のどの詰まり→ヒステリー球→半夏厚朴湯の証。
「のどが詰まってこのまま息ができなくなるのではないか」ということがあったという40代女性、背柱が左側弯し、体幹が右回旋しています。
漢方医学では「のどに球が詰まったようだ」という訴えを「ヒステリー球」と呼んでいます。
ここでも以前取り上げたことがありますが、臨床では時々ヒステリー球の訴えに出会うことがあるので「半夏厚朴湯の証」と覚えておいてください。
半夏厚朴湯は、半夏、厚朴、紫蘇葉、茯苓、生姜からなり、体力中程度の神経質な胃弱者の健胃、鎮吐、咳止めなどに使われます。
この症例では「タコの刺身を食べてから」胃腸の調子が悪くなり、その後しばらくしてのどの詰まりが発症しています。
蕁麻疹はなかったようですが、のどの詰まりは喘息の発作時の気管支収縮に近い症状だったようなので、タコによるアレルギーとの関連もあったかもしれません。
また仕事をやめたということもあって、急激なストレスからの解放が副交感神経を過剰に優位にさせて気管支収縮を招いたということもあるかもしれません。
(気管支喘息の発作は副交感神経が優位になった睡眠時によく発症します。)
逆流性食道炎で胃液により食道に炎症が起こってのどに異物感が出ることもありますが、このケースではそれはなかったようです。
伏臥位の指圧の後、左大腿前側の指圧で胃腸の働きが活発になって音を立てて動き始めました。
腹部の指圧では胃に大きな動悸(ドキドキ)があり、手掌圧でも軽い痛みを感じたようなので、胃炎があることは間違いなさそうです。
腹部は軽い圧で指圧をし、全身指圧後、脊柱の左側弯と体幹の右回旋は矯正されていました。
漢方薬の本で「半夏厚朴湯」のページを見ていただいたら「まさに私にぴったりの症状だ」とのこと。
ドラッグストアでも購入できますが、「医師の診断を受けて保険で処方してもらったほうが安い」ということをお伝えして指圧を終えました。
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