« 30代女性、左殿部の痛み。 | トップページ | 60代女性、右肩こり、脊柱の左側弯。 »

2014年5月 4日 (日)

60代女性、滲出性中耳炎の難聴を指圧で改善できた症例。

  60代女性、主訴は耳が聴こえにくいことです。

    「痛みのない中耳炎」ということですから滲出性中耳炎と診断されているのでしょう。
 
    自宅近くの耳鼻科の診療所で治療を受けて1ヶ月たっても治らないので昨日は大きな病院を受診して「診療所の治療は正しい」と言われてきたそうで、その翌日に今度は指圧ですから、だいぶ焦っているようです。
 
    問診で、中耳炎の前に風邪を引いていてそれは海外旅行の直後だったということがわかりました。
 
 疲れ、風邪のウイルス、飛行機の中で起こる耳管狭窄のツーンとした耳の詰まりなど、難聴に結びつきそうなストーリーが想像できます。
 
  座位で胸椎の後弯は骨粗鬆症のありそうな大きなカーブを描いています。
 
  坐骨神経痛の症状に度々悩まされていて、整形外科で脊柱管狭窄症と診断されただろう診察の場面を説明してくれるのですが、本人は病名がよくわかっていないようです。
 
  猫背が楽、背中を反らせると痛い、そして仰臥位でバンザイをしたので、背中の加齢的な変形からも脊柱管狭窄症で間違いはないと思います。
 
  御自分では「ひどい肩こり」とのことですが、肩のこりはそれほどでもなく、問題は胸椎の後弯で緊張した背中と運動不足でむくんだ下半身です。
 
  咽頭炎、扁桃炎の薬と滲出性中耳炎の薬、降圧薬を服用中で熱はありません。
 
  伏臥位から指圧を始め、背部の緊張には弱い圧で緩め、下半身のむくみにはテンポの速い指圧で血行促進していきます。
 
  伏臥位の指圧が終わる頃には、血流が良くなって体温が上がり、汗をかいていました。
 
  仰臥位頭部の指圧では、耳の周囲に漸増漸減圧の指圧だけではなく深部に届かせる振動圧を加えて耳管狭窄を開放していくイメージで指圧をしました。
 
  全身指圧後、「自分の声が頭のテッペンから聞こえる」と言っていたのが嘘のように、耳がよく聴こえるようになったそうです。
 
  耳管狭窄による難聴が主訴で痛みのないこの滲出性中耳炎には、耳の周囲の振動圧と漸増漸減圧によって、狭窄した耳管を漸減圧に引きつけて拡げることができたようです。
 
  高血圧もありますから、加齢による難聴も起こりやすい年齢ではあります。
 
  「難聴はなかなか治りにくい」と最初にお話ししてあったのですが、1回の指圧で耳の聴こえが良くなった症例です。
 
  指圧中、会話は全て聴き取れていたようなので、滲出性中耳炎の難聴は高齢者の難聴のように治りにくいものではないようです。
 
  指圧後に胸椎後弯も改善されましたから、背部の血行促進も難聴の改善に貢献しているはずです。
 
  伏臥位で上半身を起こすマッケンジー体操を覚えていただいたので、痛みの出ない範囲で続けていけば、脊柱管狭窄症も悪化しないのではないかと思います。

|

« 30代女性、左殿部の痛み。 | トップページ | 60代女性、右肩こり、脊柱の左側弯。 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 60代女性、滲出性中耳炎の難聴を指圧で改善できた症例。:

« 30代女性、左殿部の痛み。 | トップページ | 60代女性、右肩こり、脊柱の左側弯。 »