60代女性、腰痛、左膝後側の痛み、頬がこけて見える、下肢前側胃経のツボにも痛み。
2.28 日の出
60代女性、主訴は腰痛、左膝の裏に痛みがあります。
頬がこけて見えましたが体重は増えているそうです。
この時は頬がこけた事実だけが目にとまりましたが、瞳の下のツボ「承泣」から始まる胃経と頬の関係が後で結びつくことになります。
首、肩、背部のこりがあって、腰以下は坐骨神経に沿って左は腰から殿部の梨状筋、坐骨結節の下、大腿後側で外側の大腿二頭筋、前に回って下腿前側の前脛骨筋と指圧をして痛みがあります。
右も腰から殿部梨状筋には同じような痛みがありましたが、自覚的に痛みが強いのは左膝裏です。
左は坐骨神経から分かれた総腓骨神経が下腿前側に周って、胃経は下腿前側から足の甲に下って第2趾爪根部外側の厲兌(れいだ)に終わります。
第2趾付け根の足背側の胃経のツボ「内庭」とその裏の「裏内庭」はどちらを圧しても胃に響く強い痛みがあり、ぎっくり腰のツボである足関節内側の陥凹部の肝経ツボ「中封」の指圧でも強い痛みがありました。
慢性腰痛に坐骨神経痛が加わり、坐骨神経の枝の総腓骨神経には胃の不調が反映された痛みがありました。
ぜんそくの発作があって、毎日ステロイドの吸引と錠剤を服用しているそうなので、肝臓と胃には負担になっているのでしょう。
確定申告月に加えて仕事場を同時にいくつも抱えて移動時間が長いことも心身の負担になっているようです。
全身指圧を終えると、こけていた頬はふっくらとして、全身の血行促進によって首から上の活力が蘇ったようです。
脊柱の両側から下肢後側を下行する膀胱経と胸腹部から下肢前側を下行する胃経は裏表にあります。
坐骨神経はそのまま後側を下行するものと、前に周って胃経を下るものに分かれます。
望診の第一印象でぼんやりと残るものを( )でくくって手がかりとして保留しておくことは、体が連れて来る物語を読み解くために重要です。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- 70代女性、背中と腰の痛み→単純に腹囲増、太った。(2022.08.09)
- 猛暑復活は朝から。(2022.08.08)
- 朝は小雨の日曜日。(2022.08.07)
- 80代男性、主訴は肩と腰の痛み、胸椎後弯増強。(2022.08.06)
- むくみの指圧、腎と耳の関連。(2022.08.05)
コメント