殖させないためには、加湿器、エアコン、室内(窓の結露のカビもありますね)のこまめな掃除が必要です。

 この時期、抗真菌作用のあるティトリーなどの精油を使ったアロマミストでの加湿はカビの繁殖を抑えるのにお薦めです。

 カビだけではなく、桜島の噴火によるPM2.5が関東地方にまで影響を及ぼしているという気象庁の発表もありました。

 カビも、PM2.5も、乾燥した鳥の糞も、できるだけ吸わないことが体のためですから、掃除をする時はマスク着用を心がけましょう。

 

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2013年11月14日 (木)

女子アスリートに多い膝の前十字靭帯断裂。

 昨夜のテレビのニュース番組で「女子アスリートに膝の前十字靭帯断裂が多い」ということを取り上げていました。

 女性は骨盤の形から膝がX脚になりやすく、浅い膝関節の屈曲でX脚になった状態からのターンでは、膝関節が亜脱臼して前十字靭帯が断裂することがあるようです。

 現在では骨に2ヶ所の穴を開けて、膝の裏の腱を取って移植して生着の過程を見守りながらリハビリができるようになったので、以前よりもずいぶん早く競技への復帰ができるようになったようです。

 サッカー、フィギアスケート、バスケット、ターンの多い競技では練習中や試合中に前十字靭帯断裂を起こしてしまう選手が多いようです。

 疲労で足の動きが悪くなると、膝が内側に入ってからの速いターンの動きに足がついていけなくて、膝関節の外側がぶつかってねじれ、関節がはずれて前十字靭帯が断裂します。

 長野県では「中学生の運動部の部活動の朝練禁止」が検討されています。

 楽天の田中投手の大リーグでの評価では「160球の熱投」がマイナスポイントとなっている球団もあるようです。

 「疲労回復の大切さ、練習の効率化」、スポーツ医学の研究が進んで、競技を続けるには怪我の予防のため、体のために、休むことも大切だということがますます明確になってきました。

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2013年11月13日 (水)

80代女性、ふくらはぎの痛みがペパーミントとラベンダーのオイルマッサージで消えた症例。

 80代女性、主訴は右ふくらはぎ外側の痛みです。

 右膝の曲げ伸ばしで痛みが出るようなので、始めは坐骨神経痛を疑いました。

 先週はのどの痛みが4日ほど続いたということなので、風邪で運動不足で血行不良ということもふくらはぎの痛みの原因となっていそうです。

 伏臥位の指圧では、左肩上部から三角筋に痛みの強いこりがありました。

 片腕には体重の約5%の重さがありますから、左上肢をほとんど使わないことで腕の重さによって肩から上腕がこるということがあります。

 左背部のこりもあったので、右ふくらはぎの対角線の左半身がこっている、つまり「右半身は使い過ぎで右足に体重をかけていて、左半身は使わな過ぎ」ということが言えそうです。

 右肩上部はこっていましたが、右背部のこりはそれほどでもなく、右坐骨神経に沿った下肢後側の痛みもありませんでした。

 右ふくらはぎを触診していくと、腓腹筋外側頭の真ん中で腓骨に近い部位に1円玉を2つ並べたくらいの範囲で圧痛部位がありました。

 患部に母指圧を軽く入れても痛がるのでこの部位は傷になっています。

 伏臥位下肢の指圧後に、ペパーミント1滴+ラベンダー1滴+スイートアーモンドオイル10ml濃度1%を使って、患部の前後を広めにとって母指軽擦のアロマオイルマッサージをしてみました。

 私は患部への施術は、絶妙で微弱な指圧を除いて、指圧や揉捏法や叩打法を避けますが、余程の急性熱性の炎症でなければ表面の痛み物質や老廃物を流すオイルマッサージは症状緩和に使います。

 このケースでは、「高齢者で、急性の大きな傷ではない、自然治癒よりもオイルマッサージによる血行促進のほうがベター」という判断をしました。

 「塗布に終わらず、強擦にならず」で、傷口を拡げない絶妙の圧加減に調整しながら患部への軽擦をしていきます。

 始めはオイルを使った求心性の母指軽擦でも痛みが出ましたが、軽擦のラインを数ミリ上下にずらしたり、足の背屈と底屈、膝の伸展と屈曲を加えながら浅い部位への軽擦を続けていくと、2分もしないくらいで「痛みがすっかりなくなった」そうです。

 ペパーミントの冷却作用、消炎作用、鎮痛作用+ラベンダーの鎮痛作用がありますから、鎮痛の精油の選択が功を奏したようです。

 全身指圧後、膝の屈曲伸展、股関節の内旋外旋、足の底屈背屈、いずれも痛みはなく、立ち上がったり座ったりしても痛みは出ませんでした。

 右ふくらはぎの痛みは殿部や大腿後側、膝窩からの連続性のある痛みではないので、おそらく右脚の使い過ぎや冷えで、血行不良によって硬くなった腓腹筋の一部が小さく裂けたのでしょう。

 高齢者では大きな負荷がかかるような筋肉の使い方をしなくても、筋肉が傷つくことがあります。

 来た時は電動自転車をこぐのが大変だったそうですが、帰りには玄関で楽に靴が履けて、何事もない様子で自転車で帰っていかれました。

 ペパーミント+ラベンダーの組み合わせは、肩関節周囲の痛みや腱鞘炎にも良く効く鎮痛のブレンドです。

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2013年11月12日 (火)

リウマチの指の尺側偏位では手を橈屈に動かす。ビンのふたも右手で開ければ橈屈の動きになる。

 昨日のNHK『あさイチ』はリウマチの特集でした。

 リウマチは進行性に悪化するものとされていましたが、治療法の研究も進んで早期発見、早期治療により長期に渡って病状の進行を抑えていくことも可能なようです。

 番組では、リウマチによって指が小指側に曲がる「尺側偏位」になった時の生活動作を紹介していました。

 大切なのは「手の動きを橈屈に使うこと」です。手を尺屈させれば尺側偏位を強める方向の動きになってしまいます。

 左回しで開けるビンのふたを左手で開ければ尺屈に手関節を使いますが、ビンを左手で持って右手でふたを開ければ手関節は橈屈の動きになります。

 テーブルを拭く時も肘をワイパーのように左右に動かせば手関節の橈屈と尺屈を繰り返すことになりますが、肘を伸展から屈曲の方向にだけ動かせば手関節は橈屈の動きだけになります。

 この動きは肩関節の内転内旋を伴いますね。

 変形や痛みがあれば、「変形を強め、痛みを強める方向の動きはできるだけしないようにする」、これが鉄則です。

 リウマチで手指が尺側偏位すれば、ビンのふたを開けるにも、テーブルを拭くにも、手を動かす方向が制限されますが、手の橈屈の動きを心がければ症状の悪化を防ぐことになります。

 セラピストにとって大事なのは、「自分が経験したことがない痛みに対しても適切で有意義なアドバイスができる」ということです。

 また番組では、リウマチのリハビリの「グーパー体操」を作業療法士の方が紹介していました。

 しっかりとグーに手指を握って10秒保持と、しっかりとパーに手指を開いて10秒保持を3回繰り返します。

 「じっとしていても関節が痛い時や患部が熱っぽい時はやらない」という注意がありましたが、これもとても大事なことです。

 「炎症や痛みがある時は無理をしない」、しかし全く動かさなければ拘縮して、リウマチの関節がもっと動かしにくくなってしまいます。

 「無理に動かさない。しかし動かせる範囲で動かして関節の可動性を保持し、血行促進により少しずつでも関節の可動域を拡げていく」というアドバイスは、膝痛や五十肩の御客様にも当てはまります。

 痛みの強い症状にはじっくりとかまえて、適切な対応をしていきましょう。

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2013年11月11日 (月)

「スプーン曲げと指圧の体の使い方は似ている」、昨夜『全力教室』を見た人は気づいたのでは?

 昨夜はフジテレビの『全力教室』という番組で、メンタリストのDaiGoさんがスプーン曲げのやり方を「商売上がったりのレベルで“タネあかし”」していました。

 以前、私もアロマ指圧講座で「指圧とスプーン曲げの体の使い方が似ている」ということを紹介し、実際にスプーンを曲げてみたことがありました。

 前にこのブログでも取り上げていますが、もう一度「指圧もスプーン曲げも、体の使い方で大きな力を母指に集めていること」を書いてみます。

 DaiGoさんはスプーン曲げの“タネあかし”で、①スプーンの柄の曲がった部分の少し下に母指を立てて当て、②腕を一杯に伸ばし、③背中を伸ばし背筋を使って、④反対側の手でスプーンの先端を手前に倒す、というような説明をしていました。

 これを指圧に当てはめていくと、①は母指指紋部の密着と母指指節関節の伸展(四指で柄を握ることにより母指の中手指節関節は屈曲します)、②は肘の伸展、③は背筋を使うことによって背中を後ろに引いて起こすことになるので、母指と背中の間では綱引きのような大きな引っ張り合う力が溜まる(上肢の筋肉の等尺性収縮)、というようなことになります。

 母指とスプーンの柄との密着は、指圧の母指と被術者の皮膚表面との垂直圧の密着と同じです。

 ☆ さて、「大きな違い」は、これが重要です。

 DaiGoさんのスプーン曲げは肩関節屈曲90°(肩の高さで上肢前方挙上)でしたが、指圧は上肢を下げて体重移動をします。

 指圧は「てこの力」だけでなく、体重が乗り、重力を味方につけることができるのです。

 指圧で圧すのは人の体、スプーンではないので曲げたり、折ったりしてはいけません。

 これは当たり前のことですが、「もみほぐす」というようなイメージで施術をしていると、筋線維が束になった筋束が集まって筋肉として機能しているのに、それをバラバラにして傷つけてしまうことにもなります。いつも言いますがカニカマじゃないんだから…。

 スプーン曲げのスプーンの先端を手前に引く反対側の手の役割は、「被術者の体」がします。

 だから「こって硬い筋肉ほど母指指紋部にぶつかってくるので大きな力はいらない」ということになります。

 スプーンの柄に当てている母指も指圧の母指も、しっかりとした密着があれば体幹から1本の管となった上肢の間を通して母指まで、大きな力が移動します。

 指圧はセラピーですから大きな力を出すことが目的ではなく、適量刺激に調整した漸増漸減圧をする必要があります。

 快圧は5kgから15kgですから、母指指紋部の密着が確かで、母指指節関節伸展、母指中手指節関節屈曲、肘伸展で背中を起こして体重移動ができれば、体はスプーン曲げよりももっとリラックスしていていいのです。

 「こっている筋肉ほど弱く」、こっていれば筋肉から母指にぶつかってきます。

 これに納得できれば、炎症があって血行不良で盛り上がっている筋肉の中心のこりをゴリゴリ圧すことは、筋紡錘を緊張させてかえって筋肉を収縮させるだけだということも納得できるのではないかと思います。

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2013年11月10日 (日)

指圧・マッサージは低気圧の日の高気圧。

 今朝7時38分の地震はこちらでも低い地鳴りが十数秒続きました。茨城では震度5弱だったそうです。

 地震のエネルギーを小出しにして大地震が避けられるならそれにこしたことはありませんが、天気の悪い日曜の朝に地震のおまけがつくと気分爽快というわけにはいきません。

 今日のような曇りや雨の日に、関節に痛みを抱える方の症状が重くなるのは「気圧が下がったことによって本来は気圧より低い関節内圧が相対的に上がってしまう」ことが原因の一つにあげられます。

 関節内圧は大気圧よりも低い「陰圧」で骨と骨とを引きつけて関節を補強しています。

 肺の中も酸素を吸い込むために「陰圧」になっています。

 相対的に関節内圧が上がると骨と骨とを引きつける力が弱まって腫れた(膨張した)状態になります。

 低気圧だと関節が腫れて、傷ついた関節面がぶつかりやすくなり、患部は緊張して血行不良になります。

 指圧・マッサージは外からの触圧刺激ですから、低気圧の日でも外圧を高めて関節内圧を下げることができます。

 指圧は重力を操作するだけでなく、気圧も操作しているわけです。

 気持ちも体も重い雨の日でも、タッチは爽やかな高気圧となります。

 曇りや雨の日には、気持ちのいい青空の下で酸素に富んだ爽やかな空気を深呼吸するイメージでタッチをしてください。

 それは春の野原なのか、秋の公園なのか、施術者のタッチのニュアンスが低気圧の日の関節の内圧に影響するはずです。

 1つの患部の痛みが全身に影響するなら、1つの患部へのタッチから全身に影響を与えられるように、「爽やかな高気圧の気」を手指に集めてタッチをしましょう。

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2013年11月 9日 (土)

椅子に座って右脚を上に組むと左肩がこる。

 脚を組む時に左右どちらが上になるかでわかることがあります。

 右脚を上に組んで座ると骨盤の右側が上がります。

 骨盤の右側が上がると体幹は左に傾くので右肩を下げて体幹の位置を戻します。

 これは脊柱の右側屈になりますから、今度は頭の重さでさらに右に傾かないように、頚椎を左に側屈させてバランスを取ります。

 すると頚椎の左側屈により頭の重さで左側頚部から肩上部の筋肉が緊張して「左肩がこります」。

 椅子に座って脚を組まない状態では左肩が上がっていて左肩がこっている、右肩が下がっていて脊柱が右に側屈しているという御客様がいらっしゃいます。

 これを逆算して考えれば、右脚を上に組む癖が見えてきます。

 脚を組む時に上になる脚は利き足で、股関節に柔軟性があるのでしょう。

 股関節が硬くて可動域が狭い脚を上に組むには努力が必要です。

 脚を組む時に上になる脚の側の骨盤は、反対側の骨盤と比べて上がっているということもあるでしょう。

 骨盤が下がっている側の脚を上にして組むのは、反対側と比べて動かす距離が長くなるので努力が必要です。

 問診の時に、「脚を組んでみてください」から、どちらの脚が上になるか、どちらの肩がこっているか、そこから診えてくる体の物語を読み解いてみてください。

 

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2013年11月 8日 (金)

アロマ指圧講座「骨盤の傾きの矯正に骨盤底と骨盤周囲の筋肉のエクササイズと引き締めのタッチ」。

 昨日は飯能 生活の木 薬草香園で「骨盤の傾きと“いわゆる骨盤の開き”」の改善についてのアロマ指圧講座をしてきました。

 骨盤は前後上下左右に傾きますが、骨盤で開くのは出産の時の恥骨結合だけです。

 仙腸関節が大きく開くようなことはありません。

 いわゆる“骨盤の開き”は、骨盤底筋や骨盤内の靭帯及び骨盤周囲の筋肉が緩んだ状態です。

 加齢によっても骨盤底筋や骨盤内の靭帯は緩みますが、女性は月経前や妊娠3ヶ月~産後3日目くらいまで分泌される卵巣ホルモンのリラキシンによって骨盤内の靭帯や筋肉が緩みます。

 月経前や妊娠中の重だるさは、リラキシンによって骨盤以外の関節や筋肉まで緩むことも原因となっています。

 リラキシンが一番活躍するのは出産の時に骨盤底の筋肉や靭帯、そして恥骨結合を緩めるという仕事です。

 出産では骨盤底の筋肉や靭帯を傷つけることがあります。

 痛いから使わないという状態がいつまでも続けば、尿道括約筋が緩んで尿失禁の原因となります。

 講座では、骨盤の傾きを矯正するとともに緩んだ筋肉を引き締めるエクササイズと引き締めのための速いテンポのタッチを行いました。

 例えば猫背では骨盤が後傾してお尻がたるみますから、伏臥位で施術者が被術者の股関節を伸展(大腿後方挙上)させて、片手を大殿筋に当てて収縮を確認します。

 この時に大殿筋一番収縮する下肢の上げ方(高さ、外転の角度)を調整しながら行います。

 股関節の伸展は「大殿筋のエクササイズ=腸腰筋のストレッチ」ということですから、大殿筋のエクササイズが必要な人は「腰(腸腰筋)がこっている」のが一般的です。

 大殿筋のセルフエクササイズは仰臥位で両膝を曲げて(立てて)、お尻を浮かすことでもできます。

 このエクササイズをする時に左右の大腿の間にペットボトルをはさんでそれを潰す意識で行えば大腿内転筋群のエクササイズにもなり、息を吐きながら腹直筋を恥骨側(下側)から収縮させていくと、骨盤底筋のエクササイズにもなります。

 骨盤底筋は横隔膜や腹横筋と連動して収縮します。

 骨盤底筋は内臓を下から支えているので、「大腿を閉じて大腿内転筋群を収縮させる(おしっこを我慢する時にこうなりますね)+おなかを引っ込める(ドロー・イン)+肛門を締める」で骨盤底筋はしっかりと収縮します。

 骨盤周囲の筋肉のたるみ、下肢のたるみには、速いテンポのタッチで使われずに眠っている筋肉を起こしていきます。

 使わない筋肉は弱い筋肉ですから、強い刺激を受け入れるテンションは持たないので、1秒圧程度でパッパッと位置をずらしていきます。

 癒し系のまったりしたタッチでは筋肉をさらにたるませてしまいますので、ここは軽いストレスをかけるつもりで筋肉を目覚めさせましょう。

 アロマオイルトリートメントではサイプレスとフェンネル各1滴にスイートアーモンドオイル10mlの1%濃度のブレンドオイルを使いました。

 リラキシンの緩ませる作用に対しての引き締め作用と、リラキシンに対してのエストロゲン様作用のある精油の選択です。

 手の甲の「腰腿点」は口から肛門までを反映する三焦経に属しますから、当然腰や下肢の治療点であれば骨盤内、骨盤周囲の治療点でもあります。

 実技では指圧の後に、「手の甲から前腕外側」と坐骨神経を介して骨盤周囲に影響を与える「足から下腿」のアロマオイルトリートメントを行いました。

 殿部・下肢の指圧・アロマオイルトリートメントは母指も四指も手掌も広く密着させて「一回り小振りに形状記憶させていきます」。

 骨盤に垂直圧がかかれば骨盤内深部にも圧がかかり骨盤底筋も引き締まります。

 皆さんむくみが還って一回り引き締まっていましたから、講座の後のトイレでは通常以上の尿量に驚いたのではないでしょうか。

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2013年11月 7日 (木)

デスクワークの合間に、椅子と壁を使った足の冷えとむくみのエクササイズ。

 デスクワークでエコノミークラス症候群と同じような血行不良になることを『座りっぱなし症候群』というのだそうです。

 目には目をということで、座りっぱなしのむくみには椅子を使った「足の冷えとむくみのエクササイズ」を紹介します。

 壁の際に椅子をつけて(背もたれのある椅子なら横向きにして)、椅子の座面に踵を乗せて、膝伸展で足を底屈させ、壁に足趾の趾紋部をピタリと付けます。

 大腿前側の遠位(膝蓋骨の手前)を両手で下に圧して膝関節に伸展の圧をかけると同時に、下肢の筋肉全体に等尺性収縮(関節を曲げないで筋肉を緊張させる)の力を入れて、足趾で壁を圧します。

 ふくらはぎを触ってみるとカチンカチンになっていますね。

 下腿三頭筋をしっかりと収縮させることができて、足趾でもしっかりと壁を圧していれば持続の秒数や回数は体力に合わせて行ってください(8秒×5回くらいから増やしていくといいと思います)。

 この時にアキレス腱に痛みを感じるほど足の底屈を目一杯に行うと運動不足の方は足がつってしまうので、足の底屈は少し余裕を残して足趾で壁を圧してください。

 この足の冷えとむくみのエクササイズは椅子と壁さえあれば仕事の合間でもテレビを見ながらでもできますし、関節を大きく動かすことはありませんが、頭の中のイメージでは『キック、キック、キック』でもいいので、嫌なことでもあればストレス解消にもなります。

 スクワットや踵の上げ下げの運動よりも、短時間での足趾への圧と下腿三頭筋への負荷では勝っているのではないでしょうか。

 座りっぱなし症候群の予防には水分補給も必要です。

 今日から立冬、空気が乾燥してくると気温が一層低く感じられます。

 体を水分で潤しながら、仕事の合間の運動で血行を促進して、冷えとむくみを予防しましょう。

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2013年11月 6日 (水)

足の冷えと下腿のむくみには、歩行で下腿三頭筋を使い足趾に体重がかかる状態を再現する形で指圧をする。

 気温が下がってきたので、靴下の範囲で踝から足が冷えている方が多くなりました。

 現代の生活では目の使い過ぎ、頭の使い過ぎ、気の使い過ぎ、手の使い過ぎなど、上半身を酷使し、椅子に座る時間が長いので下肢は運動不足でむくみます。

 下肢の使わな過ぎでは、大腿内側がたるみ、ふくらはぎがむくみ、足が冷えます。

 座位でも歩行でも、姿勢を正す意識を持たず、筋肉をしっかりと使わなければO脚気味に足を使うので大腿内側がたるみ、足の底屈が甘くなるのでふくらはぎがむくみ、足趾で地面を蹴らないので足が冷えます。

 下肢の筋肉をしっかりと使うように意識して歩行をすると、立脚相の最後には、大腿は体幹より後ろに伸びて(股関節伸展)、膝伸展で踵が上がり、次に足趾がしっかりと地面を蹴ります。

 この時に下腿三頭筋は強く収縮します。

 この立脚相終期の下肢の筋肉の使い方を再現するように指圧ができれば、ふくらはぎのむくみも、足の冷えも改善させることができるわけです。

 伏臥位で立脚相終期を再現して、大腿伸展挙上+膝伸展で足底屈+足趾伸展で足趾の指圧を行うには、股関節を上に持ち上げて、下腿を下に下げて、足を上に持ち上げて、足趾を下に下げてということになり、2本の手だけでは難しいことです。

 しかし膝枕を大腿遠位に当てれば、反対側の手で足底屈のフォローをしながら足趾を伸展牽引しながら指圧することができます。

 膝枕はバスタオルを丸めてもよいのですが、マッサージ用の膝枕くらいの高さがあるものを使ってみると効果的です。

 この時に股関節から牽引しながら足を底屈させて足趾を指圧します。

 下肢の挙上がありますから、それだけでもむくみは還りやすくなります。

 もちろんこれを同時に行わずに、平面に下肢を伸ばしたままつ一つの関節運動と各部位ごとの指圧をしても効果はありますので、必ずこうしなければいけないということではありませんが、こういう考え方を理解して施術の参考にしてください。

 仰臥位では、踵が着地していますから、股関節から下肢を牽引しながら足を底屈させることができます。

 股関節牽引+膝伸展+足底屈で足趾を牽引しながら伸展させて圧してください。

 足趾を足の甲の方向に背屈させて圧せば、足の底屈が甘くなり股関節も詰まる方向に戻されます。

 足趾の背屈のストレッチや足趾を背屈させながら指圧をすることの効果はもちろんありますから、それは別に行います。ここでは下肢全体の大きな血流を考えてお話をしています。

 靴の中や日常生活で丸まっている足趾に、圧を加えてストレッチすることで末梢の血流が促進されます。

 仰臥位で大腿遠位を片手でおさえ、踵を肩にかついで足を底屈させれば下腿三頭筋のエクササイズとなり、下肢伸展挙上でむくみが還りやすくなります。

 この時に足を底屈させながら足趾にも圧を加えます。

 下肢伸展挙上で股関節を内転させ、たるんでいる内転筋を収縮させながら下肢を牽引することもできます。

 「指圧をしない反対側の手は、関節の向きのフォローに使う」、それでも足りなければ「膝枕などを使う」、是非試してみてください。

 

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2013年11月 5日 (火)

デジタルの体重計を圧して、漸増と漸減の圧の波形を一定にする。

 指圧の快圧は5kgから15kgとされています。

 長く持続をすることで刺激量は増やせますから、通常の施術は快圧で十分に対応することができます。  

 デジタルの体重計を圧して、快圧の範囲を確かめてみてください。

 何も考えずに体重計を指圧すると、おそらく全ての人が5kgを超えます。

 痛みの強い患部では5kgでも強いのです。

 そんなことも考えながら、5kgから15kgの範囲で漸増漸減圧で体重計を圧してみてください。

 大切なのは、漸増と漸減の圧の推移の速度を一定にすることです。

 圧の漸減が急だと反跳痛(指を離したことによって痛む)を伴う不快なタッチになることがあります。

 デジタル体重計の優れたところは100gの単位まで目で確認できることと、数字の推移で漸増漸減のスピードがわかることです。

 デジタル体重計の数字を見ないで指圧してみて、5kg、10kg、15kgの圧をプラスマイナス1kgくらいで圧せるようになれば、指圧の表現力がとても豊かになります。

 この時も息を吐きながら、背中を伸ばして、母指の中手指節関節は屈曲、指節関節は伸展で指紋部を広く使って指圧をします。

 御客様の体に触れる時には、圧すことの前に、指紋部を皮膚表面にふわりと着地させる圧力ゼロに限りなく近いタッチから始めます。 

 皮膚表面の緊張を探る1kg程度の触診のタッチもデジタル体重計で確認してみてください。

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2013年11月 4日 (月)

中指と薬指で圧す時の手の形。

 中指と薬指は結合織マッサージで使いますし、仰臥位の顔や後頚部、肩甲間部にも使います。

 結合織マッサージでは皮膚を波打たせるようにして中指と薬指で軽擦していきます。

 この時に中指と薬指はそろえて隙間をなくし、中手指節関節は屈曲させます(指の付け根の関節を突き出します)。

 他の3指を「影絵のキツネみたいに」伸展させることで、中指と薬指に圧が集中します。これは中指と薬指で指圧をする時も同じです。

 仰臥位で肩甲間部から後頚部を圧し上げていく時、中指と薬指の指紋部あるいは指頭を皮膚表面に当ててから他の3指を伸展させることで、体を圧し上げながら体重を受け留めて圧刺激を浸透させていきます。「指力で圧し込むのではありません。」

 この時に他の3指を伸展させないと体重をうまく受け留めることができず、圧を深く浸透させることができません。

 これはつまり下から上に圧す時も、他の3指を伸展させることで中指と薬指の「中手指節関節をしっかりと屈曲させている」ということです。

 母指圧でも四指を母指に寄せてくることで「母指の中手指節関節屈曲」を安定させて、圧刺激の体重移動を可能にしています。

 中手指節関節伸展で圧せば「前腕から手関節への体重移動はできません」。

 仰臥位の顔の自己指圧で、両方の頬骨の中央に左右の中指と薬指の指紋部を当ててみてくだささい。

 他の3指をしっかりと伸展させながら中指と薬指を立てていきます。

 三叉神経第2枝の上顎神経をちゃんととらえられた人は、ツーンとした刺激を感じたはずです。

 

 

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2013年11月 3日 (日)

母指を伸ばして圧すことの威力が母指を曲げて圧すよりもはるかに勝っていることが一目瞭然でわかる手掌の指圧。

 母指を伸ばして圧した時のほうが、母指を曲げて圧した時よりもはるかに威力があることは、目で見てはっきりと比較することができます。

 まず、自分の左肘を曲げて体の正面で左手掌を上にして、右手母指の指節関節を曲げて左手掌を圧してみてください。

 特にこれといって何事もなかったと思います。

 次に、右手母指指節関節を伸ばして左手掌を圧してみてください。

 左手が下がったでしょう!

 この違いが母指指節関節伸展の垂直圧の威力です。

 右母指伸展で圧すことで、右前腕の重さと、右肘から先の上肢に沿った圧力のベクトルが左手掌にかかったわけです。

 ですから施術の時に母指指節関節伸展+肘伸展で指圧をすれば、上腕の重さも、体幹から上肢を通して母指指紋部までの体重移動の圧もかかるわけです。

 これが母指指節関節伸展+肘伸展で圧す体重移動の垂直圧の威力です。

 今母指を曲げて圧すのと母指を伸ばして圧すことの比較をしてみた方は、母指を曲げて圧しては体重移動が伝わらないことが一目瞭然でわかったことと思います。

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2013年11月 2日 (土)

肩を圧す時の側面への体重移動。壁と平行に体育座りをして、壁を指圧して立ち上がれますか?

 肩の指圧の時の体重移動についての御質問をいただきましたので、その感覚の究極をつかむ練習法として、壁と平行に体育座りをして壁を指圧して立ち上がってみましょう。

 まず、壁と平行に体育座りをして足は出来るだけお尻に近づけておきます。

 上肢は肩の高さで肘を伸展させ、体幹より少し前の壁に母指と四指の指紋部を当てます。

 母指はそのままで、四指は隙間なく揃えて母指の側に少し寄せて(この時に四指の中手指節関節がやや屈曲します)、母指の指紋部だけに圧が集まるようにします。

 四指を母指に寄せたと同時に両膝主動で体幹を壁の方向に傾けて母指に体重を預け、お尻を浮かせてみてください(反対側の手は床につけないで行います)。

 母指にしっかりと体重移動が出来たと同時にお尻を浮かせれば、母指が壁を圧す反動で踵に重心を移しながら立ち上がることができます。

 しかしこれは体重移動のMAXですから、母指への圧の集中さえ出来ていれば、実際の施術では「両膝を壁に向けて倒すことによって体幹を傾ける」までで十分、「こりには弱い刺激」ですからお尻まで浮かせて体重を預けるような指圧はいきなりできないですし、セラピーのタッチを考えていけばMAXの体重移動をすることはほとんどないと肝に銘じてください。

 入浴中にお湯の浮力を借りてやってみると、もっと簡単です。

 壁を圧して体育座りから立ち上がれるくらいに体重移動ができるようになれば、それが重力とオトモダチになったということ、伏臥位、仰臥位の体の側面に圧を入れていく肩の指圧の体重移動の感覚がわかってくるはずです。

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2013年11月 1日 (金)

70代女性、右手関節尺側の痛み。

 接骨院で治療を受けてからすぐに電話をかけてきた70代女性の御得意様、知人の薦めで通ってみた接骨院のようですが…。

 肩こりや筋肉痛は指圧・マッサージ、関節症状は接骨と思っている方も多いようですが、指圧は関節の症状にもとても良く効きます。

 主訴は右手関節の痛みで、患部には接骨院から渡されたサポーターを巻いています(サポーターは1,000円だったそうです)。

 接骨院では電気をあててから軽いマッサージを右前腕にしたようです。

 何回通っても症状が緩和されないことと、症状に対しての説明がなく、挨拶を含めて会話がないことで「その接骨院ではダメそうだ」と思ったようです。

 まずサポーターを巻いた側の右上腕が非常にむくんでいます。

 サポーターを巻いたまま手関節の掌屈、背屈をしてみると掌屈で痛みが出ました。

 手根管症候群を予想したのですが、痛みは手関節尺側だということで、となると尺骨神経や尺側手根屈筋に原因がありそうです。

 サポーターをとって、もう一度右手関節の掌屈、背屈、左右の回旋を行うと痛みは出ませんでした。

 右上腕のむくみもあり、このサポーターはいらないのではないかと思いました。

 仰臥位から指圧を始め、まず右第7頚椎~第1胸椎の脇に手を入れて中指で圧し上げてみました。

 思ったとおり、痛みで飛び跳ねました。ここが右手関節尺側に伸びる尺骨神経の出口です。

 今は一人で暮らしている方ですが、子供たちの家族が集まる日に料理を作って包丁を使ったり、庭仕事で鎌を使ったりで、右手関節は背屈→尺屈と橈屈→尺屈の動きが繰り返されて、手関節尺側を痛めたようです。

 右上腕はむくんでいましたがこりはなく、手関節の痛みでは普通は右前腕内側に痛みやこりがあるものなのですが、圧して痛いというほどのこりはありませんでした。

 伏臥位では右後頚部から右肩上部、右肩甲骨下部の棘下筋と右肩甲骨外側の小円筋がこっていました。

 これは右腕を大きく振りかぶって使った時にできるこりですから、ダイナミックな鎌の使い方で草刈りをしたのかもしれません。

 右後頚部から肩甲間部は尺骨神経の神経根症状の緩和を目標に、弱い刺激で緩めていきます。

 全身指圧、ストレッチ後、右手関節の掌屈、背屈、左右の回旋で痛みは出ませんでした。

 しかし右手関節尺側の尺骨茎状突起と豆状骨の間を圧すと痛みがありました。

 尺側手根屈筋には傷(炎症)があるようです。

 玄関から入って来た時はドアを押すのも痛かったそうですが、帰りには「ドアを押して痛くない!」の言葉と笑顔を残して、電動自転車でスイスイと帰っていかれました。

 接骨、整骨は骨折、脱臼、外傷の施術をするところですから、筋肉や腱の痛みなら指圧・マッサージの優秀な先生を探して施術を受けたほうが治りが良いことが多いと思います。

 もちろん筋肉や腱に対しても適切な施術をしてくださる接骨の先生が多いとは思うのですが、説明や挨拶や会話がなく、コミュニケーションを取る気がないようなセラピストならその業種が何であってもろくなもんじゃありません。

 御客様の不安を受け留めてそれを背負っても大丈夫なのがセラピストです。

 そういえば私の右脇腹の痛みが消えています。

 どうやら右内腹斜筋の痛みだったようですが、御客様の痛みを治そう、治そうとする気血の流れが、自分の体も治してしまったようです。

 おそらく一般の方なら軽くパニックになる程度の痛みだったと思うのですが、指先に気血を集めようとする指圧の集中が自分の体を治すことになるのは不思議なくらいです。

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