「スプーン曲げと指圧の体の使い方は似ている」、昨夜『全力教室』を見た人は気づいたのでは?
昨夜はフジテレビの『全力教室』という番組で、メンタリストのDaiGoさんがスプーン曲げのやり方を「商売上がったりのレベルで“タネあかし”」していました。
以前、私もアロマ指圧講座で「指圧とスプーン曲げの体の使い方が似ている」ということを紹介し、実際にスプーンを曲げてみたことがありました。
前にこのブログでも取り上げていますが、もう一度「指圧もスプーン曲げも、体の使い方で大きな力を母指に集めていること」を書いてみます。
DaiGoさんはスプーン曲げの“タネあかし”で、①スプーンの柄の曲がった部分の少し下に母指を立てて当て、②腕を一杯に伸ばし、③背中を伸ばし背筋を使って、④反対側の手でスプーンの先端を手前に倒す、というような説明をしていました。
これを指圧に当てはめていくと、①は母指指紋部の密着と母指指節関節の伸展(四指で柄を握ることにより母指の中手指節関節は屈曲します)、②は肘の伸展、③は背筋を使うことによって背中を後ろに引いて起こすことになるので、母指と背中の間では綱引きのような大きな引っ張り合う力が溜まる(上肢の筋肉の等尺性収縮)、というようなことになります。
母指とスプーンの柄との密着は、指圧の母指と被術者の皮膚表面との垂直圧の密着と同じです。
☆ さて、「大きな違い」は、これが重要です。
DaiGoさんのスプーン曲げは肩関節屈曲90°(肩の高さで上肢前方挙上)でしたが、指圧は上肢を下げて体重移動をします。
指圧は「てこの力」だけでなく、体重が乗り、重力を味方につけることができるのです。
指圧で圧すのは人の体、スプーンではないので曲げたり、折ったりしてはいけません。
これは当たり前のことですが、「もみほぐす」というようなイメージで施術をしていると、筋線維が束になった筋束が集まって筋肉として機能しているのに、それをバラバラにして傷つけてしまうことにもなります。いつも言いますがカニカマじゃないんだから…。
スプーン曲げのスプーンの先端を手前に引く反対側の手の役割は、「被術者の体」がします。
だから「こって硬い筋肉ほど母指指紋部にぶつかってくるので大きな力はいらない」ということになります。
スプーンの柄に当てている母指も指圧の母指も、しっかりとした密着があれば体幹から1本の管となった上肢の間を通して母指まで、大きな力が移動します。
指圧はセラピーですから大きな力を出すことが目的ではなく、適量刺激に調整した漸増漸減圧をする必要があります。
快圧は5kgから15kgですから、母指指紋部の密着が確かで、母指指節関節伸展、母指中手指節関節屈曲、肘伸展で背中を起こして体重移動ができれば、体はスプーン曲げよりももっとリラックスしていていいのです。
「こっている筋肉ほど弱く」、こっていれば筋肉から母指にぶつかってきます。
これに納得できれば、炎症があって血行不良で盛り上がっている筋肉の中心のこりをゴリゴリ圧すことは、筋紡錘を緊張させてかえって筋肉を収縮させるだけだということも納得できるのではないかと思います。
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