2009年12月31日 (木)

「環境」「健康」「観光」400万人雇用の閣議決定。

 政府は30日の臨時閣議で、平成32年度までに「環境」「健康」「観光」の3分野で100兆円の新需要を創出する方針を決定しました。

 これによって400万人以上の新規雇用を生み出し、その他の新成長戦略と合わせて国内総生産(GDP)平均成長率実質2%以上を目標に掲げています。

 「環境+健康+観光」で私の頭に浮かぶのは、昔でいえば湯治、今ならスパやスパのある宿泊施設です。

 温泉のマッサージやスパのエステは政府の方針からも今後様々な展開が予想されます。

 民主党は代替医療を重視する考えを持って選挙に勝ちました。

 その後の漢方薬の医療保険除外の仕分けや医療費改定などでギクシャクもありますが、新成長戦略で指圧やマッサージ需要は増える方向にあるだろうと思います。

 ただし一人前のセラピストを作るのに10年はかかることを考えると、健康運動指導士のような資格を持ったインストラクターを集めたリハビリ施設型の観光宿泊スパというジャンルがクローズアップされてくるかもしれません。

 いずれにしても今までの温泉マッサージやスパのエステのままでは過当競争の末淘汰されていくという危機感を持つ必要があります。

 「それが健康を害さないものかどうか?」

 触圧感覚の肥えたお客様は、それが健康にいいものかどうかすぐにわかります。

 タッチは常に変化するもの、そこに時代や人々の要求を織り込むべきものです。

 アロマや音楽や照明を使って転地療養感を出せれば都内でも湯治ができると私は思います。

 それを成立させるのに欠かせないものは、とても繊細なタッチです。

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2009年12月30日 (水)

80代男性、左膝痛、右手指を伸ばせない。

 80代男性、娘さんが運転する車で指圧にいらっしゃいました。

 主訴は左膝痛、O脚で変形性膝関節症にありがちな足の運びです。

 10年以上前の右手橈骨骨折の時、矯正が不十分で、再度手術をしたようですが、その後右手指が全部伸びにくくなり、現在は鳥の爪のような形で硬くなっていて十分な伸展ができません。

 右肩関節の動きが悪く前方挙上は120°くらいで抵抗が出ます。

 右腰を骨折したこともあるようですが、部位などははっきりわからないようです。指圧とストレッチをしてみると右坐骨神経痛もあります。

 さて…。

 全身指圧を終え、左膝は最大伸展の直前に痛みが出ることがわかりました。下肢牽引、抵抗運動などをやってみて、大きな改善はありません。

 年齢を考えると、このまま手術をせず保存的な治療でもいいのではないかと思います。

 大腿四頭筋を鍛えるエクササイズをしてこなかったようなので、これを続けていけば少しは骨のぶつかりをフォーローできるのではないかと思います。

 指圧後、実際に歩いていただくと、歩き出しに痛みがありますが、歩いているうちに来た時よりも痛みが軽くなっていくようです。

 いろいろな筋肉が伸びていますから体は動かしやすくなって、歩きやすくはなっているはずです。

 右手の指は指紋部を使うキーボード操作などはリハビリになるのですが、道具の要らない指圧の指使いをリハビリとしてやっていただくことにしました。

 大腿四頭筋のエクササイズ、肩関節のストレッチとともに、80才を過ぎて指圧の達人を目指してほしいと思います。

*この男性には右膝の変形性膝関節症もあると思いました。膝の施術やストレッチをしたなら、一見異常なさそうに見えても、これは見逃してはいけません。

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2009年12月29日 (火)

『Aromaterapy Environment No.54』より 美女香妃の香り“沙棗(さそう)”。

 今号の(社)アロマ環境協会の会報誌『Aromaterapy Environment No.54』はとても内容が充実していて面白い記事がいくつもありました。

 井上重治先生と林眞一郎先生の対談「アロマテラピーの可能性を考える」では、“精油の抗ウイルス作用は芳香浴でも効果がある”ことを、細菌の細胞膜とウイルスの細胞膜にあたるエンベロープを比較して、わかりやすく解説してくださっています。

 アロマテラピーで12月といえばイエスの生誕に東方の三賢人が贈った“乳香”と“没薬”ですが、この「乳香」の記事では江戸時代に歯磨き粉として使われていたことを紹介しています。

 古代エジプトで日没後に使われたブレンド薫香“キフィー”のことも、乳香の記事の中で触れています。

 「中国の最新精油事情」も具体的な数字で見ると、中国産のユーカリは今後益々増えそうです。

 中でも国際香りと文化の会会長、中村祥二さんの「人を惹きつける香り」は面白く読みました。

 中国三美人のひとり、香妃の体から香る芳しい棗(なつめ)の花の香り“沙棗”を研究し、資生堂の香水“SASO”として開発するお話は歴史とロマンに溢れています。

 男性が女性から感じるフェロモンが強烈であれば、確実に美人度が上がります。

 香りと香水の原点には好ましい体臭や生活臭、環境臭があるというのは間違いないことだろうと思いました。

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2009年12月28日 (月)

体幹の前屈・後屈・側屈体操は脊椎を牽引して腰痛を軽減する。

 ラジオ体操の体幹の側屈運動では、左から右に体を側屈させた時に左背筋や左肋間筋とともに左脊椎がストレッチされ、右から左では右脊椎がストレッチされます。

 同じように体幹の前屈運動は脊椎の後ろ側がストレッチされ、後屈運動では脊椎の前側がストレッチされます。

 ストレッチによって脊椎と脊椎との間に余裕ができれば、ぶつかりがなくなって可動域が拡がり痛みが軽減します。

 バリスティック(動的)ストレッチとしてラジオ体操を教わるために、この牽引の効果をわれわれは忘れがちです。

 息を吐きながらスタティック(静的)ストレッチとしてこの体幹の運動を行えば、腰痛体操として十分な効果を得ることができます。

 誰もが知っていて、立位で場所をとらずにできることを考えると、ラジオ体操はやり方次第でリハビリにもなります。

 脊椎1個1個を拡げる感覚がわかってくれば、それはヨガともカイロプラクティックとも同じようなものになります。

 痛みの出ない範囲で、無理をせず、反動をつけず、息を吐きながら(血圧を上げないため、血管を収縮させないため)、これができるようになると健康観も大きく変わってくることと思います。

 オフィスやドライブの休憩の時に、立位でできる頚や肩、下肢、体幹のストレッチを必ずやると習慣づけておくと疲労の軽減にもつながります。

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2009年12月27日 (日)

食用とマッサージ用のオリーブオイルの違い。

 「食用のオリーブオイルはマッサージに使えますか?」、この質問をされたアロマセラピストはたくさんいるのではないでしょうか?

 マッサージ用(=化粧品用)のオリーブオイルはきめ細かな濾過がされているので食用よりグレードが高く、こちらはもし使うのであれば食用に使えます(ただしもったいない!)。

 逆に食用のオリーブオイルをマッサージに使えるかというと、刺激性が問題で好ましくはありません。

 エキストラヴァージンオイルはファーストプレッシングですから、最初に絞ったオイルを遠心分離機にかけ濾過して出てきた最初の抽出油です。

 この時の濾過のきめ細かさの違いが食用とマッサージ用の違いになります。

 マッサージ用のオリーブオイルを食したことがないので味はわかりませんが、食用なら多少癖がある成分が混じっていたほうが味に深みが出るのではないかと思います。

 オリーブオイルを食事で摂るとLDLコレステロールを下げることがわかっています。食物繊維と一緒であればさらに効果が期待できます。

 マッサージでは主に乾燥肌の改善や加齢肌に使用します。

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2009年12月26日 (土)

体は有撓有屈。

 「不撓不屈の精神で…」、意気込みを語るスポーツ選手や政治家のコメントにはよくこの言葉が登場します。

 どうしてこの言葉がよく使われるかと考えてみると、人間は不撓不屈にはできておらず、少なくとも体は有撓有屈だからです。

 不撓不屈を口にすれば、超人間的な努力の覚悟を周りに示すことによって、自分の退路を断つことになります。

 高いレベルでのせめぎ合いにはそういうことも必要でしょう。

 痛みや病気を持つ患者さんが体を治したいと思う時、橈骨(とうこつ=たわむほね)はたわみ、屈筋は体を屈するように働いて回復していきます。

 健康な体とは超人間的な体ではありません。

 人間の細胞はミスコピーを混ぜながら変化していきます。

 完璧や典型的な正解を目指すのではなく、複製ミスの細胞も自分であるとして、柔軟に受け入れていくしかないのです。

 痛みや病気の症状の改善には、たわんだり、屈したりしながらも有撓有屈の精神で気長に取り組んでいくのがいいと思います。

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2009年12月25日 (金)

体のニュートラルからのズレをジャッジする(背面は本人には見えない)。

 暇を見つけては温泉に行きます。

 すると一瞬視線に入るだけでも職業柄訓練されたのか、背中の大きなほくろからたくさんの毛が生えている人とか、尾骨が尻尾のように仙骨にのっている人など、自分の想像する範囲のニュートラルを超えた体はズームアップで頭に映像が残ります。

 自分の背中やお尻を鏡以外で見ることはないので、誰もが自分の背面はあるがままに受け入れているものです。

 背中の毛や仙骨尾骨の形が運動や仕事に支障になることはまずありません。

 腰痛があっても腰椎の前弯増強に気づいていない人がいます。

 立位や座位の姿勢で腰を前に突き出し過ぎている事に気づかないでいると、それが腰への負担になります。

 セラピストはクライアントの姿勢を徐々にニュートラルに調整していく必要があります。

 背面は本人に見えないから、われわれが背中を診る目にならなければセラピーになりません。

 その腰椎前弯を矯正するにも、仰臥位で膝を曲げ股関節を開いて膝を両腋へ抱え込むストレッチがいいのか、四つん這いの猫の伸びのようなストレッチがいいのかという選択も大切です。

 特に痛みがあれば伏臥位で背中を固定して下半身を動かすのか、四つん這いになって脊柱の上部を伸ばしていくのかということの選択で回復に違いが出ます。

 その理由は、呼吸をしながら痛みが出ない範囲でできるストレッチが回復を早めるからです

 体のニュートラルというのは自分の想像する範囲のニュートラルではなく、クライアントの体が現在、そして近い将来一番リスクの少ない姿勢のことです。

 体は人それぞれ違っていていいのです。

 その人に最適なニュートラルに調整することができると、体の様々な不調は緩和されていきます。

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2009年12月24日 (木)

“SHIATSUゆび”という商品のメールが来ましたが…。

 “SHIATUゆび”という治療家向け母指サポーターの商品広告メールが届きました。

 インターネットで見る限り、母指の指紋部は出るので一応使えますが、私はいりません。

 強圧や不適切な指使いで母指を痛めてもなおかつそれを続けたい人向きの商品です。

 これを装着すれば強く圧せるという内容も宣伝に折り込まれています。

 長時間装着しないようにという注意書きもありますが、これを買う人は長時間使用するでしょう?治療家向けとあるのだから…。

 治療家が指を痛めたら休むか辞めればいいのにと思います。

 指の痛い人の症状を治そうとするのが自分の指の痛みを治せない人であるというのでは説得力に欠けます。

 指を痛めない使い方ができてプロフェッショナルとしての高度なニュアンスや的確な刺激量の選択ができるわけで、指節関節を固定してしまうと器械的な刺激に堕してしまいます。

 母指を痛めても手技療法が続けたければ手掌や四指を使えばすむことです。

 『これは違うぞ!』、この商品を見てそれがわからなければ手指を使うことで触れられる形のない物の世界は切り捨てることになります。

 それではもったいない、物質的だけではないところに手技療法の醍醐味があるのです。

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2009年12月23日 (水)

タッチとアタッチメント(くっつくこと)。

 『アッタチメント(attachment)=くっつくこと、愛着』は、赤ちゃんの心身の成長や発達にとても重要であるという記事を今朝の産経新聞で読みました。

 不安や困難のある時には抱きとめ、挑戦する時には見守るという包容力のある人の存在が赤ちゃんの行動に安心感をもたらし、必要だと思う時に受けとめてもらえることで行動範囲を広げていくことができます。

 赤ちゃんと両親や周囲の大人の関係は、セラピストとクライアントの関係にも当てはまると思います。

 一方通行のタッチではなく、クライアントが手を伸ばした時にセラピストも手を伸ばしてそれに応えるようなタッチができた時、タッチは単なる触圧刺激を超越します。

 クライアントがくっつきたくなるようなセラピストこそ、とても安心感のあるセラピストだと言えます。

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2009年12月22日 (火)

中指と薬指を曲げた母指圧。

 本物の指圧にはならないという前置きをした上で、指圧の感覚をつかむために“中指と薬指を曲げて”母指に体重移動をするという練習法があると思います。

 中指と薬指は第2関節まで曲げて、受け手の皮膚に軽く当てます。するとこの2指の屈曲によって示指と小指の中手指節関節も屈曲します。

 4指は伸展と屈曲が混在するため、指の力が抜けます。

 中手指節関節屈曲で母指圧をする感覚を知るためにの練習法です。

 この指の構えで重ね母指圧をしてはいけません。下の母指を痛めます。

 思った以上にしっかりとした体重移動ができるので、伏臥位ヘッドポジションで、脊柱の両側を同時に圧すような時には使えます。

 ただし、4指を伸ばした時ほどニュアンスが出ないので相対的な緩和でいいと割り切れるなら、重宝するテクニックではあります。

 中指と薬指を曲げれば、掌(たなごころ)を閉じることになります。

 掌から何かが出ていることを感じている人は、この圧し方では満足するはずがありません。

 そして4指で筋膜リリースをしながら母指圧ができるようになれば、2指を曲げる圧し方には意義を感じなくなると思います。

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