30代女性股関節痛、縫工筋の挫傷か。
30代女性、一週間前にお子さんと外で遊んでいて左股関節が痛くなり、歩くのも困難な状態になりました。
整形外科の検査では骨に異常はないと言われています。
痛めた日に電話で様子はうかがっていましたから、玄関を上がって歩いてくる様子は左に股関節を開いているものの最悪の状態ではありません。
前日の夜は痛みが強く患部がズキズキ疼いていたそうなので、まだ傷は塞がっていないのでしょう。
授乳中のお子さんがキックをすると当たるのがちょうど患部のようですから治りが悪くもなります。
座るのも大変そうなので膝枕を入れて仰臥位で診ていきます。
まず、右下肢の動きや神経症状は問題ありませんでした。
左下肢伸展挙上や股関節の内転外転では痛みが出るので、小さな動きで止めました。
始めは股関節の外側の痛みだったそうですが、大腿前側を鼡径部に近づけて手掌で触れていくと跳び上がるような激痛がありました。
患部は大腿直筋なのだろうとここでは思いました。
安静にしていたので下肢はむくんでいて特に左のふくらはぎがむくんでいます。
腸腰筋の傷ということも考えたのですが腎経よりも肝経の中封(内踝の前1寸)、曲泉(膝関節内側で膝窩横紋内端の縫工筋と薄筋)に圧痛がありました。
ということは下前腸骨棘に起始する大腿直筋の傷ではなく、上前腸骨棘に起始し膝関節内側に停止して鵞足を作る縫工筋の傷のように思えます。
「あぐらをかくことができない」ということなので股関節の外転外旋をして縫工筋の痛みを再現することはしませんでした。
左手の甲で中手骨遠位の示指と中指の間、薬指と小指の間の腰腿点には圧痛がありました。
乳腺炎があったのでタンパク質を控えていたということは筋肉にとって良くなかったようです。
もっと子供を外で遊ばせなければいけないという周りからのアドバイスに応えようとして無理に頑張ったことも負担になったようです。
いろいろ言う人はいますが、お母さんが具合の悪いことがわかって「マッサージ?」って尋ねる一才の坊やは良い子に間違いまりません(妊娠中に私の指圧を間接的に受けている坊やです)。
全身指圧後、左外側に逃げていた股関節が真っ直ぐ立てるようにはなりました。
痛みはありますが、体の使い方で痛みを出さないようにすることはできそうです。
もう治らないんじゃないかという不安と続く痛みで疲れきっていましたが、年末年始で旦那さんは家にいて協力的だし、痛む部位が変わってきているようなのでそれは治りつつあるということです。
あと一週間すればずいぶん楽になっているはず、画期的に早く治す方法はありませんが、不安であれば正月だろうと血行促進はできますので…。
いろいろな痛みと向き合って、大晦日になりました。皆様の痛みがとれますように。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント