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2014年3月15日 (土)

足内側「公孫」と前腕内側「内関」、八宗穴の組み合わせ。

 STAP細胞の論文についての理研の記者会見で、脾臓の細胞での実験の写真を使うべきところに骨髄の細胞での実験の写真が使われていたり、他の論文から引用した文章であることが明記されていなかったり、論文にはいくつかの訂正すべき点があるという調査の中間報告がなされました。

 顕微鏡を見つめ、変化を記録し、長い時間をかけて論文を作成する研究者の世界は、体力的にも精神的にも厳しいものだと思います。

 STAP細胞が再現できるのか、今後の調査、研究が待たれます。

 STAP細胞の素材の細胞を得た脾臓と、東洋医学の「脾」は全くのイコールではありませんが、記者会見を見た後に、脾経の「公孫」が八宗穴であること、同じく八宗穴である心包経の「内関」と組み合わせて胃や心臓の症状緩和に使うツボとなることについて考えてみました。

 八宗穴には4つの足のツボと4つの手のツボがあり、手足の宗穴を組み合わせて(あるいはその宗穴が属する奇経の経脈を組み合わせて)、特定の症状を緩和します。

 公孫は足内側で第1中足骨側面近位にある脾経のツボですが、八宗穴として治療に使う時には奇経の「衝脈」の宗穴となります。

 衝脈は女子胞(女性生殖器)から正中線を上行する奇経の「任脈」とともに起こり、胃経の「気衝」(正中線上恥骨上際の「曲骨(任脈)」の外2寸)から腹部の腎経を「横骨(曲骨外5分)」から「大赫」「気穴」「四満」と上行し、任脈の「陰交」へ行ってから、再び腎経の「中注」「盲兪」「商曲」「石関」「陰都」「腹通谷」「幽門」と上行し、胸中に散じます。

 衝脈は主に腎経の腹部のツボからなり、腎経と公孫の脾経と肝経は「脾経の三陰交(内踝上3寸)」で交わります。

 よって「公孫」のツボ刺激は三陰交を介して腎経にも響くはずです。

 上腹部=心窩部は「五臓の腹診」では「心」を表します。またこの部位には胃があります。

 これらのことから、正中線の外5分を上行する衝脈(腎経)の走行によって宗穴である「公孫のツボ刺激」が胃と心臓の症状を緩和すると考えられます。

 八宗穴の治療で公孫と組み合わせて使う心包経の「内関(前腕内側中央手関節横紋から肘窩に向かい2寸)」は奇経「陰維脈」の宗穴でもあります。

 陰維脈は腎経「築賓(内踝上5寸で腓腹筋下部とヒラメ筋の間)」から、脾経を「衝門(曲骨外3寸5分)」「府舎」「大横」「腹哀」と上行し、肝経の「期門」から任脈の「天突(胸骨上際)」「廉泉(喉頭隆起上際で舌骨との間)と上行します。

 心包(心臓を包み守るもの)=膻中と言ってもいいので、期門から任脈の天突に上行する間には、任脈で乳頭線上の膻中も陰維脈の走行に含まれると考えるのが自然でしょう。

 よって「心の症状を緩和する心包経」の内関のツボ刺激が陰維脈の宗穴のツボ刺激となることも納得できます。

 八宗穴の手と足のツボの組み合わせはややこしいようですが、手足の使い方によって「体幹のあるライン」が刺激されることを示しています。

 足内側の公孫の刺激も、前腕内側中央にある内関の刺激も、正中線の刺激になるので胃・心の治療穴になると覚えてしまうとよいでしょう。

 東洋医学では四足歩行で人間の体を考えるので、ある動きに対して手足のツボが連動するのです。

 衝脈や陰維脈は脾経・胃経・腎経・肝経・任脈の垣根を超えて、体の使い方で柔軟にツボの反応を探っていった縦のラインで、他の奇経も同じように正経十二経脈の垣根を取り払っていて、その特異的な反応点となる手足のツボ八宗穴を組み合わせたのが八宗穴の治療応用です。

 折をみて、他の八宗穴についての私の見解も紹介します。

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