40代男性、首の痛み、むち打ち症の再発が心配ということでしたが、糖尿病、猫背、運動不足が原因だと思われます。
40代男性、都内に住む方で、数年ぶりの指圧です。
主訴は首の痛みで、20代の頃のむち打ち症が再発したのではないかということを心配されています。
久しぶりにお会いした第一印象は、上半身に比べて下半身が細過ぎるということです。
そのことをお話すると、糖尿病で服薬治療をしているとのこと、急に痩せたということはないようですが、朝起き上がる時にふらつくことがあるなど、運動不足もあって筋肉の衰えは感じていたようです。
座位の姿勢はひどい猫背で、極端に言えばスポーツタイプの自転車に乗っているようです。
首の筋肉は柔らかく、触って嫌がることもありません。
むち打ちの後遺症で神経症状がある方の首に触れると、常に首の筋肉が緊張しているので硬くなっていて、触ると体が逃げるものです。
デスクワークを続けた夕方に症状が出るということなので、症状が強くなりそうな嫌な感じがあるという首の痛みの原因の一つは猫背姿勢です。
もう一つ気になったのは肩甲下部の硬さです。
糖尿病とインスリンを分泌する膵臓の関係からも膵臓の反射区である肩甲下部の筋緊張は、ストレスによって血糖値を上げる原因となります。
また足の冷えを自覚しているということでしたが、閉塞性動脈硬化症を疑わせるような癒着した下肢の硬さはなく、足の冷えも私が指圧した糖尿病の方と比べると強いものではありません。
伏臥位から指圧して、背部のこりをゆるめ、仰臥位下肢の指圧では胃腸が動く音がしました。
指圧中はよく眠り、指圧後にはリラックスできたようですが、座位の姿勢は最初の猫背をとりました。背中が伸びているのに浅く腰掛けて上半身を前傾させる癖がついているようです。
運動のためにスポーツタイプの自転車で20kmくらいを通勤していたこともあるようで、自転車通勤はどうかというお話がありましたが、前傾姿勢を改善すべき時に、まして冬場にこれはお勧めできません。
自営業で車で通勤することが多く、歩くことが少ないようなので、自転車で通勤するなら車で通勤して早く着いた分の時間をウォーキングに使うほうがよさそうです。
脚の細さやふらつきから脚力が落ちているので片足立ちは効果的なエクササイズです。
年齢的に首の椎間板のクッションが薄くなってきていたり、首の筋力が落ちているということもあるので、頭と手で圧し合うエクササイズも首を支え痛みを出さないために必要です。
お話をしている中でボクササイズはどうかということが出ましたが、まずはあまり大きく首を振動させるようなことはしないほうがいいとお答えしました。
猫背の改善に、背もたれに背中を付けたくなるような体に合った椅子の購入もアドバイスさせていただきました。
まずは猫背の改善と血糖値の管理、そして筋肉を鍛えることです。
指圧後、歩いてみると体が楽になっていて、首の痛みは来る前とは全然違うそうです。むち打ち症の再発ではないと思います。
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