左肩甲間部の痛みから2週間後に右殿部痛(仙腸関節よりも下の痛み)。
左肩甲間部の痛みで左手がしびれ、指圧後も体幹を左に傾けて帰っていった女性、画像検査の結果は「手術が必要な変形はみつからない」ということだったようです。
医師の説明がそれだけだとするとはっきりしないのですが、「変形があるにはあるけれど骨や椎間板に大きな変形はない、今の痛みは画像に写らない筋肉や靭帯の傷による痛みと神経症状」ということなのでしょう。
今回は「風呂から出てベッドに座り、立ち上がろうとしたら右のお尻が痛くてぎっくり腰のようになった」ということで指圧にいらっしゃいました。
玄関から入ってくる姿勢に左への傾きはなく、骨盤ベルトをしていらっしゃいました。
御自分で指を差す痛みの中心は右仙腸関節下部の第3仙骨孔の外側です。
左肩甲間部の痛みで左に傾いた体幹と拮抗して左に倒れないようにするために、対角線の右腰から殿部に負担がかかったことを想像するのは容易です。
また、左手は薬指と小指の運動障害が顕著で、曲げると伸ばすことができなくなっていてこれは尺骨神経の神経症状です(整形外科ではその説明がなかったそうですが、これは誰が診てもわかるのではないかと思うのですが)。
左肩甲間部の痛みと尺骨神経支配領域の障害から、第7頸椎の下から出る「C8」と第1胸椎の下から出る「Th1」の神経根症状が疑われます。
左の斜角筋隙、鎖骨と第1肋骨の間、腋窩、肘部管、ギヨン管(小指球下部)と触診しても、左の肩甲間部に痛みが響きます。
弱い刺激で全身指圧をし、右仙腸関節には骨盤の前後左右の小さい可動域のストレッチと股関節の屈曲伸展回旋のこれも小さい動きのストレッチを行い、殿部には軽い振動圧なども加えました。
右殿部痛は仙腸関節というよりは位置からすると梨状筋か大腰筋の問題です。
あらゆるストレッチはそこそこでき、立ち上がって腰を少し曲げる、歩く、で殿部の痛みが再現されます。
おそらく患部はそれほど大きな傷ではないと思いますが、3日はかなり痛い、1週間は歩く、座る、で痛みを感じるでしょう。
電話がかかってきてすぐ、「シンギングボウル(チベットの金属をミックスした仏壇のおりんのようなもの)」のヒーリングミュージックを用意し、スピリチュアルな精油は何がいいかと考えデトックス系のローズマリー・シネオール、ジュニパーにしました(喘息があって、霊的な感受性の強い方です)。
いろいろ準備したわりには、バキボキンと仙腸関節が入って治るというような症状ではなく(多少股関節や仙腸関節で音は鳴りましたが)、立ち上がった時は一瞬治ったかと思いましたが、歩いて痛みが出て、御本人も私も「あーぁ、やっぱり…」ということで。
それでも説明だけはくどいほどさせていただきました。
首の牽引をしてかえって状態を悪くさせたり、次に行った整形外科でもなかなか判断ができずに説明もたいしてしてくれなかったようですが、左肩甲間部は前回と比べたら安静と栄養で相当良くなっています。
ほとんど自力で回復させてきてその負担が右殿部に急性腰痛としてあらわれたということです。右殿部痛は必ず治ります。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント