2009年11月 9日 (月)

「完璧な料理というものがあったら、料理は一種類でいいわけだろう?」陳建一さんの言葉。

 「完璧な料理というものがあったら、料理は一種類でいいわけだろう?」、これは昨日のテレビ東京『ソロモン流』の中で、料理学校の講師に招かれた陳建一さんが生徒たちに語った言葉です。

 料理人を目指す生徒たちに贈る言葉として、とてもわかりやすく的確だったので感銘を受けました。

 現状に満足せず料理を探求し続ける自らの姿勢を示すとともに、この言葉は生徒たちに新しい料理への可能性と将来への希望も与えています。

 お父さんの陳建民さんからの「一つの料理は十の料理になる」という言葉を心に留めて、素材を代え調味料を工夫するなどの数々のチャレンジをしてきたからこそ「完璧な料理というものが…」という料理哲学にたどりついたのでしょう。

 この料理という味覚を中心とした感覚に訴える世界を、手技療法に置き換えても同じことが言えます。

 完璧なタッチというものがあったら、タッチは一種類でいいわけだろう?

 

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2009年11月 8日 (日)

入浴後痛みが悪化する人。

 疲労原因たんぱく質“FF”が入浴で増加するということの証明のような人が、毎週指圧をしている脊柱管狭窄症の男性です。

 仕事後に入浴してから指圧にいらっしゃいますが、入浴後痛みは悪化し、指圧中眠った後、痛みは完全に消えるようです。

 仕事が忙しいと症状は悪化し、最近買えるようになったボルタレン系の湿布薬で痛みは抑えられますが、皮膚がかぶれるのではがすと麻酔が切れたように痛みが悪化します。

 これは慢性的な痛みを持つ人の痛覚が過敏なのではなく、健康な体であればありがたいことに痛覚が鈍感でいられるのではないか、痛みを持つ方たちに指圧をしているとそんな考えが思い浮かびます。

 我慢や辛抱を必然として生きていると、痛覚や疲労感には鈍感なほうが生きやすいことになります。

 人や予約の時間を待つということ、行列や車の渋滞に並ぶということ、満員電車、働くということ、生活には我慢や辛抱が付いて回ります。

 我慢しきれなくなった時に痛みが現れ、そこで本来のレベルで痛覚が働き始めるのかもしれません。

 NHKドラマ『行列』は最近では秀逸だと思って見ています。大晦日の寒空の中、デパートの初売りに並ぶいわくありげな人たちが、おそらくエンドルフィンやドーパミンを出しながら我慢に勝るモノを手に入れようとしています。

 健康で体力があればありがたいことに痛覚を鈍感にできるということがあって成立している本来なら不快なことはたくさんあります。

 痛みを持つ人が教えてくれることもたくさんあります。

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2009年11月 7日 (土)

オキシトシンは食欲抑制にも働く。

 『自治医大の矢田俊彦教授と前島裕子助教授らの研究グループが、食欲抑制タンパク質“ネスファチン”が脳で働く仕組みを解明し米専門誌に発表した』という記事が産経新聞にありました。

 ネスファチンが視床下部の摂食中枢に作用すると“オキシトシン”が放出され、オキシトシンが神経を刺激すると食欲が低下する仕組みなのだそうです。

 “レプチン”も食欲抑制ホルモンですが、レプチン抵抗性を持つ患者にもオキシトシンの効果が期待できるということです。

 オキシトシンは出産時の子宮収縮や母乳分泌のホルモンですが、生殖そのものにも関与する愛情ホルモンだとも言われています。

 ストレスで過食だという女性に指圧をすると、その後過食がやめられたという話を後でよく聞きます。

 この記事を読んで、タッチングというスキンシップがオキシトシンの分泌を促して食欲を抑制するということはあるだろうなと思いました。

 授乳中のお母さんの幸せそうな顔を見ても、オキシトシンが精神安定、血圧降下に働くことがよくわかります。

 同じ脳下垂体後葉ホルモンである“バゾプレッシン”が尿管から血液を再吸収して血圧を上げるのとオキシトシンの血圧降下が拮抗作用になっていることが注目されます。

 とすると、バゾプレッシンが過食ホルモンだったりして…?

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2009年11月 6日 (金)

疲労原因たんぱく質“FF”は入浴でもストレッチでも増加する。

 11月4日放送のNHK『ためしてガッテン』は、疲労の原因がたんぱく質“FF”の増加であるということを紹介する番組となっていました。

 『“FF”は入浴によってもストレッチなどの運動によっても増加し、睡眠によって減少する』、要約するとこんなところでしょうか。

 疲労回復に良かれと思って行った温泉での湯当たりや運動による疲労感の増加、これは確かに経験があります。

 疲労回復を期待して受けたマッサージでの揉み返しにも同じ事が言えます。

 強い刺激のタッチをしてはいけない、寝た子を起こすようなまねをしてはいけない、これは指圧をしていて学んだ人間の体からの警告です。

 気持ちの良い刺激をして眠れるような指圧が大切であることは、指圧中寝て、起きた方たちの顔を見ればわかります。

 指圧中の質の良い睡眠は“FF”を減少させ、疲労回復効果があるのでしょう。

 入浴やストレッチもその後の睡眠の質を向上させることができれば、決して疲労回復に悪いものではありません。

 やり過ぎはいけないということです。

 気持ちがいいという範囲で、お湯につかり、ストレッチや運動をすればよいわけです。

 疲労の原因とその回復の方法が科学的に立証されて慌てる人もいるかもしれませんが、私は我が意を得たりという感じです。

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2009年11月 5日 (木)

月下香(チュベローズ)

 『月がデカイ、朝になっても十五夜よりもデカイ』、日本シリーズが始まる頃、東に現れて、朝のウオーキングでは西に拝んだというこの2日間でした。

 ちょうど月下香(チュベローズ)の精油が届いて、アロマスプレーか香水でも作ろうかと思っていた矢先に、大きく涼しい月を見ることができました。

 インターネットで調べると、李香蘭の歌のタイトルになった『夜来香(イェイライシャン)』は月下香ではないという、何とも残念な事実がたくさん並んでいます。

 月下香はリュウゼツラン科、夜来香はガガイモ科、なるほど精油としての商品化にガガイモ科は、何となく後回しにしたくなります。

 夜来香(テロスマ 和名トンキンカズラ)、このトンキンはベトナム北部の地名だそうです。

 『月下香はハワイのレイに使われ、かつては葬式花としても使われた』ということ。

 アブソリュートなのでアロマスプレーにしたところ香りの立ち上がりが早く、ジャスミンでもローズでもカサブランカでもない気品漂う香りがします。

 見事に涼しくデカイ月の下、月下香の香りのお月見。月下香の芳香浴の月光浴。

 精油には“これは私的にはパス”という香りがありますが、月下香は使えそうです。これに歌のエピソードが乗ってくると説得力がもう一段階上がったのに…。

 夜来香と月下香は別物でしたか…。

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2009年11月 4日 (水)

階段を下りる時にぎっくり腰になった人。

 40代男性、階段を下りる時にぎっくり腰になったということで、病院で鎮痛剤と湿布薬が処方されています。

 ぎっくり腰になった日に電話をいただいたので、家で安静にしていることをお勧めしたのですが、是非にということで受傷後2日目の指圧です。

 診察は痛ければ立ったままでもいいですと申し上げましたが、比較的簡単に椅子に腰掛けました。

 背部から診ると腰椎が左に側弯しています。

 左足で一段階段を下りる時に左下肢長が伸びるので、結果として脊柱が左側弯する、その時にギクッときたようです。

 脊柱起立筋は右のほうが硬くなっていますが、これは体を硬くして脊柱を側弯の形に固定していると考えられます。

 左第4~5腰椎周囲の筋肉や靭帯の強い痛みを、使えるほうの筋肉を使って患部を固定することで防いでいるようです。

 腰椎棘突起を触診して痛みはないので、とりあえずヘルニアや椎間関節の亜脱臼は除外できます。

 一番楽な姿勢でマットに寝てもらうと右を下にした横臥位になりました。

 普通痛みのある側を下にして寝たほうが圧刺激がかかって鎮痛と固定の効果があるのでそれを選びますが、このケースでは側弯の形を崩さないことが鎮痛になっているようです。

 この横臥位(指圧では右を下にした場合は左横臥位と呼びます)で指圧を始めます。

 咳をしても痛いということなので、急激に圧し込んだり、急に手指を離すと患部が揺れて痛みがでます。

 受傷3日以内にぎっくり腰の指圧を引き受けるなら、安静を破らない超上等なタッチをしなければいけません。

 例えば患部は触診以外では触れない、患部の上か下に片手を当てて固定し、患部を揺らさないようにして指圧をするというようなことです。

 腰椎左側弯に対して、下肢伸展挙上牽引はとても効果的でした。

 考えてみれば階段を下りるときに詰めたと想像できるので、仰臥位で患部を自分の体重で固定している時に、下肢を引っ張ればかなり理にかなった矯正方法になります。

 これを馬鹿の一つ覚えで、両膝をおなかにくっつけるような腰椎前弯の矯正をしているようでは駄目です。

 このケースで股関節は90°を超えて曲がりませんでした。つまり膝を立てるより押し込めないような股関節の状態には、腰椎前弯以外の原因があるということです。

 軽い刺激で触れる所は指圧する、緩めるられ所は緩めるというような方針で全身指圧を終えました。

 起き上がる時に痛みはありましたが、立ってから、そしてもう一度椅子に座る時にはかなり痛みが軽減されていました。

 その理由は腰椎左側弯の改善です。大して触れてもいないのに、ほとんど真っ直ぐに近づいています。

 ぎっくり腰は傷ですから、しばらくは痛みが残ります。しかし体力もありそうなので回復は意外と早いかもしれません。

 今回は自然治癒力の邪魔をしない、安静より効果のある指圧になったと思います。

 

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2009年11月 3日 (火)

指圧で除圧する。

 週1回指圧をしている脊柱管狭窄症の男性は「指圧後は完全に症状が消える」そうです。

 背中を丸めていることで痛みを抑えている脊柱管狭窄症では、その姿勢を続けていることで腸腰筋などに負担をかけています。

 その結果、体の内圧の不均衡が様々な方向から生じて、主訴の脊柱管狭窄症の症状が悪化するようです。

 へこんだペットボトルがあるとします。

 ペットボトルのへこんだ部分に痛みがあるとして、そこを圧してもへこみを大きくするだけです。

 強く圧せば反対側とくっつくほどにへこみます。

 こんなことが解決につながるとは到底思えません。

 この脊柱管狭窄症の男性への指圧は、体のあらゆる角度からの内圧に拮抗するような刺激です。

 痛みがあって体の中心に圧し込むようなバランスの不均衡に対して、圧をあてて凹みを戻すイメージです。

 突き抜ける強刺激ではありません。

 背中から内臓の背面に届く圧刺激、おなかから内臓の腹側に届く圧刺激、これが治療的な除圧になっているように思います。

 もちろん足底から頭部へ向かう、頭部から足底へ向かう、あらゆる斜めの角度から反対側へ向かう垂直圧があっての除圧です。

 この3次元的なイメージができると、激しい痛みを持った方へのタッチにとまどわずにすむと思います。

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2009年11月 2日 (月)

下肢振り子運動による除圧で腰痛を緩和する。

 昨夜の日本シリーズ第2戦、腰痛で登板が危ぶまれていた日ハムのダルビッシュ投手は先発し、6回まで巨人打線を2点に抑える見事な投球で勝利に大きく貢献しました。

 下半身を大きく使わない投球フォームは、明らかに腰に負担をかけないためのものでしたが、その棒立ちのような投げ方で時速150km近い速球を投げ込み、当日インターネットの映像を見て参考にしたというスローカーブを使いこなしてしまうのですからただものではありません。

 無駄な力みを抜いた時に大きな力が出せるということを体調の完璧な時にできるようになっていったら、この先どれだけ凄い投手になることか、末恐ろしいものがあります。

 ノーベル物理学賞を受けた米シカゴ大名誉教授・南部陽一郎先生の「対称性の自発的破れ」理論は、“自然法則では物質は対称性を保つはずであるのに、ビッグバーンから宇宙が冷えていく段階で物質の状態が自然に変化して対称性のバランスが崩れた”ということを研究し考察したものです。

 人間の腰部のバランスも腹部側からの圧と背部側からの圧、側面からの圧、上下からの圧、これに動作時のあらゆる方向からの圧をうまく流して均衡を保っています。

 これが上下と腹部側からの圧に抗しきれなくなって椎間板ヘルニアが背側に飛び出して神経を圧迫し激痛が起こります。

 脊柱管狭窄症では背中を丸めていると痛みが出にくいわけですから、背筋を収縮させては痛みが悪化する、つまり背部から腹側への圧のバランスが強くなって痛みを起こしていると考えられます。

 そこでダルビッシュ投手の昨日の投球ということになるのですが…。

 腰椎椎間板ヘルニアでも脊柱管狭窄症でも、仰臥位で片側の膝裏に両手を入れて、膝伸展+屈曲の背中を丸めて起き上がり運動をすることで、ダルビッシュ投手のように腰に大きな負担をかけない腰の運動が可能になります。

 小さな振り子運動から始めればいいのです。この振り子運動は腹側からの除圧も背側からの除圧もします。

 これに小さな回旋運動が加わればもっと効果が上がっていきます。

 実際にこの運動を腰痛持ち、特に脊柱管狭窄症の方に勧めているのですが対称性の破れとダルビッシュ投手の投球術と合わさったのは今朝のインスピレーションです。

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2009年11月 1日 (日)

体の不調のスピンオフ(サイドストーリー)を語るということ。

 指圧の後には必ず、私が読んだ体の物語についてお話します。

 お客様が考えていた主観的な物語と、指圧師が語る客観的な物語の違いは、同じドラマでも主人公を替えたスピンオフの物語ようでもあり、気づきを生み、涙を流すことでカタルシス(浄化)効果をもたらすこともあります。

 泣いてもらって、笑ってもらって帰っていただく、それがとても大切なことです。

 感動がないタッチはセラピーとして十分ではありません。

 手技療法の特徴(是非とも特長にしなければいけません)である反射区やツボの考え方は、主訴に対するサイドストーリーそのものです。

 腰痛に対して下肢後側を指圧するというような考え方は、外堀から埋めていくような作戦ですが、坐骨神経に沿っての指圧は第4腰神経から第3仙骨神経の範囲での治療的な刺激になります。

 腰痛に対して腰の物語を考えていたお客様にとっては、腰の指圧ではないというストーリー展開は意外です。

 片頭痛に下半身のむくみのストーリーを語ることもあります。また、同じ片頭痛でも使わないほうの左前腕外側“外関”の物語を読むことも、下肢外側の物語を読むこともあります。

 指圧師が語る客観的な事実から、自分の見逃していたことへの気づきや、とらわれていた不安からの解放、そして涙…ということはよく起こります。

 そこで緞帳が下りて、客席にライトが灯るわけです。

 いつも観客が一人の一人芝居ですが、主人公はあくまでもお客様で、私は物語の構成作家でナレーターであるだけで、原作を作り上げたのはお客様です。

 「指圧は芸術である」、その言葉が自分の心にストンとはまって、ずっと今のスタイルで続けています。

 涙を溜めた人には、ダメ押しで感動的な言葉を足したりして…(ちょっとあざといなと後で反省することもあります)。

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2009年10月31日 (土)

指圧は30kgの刺激を超えてはいけない。

 指圧の強さは100gまでの触圧、100g~1kgまでの微圧、1kg~5kgまでの軽圧、5kg~15kgまでの快圧、15kg~30kgまでの強圧と分類されます。

 指圧は強圧までで、これを超えてはならないとテキストには明記されています。

 片手をテーブルについて椅子から立ち上がる時、指圧の指の形でこれを行えば体重のかけ方にもよりますが、およそ快圧の体重移動になります。

 体重の4分の1ほどの重さが、プッシュアップの動作時に手指にはかかります。

 たとえ体重が30kgしかなくても、快圧の指圧はプッシュアップの体重移動で可能なのです。

 テキストに指圧の強さの上限が明記されてはいますが、指圧師が体重の半分を母指の指紋部に乗せるのは簡単なことです。

 残念なことに、あマ指法制定後の指圧理論がよく理解できていないあマ指師は多く、強圧し自慢の声はあちらこちらで耳にします。

 “一指立禅”の修行を黙々と続ける中国の修行僧のドキュメントを見たことがあります。

 一指立禅は、片方の示指一本で全体重を支え逆立ちをするという究極の荒行です。

 ただそれができても、人間の体の上でやるわけにはいかない、タッチセラピーというものは、そういうことではありません。

 指圧は、誰にでもできる快圧で人間の体に合わせてタッチの刺激量を臨機応変に使い分けていくことが大切なのです。

 激しい痛みを持つ人には強圧では通用しません。指圧師は強い痛みを持つ人からタッチを教わって上達していきます。

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2009年10月30日 (金)

「力で押しまくらず、響きの中でフォルテ(強勢)を作る」

 今日の産経新聞の記事中に「力で押しまくらず、響きの中でフォルテ(強勢)を作る」という言葉がありました。

 これはアメリカの軍楽隊の演奏会で指揮をしてきた陸上自衛隊中央音楽隊の武田晃隊長の、アメリカ軍楽隊の音の作り方に対する感想です。

 この言葉を読んだ時、瞬間的に共感すると同時に、とても難しく深い意味を持っていることに気づかされました。

 とても弱い力の表現力が増せば、マックスの力でなくても相対的に強い力は際立ちますが、武田さんがそこで得たイメージはそれだけではないはずです。

 同じ力で合っても1拍が弱冠長い、短いというようなことであったり、音のトーンであったり、テンションであったり、これは手技療法の触圧刺激でも同じことが言えます(何しろ手技療法の叩打法はパーカッションなわけですから)。

 例えば指圧は漸増漸減圧ですから、出だしにわずかな間を作って、漸増圧の上昇曲線を急勾配にすれば、単純に考えれば『響きの中のフォルテ』を作り出すことができます。

 それは技術的なことで、これではまだ足りない。

 フォルテを作るというメンタルが乗っているということや、受け手の望む絶妙なフォルテを作るというようなことも要素としてはありそうです。

 特にバンドではメンバーとの協調もあるので、同じようなイメージとテクニックを得るには大変な練習量が必要だと思います。

 ふと目に付いた言葉ですが、深い意味を持つ難解な課題です。

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2009年10月29日 (木)

「アスパラガスの葉を生け花に…」元気と長寿のお話。

 「アスパラガスの葉っぱを生け花に…」と80近い華道の先生が新宿まで出かけて、花屋を3軒回って、手に入らなかったという話。

 近所の花屋さんに頼んでおいたのに手に入らないということで出かけたようですが、その創作のイメージ、こだわり、声のはっきりしていること、大した元気です。

 めげずに別の花を買ってきて、イメージと合わなければ何処かで花を摘んでくるかという勢いまであります。

 指圧をすると右肩上部と背部、下肢前側と外側に緊張があります。

 花を抱えて、踵を地面に踏ん張ってしっかりと落とさないように家まで帰ったということ、その後の指圧です。

 生姜をすりおろして、醤油を少したらし、お茶(ほうじ茶かな?)を注いで飲むという健康法を仕入れてきたようで、それにはまっている様子です。

 醤油の甘草と生姜は漢方薬では御馴染みで、ほうじ茶と一緒に飲めば体を温める作用が強くなり、緑茶と飲めば温める作用は少し減りますが殺菌作用や血糖効果作用などがプラスされます。

 好奇心と創作意欲、自分の足を使って自分の目で確かめること、これがあると元気と長寿はついてくるなぁと思いました。

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2009年10月28日 (水)

ストレス性胃腸炎(どうやらサークルを辞めたいらしい)。

 胃腸が働かないからと指圧にいらっしゃった60代の女性、今月は法事やお祭りや家庭のことでとても忙しかったようです。

 軟便が続いているということで、ウイルス性の胃腸炎もストレス性の胃腸炎も、どちらも考えられます。

 肩がこっていて、やや微熱があります。

 痩せ型で胃下垂体質なので、いつもなら背部の緊張を緩めてから仰臥位左大腿前側、胃経の指圧をすると、おなかがグーッといい音で鳴る人なのですが、今回はゴボッと時々短い音がします。

 腹部の指圧でも開通した音ではなく、時々ゴボッという音がしました。

 夜中におなかが痛くなることがあるそうなので、空腹時の痛みとしては十二指腸潰瘍があるかもしれません。

 指圧が終わり、最近入会した趣味のサークルの話になりました。

 『ここから長そうだぞ…』の予感の通り、初回に欠席してどうやら転校生気分になってしまった様子から、道具の購入など様々なストレスが語られていきます。

 伝家の宝刀『じゃ、辞めちゃえば?』をどこで出すかということなのですが、デトックス、デットックスということで時間は経過し…。

 結局、始めに結論有りきの話なので、落ち着くとこへ落ち着いてニコニコして帰っていかれましたが、このやり取りをした後に、仮面うつ病の男性のことを思い出しました。

 彼にはうつ病の自覚はなく、様々な体の症状を訴えていろいろな診療科を受診したあげくに、仮面うつ病と診断されてから落ち着いたようです。

 心の不調は体に映し出されます。体に症状が現れてから気を病んで病気になることも、気を病んでからそれが体の症状として現れることもあります。

 体を動かすことで心の不調が改善されるというのはよくあること。

 自分で体を動かしたくなければ指圧やマッサージで動かすのもとても良い方法です。

 そして口も動かし、気持ちを声に出してデトックスすることも、とても良い解決策です。

 

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2009年10月27日 (火)

背中が語る(あるいは背中に語らせる)。

 台風が太平洋を通過していき、昨日は雨(時々曇り)の一日でした。

 頭痛持ちの人は、おそらく日曜日くらいから頭に重さを感じ始めていたことと思います。

 そんな中、テレビの報道は傍聴券を求める長蛇の列を映し出し、注目の裁判が一日中、ニュースや情報番組をにぎわしていました。

 見たくはないのですが、指圧師の目に焼きついてしまったのは、法廷画家の方が画いた被告の背中です。

 ジャケットの背中の中心線は大きく右にカーブしていました。

 きっとそれを一枚の画として切り取ったからには、意図があったのでしょう。

 それを描く価値を見出した法廷画家の方と指圧師の見解は一致しているかどうか…。

 そしてこれが弁護する側の演出であるとすれば、それはある意味凄みのあるテクニックです。

 ジャケットの背中の正中線のズレは、簡単に矯正できます。後ろの裾を引っ張って直すだけでいい。

 それは慌てていてそうなったか、演出でそうしたかということで違いますが、背中は確かに訴えを持っていました。

 体や心の歪みを治すのは簡単なことではありませんが、ジャケットの歪みはまるで誰にでも全てが簡単に直せるような隙を見せて、一枚の画となってテレビに映し出されていました。

 こういうひねくれた見方を穿った見方というのでしょう。でもそこにばかり目が奪われた指圧師が一人いました。

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2009年10月26日 (月)

注射1本で変形性膝関節症を治すという新しい治療法。

 昨日18:30からTBSテレビ『夢の扉』という番組で「注射1本で変形性膝関節症治す」という新しい治療法を紹介していました。

 そのイメージで番組を見ていると、実際には軟骨組織や幹細胞を取り出してから培養するのに時間がかかるので、日にちを空けて2回の施術と2本の注射器が必要になります。

 幹細胞を使う新しい治療法の承認には通常10年かかるということです。

 軟骨を培養して使う方法でも、幹細胞を培養して使う方法でも、リハビリは必要なようです。

 期待して見たこちらが悪いのかもしれませんが、注射1本で即走り出せる程の回復というのはなかなかないものだなぁと思いました。

 指圧でも欠損した軟骨を刺激しない姿勢に骨格が矯正できて、即走り出せるということもあります。ただこれは根本治療ではない…。

 注射1本で、リハビリもいらないくらい日帰りで治るようになるといいなぁと思います。

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2009年10月25日 (日)

ブシャー結節

 へバーデン結節の質問をいただいたので、ブシャー結節についてもふれておきます。

 へバーデン結節は指の四指の末端のDIP関節(dist. interphalangeal joint=遠位指節関節=第1関節 *母指は2関節なのでIP関節と呼びます)や母指のIP関節にできる変形性の関節症で、原因は老化や指の使い過ぎです。

 へバーデン結節がある人ではPIP関節((prox. interphalangeal joint=近位指節関節=第2関節 *母指にはありません)にも変形が起きることがあり、これをブシャー結節と呼びます。

 PIP関節の変形ではリウマチとの鑑別が必要になります。

 リウマチは免疫機能の異常で自分の体を攻撃して関節を破壊して進行性に悪化し、指ではPIP関節に発症することが多いのですが、発症の可能性は全身にあります。

 リウマチは左右対称性に発症したり、朝1時間以上こわばりが続くなどの症状が目安になりますが、リウマチの多くはリウマトイド因子が存在するので、診断には病院での血液検査が必要になります。

 私はへバーデン結節やブシャー結節を、中年以降の女性の方で診ることがあります。

 女性ホルモンの減少→骨粗鬆症→骨の変形は、残念ながら避け難い加齢的変化(老化現象)であるようです。

 せめて指先でレジ袋やバッグをいくつも引っ掛けて持たないなどの予防策は取るべきでしょう。

 でも、そういう指を指圧する時、勲章のような気がするなぁ。

 指圧・マッサージのテクニックとしては、へバーデン結節やブシャー結節でもリウマチでも、痛みがあればその部分には触れなくても、患部から先を刺激していけば血行促進と鎮痛効果が得られます。

 私は遠心性と求心性の両方の刺激を臨機応変に使い分けていますが、末端に冷えがあれば遠心性も入れて、そうでなければ求心性の刺激でデトックスしていくことで血行促進+鎮痛効果が得られます。

 アロマトリートメントの精油の選択は血行促進や鎮痛の効果があるものを使用します。

 私なら、セントジョーンズワートの浸出油にローズマリー(あればカンファー)、マジョラム、ジンジャー、ブラックペパー、ペパーミント、ラベンダー、ウインターグリーンあたりの精油から2種類くらいブレンドして使います。

 いろいろやってみましたが、上手なタッチができれば1%濃度で全く問題ありません。

 アロマトリートメントでは患部に痛みがあっても塗布することはできます。炎症部位はいたずらに刺激しないようにして、それより近位をトリートメントすることにより誘導作用で症状の緩和を目指します。

 

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2009年10月24日 (土)

カーディガンのボタンが左下へカーブしている女性の指圧。

 椅子に座った時に、カーディガンのボタンが左下へカーブしているのが気になった女性、ここ2~3日片頭痛があります。

 片頭痛は、側頭部から体の外側を下行する胆経の経絡上の筋肉に緊張が診られる事が多いものです。

 カーディガンのボタンが正中線上にないのは、体の歪みの現れです。

 伏臥位から指圧を始めると、左内踝以下の足に冷えがありますが、右足はそれほどでもありません。

 仰臥位で、左鼡径部の脈は微弱で左下肢にむくみがありますが、右鼡径部の脈はしっかりと脈打ち下肢の筋肉も鍛えられています。

 そのことを伝えると、家で30分ほどエアロバイクをこいでいるとのこと。

 これで全体像がつかめました。

 エアロバイクをこぐ時に、右足主動でペダルを踏んでいて、左足はペダルにただのせているだけでほとんど運動をしていないのです。

 右足を強く踏み込むため、上半身は右側屈気味になり、右半身が鍛えられれ左半身がむくむというアンバランスを作り出しました。

 カーディガンのボタンが左下へカーブするのは、上半身が右に側屈しているためです。

 全身指圧後、カーディガンのボタンは正中線にありました。

 ボタンのズレを最初に指摘していたので、彼女はびっくりしていましたが、密着間のある指圧というものは、体だけでなく衣服にアイロンをかけるようなものです。

 指圧が終わって来た時よりも衣服にしわがよっていたとしたら、それは指圧ではありません。

 密着が甘く、垂直圧でもないからしわを作ります。こねてしまえばブレるのです。それでは指圧みたいなものとさえ呼べません。

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2009年10月23日 (金)

旦那様の指圧、効果ありでした。

 昨夜胸が苦しくなって、旦那様に背中を圧してもらったという50代の女性、喘息の持病があって、時々胸の苦しさを訴えて指圧にいらっしゃいます。

 脈は1分間に66、肩甲骨から上のところで背中のカーブが大きくなっていて、右腕の使い過ぎが原因だと思われます。

 心臓の検査もしていますが、狭心症や高脂血症の診断はありません。

 昨夜は喘息の発作がなかったということを考えると、心臓神経症と更年期症状を頭に置きながら、肩から背部の筋肉の緊張を緩めていけばいいだろうという見通しで指圧を始めます。

 右肩上部のこり、肩甲間部のこりはありますが、腰から下の筋肉はそれほど悪くありません。

 2~3kg太ったということですが、むしろ若く見えます。

 とても弱く疲れた女性でしたが、指圧をしていくうちにたくましくなってきたような感じです。

 更年期の女性ホルモン減少と体が折り合いをつけて、健康でたくましくなっていった何人かの女性と似ています。

 「今日は珍しくそんなに悪くないですねぇ。きっと旦那様の指圧が効いたのでしょう」

 それを聞くとポカンとしていましたが、症状が悪くなっていく時に絶妙なタイミングで指圧をすると、血行を促進したり、交感神経の緊張(アドレナリンの分泌)と心臓の興奮を抑制して鎮痛、鎮静の働きを発揮します。

 昨日は悪かったけれど今日はさほどでもないとしたら、旦那様の指圧はかなり誉めていい出来です。

 もっと評価してあげてほしいな、きっと心のある手当てのタッチだったのだろうなと思います。

 訓練していなければ二度とできないかもしれないタッチですが、そういう火急のタッチというのは侮れない、アナドレナイ(どうでもいいことですがアナドレナイはちょっとアドレナリンに似ている)。

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2009年10月22日 (木)

呼吸運動法としての指圧。

 『指圧をすることで指圧をする人も肩こりが楽になるような指圧』、これを伝えたいと思っています。

 それは、指、腕、肩の力を抜いて、肘を伸ばし、肩甲骨を開くだけの動きで息を吐きながら体重移動をするという指圧法です。

 頭を起こし背中を伸ばした状態から、母指の指紋部を密着させた筋肉を支えとして、さらにわずかにプッシュアップをして上体を起こすと、垂直圧がかかります。

 背中から頭に向かう直線の延長線上に“幻の滑車”があって、その動線は井戸のつるべのように母指の指紋部と結ばれています。

 母指がゆっくりと沈む分だけ体がわずかに起き上がるというプッシュアップが、この幻の滑車をイメージすることによって理解しやすくなると思います。

 プッシュアップしかも母指と揃えた四指による指立て伏せの感覚になりますから、どうしても指の付け根(中手指節関節)を突き出して手掌の位置を高くする必要があります。

 バイクのスロットルを握る形、あるいは影絵の狐のような形、これができずに手掌がべったりと低い位置にあったり四指が揃わず開いていると、母指への垂直圧はかけにくい、あるいはかかりません。

 これにワンタッチには必ずクレッシェンド→デクレッシェンドがある、それを体重移動の加減で操作する、深い呼吸をする、力を抜くなどがあって指圧の形になります。

 痛いところは圧さないくらいでその周囲を緩めれば症状は改善していくことや、こりから1ミリはずしたり、何かありそうな時はその寸前で止めたり、続けていくことでわかることもたくさんあります。

 頭を上げて背中を伸ばした良い姿勢で、力を抜いて指先という末梢に血流を集めていくことと、そしてほとんど使うことを意識しない肩甲骨の外転運動と深い呼吸、これができれば指圧をする側の肩こりも緩和されるはずです。

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2009年10月21日 (水)

脳からの神経伝達が可能な義手。

 脳からの神経の伝達が可能な義手ができたというニュースがありました。

 ただし実用化には5年から10年かかるという見通しです。

 新しい義手を待望する方がそれを手に入れるためには、健康を保って、不慮の事故にも遭わずに、命をつないでおかなければいけません。

 5年~10年先の話ですが、これが希望の光となって生きる力になったという方がいる、そう思いたいニュースでした。

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2009年10月20日 (火)

北山修さん。

 「加藤和彦さんのニュース」を知って、フォーク・クルセイダースのメンバーで精神科医の北山修さんはどんな気持ちの整理をするのだろうということが気になりました。

 鬱のことは相談されていたか、それともうすうす気づいていたか…。

 お別れの会で北山さんは「彼の歌を愛してください」とお別れの言葉を語ったそうです。

 加藤さんの遺書には「自分の音楽が世の役に立ったのか?」という自問が残されていたそうです。

 『もしかしたら自分が力になれた患者であったかもしれない』と思った時の北山さんの苦悩は計り知れないことでしょう。

 私は友人だとかえって自分のセラピーがセラピーにならないと感じることがあります。

 照れもあり、セラピスト以外の自分を見せてきた人の前ではセラピストにはなりきれないような気がします。技術的なことに変わりはないのですが…。

 私ならコメントをしないスタンスでいて、どうしてもということになって当たり障りのないコメントを出して、一生宿題を抱えていくことになりそうです。

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2009年10月19日 (月)

妊婦のワクチン接種がこんなに早く認められるのなら…。

 妊婦への新型インフルエンザのワクチン接種が、“安全性は確立されていない”という注意事項付きで始まります。

 それまでの妊婦に対するインフルエンザワクチン接種の考え方を変えるほど、新型インフルエンザウイルスは手強いということです。

 今の段階では“ワクチン接種をするリスクもあるが、しないリスクよりはましだ”ということ以外、誰もその後の展開は予想できません。

 これほど早く認められる事案があって、外国では承認されていてもわが国では認められない癌の薬があるというのは変な話です。

 今回のインフルエンザワクチンくらいに新薬の承認も迅速に行われたら、どれだけ多くの患者さんの心に希望が芽生えることか…。

 治験も十分ではない外国性のワクチンは、高齢者や小学校高学年以上の子供たちに使われるという発表もありました(20日の新聞では高齢者と高校生になっていました)

 そんなこと、公にしなければいいのに…。

 世間の動揺とパンデミックを抑えるのはどちらも大変なことですが、妊婦へのワクチン接種が“安全性が確立されていない”という注意書き付きで始まるという発表は、ただならぬ事態が拡がりつつあることを伝えるのに十分なニュースでした。

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2009年10月18日 (日)

ブタクサの花粉症。

 初めての30代の女性、鼻がグスグスしているので、「ブタクサかイネ科の植物の花粉症っていわれたことある?」と尋ねると、「何でわかったんですか?」と、とても驚いた様子。

 この時期に風邪ではなさそうな感じがあれば、鼻炎のアレルギー物質は絞ることができます。

 彼女はブタクサの花粉症だということですが、この会話で面白いのはこちらは“ブタクサ”だと断定したわけではないのに、彼女は言い当てたと受け留めたことです。

 このあたりが、易や占いとタッチセラピーが共通の起源を持っているということにも繋がっているのですが、そういえばテレビで占いの先生とお客さんの会話を聞いていると、次は“私もそう言うだろう”というような会話をしています。

 視覚的に人間を見るだけではなく、人間を診るということは、いかに目の前のデータを自分の知識や経験と結びつけるかということです。

 この最初の“つかみ”で、この指圧の効果は約束されたようなものです。

 「先生は気功をやっているのか?」、これも何度も言われたこと、気を配って集中して指先の熱と血流を伝えることができれば、おそらく気功に類することになります。

 あえて否定はしません。私はそのエンターテイメント性の中に、心身が大きく変わる要素があることを見てきています。

 全体的には“腎虚”でむくみがち、パワーの足りない疲れを溜めた体でした。

 指圧が終わって鼻が止まっていたことに気づいたかどうか、もしかしたら今日は体の動きが急に出て運動をした後のような疲労感があるかもしれません。

 「指圧に来た人の悪い病気をもらうことはないか?」、これもよく聞かれること、「それは姿勢が悪い素人のマッサージ師が体調を崩すということで、そうならないように、朝4時に起きてトレーニングしているんだよ」と、答えておきました。

 トレーニングは日課で事実ですが、「飛騨の山中に3年こもって…」、これくらい言っておいたほうがエンターテイメントとしては馬鹿馬鹿しくてよかったなぁと後で悔やみました。

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2009年10月17日 (土)

多発性関節症の女性、2回目指圧。

 多発性関節症で主訴は右肩痛の女性、2回目の指圧です。

 旅行帰りで昨日はもっと苦しかったそうです。

 脈は1分間に78、前回は100を超えていたことからすると落ち着いています。

 「先生に会ってから気持ちも体も楽になって…」、そういえば前回は心療内科にでもかかろうかと思っていたというお話でした。

 提案した、大股で体の中心線の延長に足を出すウォーキングと、肘を曲げて小さく肩関節を回す運動は続けていたようです。

 左肩が下がり、脊柱もわずかに左に側屈していますが、全体的な姿勢はかなりよくなっています。

 右母指球と右手首の手根管に違和感があるようですが、正中神経麻痺の兆候はありません。

 指の関節が変形しているので、右手の屈筋腱は旅行バッグなどを持つことで疲れやすいのだろうと思いました。

 今回は危なげなく全身の指圧ができました。

 確か前回は“強敵現る”の感があったのに、今回はもうお馴染みのおばちゃんになっていました。

 不思議なものです。当たり前のことを言って、当たり前のことをやっただけなのに、とても心に留めてくれる人がいます。

 触らずに治してしまう部分が多ければ多いほど、セラピストとしての完成度は高いのだろうと思います。

 それは新しい情報や正しい知識をたくさん持つことであり、複数の選択肢を持って体に触れることができる技術と経験の豊富さを有するということです。

 うまくいった後は慢心して見逃しが起きやすい、どうもそんな気がする…。

 これが簡単なことではなく、疑問を常に見つけることができるから、飽きずにやっていられるのだろうと思います。

 先生、上手とおだてられて、いい気になれるほど人間の体が甘くないことは痛感しています。

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2009年10月16日 (金)

左肩の痛みが治った女性。3日、2週間、半年、1年という目安。

 仰臥位、上肢の指圧では上肢前方挙上180°伸展、牽引を最後に行います。

 90°まではまず痛みがなく上がりますが、135°を超えられるかどうかが肩の痛みの程度を知る一つの指標になります。

 60代女性、半年ほど前から運転席から左手で車の後部シートの物をとれなくなっていました。

 主としては外転+後方挙上を制限する痛みがあったということです。しかしこの痛みがあると、肩関節可動域は前方挙上も制限することが多いのです。

 三角筋後部と棘上筋、大円筋、上腕三頭筋(これらは後方挙上に関与)、そして三角筋中部と上腕二頭筋腱長頭(これらは外転に関与・棘上筋も)が集合した腱板側部~後部の痛みとして診ていました。

 昨日は左上肢前方挙上180°伸展牽引が痛みなしでできました。

 左腰痛が主訴で来ていたので、こちらはスルーしてしまうところでしたが「あれっ?肩が痛くない!」という声を聞いて、『そういえばそうだった…』と気づいたアリサマで…。あんまり普通に肩が上がったので…。

 この半年、間が空くこともありましたが、だいたい週に一度指圧をして、指圧後は肩の可動域が拡がるということを繰り返していました。完全に治りはしなかったのですが、悪くはならなかったということです。

 肩の動きが痛みによって制限される肩関節周囲炎は、半年で治るということが不思議と多いようです。私もそうでした。

 毎日痛みの出ない範囲で肩関節を小さく動かしておくということがあって、指圧をしたり、オイルマッサージをしたり、メンテナンスをして半年です。

 詰まりの多い肩関節から痛み物質を排出し、組織の修復にかかる日数は、半年くらいということが多いのかもしれません。

 急性の炎症3日、それが慢性化して2週間、組織に大きな修復の必要がある強い痛みでは半年、メンテナンスやリハビリが十分でなければ1年かもっとかかる、だいたいそんなところでしょうか。

 毎日、超適切にメンテナンスができたらどれくらい回復が早まるかと思うのですが、体は個人のデットクス能力の差もありますから、半年で上がらなかった肩が上がるようになれば、セラピストの成果と考えていいのではないかと思います。

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2009年10月15日 (木)

程好く狭いという感覚。

 40℃以下のお風呂というのは、胎児の時の羊水の感覚です。

 根源的な癒しの願望は、子宮回帰へと繋がっているように思います。

 にじり口から茶室へ入るという発想、決して広くはない茶室という空間、これも子宮の中の癒しが記憶されていてこそ生まれたのではないかと思います。

 押入れに入って遊んだり、こたつの中にもぐりこんだり、秘密基地はその狭さ、その不自由さに価値がありそうです。

 トイレのドアを開けて東京ドームの広さの真ん中に一つ便器があったら、ひどく落ち着かないことでしょう。そこで毎日用を足さなければいけないとしたらそれは拷問です。

 体は詰まり過ぎていれば緊張し、緩み過ぎていたら、だるくてこれもまた辛いものです。

 ベッドという狭さを程好く狭い空間にできるとするなら、これはぬるま湯のような、羊水のようなタッチできるかということだと思います。

 緩め過ぎてもいけない、緊張させてはいけない、狭い空間で程好く包まれ感があるような、そんな指圧を今日もしたいと思います。

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2009年10月14日 (水)

上半身のこりから溜めていた熱が発散した指圧。

 昨日の早朝は冷えていて、空には肋骨のような雲が広がっていました。

 衣替えから2週間が過ぎ、そろそろ季節の変化に体が慣れてくる頃です。

 この2週間の間に、早朝と昼過ぎ、そして日没後と、急な温度の上がり下がりが顕著になってきました。

 上半身がこって下半身がむくむというのが、汗をかかない季節になって、代謝が悪く、運動不足という人のほとんどに診られる症状です。

 60代の女性、肩から背部のこりで背中は丸くなり下腹がポッコリと出て、下半身がむくんでいます。

 この女性の指圧をしていた時の室温は、エアコンをつけずに25℃を示していました。

 伏臥位で頚から肩、背部と筋肉の緊張を緩め、脊柱の矯正がされ、下半身のむくみも指圧によって還っていくと、背中に湯気が出ているのではないかと思うほど、汗が滲み出てきました。

 指圧・マッサージは他動運動ですから、筋肉が刺激されてこりが緩んでいくにつれ、炎症を抱えていた筋肉は熱の放散を始めたようです。

 むくみが還って血流に勢いが出たことによって、毛細血管から溜めていた熱を放散する作業が活発になったわけです。これは鎮痛解熱薬の作用と同じです。

 指圧後は姿勢が改善されて、上半身の緊張もとれていました。

 同じ日のその後に指圧をした60代の女性では、そのような汗をかくことはありませんでした。

 これは運動によって下半身が使えている人と、運動不足で上にのぼせている人との違いです。

 そろそろ秋本番を迎える季節と体の折り合う頃ですが汗をかかなくなって体重が増えたというような方は、指圧やマッサージで全身のメンテナンスをしておいたほうが良いと思います。

 上がのぼせて下がむくんだ体は、血行が悪いので免疫力が低下し、ウイルスや細菌に感染しやすい状態だと言えます。

 昨日は同じ時間に3人の方が指圧を希望されたので、おふたりは別の日ということになったのですが、しばらくお会いしていなかった方が急に指圧を必要とする特異日のようなもの、昨日はそんな日でした。

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2009年10月13日 (火)

バラの香りはその細胞死を促す。

 『環境カオリスタ検定 公式テキスト (社団法人日本アロマ環境協会)』の“植物の香りとしくみ”の章の中に、「バラがもつ芳香物質にはその細胞死(アポトーシス)を促す働きがあるのでは、と推察されています」という一文があります。

 「バラの花びらにはある段階であらかじめ細胞が死んでいくようにプログラムされていることが分かっている」ということで、バラは花びらの死に際に香りを振りまいているわけです。

 植物の香りは、誘引作用によって受粉の仲立ちをする虫を呼び寄せて子孫を残したり、逆に虫の発生を知らせて仲間に忌避物質を出させるなど、コミュニケーションにも利用されています。

 そこで加齢臭のノネナールのことを思い出しました。

 脂肪酸や過酸化脂質からできるノネナールは、体に酸化してサビてしまった細胞がたくさんあることを示しています。

 加齢臭は細胞死の多い体であることを周りに知らせます。

 死の臭いを嗅いだ周りの人は、それを避けたいと直感的に判断して遠ざかります。

 “バラの香りについての一文”からそんな発想を昨日は得ました。

 そういえばベテランの看護婦さんが「最期は点滴で延命するので、最近は枯れるように死んで行くことができないから苦しい」と仰っていました。

 自然の摂理に従って枯れていく死と、点滴で延命した後の死と、どちらが人間にとって苦しみの少ない最期なのか、難しい問題です。

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2009年10月12日 (月)

指圧よりも、アロマオイルの軽擦が痛いと言われたこと。

 他人の痛みを理解することは、本当に難しいと思います。

 先日、糖尿病で下肢閉塞性動脈硬化症の男性の大腿に、アロマオイルマッサージをしました。

 これが「指圧よりも痛い」と言われたこと、このことは是非アロマセラピストの方々に知っていただきたいことです。

 オイルの軽擦だから最も癒しの施術になると決めつけるのは間違いです。

 指圧は微弱な刺激を維持できるように訓練してきましたが、オイルの軽擦は『滑るという宿命』によって、制御できない刺激の増強が起こります。

 オイルの軽擦で制御できるのは入り方と終わり方で、中間は入り方のタイミングの違いがあるだけで滑るにまかせているという刺激になります。

 この刺激が痛い人がいるということ、これは頭に入れておいてほしいと思います。

 オイルでも触れない痛みがあります。

 強い痛みのある部位は、滑らせないで手指をそっと当てるだけなら触ることができます。これが手当てです。

 痛覚の神経線維より、触圧覚の神経線維が太いので、タッチによって痛覚の伝達を止めることができるというのが、ゲートコントロール説、つまりこれが“手当て”の理論です。

 滑らせると傷口を開いてしまうかもしれない、刺激の強い精油を選択した場合には傷口に塩を塗るようなことになるかもしれない、アロマオイルトリートメント=癒しと決めずに、そういう注意は必要です。

 下腿から足の感覚がアロマオイルマッサージで復活してきましたが、この大腿の痛み方からすると、オイルの軽擦よりも指圧のほうがマイルドなタッチになることに驚いた事例です。

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2009年10月11日 (日)

40才以上では太り気味が最も余命が長い。

 東北大公衆衛生学の研究グループによると、40才以上の平均余命は「やせ」が最も短く、次いで「肥満」、「普通」の順で、平均余命が最も長いのはBMI25~30の「太りすぎ(太り気味)」であるという記事が今朝の産経新聞に載っていました。

 『高齢者では太り気味のほうが長生き』ということは前から言われてきましたが、「やせ」は循環器疾患の死亡リスクや抵抗力の低下によって肺炎にかかるリスクが上昇するという研究成果も上がっているようです。

 ウエストサイズが強調されてしまったメタボリックシンドロームの判断基準や過激なダイエットを良しとするような風潮は、やはり見直さなければいけないと思います。

 ひとりひとりの個性に合った健康な体を目指すこと、それがメタボやダイエットの新たな基準になってほしいと思います。

 病気を抱えた人にだって健康はあります。マイベストを維持することは健康の指標になります。

 やり過ぎないことだなぁと思います。気持ちのいい方へ努力し続けること、単純ですが、なかなかできないことです。

 指圧・マッサージの時間が苦行にならないということは大事です。

 気持ちのいい刺激の指圧やマッサージから、長く体をもたせることができる人たちがうまれたら、それは嬉しいことです。

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2009年10月10日 (土)

グレープフルーツジュースの薬物代謝阻害作用。

 最近送られてきた(社)日本アロマ環境協会の『Aromatherapy Environment No.53』に、昭和薬科大学教授 田代眞一先生が「種子・果実・根茎由来の精油とその植物の特徴」を寄稿されています。

 その中で目についたのが、「肝臓の薬物代謝酵素CYP(シトクロム)3Aの働きが、グレープフルーツジュースをたくさん飲むと阻害されてしまう」という記述です。

 この記述から連想されたのが、薬の大量摂取で死亡したと言われているマイケル・ジャクソンさんと、先日亡くなった中川昭一さんのことです。

 このお二人がグレープフルーツジュースをたくさん飲んでいたかどうかはわからないのですが、鎮痛剤や睡眠薬の作用が増強することを考えずにグレープフルーツジュースを飲む人はいるだろうと思います。

 お酒を飲んで気持ちが悪い時にグレープフルーツジュースの酸味と苦味は救いになりますし、健康志向でグレープフルーツジュースを愛飲している人もます。

 何の根拠もないのですが、ふとこのお二人の死とグレープフルーツジュースの関連を調べることはしなかっただろうなと、田代先生の文章からそんなことが頭をかすめました。

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2009年10月 9日 (金)

体の不調と携帯電話の圏外。

 体の不調に効くとされているツボを圧しても効果がない時は、携帯電話の圏外を思い出してください。

 そのツボは電波が繋がっていないのです。

 途中のどこで電波(神経の伝達)が途切れているのか、何が電波を障害しているのかということを考えます。

 こりなのか子宮筋腫や前立腺肥大などの大きな障害物があるのか、動脈硬化なのか、神経線維そのものが断裂しているのか、その原因を究明しないのならば効果的なタッチセラピーを成立させることはできません。

 足のツボを圧せば圧された感覚は脳に到達しますが、主訴が改善しないのであればその途中に障害があることは明らかです。

 血液は約1分で心臓から出て心臓に還るので、1点のツボ圧しが温かい指であるということだけでも血液を温めることと、圧刺激によって血液循環のフォローはできます。

 ただ、そこでツボを語るのであれば圏外になっていないか、経絡(神経)の走行に沿って遡って調べてみる必要があります。

 先日病院でリフレクソロジーの講習を受けた看護婦さんから、その有効性についての疑問を投げかけられました。

 おそらくそのリフレクソロジストの方に説得力がなかったか、技術的な未熟さがあったのだろうと思います。

 私はリフレクソロジーを足湯のようなものにできれば、効果があると考えています。

 足湯は時間をかけて体全体を温めるもの、圏外で携帯電話をかけ続けるようなことでは効果がありません。

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2009年10月 8日 (木)

宇宙飛行士若田さんがお風呂を熱いと感じたこと。

 宇宙から帰ってリハビリを終えた若田さんが家へ帰って、子供たちとお風呂に入った時の感想が「熱いと感じた」でした。

 生理学では33℃が熱いとも寒いとも感じない無感温度になっているので、本来は40℃近いお風呂に入れば熱いと感じてもよいわけです。

 お風呂に浸かる習慣がない国の人たちは、日本の銭湯を熱いと感じる人が多いようです。

 熱いとも冷たいとも感じないニュートラルがあるとすると、われわれは入浴の際に我慢に慣れて、温度感覚を鈍らせてきたのだとも言えます。

 触圧刺激も同じで、強い刺激は触圧覚を我慢によって鈍らせます。

 そこで起こってくるのが適量刺激を超えてしまい、手技療法によって痛みを拡げるという悪循環です。

 すごく単純なこと、例えばずっと机に向かっていた後に“伸びをすると気持ちがいい”というようなことを再確認していかなければ、セラピストはデストロイヤー(破壊者)になっていきます。

 若田さんが宇宙ステーションの狭い空間から帰って、日本に帰ってまずしたかったことが“冷やしたぬきそばを食べる”だったそうです。

 本当にしたいこと、本当に欲するもの、を追求していけば、とてもシンプルな形で幸せや快刺激は存在しています。

 『思い込みや習慣でやってきたことは本当に快刺激となっているのだろうか?』、この問いを持っていつもニュートラルな自分を更新し、ニュートラルな刺激を提供する、お仕着せではなくお客様のクオリティ・オブ・ライフに貢献しようと思うなら、これはとても大事なことです。

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2009年10月 7日 (水)

胃癌手術後の肩こり、上肢のしびれ。

 60代男性、主訴は肩こりと上肢のしびれです。

 胃癌の手術で胃は3分の1になっています。

 痩せていて猫背、椅子に座ると大きく股が開き、腰椎が後弯した加齢的腰痛姿勢をします。

 一見して顔と手の甲の赤さが気になります。肝機能障害か尋常性乾癬か、この時点では見分けがつきませんでした。

 両手の爪の全てが爪白癬のように診えます。

 両3指で両手首の脈をとったとたんに、おなかがグーッと動きます。こういう反応があれば指圧がよく効きます。

 25秒くらい脈をとって、脈が1拍跳びました。1分間に84の脈、100を超えてはいませんが不整脈があることを考えて指圧に入ります。

 伏臥位では足を高くしたいようなので半円型のフットマットを使います。これは腰椎後弯によって後ろから前に神経を圧迫している脊柱管狭窄症の人たちに多く聞かれる要望です。

 指圧に対しての反応は非常によく、背部の指圧ではよく胃腸が動きます。

 下肢の筋肉はほとんど使っていません。

 仰臥位の指圧で上肢になると、両肘関節の変形、手指のむくみ、そしてタッチセラピーとして触わってはいけない非常に脆い爪であることがわかりました。

 肘から先のしびれは、肘関節の変形による肘部管症候群が原因と診るのが妥当だと思います。脈が跳んだ時は、小さな動きがあって肘の詰まりで血管が圧迫されたことが原因だったのかもしれません。

 爪白癬は(手術の時?)抗生物質による菌交代現象で起きたのでしょう。

 ここでステロイドの軟膏を処方されている話が出て、白癬ならステロイドということはないので、爪白癬ではないのか…?手指のむくみはステロイドも関係していると考えると腑に落ちます。

 また肝機能の症状にについても検査中とのこと、降圧薬をやめてしまったということや(全身症状の緩和には高血圧の治療も必要です)、“乾癬”という字が読めなかったようですが、ここでやっと尋常性乾癬であることはわかりました。

 指圧中、耳や口の周りをたびたび掻いていましたが、血行が良くなると痒みが出るようです。

 最後に腹部の指圧では軽い胃のあたりの動悸はあるものの、悪い感じは受けませんでした。腫れた肝臓に触れることもありませんでした。

 指圧後、脈は1分間に72、脈は跳びませんでした。とりあえず不整脈は除外して、肘の詰まりを緩め、猫背などの姿勢を矯正して頭を肩の上に置くようにすることで、肩こりと上肢のしびれは緩和されていくはずです。

 

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2009年10月 6日 (火)

右側頭部頭痛と反応点としての左外関。

40代男性、カルテを見ると去年もこの時期に頭痛と腰痛で指圧を受けています。

 衣替えの頃の季節の変化に適応しにくいということはあるようです。イネ科の植物のアレルギーはないとのことですが、季節性の頭痛という診方はできます。

 頭頂部に近い右側頭部の痛みは土曜日から始まったということなので、急激なストレスからの解放→セロトニンの減少による血管拡張、が原因の片頭痛(週末頭痛)の疑いもあります。

 しかし自覚的には、後頚部に湿布の跡があることからも筋緊張性の頭痛を感じているようです。

 指圧前にトイレに行き、背部から腰の緊張を緩めていくと、仰臥位に移る時にまたトイレに行きました。

 代謝が悪くなってむくんでいたということがあるので、水分の停滞による片頭痛も原因の候補に上がってきまた。

 仰臥位、左上肢の指圧に移ると、手関節背面横紋中央“陽池”上2寸の“外関(三焦経)”が、この男性の感覚と一致する反応点となっていました。

 外関を指圧すると、左上肢を上行した刺激が右側頭部に伝わる感覚があるようです。

 眉毛外端“絲竹空”に終わる三焦経は、目尻外5分の“瞳子髎から側頭部を通る胆経に受け継がれていきます。

 “外関”は頭痛のツボであり、脳梗塞などによる麻痺のツボであるとされています。

 右脳梗塞では左上肢の麻痺が交差して起こることからすると、左“外関”の指圧が右側頭部に効いてくる感じがあるとしても納得ができます。

 この男性はCT検査を受けていますが、その時に脳血管障害は発見されていません。しかし、血管が狭くなっている部分で血流が停滞しやすくなっているだろうと考えられます。

 タバコを吸うので、いつもとは違う頭痛を感じたら病院へ受診することも必要だと思います。

 ただ今回は混合性の頭痛ということでよいと思いました。

 指圧後、頭痛が治まり、腰痛も楽になったということは、季節性と、血液循環と、週末の急激なストレスからの解放による混合性頭痛であったと理解しています。

 人間を四足歩行で考えた時の上肢下肢外側と頭痛の関係、つまり頭痛を診る時に三焦経と胆経に注目すると、体の開き→筋肉が使えない→代謝が悪くなってむくむ→片頭痛、という流れがわかるので、これは頭に置いておくとよいでしょう。

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2009年10月 5日 (月)

環境カオリスタ検定。

 先週末に『環境カオリスタ検定』の公式テキストが(社)日本アロマ環境協会から送られてきました。

 この資格の創設には環境省の協力があり、“植物やその香りに親しんで人と環境にやさしい私になる”と表紙に掲げています。

 その内容はECOとアロマテラピーを結ぶもので、このままカルチャーのクラスでも、中高校生くらいからの授業のテキストとしても使えそうです。

 内容は良いのですが、巻末のテストが“やさしすぎないか?”と思います。

 落とすテストではないというのは、環境カオリスタを早く世に出したいということなのでしょうか?

 日本国の地球環境に対する姿勢を厳しく問われ、二酸化炭素排出量25%低減を掲げた新首相のもと、諸外国に国民意識を示すアクションを起こすことは必要なのでしょう。

 ネーミングがもう少し何とかならなかったかと思いますが、とりあえず環境カオリスタになっておこうと思います。

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2009年10月 4日 (日)

“場”の力。

 昨日久々に慌てたことは、「3日で治る」と言っておいた30代の女性の急性腰痛が1ヶ月の間ずっと痛いままだと言われたこと、ほっとしたのは指圧後にその痛みがなくなっていたことです。

 前回も痛みがなくなったので「3日で治る」と言ったはずですが、本人も自覚していた通り、その後腰に無理をさせてしまって前よりも大きな傷を作ってしまったようです。

 左腸骨上外側の痛みが左腰椎側面にまで拡がっていて、主な傷は腸骨筋にあるようです。

 椅子から立ち上がる時の痛みがあり、伏臥位下肢後方伸展挙上で痛みがあるので、腸腰筋がストレッチされる時には痛みが出ます。

 仰臥位膝軽度屈曲で左股関節を外転気味に前方挙上すると、これも痛みが出ます。

 これは左大腿二頭筋のストレッチ痛と考えるよりは、左腸腰筋に収縮痛もあると考えなければいけません。

 左腸腰筋の線維の一部は縦に裂け、おそらく複数の傷口が存在しています。

 左腰は手を当てただけで痛み、微圧の指圧でも響きます。

 このような場合は反動をつけて圧すのは禁物、弱い刺激で傷口を開かないように丁寧に周囲から手指を当てていきます。

 どのくらいの痛みか想像ができない人は、“下手な圧し方をすればベッドをひっくり返して帰りたくなるくらいの痛み”だといつも心に刻んでおいてください。

 こういう方たちのおかげで、私は今のスタイルを作ってきました。つまり、

①抵抗のある筋肉の硬さを突き破ろうとしない。硬いと感じたらそこから自分の体をプッシュアップしていく。

②此処をこれから触りますよというお知らせのタッチからはじめて、周囲から緩め、痛みの中心に近づいてもそこをわずかにはずして触れていく(最終的には確認のために手掌を痛みの中心に当てます。この時は物理的な圧刺激ではなく、治ってくれという気持ちを乗せます)。

 それでも最初は痛いものです。そして指圧後もそれほど画期的によくなっていたわけではないのです。

 夫婦でいらして先に指圧を終えたので、ハーブティを飲みながら1時間ほど待っていただくことになりました。

 普通、椅子に座って待っていると腰痛は悪くなります。しかし旦那様の指圧が終わって立ち上がるとき、痛みは消えていました。

 生活の木のハーブティ『エキナセア・ベア』、プチグレンとクラリセージの芳香浴、ヒーリング・ミュージックといろいろな要素もあり、さらに指圧で治った人たちの感動の記憶のようなもの、それらが複合的に“場”の力を充実させて治療効果に反映されているのではないかと感じます。

 最後のお客様が帰って、1時間ほどして指圧の空間に戻ってみると、エアコンをつけない日であったのに、まだそこは2℃ほど高い熱気がありました。

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2009年10月 3日 (土)

久しぶりの自転車が腰痛の原因だったケース。

 10月に入って朝晩涼しくなって、お馴染みの皆さんが調子が悪くなって代わる代わるやって来ます。

 入って来るなり腰が悪そうな60代の女性、今朝腰をギクッとやってしまったそうです。

 お風呂に入ってから来たのがわかります。温めたいと思ったのなら、それほどひどい状態ではありません。ひどい炎症ならお風呂に入ることなどできません。

 腰を圧して痛みがありますが、本人に左右どちらに痛みがあるかわからないようです。

 しかし伏臥位の姿勢もとれるし、慎重にやれば下肢後方挙上回旋のストレッチもできます。

 仰臥位に移ると、左大腿四頭筋起始からやや外側に筋の硬結があります。

 そこを圧されて『久々に自転車に乗ったこと』に思い当たったようです。子供の頃から自転車は不得意だったとか…。

 腹部の緊張と合わせて考えると、大腿骨小転子に停止する大腰筋(腸腰筋)の筋疲労から急性腰痛が起こったようです。

 このケースは軽い症状ですから、指圧後には腰を圧しても痛みは出なくなっていました。

 この指圧のポイントは『自転車に乗ったこと』を本人が腰痛と結びつけることができたということです。

 この気づきがあれば、腰痛を悪化させないですみます。

 自転車のサイズが体に合っていないかもしれないので、自転車に乗らないことは腰痛予防になります。

 本来自転車は腰痛の予防として適している運動になるのですが、左大腿外側に負担がかかるような乗り方だと、かえって腰痛を作ることにもなります。

 経験上、腹直筋の緊張がある場合の腰痛は、かなりの確率で大腰筋(腸腰筋)の挫傷が関係しているように思います。

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2009年10月 2日 (金)

指圧後の立ちくらみ。

 こちら側からすれば毎日毎回のことなのですが、何日か日を空けて指圧を受けるお客様にとって指圧は全身運動になって、こちらからは思いがけない副反応が起きることがあります。

 夜中に吐いたという女性、主訴は左腰痛、中性脂肪は標準値の3倍くらいありますが肝機能や内臓に病変はありません。

 内臓が丈夫で脂肪肝にはなっていないようですが、血管中にはトリグリセライド(中性脂肪)が溢れているということだと思います。

 夜中に吐いたのも原因はお酒の飲み過ぎです。

 左の腰痛は嘔吐を起こした急性胃腸炎の内臓筋肉反射ともとれないことはないのですが、左臀部や左大腿外側の圧痛からして腰痛と胃腸症状を結びつける必要はないと思いました。

 左の背部から足にかけての緊張をゆるめ、右に移ると、気づいていなかった痛みが左とほぼ同じ部位にあることがわかりました。

 全身指圧を終えると体の緊張がゆるんで、立ち上がる時に立ちくらみのふらつきが起こりました。

 立ち上がったことにより脳の血流が足りなくなったということです。

 中性脂肪による血流の重さも、脳への血液供給を妨げた原因だと思います。

 どちらかというと冷え症というよりはのぼせるタイプなので、指圧で血行が良くなったことによって、上にのぼせて過剰に溜まっていた血液が下に下がりやすくなって、立ち上がった時にいつもと違う血液のバランスに体はとまどったということでしょう。

 少し休んで、どうやら無事に帰っていかれました。

 中性脂肪で渋滞しやすい血流が指圧で良く流れるようになって、副反応が起こりました。

 夜中に吐いたという体調の悪さを考えて、こちらからはいつもよりも刺激の総量の少ない働きかけをしてもこのようなことは起こります。

 亡くなった柳家小さん師匠が脳梗塞を起こしたのもマッサージ中でした。

 血中の脂質が多いと、血流が良くなたっときに脂肪塞栓が脳の血管を詰めることもあるわけです。

 お客様が帰るまで油断はできません。

 こちらがどれだけ配慮しようと、その時のお客様の体調によっては大きな副反応が起きることがあります。

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2009年10月 1日 (木)

スカートとスクワット。

 右に股関節の変形がある60代の女性、股関節周囲の筋肉を緩めてきたので、ズボンを買った時に今までは1.5cm短くしていた右のズボンのすそを詰めなくてもよくなっていたという報告をしてくださいました。

 ふくらはぎがむくむというので「スクワットができるといいんだけれど…」と言ったら、「わたしはスカートはほとんどはかないの」と言われてしまいました。

 少し耳が遠いこともあり、仕方がないかと思って、スクワットの話はそれでやめにしてしまいました(もちろんスコットランドの男性とは違い、スカート体験も無いのでスカート話もそこまでで終わりです)。

 スクワットという言葉を、どなたも当たり前に理解してくれると思ったら大間違いであることに気づかされたというワンシーンです。

 今目の前にいる唯一ニュアンスを伝えなければいけない人に、自分の思い込みでわかっているものと思って横文字を発声するようでは、私もまだまだです。

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2009年9月30日 (水)

『腰痛に骨セメント治療』というテロップでは期待を裏切られる人が出てくる。

 昨夜のTBSテレビ『これが世界のスーパードクター11』では、脊椎椎体圧迫骨折の骨セメント治療の映像テロップに、ずっと“腰痛”という文字が映し出されていました。

 骨粗鬆症による圧迫骨折の説明は最初だけだったので、これでは“私の腰痛も骨セメント治療で治るかもしれない”と期待してしまう人が出てきます。途中から見た人はきっと勘違いします。

 腰痛の種類や原因をはっきりと理解している人は少ないものです。

 高齢者の方で、今日にもさっそく問い合わせてみようと思っている人がいるのではないかと思います。

 保険適用外で、その病院では28万円の費用がかかるという骨セメント治療のために、骨粗鬆症でも圧迫骨折でもない方が、今日は通帳を開いてお金のやり繰りを考えているかもしれません。

 とても不親切なテロップだと思いました。

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2009年9月29日 (火)

多発性関節症の女性。

 「此処の前はいつも通るけどなかなか来ることができなかった」という女性、体のあちこちに骨の変形があって、多発性関節症と診断されています。

 まずあまり一見の方が入りやすい雰囲気ではないことをお詫びしなければいけませんが、求めて着ていただいた方には出来る限りのおもてなしでお迎えしようと思っています。

 両手指は全ての関節がリウマチ様の変形をしています。

 骨粗鬆症と甲状腺機能低下症があり、脊柱は左側弯、腰は圧迫骨折をしたことがあります。

 右膝、右肘、右1趾、左足首、全ての左足趾に変形が診られます。

 主訴は右肩が上がりにくいことですが、不眠や様々な症状に悩んでいることは明らかです。

 この苦しみは40年前の甲状腺の手術から始まったようです。

 しかし声がはっきりとしていて、今まで診てきた痛みを抱えている方とは違う印象を持ちました。

 痛みを抱えた方の体は悲しく辛い物語を語るものです。しかしこの体は違っていました。

 指圧を始めるとすぐにおなかが動き始め、1分間に100を超えていた脈拍が徐々に落ち着いて指圧が終わる頃には70台になっていました。

 今までマッサージを週に1回のペースで受けてきたということですが、前頚部もおなかも触れられたのは初めてだということです。

 甲状腺の病気があって不眠の訴えがあれば触れなければいけない部位です。

 整形外科や接骨のマッサージ、温泉施設の整体マッサージなどを受けてきて、うちに入ることがためらわれてきたのは、『また期待を裏切られるかもしれない』というあきらめの気持ちもあったことでしょう。

 指圧後にウォーキングレッスンも受けて、大股で足を正中線の延長戦に入れるようにして肩を後ろに引く、おなかを引っ込める、頭を肩の上にのせて無限大遠くを見る姿勢で歩いて帰っていかれました。

 おそらく今の時代なら医療ミスになるだろうことが40年前にあったのだと思います。

 彼女は幾つもの痛みを乗り越え、現在も痛みを抱えて、自分でできることは積極的に採り入れて病気と向き合っていこうとしています。

 少しでもお役に立てれば…と思います。

 あの体は悲しみや痛みをフィルターにかけてぼかしているのではなく、いつからか達観し、自ら治そうという意志がみなぎっていました。

 触れた時に悲しみを感じないあっけらかんとしていてとても深刻な体というのは初めてです。

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2009年9月28日 (月)

マッサージチェアを使わなくなったという男性。

 「此処に指圧に来るようになって、息子からプレゼントされた(すごく高かったという)マッサージチェアを使わなくなった」という男性、それまで週4~5回は使っていたということです。

 そこでマッサージチェアが指圧師に勝てない理由を考えてみました。それまでかかっていたマッサージや整体が、マッサージチェアと同等かそれ以下だった点についてです。

 まず、マッサージチェアの開発は日本指圧学校(浪越)の先生も協力していたようですが、それは鍼の先生や生理学の先生だということです。

 まっとうな指圧ができれる先生は、マッサージチェアの限界がわかります(通販番組でマッサージチェアを誉めるのは、指圧師には絵踏み(踏み絵)の屈辱です)。

 マッサージチェアは座位でリクライニングできる範囲でしか体位を変えられないという欠点があります。

 伏臥位や横臥位が適切な体位であるケースには対応していません。

 そしてそれぞれの筋の起始と停止を正確にとらえることができないので、刺激をしてもストレッチ効果が弱くなるという弱点があります。

 さらに運動法(ストレッチ)自体できないような設計です。

 センサーがこりをとらえて、叩く・揉むということを続けられるとすると、むしろ炎症を拡げる可能性があります。

 適量刺激を見切れるとも思えません。

 こりを周囲から緩めたり、こりの中心をはずすことができてこそ、緊張を強いらないタッチとなるのです。

 我慢をさせたり、個人差のある適量刺激や痛みの散在を確かめることができなければリラクセィションにはなりません。

 昨日、リラクセイションサロンというものが上りのエスカレーターからたまたま見えた時、施術中の男性と目が合いましたが“何故目が合ってしまう?”

 そんな集中のないタッチがリラクセイションになることはあり得ない!

 1ミリと0.1秒を感じて工夫してこそタッチは何かを起こすのです。

 マッサージチェア以下ではいけない、リラクセイションだからと逃げてタッチについて真剣に考えなければ、体に危害を加えているようなものです。

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2009年9月27日 (日)

その「指圧で不整脈が治った」という男性の指圧。

 「指圧で不整脈が治った」と医師に話し嫌な顔をされたという男性、両手首の橈骨動脈を両3指で診ると、1拍目から完璧な不整脈です(キミのリズムは裏打ちか!)。

 前よりヒドイと言っていい、25秒に1回は脈が跳びます。

 本人にも動悸などの自覚症状があるから来たようで、左腰から左大腿後側にかけての筋肉の緊張もあります。

 指圧をしながら左膝が悪い人だったのを思い出し(昨日は前の人の指圧中に早くいらっしゃったので、連続で指圧をしていて直前にカルテを見ていませんした)、かばって筋肉が緊張しているのかな、と思いました。

 早く来るのは心配が有る人だと思っているので、指先を目にし、耳にして、答えを探っていきます。

 仰臥位下肢の指圧1点目鼡径動脈の掌圧でも、上肢1点目腋窩動脈の母指圧でも、脈が跳びます。

 その後眠り、頭部顔面の指圧で脈が穏やかになったことが指先に伝わります。

 アシュネル反射により心拍数を下げる眼球掌圧と、頚動脈洞反射により同じく心拍数を下げる前頚部1点目、そして心臓を直接刺激できる胸骨の指圧は、特に祈り(気)をこめて指圧をしました。

 仕上げの腹部の指圧を含め、これらの部位の指圧は直に副交感神経に働きかけることができます。

 ストレッチを終え、椅子に座ってもらって橈骨動脈を診ると脈は跳ばなくなっています。

 心臓に器質的障害のない、心臓神経症ということなのでしょうか?

 それにしても来た時の脈は休符から始まる裏打ちのリズムだったので安心はできず、病院の先生の話にも真面目に耳を傾けてほしいものです。

 指圧後はスクワットをして左膝が痛くなくなったと喜んでいました。

 この男性を指圧して初めての感覚がありました。

 頬骨に沿って頬をリフトアップした時の手応え→ 面の皮が厚い!

 だから会社の経営で走り回れるのか、だから指圧で単純によくなってしまうのか、自分の抱えているストレスがわかっていないし、けっこうな坐骨神経痛の持ち主だと言ってもいい左下肢の状態なのに気づいていないし…。

 名刺があるかと聞かれ、滅多に渡すことのないパソコン手作り名刺を「紹介したい人が何人かいるから」と3枚持っていきましたが、同じような人種が来たりしたら…、またもや、やれやれ…です。

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2009年9月26日 (土)

子宮筋腫も消えたままのようで…。

 一年ほど前に子宮筋腫がなくなっていたと報告してくれた女性が、最近の検査でも異常は見つからなかったと話してくれました。

 指圧だけの力ではないと思いますが、血流を良くしておくことで改善する体の不調はやはりあるようです。

 一方、子宮筋腫の女性でも指圧そのものが適応とは思えないというケースもあります。

 血流を良くすることで体を辛くする副反応が強く出る方もいるのです。

 私が上出来だと思う時に、お客様の反応はそれほどでもなかったり、すごく良くなったと感激されても、私はそれほど特別な感触がなかったり…。

 亡くなった桂枝雀さんのテレビ特番がBSで連休中に放送されていましたが、枝雀さんもお客さんの笑いに、同じことを感じていたようです。

 緊張と緩和で笑いを理論的に捉えた枝雀さんと、緊張(こり)を緩和することで健康をサポートする指圧をしている私は、ほぼ同じことをやっているのだと思います。

 大爆笑や症状の改善がその時には起こらなくても、後になってそれがとても良かったとあらためて感じることはあるでしょう。

 交感神経の緊張とその緩和によるリラックス、それは体の余裕になり、健康になり、笑いになります。

 私は理論でタッチを捉えたいと思います。それは枝雀さんととてもよく似ています。

 私がどうやって触れたらいいかと毎日考えていると、頭の片隅では浪越徳治郎先生が出てきて、「指圧の心は母心、わっはっはっはっ!」と笑ってしまう。

 これが生理学的にもタッチング理論からも、端的に精髄を凝縮した言葉であることに、頭が下がります。完璧な感じのしない、隙のあるお爺さんであったことも、それがまた凄いと思います。

 ここのところは理屈ではなく、枝雀さんが米朝師匠を選んだように、私は徳治郎先生を選んだのだなぁと思います。

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2009年9月25日 (金)

「指圧で不整脈が治った」とかかりつけの医師に話したら…。

 複数の会社を経営して大変なストレスを抱えて忙しく働いている男性、2回指圧をしただけですが、検査で不整脈がなくなっていたそうです。

 検査をする前から自覚症状は消えていたということで、「指圧で不整脈が治った」とかかりつけの医師に話したら、「そんなはずはない!」と怒られたそうです。

 指圧がただ指の力で刺激するだけのことであれば、不整脈を調整することはないでしょう。

 また心臓の器質的な障害があれば、これもまた指圧で不整脈を治すことは難しいと思います。

 ストレス過多による自律神経の問題、特に交感神経が過緊張して起こる不整脈であれば、タッチング理論に基づいた刺激をすることで、指圧が不整脈を治すことはあるだろうと思います。

 血管の収縮、血圧上昇、脈拍の増加は、弱くて気持ちの良い刺激を丁寧にすることで抑制することができます。

 そして体は、緊張し過ぎている部位と緩み過ぎている部位が混在しているものです。

 緩み過ぎている部位には刺激を変えて、テンポよく運動させるようなタッチで対応して、自律神経の総合的な調整が可能になります。

 そのお医者様が、一本調子な指の力で押すタッチしか知らなければ、指圧で不整脈が治ったなどと言われたら腹も立ちます。

 診察し、検査もし、薬も出してなかなか治らないのが不整脈なのですから…。

 こういうことは時々あって、指圧で治ったと言うとお医者様は気を悪くするので「言わないでね」と言うことにしています。

 治療する側のプライドは私にだってあるように、お医者様も大変な努力をして日々の診療にあたっているのです。

 指圧で毎回のように起こる出来事は、私と“あなた”だけがわかる秘密でいいのだと思います。

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2009年9月24日 (木)

男性の外反母趾。

 初めての50代の男性、主訴は肩こりと腰痛、老化によって不調が起きてきたのではないかと心配しています。

 頚が左に回旋し、明らかな外反母趾、それにO脚です。

 長い間販売の仕事をしていたということで、男性のはっきりとした外反母趾は珍しいとお話したら、今まで受けた整体やマッサージでは一度も指摘されたことがないという…。

 その整体やマッサージの人たちは、いったい何を見て、何をしようとしていたのか?

 伏臥位から指圧を始めると、筋肉のバランスはよく、頚の向きと外反母趾+O脚以外にはこれといった問題は見出せません。

 年齢にしては筋肉の状態が良いので、問題は老化よりも姿勢です。

 指圧中、右目の視力が弱く左目で見ているということに思い当たったようで、頚が左へ回旋する理由に自らの気づきがありました。

 とても大事なことです。

 爪先を内側に入れる意識をし、歩く時にも実行することや、爪先を正面に向けた爪先立ちをして、足趾の指紋部で体重を受け止めることで外反母趾の矯正ができます。またこの意識はO脚も矯正します。

 自らの気づき、これがあればその施術は施術を超えたものになります。

 連休中にいらっしゃったので平日はなかなか来れないとがっかりされていましたが、これも何かの縁、他に無いものが有ると感じていただけたなら、是非機会を見つけてまたお越しください。

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2009年9月23日 (水)

指圧後2kg痩せた男性。

 右股関節に痛みがある50代の男性、初めての指圧後にウォーキングと半身浴をするようになって、2kg減量できたと嬉しそうに報告してくれました。

 「先生が5kgは減らせると言ってくださったことが励みになって

 今の体型を見ると、その時2kg増でも5kgの減量の見込みを伝えるのは『厳しいなぁ』という感想です。

 指圧の直後なのでセラピストの神が降りてきてしまっていたのでしょう。全く記憶にございません。

 2回目の指圧で右股関節周囲の筋肉はだいぶ緊張がとれてきました。

 ウォーキングと小さく股関節を回す運動、それに半身浴で、体重が減れば股関節の負担も減ります。

 確かに標準体重までにはまだまだ体重を落とすことになるのですが、『5kgは痩せられる』にきっとその時は強調して『簡単に』も付け加えていたことと思います。

 それに応えて習慣付けてくれた『あなたが偉い』と思います。

 指圧師の言葉などに耳を貸さずに、好きなように怠けて痛みを持って此処へ帰ってくることもできるわけです。

 よく皆さん言う事を聞いてくれる、有難い事だなぁと思います。

 無視されるよりどれだけ励みになることか。

 痛いだけのマッサージしか受けたことのない人は「これが指圧ですか?」と驚いてくださいます。

 たぶんずっと内容を更新し続けるのがタッチセラピストだと考えているので「「これが指圧ですか?」と聞かれると答えに詰まりますが、ど真ん中ではないにしても指圧の本質は捉えていると思っています。

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2009年9月22日 (火)

たすきがけの圧刺激。

 『たすきがけは肩こりを緩和する』、これは以前にもここで取り上げたことがあります。

 肩甲骨の内縁を前に、三角胸筋溝を後ろに、肩上部(頚の付け根)を下に、ほぼ均等に圧をかけるころができる『たすきがけ』は、圧刺激の模範的な形です。

 肩関節を形成する体の曲面の要所にフレキシブルに密着して垂直圧をかけるのが『たすきがけ』です。

 母指圧も、手掌軽擦も、たすきがけのような密着が理想です。

 たすきをギュウギュウに締め付ければ肩が上がって仕事になりませんが、程好いサポートは肩の筋肉の補強になり、過度の猫背の予防にもなります。

 たすきがけが直接肩こりに効果があったと感じる人はほとんどいないと思いますが、非常に高いレベルでタッチを語らせていただくのなら、“わからない刺激”は強い刺激よりもはるかに効果があります。

 重篤な病気の方は、当たる面が広い密着で構成する“わからない刺激”をよく理解します。これは触圧覚の感受性が敏感になっているからなのでしょう。

 健康で頑丈な体を持つ人なら強い刺激でいいかというと、それは違います。体の強さが強過ぎる刺激のダメージを自ら修復するだけで、どの体も繊細なタッチが望ましいのです。

 タッチは三次元で考えることが大切なので、たすきがけは参考になります。

 前後上下に垂直圧をかける“たすきがけのような圧刺激”ができるようになれたら、タッチセラピストとしての世界が広がります。

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2009年9月21日 (月)

右脇腹に感じる急性腰痛、左足の使わな過ぎ。

 「2週間くらい前に右腰が急に痛くなり、やがて動けないくらいになった。今は右脇腹に痛みを感じる」という50代の女性、椅子に座った時に爪先が内側を向いています。

 問診と触診をしてから仰臥位の指圧を始めました。急性腰痛は回復期に入っていて背部から大腿には特に問題がありません。

 おそらく筋肉が裂けるタイプのぎっくり腰が起きて、安静と冷やす処置をしなかったか、それが不十分で悪化しました。

 問題は爪先の向きです。特に左の爪先が内側に大きな角度で曲がっています。

 指圧をしていると、左足の甲に亀裂骨折をしたことがあることを知らされます。

 さらに弓道とクラッシックギターの趣味があるいという話がでて、これで原因ははっきりしました。

 弓は左手で本体を持って右手で弦を引きます。この時に右足体重になるので、右腰側面に体重がかかります。

 クラッシックギターは座って左足を足台に乗せているということなので、これも右腰側面に体重がかかって、左足は仕事をしていません。

 生活の中で当たり前になっていることの中に、肩こりや腰痛の原因は見つけられます。

 慢性的な右腰の疲労が限界を超えた時、ちょっとした動作でぎっくり腰が起こったのでしょう。

 足は外反母趾もあるので、爪先立つエクササイズで足のアーチを鍛えると内側を向いた爪先の矯正にもなります。

 爪先が内側を向いていると内反捻挫を起こしやすいので、亀裂骨折もそれで起こったのだと思います。

 全身指圧後、今ひとつ効果の実感は薄かったように見受けたのですが、二、三日過ぎてどうなったでしょう?

 爪先を真っ直ぐにしておく、弓やギターの後に負担のかかる右半身のストレッチをし、使わない左半身のエクササイズをする、これで体のバランスがとれ、ぎっくり腰や慢性腰痛を予防することができます。

 丁寧に気持ちよく触れていれば、クライアントの脳の働きも活発になって有意義な情報を思い出してくれます。

 いかに緊張をほぐし、いかに情報を引き出してそれを体の症状に結びつけるか、それがタッチセラピーの醍醐味です。

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2009年9月20日 (日)

脊柱管狭窄症レーザー手術10年待ち。

 脊柱管狭窄症で週に一回指圧をしている男性が、評判の先生のレーザー手術を問い合わせたところ、「10年待ちです」と告げられたそうです。

 60代の評判の名医が、10年後も手術をされているかどうか…?

 きっと後進の指導もされているので、やがては経験を積んだ名医が増えていくと思いますが、手術を受けるためにも健康で長生きしなければいけないという、何とも大変なことになっています。

 指圧を終えると、「気持ちいぃーっ!痛みがすっかり取れた!」と言って帰っていかれますが、それはその時点での本音であっても、やがて疲れが溜まれば痛みを抱えることになります。

 脊髄を傷つければ大変なことになる手術ですから、手術の数が多い先生のところに患者さんは集まります。

 体の負担が少なくてすむレーザー治療を希望する患者さんはたくさんいます。

 加齢による骨の変形が原因の脊柱管狭窄症には、誰もがなる可能性があります。

 あれっ、ヘタをすると、この男性を私は今後10年、毎週指圧することになるのかな?

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2009年9月19日 (土)

「糖尿病が進んでいるのに…」「思い当たるのは指圧しか…」

 病院の検査でHbA1Cが9を超えていたという御馴染みの女性が指圧にいらっしゃいました。

 糖尿病性の網膜症も見つかり、「これで内臓の異常が検査で出ないのは珍しい」と診察した医師が不思議がっていたそうです。

 「何か体に良さそうなことをしていましたか?」と聞かれて、「思い当たるのは指圧くらいしか…」と答えてきたそうです。

 有難いことです。

 彼女は最初に指圧を受けた時に、あり得ないくらい痛がりました。

 おそらくその時も血糖値が高くて、体の隅々に糖の結晶のチクチクとした痛みを感じたのでしょう。

 何度か指圧を続け、やがて痛いと言わなくなるまでに数ヶ月がかかりました。

 昨日は左下腿三頭筋上部外側の痛みを中心に指圧をしましたが、かなり良くなったようです。

 指圧は筋肉の緊張を緩め、骨格を矯正し、最終目的はホルモン調節、内臓調節をする手技療法です。

 糖尿病には効果があることを今までも感じていましたが、さらにその感覚を強く持ちました。

 おそらく代謝機能を促進して、糖の排出を高めるとともに、血糖降下薬の代謝にも働くので、指圧を続けていて低血糖の発作がなくなったという方がいらっしゃます。

 医師に不思議がられることはたびたび起こりますが、もうそういう報告にも慣れてきました。

 糖尿病の薬を飲むことになって、やっと今までの食生活を見直したという彼女の話を聞いて、これから体がもう少し楽になるかもしれないと思いました。

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2009年9月18日 (金)

微笑みと指のない手袋

 「黒部のバス旅行前に指圧をして行ったおかげで、腰痛も出ずに帰ってこれました」とセロリのわさび風味漬けをおみやげにいただき指圧を終えてテレビをつけると、特番が放送されていました。

 保釈されて出てきた注目の彼女は、横にいた関係者に、その場に不似合いな微笑みで会釈をしました。

 場を設けてくれたスタッフにいつもしていたような、それは体に沁みついた反射的な微笑みでした。

 何万回も繰り返してきた観客の前に立つ直前の微笑み、彼女はそこをステージに変え、頭を下げて車に乗り込みました。

 同じく釈放されたその夫が報道陣の前で頭を下げた時、左手には指のない手袋を付けていました。

 しなければ印象が良くなったであろう反省を表すときには必要のない手袋でした。

 スターの微笑みが出てしまう奥さんとカッコつけたいという本音が隠せない旦那さんの夫婦だったのだなぁという印象を強くした釈放と謝罪のシーンでした。

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2009年9月17日 (木)

今日ツナサンドは…、エコナはシーチキンにも。

 『花王のエコナ関連商品には発癌可能性物質が含まれているので販売を自粛し、今後は発癌可能性物質を取り除いた新商品を開発し販売する』という報道がありました。

 食用油のエコナは、ドレッシングにもドッグフードにも、そして“はごろものシーチキン”にも使われています。

 おそらく今日は該当商品が店頭から姿を消すと思いますが、ツナサンドやツナサラダやツナのパスタなどとして、レストランやコンビニでは提供されるかもしれません。

 シーチキンまで報道しているのは今のところ新聞くらいなので、家庭ですでにお弁当に入れて持たせてしまっていたら、後で気がついて嫌な気がするかもしれません。

 気づかずにツナクリームパスタなどとして提供してしまうレストランはきっとあるでしょう。

 発癌可能性物質であって、発癌物質ではないということですが、健康に良いと信じてエコナを使っていた人が癌になれば、穏やかな気持ちでいられるわけがありません。

 後で嫌な思いをしないためにも、今日からエコナ関連商品は使わないほうが無難、今日はツナ~という食べ物を外で食べたり買ったりしないほうが無難、ということです。

 今日はどれだけの人がシーチキン情報を持ってランチタイムを迎えるのでしょう?深刻になり過ぎても仕方のないことだとは思いますが…。

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2009年9月16日 (水)

マリリン・モンローは腰痛持ちだった。

マリリン・モンローは彼女の代名詞でもあるモンローウォークのために、左右高さの違うハーヒールを履いていたので腰痛持ちだったということを最近知りました。

 モンローが来日した時に、胃痙攣で浪越徳治郎先生が指圧をした話は何度も聞きましたが、“腰痛持ち”だったと知って指圧が効いたことに納得ができました。

 浪越の指圧は、前頚部から始めて胃腸管活動をコントロールする迷走神経を調整し、背部から胃腸を刺激した後、下肢、上肢、顔面、頭部、前胸部と続いて最後に腹部の指圧をします。

 腰痛を意識して指圧を始めなくても腰の異常はわかったでしょうし、ヒールの高さが違えば仰臥位下肢の指圧の後の伸展挙上のストレッチは大変効果的です。またこれは胃経の経絡のストレッチにもなります。

 病院嫌いのモンローの急性で激しい胃の症状を治した、しかも気に入られて3回指圧したそうですが、腰痛と下肢の短縮があれば、指圧をしながら『これほそれほど難しくない』という感触を得ていたかもしれません。

 治すポイントが多いほど、症状の緩和は期待できます。

マリリン・モンローの指圧は浪越徳治郎伝説として今も日本指圧学校では語り継がれていると思いますが、“ヒールの高さが違うための腰痛”があったというヒントが加わると、優れた指圧師なら気づくことがあるはずです。

そういう指圧師がたくさんいてほしいと思いますが、伝説としては詳細はわからないほうがいいのかなとも思います。

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2009年9月15日 (火)

自分の体との付き合い方に気づいた人。

 先日、「先生におまかせしたら私を治せますか?」と尋ねた女性の2回目の指圧です。

 頚を意識して真っ直ぐに起こしておくように気をつけているようで、これは大きな進歩です。

 椅子に座って姿勢を見ると、骨盤は後ろに倒れ、おなかを引っ込めておくことも意識できていません。

 一度に全てできるようになる人はまずいません。頚だけでも体に良い変化が起こってきます。

 前回の指圧後とても呼吸が楽になったということです。

 肺疾患がある方は、胸を拡げておくように姿勢を矯正してそれが持続できれば血液への酸素の供給効率を向上させることができます。

 肺循環が悪く運動不足なので、体全体の大循環の流れが滞っているわけです。

 しかしさっきまでタバコを吸っていたことはわかります。前回は命の危険を感じてタバコを吸わずにここまで来たのに、少し良くなるとコレです。

 伏臥位背部の指圧で、今回は湿った咳が出ることはありませんでした。

 タバコは簡単にはやめられないようですが、本数は激減させたようです。

 骨盤が後傾していたことにより腰の張りもありましたが、根深いこりではありませんでした。

 指圧中、余命の話になりました。

 私は「今日一日が無事に過ぎればそれで良しとする」、これを指圧をしてきたお客様を通して学びました。

 人間は一秒の判断ミスで命を落とすことも、不慮の事故で亡くなることもあります。

 痛みを忘れている時間があれば幸せなことです。

 明日できることは今日しない、それも痛みを持つ方たちには必要な考え方だと思います。

 あらかじめ準備して、今すべきことを今する、それが人生の総決算の時期の覚悟です。

 心を動かすことが少しはできたのか、彼女は私へのおまかせではなく、自分の体と付き合う覚悟ができたようです。

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2009年9月14日 (月)

セラピストの体を作るには…。

 セラピストが一人の人の体を楽にすることができても、それで自分がすごく疲れてしまっては、いつまでたっても疲れた人がいなくならないわけで、続けるためには疲れない工夫が必要です。

 施術中猫背にならない、他動的ストレッチをする時に自分の背中も伸ばすなどは疲れにくい施術に不可欠です。

 柔軟な体、特に手指と手関節それに肩、腰、膝の柔らかさがあって、微妙な体重移動が可能になります。

 硬い筋肉は故障しやすいので、柔らかく余裕のある筋肉を作るような有酸素運動のエクササイズを続ける必要があります。

 全くストレッチやエクササイズをしないで施術ができる人もいるかもしれませんが、自分が楽な姿勢で押圧できないような変形のあるお客様に対した時は、思わぬ故障を起こしやすいものです。

 私は半年くらいあった右肩の痛みが消えて、やや硬さのあった右股関節の違和感もなくなりました。

 体は連動していて一箇所の故障は必ず他に影響を与えます。

 大リーグの投手が100球の投球制限を目安にするように、指圧やマッサージなどの手技療法者も限度を超えてしまえば故障します。

 力の入れ方など個人差があり明確な基準はありませんが、気持ちが切れてしまったらそこから先はセラピーにはなりません。

 必要とされているセラピストであれば、無理をして数をこなすよりは、長く続けるために“投球制限”を設けるべきです。

 何時間も続けて指圧をしていると、ジョギングやウォーキングとは別の汗をかいていることを感じます。

 筋肉を使うというよりは、意志のある呼吸を伝えるために熱を作っているという感じがします。

 涼しくなって1kgほど体重が増えましたが体脂肪率は変わりません。私はあまり体重を絞り過ぎないほうが指圧を続ける時は楽です。

 参考にならないかもしれませんが、指圧を何人も続けてもそれほど体重は変わりません。

 たいして筋肉を使っていないのだろうと思います。何時間もただ腹式呼吸をしながら熱を作り出しているようなものです。

 頭は考え過ぎてボーッとしてきます。指圧後は糖が唯一の脳の栄養ですから、甘いものが欲しくなります。

 指圧のいいなと思う先生の体を思い出すと、痩せて見える先生でもおなかは丸かったような…。

 それは嫌なので毎日腹筋を続けていますが、指圧師はそれほど筋骨隆々にならずに、おなかが少し出ているくらいが正解なのかもしれません。

 つまり力ではないということ…。そんな到達点も頭の片隅に置いて、まずはしなやかな体を維持できるように努力してください。

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2009年9月13日 (日)

委中の治療感覚。

 四総穴(四つの重要な経穴)の一つである膝窩中央の『委中』は、坐骨神経の延長である脛骨神経を刺激することができるので、腰痛の特効穴とされています。

 私はこの委中をしっかりと圧すことが嫌いで、大腿後側中央の『殷門』で代用してきました。

 委中も必ず指圧はしますが、坐骨神経痛がある人はここがとても痛いので、殷門ならもう少し痛みの少ない治療ができます。

 しかし昨日はこの委中を、痛くても圧さなければいけないケースに遭遇しました。

 昨日は委中の治療感覚を得た日になるのでしょう。

 腰部脊柱管狭窄症の男性、いつもは後弯している腰椎が前弯して右坐骨神経に沿った痛みがあります。

 座って長時間仕事をしたので、右腕前腕内側のこりと、右腰の外側にこりがあります。

 後ろから前に腰の神経を圧迫する脊柱管狭窄症に加えて、このままでは前から後ろに神経を圧迫するヘルニアも起こりそうな状態です。

 このいつもとは違う右半身を背中から指圧していくと、殷門と同じ感触を委中にも感じました。

 普通は委中のほうが浅いので、同じ感覚を持つことはないのです。

 いつもとは違う姿勢を見て、来た時から指圧の構成の変更は始まっていたのでしょう。

 セラピストの直感のようなものですが、“委中を痛く圧すこと(これは私の指圧感覚に全く背いています)”が効果をもたらすイメージはできあがっていました。

 指圧後、確かに痛かったそうですが腰椎は後弯気味に矯正され(脊柱管狭窄症では健康な人の腰椎のように矯正すると痛みが出ます)、下肢の痛みも消えました。

 加齢的な変化で下肢に痛みを持つ方たちには、硬くなって痛みの原因になっている部位がたとえ痛く圧すことしかできない状態でも、それを緩めることは大きな価値があります。

 しかし、若くて骨格の矯正が可能な方たちには、委中を痛く圧すようなことは必要がないと思います。

 この治療感覚のニュアンスをうまく伝えられるか、アロマ指圧を講師として語る時、また一つ完全な納得は得られそうもない感覚を拾ってしまいました。

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2009年9月12日 (土)

脳と体幹の中継点としての頚。

 自律神経は末梢神経です。

 自律神経は中枢からの循環、呼吸、消化、代謝、分泌、体温維持、排泄、生殖などの司令を体の各部位に連絡します。

 背中がゾクゾクして寒気を感じるのは、体温の低下の連絡が脳に届いたということです。

 この背中がゾクゾクするという感覚を持つ時、手や足などの末梢も冷えています。

 ハンドマッサージやリフレクソロジーの効果は、末梢の刺激が自律神経を調節し脳にまで影響を与えるということです。

 末梢を温め続けても、温かくなった血液は体を循環しやがて体全体を温めることは可能です。これをしているのが手や足のマッサージであり、足湯です。

 一方、のぼせやほてりは主に頭部顔面に感じますが、手足がほてるという人も多く存在します。

 高血圧や動脈硬化、更年期障害などによってのぼせやほてりの症状が現れることが多いようです

 熱が上にこもり、冷えが下に集まるというのはお風呂のお湯やエアコンを考えても理にかなっています。

 中継点としての頚は、実質臓器を持たない「管」であることに気づきます。

 冷えればマフラーを巻き、襟を立て、熱を持てば冷やしますが、頚髄と頚椎と筋肉の他は、咽頭、喉頭、食道といった管(通過点)です。

 頚のマッサージを中心とする手技療法をあまり聞いたことがないのですが、よく考えてみると前頚部重視の浪越の指圧が一番近いのかもしれません。

 末梢神経である自律神経を調節するということにおいては手足のマッサージも有効であろうと考えていた時、中枢との連絡という点において、頚のマッサージも行えばさらに効果的なのではないかという考察に至りました。

 実質臓器を持たないむき出しのジャンクションとしての頚、ここを掘り下げた手技に期待ができそうな、そんな気がしています。

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2009年9月11日 (金)

「先生におまかせしたら私を治せますか?」と言われて。

 いろいろ病気があって、とうとう困り果てた時、「先生のことを思い出した」という女性、「先生におまかせしたら、私を治せますか?」というお尋ねです。

 病院巡りをして期待がかなうことはなく、薬も途中でやめたり、民間薬に頼ったり、とても難しい患者さんです。

 肺と胃を病み、高血圧があり、現在左目に異常を感じているようです。

 ヘビースモーカー、肥満、暴飲暴食、運動はしない、さて…、少し言葉を選んで出てきたのが「楽にすることはできます」…。

 頚の右側屈と猫背、骨盤の開きと右股間節の外転を矯正すれば、肺が拡張できる範囲が拡がって、呼吸が楽になり、血圧はやや下がって安定するでしょう。

 これだけ悪ければ、即効性があります。

 背中を指圧すると、湿った咳が続きます。気道の繊毛運動が活発になってデトックス効果はありますが、この咳には問題があります。

 深刻な病名しか浮かばない…。

 それでも背部が緩むと、仰臥位では寝息を立てて眠りました。

 彼女は指圧後1時間話し込み、たぶんその間にも指圧でよくなった余裕は減っていました。

 右の額の浮き出た静脈が気になり『くも膜下出血』のイメージが浮かびました。

 するとやはり彼女はそれも経験していました。

 まず血圧管理、病院に通い続けることが必須、詳しい検査をすればいくつかの診断はされるでしょう。

 呼吸器科、胃腸科、眼科、治療の必要がある症状は多彩で、本来ならくも膜下出血後は神経内科で血圧管理を続けているのが普通です。

 またひとりのプロジェクトを抱えました。

 動かせる範囲で残存機能を維持するには、“おまかせ”ではダメです。

 この依存体質が、病院とうまく付き合えなかったり、タバコや酒をやめられない元凶でしょう。

 楽にすることはできる、確かにそれはできます。

 病院の先生を本気にさせる患者になれるように、セッションを重ねていくことも私の役割だろうと思いました。

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2009年9月10日 (木)

左手掌の「曲」の文字からわかること。

 腰痛と肩こりで指圧にいらっしゃた40代の女性、指圧をすすめていくと左手掌小指球に「曲」という文字が書いてあります。

 さて、指圧師がそこから読む物語は…。

 自分に見える向きに書いてあるので、これは誰か他の人ではなく自分が書いたものです(ということは右利きであることがわかります)。

 文字がはっきりと筆圧高く書かれていて、縦線の両側が勢いよく横線を突き破っています。

 濃く強く書かれた文字から、これは消えてはいけない重要なメモだということがわかります。

 角ばった力強い文字を書くからには、真面目な性格なのでしょう。ストレスをまともに受けるから、肩がこってくるのではないでしょうか?

 ここまで車を運転してきた彼女にとって、左小指球はハンドル操作でも文字が消えにくい位置です。

 そして他人からは文字が見えない位置です。他人には手にメモを書く人であることを知られたくないという意識はしっかりと持っています。

 何かこちらが体の状態を説明すると、「はい」と生徒のトーンで応えます。

 おそらく学校以外の環境に身を置いたことがない…。

 私はお客様から話が出なければ職業までは問診で聞かないので、おおよそ学校の先生らしいとは思っていましたが、どうやら間違いなさそうです。

 ここからは余計なこと…。

 おっとりとしたしゃべり方から、養護学校(養護学級かも)の低学年を受け持つ先生ではないかと思います。希望的観測ですが、そうだったらとっても仕事が合っているのではないかと感じます。

 「曲」の文字は、運動会か学芸会で出し物に使う音楽を用意しなければいけないということ。

 おそらく音楽の先生ではない。余計な、余計なことですが、なんとなくそんな感じが…。

 聞いてしまえば簡単なのですが、こんなこともセラピストとしての楽しみのひとつです。

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2009年9月 9日 (水)

わかりやすい見せ場を作るための演出をする。

 脱出マジックで一世を風靡した初代引田天功さんが催眠術をかける前に、「馬鹿は催眠術にかからない」という前フリをしていたそうです。

 プリンセス天功さんが催眠術にかからなかったら、「そういう時はかかったふりををしなさい」と叱られたそうです。

 私は指圧で眠くなることと、催眠術には共通するものがあると思っていますが、この催眠術を行う前のフリ(暗示)と、“催眠術に必ずかかる人”の存在はとても大切なポイントであると感じます。

 指圧では口コミが前フリに相当しますし、治った人による口コミはさらに信頼性を高めてくれます。

 “辛い症状が改善できそうだ”という期待があって、期待以上の効果をあげるためには、プロだからできる“見せ場の演出”をしてほしいと思います。

 例えば最終的には肩関節前方挙上の可動域を拡げるという目的があれば、短縮していて障害となっている筋肉を緩めていき、肩関節伸展のストレッチで仕上げていきます。

 具体的には遠くから緩めていき、最後に肩関節前方挙上をして、来た時よりも可動域が拡がっていればいいわけで、最後の最後はrit(だんだんゆっくりと)していき、間があって、フェルマータ(長く伸ばして)で終わります。

 ひとつのタッチも必ずクレッシェンド→デクレシェンドですから、この見せ場を作るためのリズム感がセラピストの個性となります。

 個人的には最後のところでスポットライトが当たったり、『ニューヨーク・ニューヨーク』がかかればいいなと思いますが、そこまではなかなか…。

 いずれ照明とミキサーをつけてステージでショーとしての指圧をやってみたいものですが、そこまではしなくても普段の現場で十分にショーとして成立するような演出は可能です。

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2009年9月 8日 (火)

水中ウォーキングでも注意が必要。

 「水中ウォーキングで腰を痛めた」という女性に指圧をしました。

 水中ウォーキングは浮力によって体重の負担が減るので、腰痛や膝痛の方には適した運動なのですが、どうやらいきなり大股で歩き出した時に腰を痛めたようです。

 ストレッチもそうですが、まず小さな動きから始め水中ウォーキングの前には準備体操が必要です。

 さいわい後ろに反ることができにくい下部腰椎付近の筋肉の問題のようでしたので、指圧後は緩んで眠くなったようです。

 われわれはアドバイスとして水中での運動を勧めることが多いのですが、事前の準備運動をしなかったり、いきなり大きな動きをすると水の抵抗で思わぬ急性腰痛起こすこともあります。

 腹筋や大腿四頭筋が締まっていて水中ウォーキングの効果はあるようなので、無理をしないようにしたら続ける価値は十分にあります。

 我流のリハビリでこりてしまって、その後全く動かさないと確実に症状は悪くなります。

 予防や回復のための運動について、問題点を検討して宿題として与えることも、生活の質を改善するためにとても大切なセラピストの仕事です。

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2009年9月 7日 (月)

施術の工程にこだわらないことでステップアップできる。

 指圧・マッサージに関わる資格(学内資格も含む)は、マニュアルを理解しその実技の最低ラインはクリアできたという証しにしかすぎません。

 施術の工程をお客様の状態に合わせて組み立て直していくことや、マニュアルからはみ出して“セラピストとして今必要と分析したタッチ”をしていくことで確実に内容が充実していきます。

 初心者が、覚えたマニュアルを壊していくのには確信が持てずためらいがあるものです。

 しかし机上の論理と複雑に混線した人間の体の状態が1:1に対応することは滅多にありません。

 施術で終わって相対的な緩和でよしとするのか、そこへ当意即妙のオンリィワンのタッチを乗せていくのかの違いで、その後のセラピストとしての評価が分かれます。

 私はよく我を忘れて指圧をしている時がありますが、“今ここはとばして、指圧をしていなかったかもしれない…”と思って戻ってみると、そこは緩んでいるので“指圧をしていたんだ…”とほっとすることがあります。

 頭で考えていることは支線に反れても痛みの原因を緩めることなので、それほど状態の悪くない本線のことは記憶に残らないことがあるようです。

 マニュアルは何千何万と繰り返しているうちに体に沁み込んでいきます。

 マニュアルを考えながらタッチをしている段階は単なる施術です。

 そして短い言葉で“Ah-ha体験”をしていただけるようなアドバイス(例えばふくらはぎがむくんでいればそれは爪先立っていないからだと言い切ってしまえること)ができるようになって理論と実技が一体となっていきます。

 現場に立つまでの筆記や実技の試験はとても大きなストレスになります。

 しかしそれを経験しないとお客様からセラピストに求められているもっと途方もなくストレスフルな要求に応えることはできません。

 今日初めて現場に立つ人もお客様からみれば“先生”です。

 どんなに下手くそでも、新米だからと逃げても、手技療法で責任をとるべきは施術者です。

 プレッシャーをかけるようですが、私は“あなた”がどれだけ素晴らしいタッチをできるのかわかりません。

 ひとつ言えることは、誰でも(苦しみながら経験を重ね、反省点を分析して次に活かして)素晴らしいセラピストになることができます。

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2009年9月 6日 (日)

ふくらはぎのむくみ→肩のこり

 昨日の午後は3時から8時過ぎまで、5人休みなしに指圧をしていました。

 午前中の指圧もあり、午後は具合が悪くて当日に予約した方が4人だったので、われながらよく気持ちが折れなかったと思います。

 昨日は天気も良く、こんな日はみんなどこかへでかけちゃったかな、とお昼の時点では気を抜いていたので、かなりの上出来です。

 指圧終わりで入念なストレッチをしておいたのが効いたのか、今朝は腰痛も肩の痛みもありません。

 なかなか翌日にどこもおかしくしならないということはないので、昨日は力が抜けた指圧ができていたのでしょう。

 一時間半くらいの内容を一時間に盛り込んでいるので、無理があることは承知ですが、昨日は急患といえる急性症状が多かったにもかかわらず、頭も働き言葉も途切れず、良い仕事ができたと思います。

 急に悪化した症状を診る時には、例えば緊張の強い肩こりなら、上半身が使い過ぎで下半身を使っていないというようなことに気づけば後は簡単です。

 高齢者の方の急に悪化した肩こりは、のぼせ、めまい、耳鳴りなどの高血圧の随伴症状を伴うことが多く、若い人では下半身、特にふくらはぎのむくみを伴うことが多くあります。

 上半身ののぼせを下げ、下半身のむくみを心臓に返すということで急性のパニックを伴う肩こりは緩和します。

 昨日はパニックを指圧していたようなものです。

 何とか落ち着かせて、なだめて、体のバランスをとって、説明して、納得していただきました。

 ほとんどの肩こりは肩だけ触っても治ることはありません。

 老若男女、肩、腰、足、頚、昨日指圧した症状はいろいろでしたが、頭の引き出しからすぐにデータが取り出せて時間の無駄がなかったと思います。

 ゆっくり指圧をすることが許される日は、急がずに余計なことまで考えながら指圧をさせていただきます。

 

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2009年9月 5日 (土)

バストアップのポイント。

 まともな全身指圧やマッサージを受けた後はバストアップしています。

 猫背を矯正し背中に流れた脂肪を胸に集めることができなければ、セラピストとしてのセンスが足りません。

 胸の前で合掌し肘を張って大胸筋を鍛えるエクササイズがありますが、これは背中に流れた脂肪を集める動きとしては不十分です。

 広背筋を使う、つまり肩関節を内転内旋し、肩を前へ持っていくような動きをすると、より効果的なバストアップのエクササイズになります。

 つまり野球のピッチャーや、ボクサーや、テニスやバレーのサーブのイメージです。

 おなかを引っ込めているということは必須で、脊椎の関節の隙間を一つ一つ拡げていく感覚で伸び上がり、1kg程度のダンベルを両手に持って肘を曲げ、ジムのマシーンのように両肘を体の中心に近づけるようにします。

 この時、肘はできるだけ体の前方を通る大きな弧を描くようにします。

 同じように体の遠くに弧を描くフック気味のパンチを左右交互に、下からアッパーで、サイドハンドスローのようになど、角度を変えて行います。

 テニスや卓球のドライブスマッシュのような動きも効果的です。

 これに爪先立ってバンザイをする逆を意識したスクワットと、サッカーのインサイドキックを取り入れると、ふくらはぎと大腿内側がシェイプアップできます。

 やらない動き、やりそうでやらない動き、このあたりにボディの弱点をカバーする秘訣があります。

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2009年9月 4日 (金)

代謝が悪くなる頃。

 台風一過の後は涼しい日が多くなりました。

 蒸し暑い夏の習慣のまま冷たいものを摂り続けていると、体は冷えを溜め、代謝が悪くなって太ります。

 そうでなくても秋の気候と体が折り合いをつけるにはしばらく時間がかかります。

 脇腹に水と冷えを溜めて太ってきたと感じたら、汗をかくくらいの運動が必要だということです。

 しかし夏場の運動量と同じではそれほど汗をかくことができなくなっていることがわかると思います。

 この時期の体は脂肪を溜めて冷えに対抗しようとしています。

 眠たい、二度寝をして遅刻してしまう、何故かよく眠れるというのも、蒸し暑い夏の気候から快適な秋の気候に変わって、体は副交感神経優位の状態にあるということです。

 副交感神経の働きが活発になると消化管活動は促進されますが、興奮して戦闘能力を高めるような活動は不活発になります。

 運動はしたくない、しかし食欲は増進しているという太る条件の真っ只中にあるのがこの時期です。

 快適な環境では、眠いし、おなかが減るし、太る、なるほどなと思います。

 折り合いがつくには個人差がありますが、おそらくあと一週間くらいで秋の気候に慣れてきます。

 それまでに体を温める食事や運動や入浴などに気を配ることができたか、それが今後長い人生の体型の変化に大きく影響します。

 意志の弱い方、この時期に体を自分で動かしたくない方には、気持ちのいい全身指圧が効果的です。

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2009年9月 3日 (木)

伏臥位の枕や足枕、頚の向き、股関節外転+膝屈曲など。

 ケンタさんの御質問、『伏臥位の枕や足枕の使い分け』やお客様に不快感を与えないための姿勢のコツなどについて、私の考え方を書いてみます。

 まず大前提は長時間の伏臥位姿勢は“不快である”ということです。ただし猫背の、特に若い女性の中には伏臥位が気持ちいいという方がいます。

 胸部と腹部を圧迫する伏臥姿勢は、心臓病や高血圧のある方にはできない場合もあると頭に入れておくべきです。当然妊婦さんに伏臥位を強いてはいけません。

 ベッドには上部に穴の開いたものや、先端に円形枕がついたものや、穴も円形枕もないものがあります。

 独立した円形枕は確かに呼吸が苦しい感じで、私は最近使っていません。

 伏臥位では、額枕+胸クッションを通常使っていて、頭は下を向いた状態で後頭部の指圧から始めています。

 頚が曲がっていたり頚に痛みがある方には、曲げやすい方向に回旋していただいています。

 足枕は軽度膝屈曲になるように両足の甲に当てるセラピストが多いかと思いますが、私の経験ではそれを好まない方もたくさんいらっしゃるので、最近は坐骨神経痛や脊柱管狭窄症などで下肢痛がある方に、痛みのある側にだけ使っています。

 腰の痛い方に痛みのある側を指圧する時は、患側の股関節外転外旋+膝屈曲の姿勢をとっていただくと、痛みや不快感が軽減します。

 基本指圧の伏臥位では、胸クッションと足枕なしで、額を枕に当てた後頭部の指圧から始め、後頚部の指圧後は枕をはずし、頚を左回旋で左肩上部肩根点から左背部~下肢と左半身の指圧をします。右肩上部からは頚を右回旋で指圧します。

 額枕も胸クッションも足枕も嫌がり、基本指圧通り頚回旋で指圧を受けている方もいます。

 ひどい腰痛の伏臥位は、その前に仰臥位の指圧をしてからおなかにクッションを当てて腰を高くすると痛みが出にくい場合があります。

 臨機応変に、ケースバイケースなので、額枕も高さの違うものを用意したりタオルで高さ調節をするなどの必要があります。私はいろいろなクッションやサポートグッズをすぐあてがえるように手近に用意してあります。

 業務用のものだけでなく、ニトリとかホームセンターで様々なクッションやタオルやタオルケットを探しておくことも、セラピストとして開業すれば必要になります。

 施術用のベッドはお客様にとって窮屈な空間です(だから全身のアロマオイルマッサージ以外、私はダブルベッドサイズのマットを使っています)。窮屈なベッドを快適にするのはセラピストの経験と目です。

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2009年9月 2日 (水)

足をつっぱて大腿直筋起始部と腸脛靭帯下部の痛み。

 「もう少しで危うく車にぶつかりそうになって、咄嗟に右足を突っ張って以来、大腿前側で下前腸骨棘下の大腿直筋起始部と大腿外側で膝上の腸脛靭帯に痛みがある男性」、もう8年来の痛みだそうです。

 整形外科のMRIで異常はなく、強いマッサージを受けてきましたが全く効果はなかったようです。

 そもそも大腿直筋起始部と腸脛靭帯の痛みであると特定できたマッサージ師が何人いたか…。中国でもマッサージを受けてきたようですが、ただ痛いだけだったということです。

 長年右大腿の付け根をかばったため、肩甲下部の脊柱は左に側弯しています。

 左足に体重をかけ右に腰痛がある対角線の痛みを持っています。

 ひどい猫背で仰向けに寝ることができません。

 右烏口突起付近と三角筋中央の上腕二頭筋腱短頭と長頭に痛みがあり、肩上部の肩こりもあります。

 8年前、体の左側面に車がぶつかりそうになった時、おそらく目をつぶり右下肢やや外転で爪先は正面を向けて体を硬くしたのだと思います。

 衝撃を右大腿直筋起始部と膝上側面に受ける姿勢は、膝を強く伸展し膝関節が外側にしなっているだろうと思います。

 これらをふまえて、気持ちのいい刺激の全身指圧に(右)股関節の後方挙上や下肢牽引、痛みの出ない範囲での股関節内転外転、内旋外旋のストレッチを加えていきます。

 指圧後、脊柱の左側弯と猫背はかなり矯正できました。

 股関節の運動では屈曲や内旋外旋で痛みがありますが、小さな痛みの出ない範囲で動かしていくことで筋肉は再教育されるように痛みが少なくなっていくと思います。

 ここでも股関節伸展(下肢後方挙上)と肩関節伸展(後方挙上)を意識したウォーキングは右下肢の痛みと肩の痛みを時間をかけて解消してくれるはずです。

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2009年9月 1日 (火)

土下座はいらない。

 台風一過の爽やかな9月の朝、ウォーキングコースには雨の滴をまとった朝顔がまだ咲いていました。種類はブルーへブン(天上の青)でしょうか?

 気持ちの良い朝に歩きながら思い出したのが、選挙で土下座をする立候補者の映像です。

 あれは苦いものが込み上げてくるような、見苦しい姿でした。

 すがりつく、しがみつく、執着する、固執する、こういう精神状態にあるとき、気は病んでいます。

 病気になる前には、健全とはいえないことをしてしまいがちです。

 毅然として正面を向いて、健全な肉体と信頼の置ける眼差しと魅力的な発声で志を示していただければ、選挙活動は十分です。

 簡単に、そして何度も土に擦り付けることができるような頭でする土下座は単なる形で、土下座をする度に意味合いは消えていきます。

 教育的にもよくない、いじめの根っこはこんなところからも広がっていきます。

 “改心の股くぐり”などというものと同様に、土下座は屈辱的な行為です。

 一国の政(まつりごと)に関わろうとする者としてふさわしいかどうかを知るのに、土下座は必要ありません。

 土下座そのものがいらない。

 人間としての尊厳を捨ててまで議員様に執着する姿にはドン引きです。

 健康で姿勢の良い、潔い人間でありたいと思います。

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2009年8月31日 (月)

選挙区制も比例代表性も廃止して、入れたい人に投票できたら…。

 民主党の大勝、自民党の惨敗という衆議院議員選挙の結果が出ました。

 納得できないのは選挙区で敗れ、比例代表として当選する議員がいるという今の選挙制度です。

 地域を絞って民意を反映できないのなら、全国的にもおよそ同様の評価をされているはずです。地縁が薄ければもっと人気がなくて当たり前です。

 個人の政治家としての評価が地域の民意でNoであった人が、政党の傘の下では政治家としての評価が高くなるとも思えません。

 指圧師、マッサージ師を選ぶのに、その治療院、そのマッサージ店なら同じレベルの技術があるかといえばNoです。

 セラピスト選びはあくまでもそのセラピストの総合的なセンスで評価する以外ありません。

 有名な○×治療院なら誰でもいいかと思って受けてみると、お願いだからこれ以外の仕事に就いてほしいというような人もいます。

 選挙区に入れたい人がいないから選挙に行かなかったなどという話を聞くと、もったいないと思います。

 国家の政治家を選ぶのですから、選挙区や政党など関係なく、政治家として働いてほしい人ひとりに投票できるような選挙になればいいと思います。

 そうなれば地域に利益をもたらす人に投票する人もいるでしょうし、国家の逸材として政治家であってほしい人に投票する人もいるでしょう。

 上位何人までを議員にすると決めれば、議員定数削減にもこのほうが都合がいいと思います。

 セラピスト選びが個人の資質を評価しなければいけないのと同じく、政治家選びも個人の資質によると思うのですが…。

 選挙区で落選しても比例代表で救われるような今の制度ではよくないと思います。

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2009年8月30日 (日)

ふくらはぎに針が入っている人。

 60代女性、右変形性股関節症に加えて、腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症があるということです。

 容易に伏臥位がとれ、下肢のストレッチで痛みが出るのは右股関節の内転・内旋だけです。

 右大腿前側から足背に走る痛みがあることと、腰椎後弯の形状から現在はヘルニアよりも脊柱管狭窄症の症状が大きいと判断しました。

 右股関節の内転・内旋痛は、大腿骨頭の磨耗、変形を示しています。

 肩のメンテナンスもできておらず、肩関節内転・内旋の猫背で、頚から背部には筋肉の強い緊張があります。

 指圧が右ふくらはぎに移った時、「ふくらはぎの中央に針が入っています」とのこと。

 原因は不明、もしかしたら幼い頃に鍼治療でも受けて中で鍼が折れてしまってそのままにされてしまったか、遊んでいて何かを突き刺してそのままになったか…。

 レントゲンでわかったそうで、医師からは痛みが出なければそのままにしておきましょうと言われたそうです。

 いつも言うことですが、問診で大切なことが出てこないのが普通です。

 くれぐれも強く圧さないように(このふくらはぎの針はうまいこと触れる部位をさけていて、指圧をしても何の感触もありませんでした。それくらい肉体を妨げずにあったから今日までふくらはぎの中に針はあるわけです)。

 この後さらに、脂肪肝であること、その治療を受けていないことがわかりました。

 血液中にコレステロールが多ければ、だいたい肩こりや腰痛などの症状は悪化します。

 それでも全身指圧を終えると、右股関節の痛みは緩和され、立ち上がること、歩くことは見違えるほど楽になったようです。

 今回のようにレントゲンで針が見つかっている人はまだいいのです。

 どんな爆弾を抱えているのかわからないのに、無邪気に無知に反動をつけて強く圧しては大変なことになります。

 伏臥位で背中を圧して「この前ここに来た後から肋骨が痛い」とお客様に言われたら、まず間違いなく肋軟骨にヒビを入れてしまっています。

 これは自分が非力だと思っている女性でも同じ、反動をつけた体重移動を骨粗鬆症の方に行えば怪我(骨折)をさせます。

 疑ってかかれ、恐々やれ、そのくらいで調度良いのです。

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2009年8月29日 (土)

押すポットのあそびの最深部で止めて持続するイメージ。

 痛みを出さないタッチをするためには、筋肉のこりとの拮抗を強く圧し込んで破らないことが必要です。

 痛いタッチは体を緊張させるので、最終的には気持ちの良い全身指圧の効果に劣ります。

 押すポットのあそびの最深部、お湯の出るギリギリのところで体重移動を止めて持続するイメージをしてください(実際にお湯が入った状態でやるのは危険です)。

 こりを押し潰す前の状態で拮抗を保ってもそれが垂直圧であれば浸透します。

 体の柔軟性、指の形、下半身の安定、全て訓練されていないとできないことです。

 自分の体重を反動を使って全て預けてしまうようでは、思った以上にお客様の体を痛めつけるタッチをしています。

 ここに気づかないと効果よりも、害が大きいタッチになります。

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2009年8月28日 (金)

腋窩のつまりも手のしびれの原因。

 体重が重い、脂肪が多い、猫背である、このような体形では腋窩動脈が絞扼されています。

 手首の橈骨動脈で脈が弱い、またはとれないということであれば腋窩を拡げる必要があります。

 左上肢の基本指圧では被術者の左上肢を外転90°に伸ばし、その左手首の橈骨動脈の脈を右手3指でとりながら腋窩の中央を45°の角度で左母指で圧迫します。

 腋窩動脈を正確にとらえていればこの圧迫によって左手首の脈は消失します。これは人それぞれ角度が違ったり脂肪や体形で動脈が探りにくい場合があるので経験を積んで正確にとらえられるようにしてください。

 脈が止まったことを確認したら、 抹消へ動いていく側にある右母指が下の重ね二指圧に差し替えて、5秒の持続圧を3回行い、その後それを1点目とした上腕内側の指圧から指先まで上肢を指圧(マッサージ)していきます。

 腋窩動脈の圧迫によって上肢の血流は寸断され、圧迫部位の直前に血液がダムのように溜まります。

 母指を離して圧迫から解放された血管は、溜まった血液を勢いよく送り出します。

 血行促進が腋窩を圧迫する目的です。

 猫背が強ければ肩関節を内旋する腋窩背面の肩甲下筋にこりがあるので緩めます。とても痛いので弱い刺激で時間をかけてください。

 猫背の度合いが強いと胸郭出口症候群を伴うことが多いので、鎖骨周囲や三角胸筋溝(モーレンハイム窩)も緩めます。前頚部と腕神経叢の通過する側頚部も緩めてください。

 上腕から指先まで指圧(マッサージ)をしたら、肩の関節運動をします。

 それでもしびれがある場合は、肘関節や手関節での神経の圧迫や腱鞘炎、リウマチなどを疑います。

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2009年8月27日 (木)

施術中のお客様のしびれを防ぐには。

 ケンタさんからの御質問、「施術中のお客様のしびれを防ぐ方法」を考えてみたいと思います。

 しびれてくるのはほとんどが伏臥位や横臥位で施術中の上肢、特に前腕から手です。

 猫背や体重が重いお客様は、長時間同じ姿勢で体重がかかると、血管が圧迫されて血行不良を起こし抹消にしびれが起きます。これは正座で足がしびれるのと同じです。

 横臥位で左右圧迫側を入れ替えて施術ができれば半分ずつ体重がかかるので伏臥位よりもしびれが緩和できますが、患側のつまりが大きいと患側を下にした横臥位でしびれがひどくなります。

 伏臥位で、猫背のお客様は上肢を体側に沿わせて手を下げていないとしびれが強くなります。

 手が頭の方向に上がっていると、これは猫背を矯正する姿勢になるので、筋肉や血管に負担がかかりしびれが起こりやすくなります。

 猫背でも体重が重くても、肩関節のネジが硬くなっていると考えると、少しでもしびれを出さないためには手を下げた楽な姿勢をとっていただきます。

 同じ圧迫が続かないように、手掌を上に向ける(肩関節内旋)、手掌を下に向ける(肩関節外旋)、肘を軽く曲げる、上腕にタオルをあてがう、などで少し体重のかかる部位が変わるとしびれを緩和することができます。

 あまり手のしびれがひどければ、仰臥位から始めて頚部をゆるめ、肩関節を下げて猫背を矯正する前胸部から上肢の施術をしっかりとしてから伏臥位に移ります。

 体重が重いお客様は御自分の腕の重さで腕がしびれてくるものです。

 くれぐれも同じ姿勢で長時間の施術をしないこと、目配りが気配りです。

 伏臥位でしびれてしまったら、仰臥位に移ったときに頚から上肢に軽くテンポのよいタッチをしてください。

 ちゃんと見ている(ちゃんと診ている)というフォローがないと、どんなに効果があっても苦痛を見逃していることになってしまいます。

 『痩せれば…』と思うお客様は何人もいます。やせたら症状は軽くなるはずの人は腰痛にせよ膝痛にせよ何人もいるのです。

 そう思ったところで急に痩せるはずはないのですから、姿勢を微妙に変えることで、できるだけしびれが強くならないように工夫してください。

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2009年8月26日 (水)

「いらっしゃいませ」のオーラがある人。

 よく行く温泉施設のいつも素通りするマッサージ屋さんに、「いらっしゃいませ」のオーラがとても魅力的な人がいて、何者なのか?と気になります。

 見たところ60過ぎの男性なので、こういうところでマッサージをする方はおそらく退職後に志してマッサージを始めた方だと思うのですが、もしかしたらそこのトップの方なのかもしれません。

 にこやかでどっしりと地に足が着いていて、「いらっしゃいませ」の発声が大き過ぎず、心からお迎えする姿勢が伝わってきます。

 何か接客業をしてきた方なのか、マッサージ師のオーラではないと感じるのですが、これでベテランのマッサージ師であったのなら大したものです。

 親指を隠してうつむきがちに足早に通り過ぎる私にまで、「いらっしゃいませ」の心地よい響きが、一瞬「マッサージ屋さんに入ってもいいかな?」という気にさせてくれます。

 私には生涯マネのできそうもない素晴らしい態度です。マッサージをさせておくのは惜しいとまで思います。

 あの人なら(たとえマッサージにはなっていなくても、失礼!)お客様が来るだろうなぁと思います。

 「いらっしゃいませ検定」があれば上位ランクでしょう。

 私はおそらく教育的指導が入ります。

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2009年8月25日 (火)

疲労を溜め込んでいる人は刺激を調整しても指圧後に疲れが出ることもある。

 左頚が痛いという40代の女性、左胸鎖乳突筋鎖骨部と両肩上部肩根点に硬結があります。

 猫背ですが一見普通体形で健康そうに見えます。しかし指圧をしていく頚と肩から背部の筋肉を除いて、他の筋肉は緩み過ぎています。

 最近下痢が多いということで、肝臓のある右季肋部には腫れがあって手掌圧で痛みを感じるようです。

 この場合病院を受診すれば慢性疲労症候群の診断名がつくかもしれません。

 内臓が疲れていてその機能が衰えている体は、老廃物の正常な排出が困難で、老廃物が出ていく時には強い疲労を感じるようです。

 下痢があるということなので、副交感神経が過敏になっている状態ですから、頚から背部以外はテンポのよい指圧で体を起こしていきます。

 まず基本は痛みのあるところは弱い刺激をゆったりと、運動不足の部位はテンポよく短時間で指圧します。

 指圧後、前回の指圧の翌日は起き上がることができなかったと言われてしまいました。

 それを先に言ってくれたら…、ということなのですが、前回も、今回も、刺激の法則にのっとった指圧をしています。

 私は強圧しをしないほうだと自負しているので、これで疲れが出るようなら他のセラピストの手技療法を受けたらもっと疲れるだろうと思います。

 理論にかない、その場のライブ感で調整して疲れが出るようなら仕方のないこととあきらめていいと思います。

 残念なことですが、合わせ辛いお客様はどうしてもいらっしゃいます。

 その原因のひとつは運動不足です。

 疲れ易いから運動をしない→老廃物が溜まって内臓機能が衰える→どうしようもなくて指圧に来る→手技療法は他動的な運動になるので運動不足の体は疲れを感じる、これは仕方のないことと割り切ってしまいましょう。

 次回のチャンスがあればもう少しテンポを上げて時間を短くするなど常にお客様の体に最善なタッチを提供するのがセラピストの役割です。

 そしてこれでもう二度と指圧になんか来ないと思われてもそれはそれで仕方がないのです。

 翌日疲れて起きられなくなっていても、求めるものの存在をここに感じたから今日の指圧があったのです。

 セラピストが刺激を合わせにくい体であるということがどういうことなのか、経験によって説明できる力がつけばお客様も納得し、セラピストも必要以上に気を病まなくてすむようになります。

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2009年8月24日 (月)

海の家に6時間いて膀胱炎になった女性。

 指圧に来るきっかけは筋肉の痛みや関節の運動障害であっても、悪化した原因は意外なところに潜んでいます。

 肩関節痛で可動域制限があり、疲れが溜まっていて下痢をしているという60代の女性、数日前に海へ出かけています。

 行き帰りの車の渋滞と海の家で6時間過ごす間、トイレを我慢して膀胱炎になったようです。

 車の渋滞中にトイレを我慢して、サービスエリアのトイレで順番を待って、そして海の家のトイレが汚れていて用を足せなかったとなどという経験をした女性は多いだろうと思います。

 海の仮設トイレは、潔癖症でなくても一刻も早くここから出なくてはと用を足さずに出なければならないような状態のものがあります。

 そしてトイレに行かないように水分を控えて尿が凝縮され、普段は害を及ぼさない自分の大腸菌で膀胱炎が起こりやすくなります。

 膀胱炎の炎症は疲労の原因となり、肩や腰に症状があるとそれが悪化します。

 今年は海を楽しめるような日が何日もない夏でした。

 今日は秋の風が吹き、これからは冷えを感じる人、風邪を引く人、代謝が悪くなって太る人などが増えて、肩こりや腰痛は悪化します。

 幸い膀胱炎になって肩の痛みがある女性も、指圧後ずいぶんと疲労が抜けたようです。

 トイレに限らず我慢はストレスになり疲労を強めます。

 もし疲れてしまったら、そんな時でも気持ちのいい刺激の全身指圧はとても体を楽にします。

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2009年8月23日 (日)

突然の両手のしびれ 第5頚神経から第1胸神経の圧迫を疑う

 昨夜調理中、突然左手がしびれて動かなくなり、次いで右手もしびれて動かせなくなったという60代の女性、左肩は五十肩の症状があって半年ほど前方挙上に制限があり、右手母指球には腱鞘炎があります。

 私はまず頚神経の神経根症状を疑いました(『手のしびれ→頚』と公式化していいくらいの頻度でここにポイントがあります)。

 猫背で頚が肩より前にあれば、第5頚神経から第1胸神経からなる橈骨神経及び正中神経、第8頚神経と第1胸神経からなる尺骨神経の神経に沿った症状が起きたのだと考えられます。

 左手のしびれからということなので、左の頚の付け根を触診すると痛みを伴う硬結があり、持続的な圧迫で手先のしびれが再現されます。

 ほとんどここに原因があり、左手のしびれは左斜角筋隙の腕神経叢の圧迫によるものだと断定してよいでしょう。

 右の頚の付け根の硬結は小さく、パニックによってもともとあった右母指球の腱鞘炎の症状が悪化したくらいに考えておいていいと思います。

 左頚、特に側頚部から肩上部をゆるめ、頚椎を下行する後頚部から肩甲間部の筋肉をゆるめ、猫背を矯正していきます。

 右利きの人の左の筋肉は、同じ姿勢の連続(使わな過ぎ)で硬くなるという傾向がありますが、この女性の場合は右母指球の腱鞘炎のため左上肢の負担がゆるやかに蓄積して限界を超えてしまったようです。

 全身指圧後、左頚付け根の硬結がゆるむとともに、なんと左肩関節の前方挙上が180°可能になりました(左肩は135°前方挙上が限界でした)。

 左肩は五十肩のような症状もありましたが、どうやら左手のしびれをもたらした左肩付け根の硬結がゆるもとともに、不思議なくらい動きの制限がなくなりました。

 このように一つの痛みが他の痛みを忘れさせることや新たな痛みの解消が古い痛みの解消にもなるということはよく起こります。

 しかし、油断はできないので再発しないように肩のストレッチは欠かせません。

 今回の左手のしびれは、五十肩が治る時にデトックスされて痛みが移動しながら回復していく“めんげん”とか“副反応”とも呼ばれる『治癒に向かう時の痛み』ということも言えるかもしれません。

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2009年8月22日 (土)

後ろを意識することで後ろの感覚が鋭くなってきたこと。

 股関節を後ろに大きく伸ばし、肩関節を後ろに放り投げる感覚で今朝も歩いてきました。

 指圧は股関節と肩関節を体の前で屈曲させて使う動作ばかりなので、後ろにストレッチをしながらのウォーキングを続けることで、何とか体のバランスを保ってきています。

 この意識をしなければ大きく使うことのない後ろへ関節を動かすことで、背中に目ができたように後ろの感覚が鋭くなってきたことを感じています。

 例えば小さなクモのような虫が、ほとんど振り返らずに大きく見えるというようなことが度々あります。

 子供の頃に読んだ漫画に“蟹目の極意”を練習するシーンがありました。

 たしか蟹は集中して獲物を見るとき、それがクローズアップされて見えるというような…。

 おそらく私の場合は聴覚や皮膚感覚でクモの動きを感じて、目の端でその動きをとらえて、振り返らずに大きな映像として見ているのだと思います(多少頚は動いているのかもしれません)。

 何かに見られているような感覚があった後にゴキブリを見つけるという人はけっこういるのではないでしょうか?

 これも小さなガサゴソという音や動く時の空気の振動を感知しているのだろうと思います。

 背中に目があるような剣術の師匠が鍋の蓋で竹刀をよけるような(ドリフのコントにありましたが)

 五感を使って人間の体に触れることや、後ろの動きを訓練しつづけることで、開発された感覚があるような気がします。

 指圧道で体を見つめていくということは、一つの道を探求するということにおいて武道にも通じる感覚があるようです。

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2009年8月21日 (金)

腰のストレッチは徐々に伸ばす(ぎっくり腰の予防)。

 骨盤が後ろに倒れた姿勢でデスクワークを続けると、腰の靭帯や関節は傷つきやすくズレやすい“たわんだ状態”にあります。

 この状態から急に目一杯腰を伸ばすストレッチをすると、椎間関節がはずれたり靭帯を傷つけて、ぎっくり腰になることがあります。

 ストレッチは徐々に伸ばし、少しでも強い痛みを感じたらそこで止めなければ、その後立ち上がることもできないような事態を招きます。

 セラピストがタッチと併用するストレッチも、痛みがある方にする場合は、徐々に、どこでも止められるように伸ばさなければいけません。

 急性腰痛の患部は、満足に圧すことも通常のストレッチもできないと思っておいたほうが安全です。

 顔を覗き込みながら痛みが出ない範囲のタッチとストレッチをし、いつでも刺激をやめられるように備えておきます。

 痛みの出ない範囲で最大の動きができるように、徐々に可動域を拡げていくのが正しい他動的ストレッチです。

 自分で経験したことのない痛みには、ひどく粗雑なタッチやストレッチをしてしまうのが人間の常です。

 お客様の表情を読んで、不安や痛みを想像しながら、傷口を拡げないタッチやストレッチを工夫してこそセラピーになります。

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2009年8月20日 (木)

ボルタレン・ゲルがやっと買えたのですが…。

 大手のドラッグストアに行って商品が陳列されていても、薬剤師が不在で買えなかったのが、鎮痛消炎の塗り薬、ボルタレン・ゲルです。

 何軒かまわり、そして何日か間をおいて、薬剤師がいそうな調剤薬局として機能しているドラッグストアでやっと買うことができました。

 腱鞘炎の男性が処方されていたボルタレン・ゲルを使って、その方にマッサージをしたところ、非常によく効いた記憶があります。

 私の右肩のしつこい痛みがなくなったとはいえ、使い過ぎればやはり右肩前方・烏口突起周囲(上腕二頭筋腱短頭)、三角筋深部中央(上腕二頭筋腱長頭)、そして肩甲骨棘突起際の上下や外側(棘上筋・棘下筋)は炎症を持ちます。

 その緩和にと思い、やっとボルタレン・ゲルを手に入れることができました。

 今年の薬事法改正で、ドラッグストアの棚に並んでいても薬剤師が不在だと買えないと決められた薬ができあがりました。

 私と同じような経験をした人は多いのではないでしょうか?

 特に地方のチェーン店のドラッグストアでは、薬剤師が常駐していないことが多いようです。

 買う時はあっさり買えただけに、もう少しどうにかならないものかと思いました。

 病院で医師が処方する薬でも、ある期間を経ると薬局等で医師の処方なしに買えるようになる薬があり、ボルタレンの錠剤やゲルもそれに該当します。

 それだけに効果はしっかりしているのですが、使い方を間違えば副作用も強く、この薬の場合はアレルギー体質では使えないという制限もあります。

 やっと買って試してみたのですが、あれ…?

 薬剤師なしで買えるフェイタスクリームのほうがメントールが強いだけに爽快感があり、マッサージのタッチにしても程好い滑りで筋肉や腱をとらえることができます。

 ボルタレン・ゲルは滑り過ぎる上、速効性を感じることができません。

 長期的に使えば違うかもしれませんが、フェイタスはフェルビナクが効く感じがあって、特にフェイタスクリームはセルフマッサージにお勧めです。

 うーん、ボルタレンは病院でずーっと使われ続け、燦然と輝くブランドのように思っていたのですが、わからないものです。

 *アロマセラピストですが、治せる方法があるなら、そしてそれができることなら、精油に限らず、何でも試してみたいと思います。

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2009年8月19日 (水)

見ないで圧す(視覚情報が触圧覚情報を抑制する)。

 初めから見ないで圧すことなどできませんが、人体の解剖学的知識が実践を積むことで手指の感覚と一致してきたら、手元を見ないで圧すことをお勧めします。

 手元を見ながら圧すと頭が下がって猫背になり、視覚情報に頼って間違った方向に圧しがちです。

 目の位置からの見かけの垂直と、手指の向かうべき正しい垂直圧の方向は違います。

 例えば肩甲下部の脊柱起立筋を圧す時、母指の指紋部を皮膚の表面に広く密着させて、その傾斜した背中の角度に自分の体を支えてもらってプッシュアップをすることが指圧です。

 頭を起こし、背中と肘が伸びている状態から、肩甲骨を広げるようにして圧をかければ小さな動きで自然な垂直圧が完成します。

 頭が下がる、猫背になる、肘が曲がる、この状態で肘伸展の圧をかければ、無駄な労力が多い上に衝撃的で方向のずれた刺激になります。

 手元を見ることで、触圧覚情報は抑制されます。

 見ないことでその分の余裕が生まれて、触圧覚情報を分析した考えるタッチができるようになります。

 ブルース・リーの“Feel ! Don’think!”は殺法の考え方です。

 活法であるタッチは“Feel and Think!”です。そのために、いらない動きや使わないですむ感覚は封印すべきです。

 それをして、できる余裕は0.何秒かの世界、それをしなければズルズルとグダグダな答えのない施術をして、いつまでたってもお茶を濁す程度のことしかできません。

 まず手元を見たまま圧さない癖を身に着けるところから始めてください。

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2009年8月18日 (火)

ボルト選手とゲイ選手の三角筋

 世界陸上100m走の選手のスタート時の指は、中手指節関節屈曲で指紋部で体重を支えています。

 これで5本の指の間隔を空けるのではなく、4指はそろえて主に母指に体重を乗せれば指の形が指圧になります(姿勢はともかくとして…)。

 ボルト選手よりもゲイ選手の指の使い方のほうが指圧の感覚に近いと思って見ていました。

 この2人の肉体的に抜きん出ているところは三角筋の驚異的な発達です。

 肘を屈曲する上腕二頭筋と肘を伸展する上腕三頭筋の発達も立派ですが、あの三角筋がパワーの源であることは、他の選手と比べるとよくわかります。

 つまり股関節から下肢を使うように肩関節から上肢を使って、4足で走る大きなパワーを生み出しているのがあの三角筋です。

 肩関節前方挙上で三角筋前部が発達し、肩関節後方挙上で三角筋後部が発達します。

 これに肘の屈曲と伸展をつけて、彼らの走りは他の選手より群を抜いた立位の4足走行になっています。

 野球の投手は肩関節の内転が投球フォームに不可欠なので、大胸筋や広背筋が発達しますが、彼らはストイックに肩関節の前方挙上と後方挙上を繰り返すので胸や背中の筋肉肥大は少な目です。

 あのシビビンとした三角筋は芸術の域に達していると思い、目が釘付けになりました。

 おそらく肩関節は磨耗し、ひどい状態になっているのではないかと心配でもあります。

 彼らはあの三角筋前部が邪魔で、おそらくオーバースローで野球のボールを投げるのは不得意であろうと思います。

 かつて桑田投手が大胸筋をつけすぎて投球がうまくいかなくなったことを思い出しました(おそらく松坂投手の不調もこのあたりが原因ではないか…)。

 指圧をしているとボルトとゲイの勝負でも、注目するのは三角筋と指の付き方だったというお話です。

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2009年8月17日 (月)

ボルト選手のスタートの時の指

 世界陸上男子100mで、ボルト選手が9.58秒の世界新記録を出しました。

 スタートの姿勢の指をもっとカメラがとらえないかなぁと思って見ていました。

 100m走のスタートは、肘伸展で両手の母指と四指の指紋部に体重移動をして、足で強くスタート板を蹴って、斜め上前方に飛び出します。

 体重移動の途中で一瞬指紋部に垂直圧がかかるかと思いましたが、ほとんど指で突いて飛び出すので、指圧としては間違いです(当たり前ですが…)。

 これがゆっくりとした体重移動で垂直圧なら、指は悪くない、かなりグラウンドは元気になります。

 頭を起こしておく、背中を丸めない、両手を寄せて重ね母指にするなどをすれば、指圧に近づいていきます(最近の100mのスタートは猫背のまま飛び上がるようなものなのですねぇ…)。

 あくまでも近づいていくのであって、これを受け手によって体重移動を変える、タッチの当たりを変える、こりをとらえるのかミリ単位ではずすのか、などの駆け引きがあって指圧です。

 予選ではボルト選手の力の抜いた走りに、少なからず批判があったことと思います。私もなめていると思いました。

 しかし、あのトップレベルの予選で力が抜ける凄さは、おそらくスタート時に肩の力が抜けていたからでしょう。

 新記録を出した走りも、おそらくスタート時に肩の力は抜けていてスムーズな体重移動ができたのだと思います(その後本気で走ったのでしょう)。

 100mのスタートで肩に力が入っていれば、足の蹴りで始動する爆発力のストッパーになってしまうと思います。

 力を入れてしまっては力が入らない(刺激の方向性が分散する)、わかるでしょうか?

 とても大事なことです。一芸に秀でた人たちからは、どこかに学ぶべきものを発見することができます。

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2009年8月16日 (日)

坐骨神経の“痛いアロママッサージ”が効果ありで…。

 腰部脊柱管狭窄症の男性に全身指圧+アロマオイルマッサージをしました。

 「2週間指圧に来れず、体が辛いので指圧を延長してやってほしい」とのことでしたが、もしかしたら精油が脊柱管を拡げることがあるかもしれないと、オイルマッサージを提案しました。

 このところはまっているウインターグリーン(2滴)に、ラベンダー2滴+セントジョーンズワート浸出油10ml+スイートアーモンドオイル10mlのブレンドオイル(このブレンドオイルは一見1%濃度のようですが、セントジョーンズワートの浸出分があるので1%以上ですね)を使用し、仙骨から肩甲下部と両殿部+右大腿後側の痛みのある部位に絞ったマッサージをしました。

 第4・5腰椎付近の脊柱管狭窄が主に右坐骨神経に沿って痛みを発生させています。

 大腿骨頭の周囲に大きな円と小さな円を描く母指強擦及び、大腿骨頭から0°から90°の角度に4線、中殿筋を母指強擦していきます。

 仙骨の神経孔、腸骨稜の際、脊柱の際、脊柱の棘突起に対する手掌圧などの後、右坐骨神経を直に母指強擦します。

 これは母指大の坐骨神経の硬さがガイドラインになって母指が上行するので、症状によっては飛び上がるほど痛い、指圧ではまずやらない“痛いタッチ”です。

 それでもたいていの強い症状を持った方たちは、“これ”をとても喜びます。

 初めは物凄く痛い、そのうち痛み物質が動いて痛みが緩和されてくる、もちろん手掌軽擦を入れて痛みを誤魔化しながらやっていくのですが…。

 これをやっている時、自分のやりたいことではないぞ、これは施術だぞ、と思うのですが、オイルは滑らせるもの、どこでも止められるように毎朝指立て伏せをして痛みを寸止めで止める訓練を続けている指圧とは違います。

 オイルで深層筋をとらえ、オイルで神経をとらえます。

 滑るままにまかせるのがオイルマッサージだと考えているので、深部を的確にとらえることができれば、これは大きな影響を与えるキラーアイテム(セラピストの切り札)になります。

 触圧刺激の連続が鎮痛効果をもたらすことはゲートコントロール説から明らかで、痛い思いをさせて痛みを止めているという不本意で複雑な心境ではありますが、終了後即効が現れました。

 ズボンが楽にはける、背中のこりがゆるんでいる、肩や頚もいつも以上にゆるんでいる。

 オイルマッサージを入れての適量刺激を考えていたので、指圧は軽く(あまり指圧で治そうとせず)終えていました。

 すると後で、「先生、いつもと違う圧し方をした?」と聞かれました。

 うーん、鋭い。アナドレナイ。初めて来た時は受け手の素人だったのに、短期間で触圧覚が確実に豊かになっています。

 7年間続けていた韓国アカスリをやめたというのも、「あんなものはしょうもない!」と私が忠告した説明をよく理解してくれたからです。

 指圧だけでも十分効果があったので、いざという時に使おうとしてとっておいたオイルマッサージを披露して、ハードルが上がってしまいました。

 私は指圧の時もアロマテラピーをやっているつもりなのですが、「アロマテラピーってなぁに?」と無邪気に聞いてくれた方に、これからはアロマテラピーらしいアロマテラピーをひねり出して提案していかなければいけないなぁと思っています。

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2009年8月15日 (土)

セラピストは勤続疲労の予防法を探し続ける。

 初めて全身指圧を終えた時、緊張と手順を頭で追う脳の疲労と、ジョギングをした後のような肉体的な疲労がありました。

 指圧をマットで行う場合、約半分は片膝は立て片膝は付いた姿勢、約半分が開脚した正座です。

 体重が重かったり、膝が悪かったりして正座が長時間できないと、本格的な指圧をすることは難しいものです。

 指圧は受け手と同じ高さに膝を置いて密着のある体重移動をするのがベストなので、ベッドでの本格的な指圧は難しくなります。

 一日8時間くらい指圧をすると、4時間正座をしなければなりません。今時落語家さんでも和尚さんでも、そんなに正座はしないでしょう。

 私は初めからダブルベッドサイズのマットを使っていましたが、始めた頃は板の間に正座をして指圧をしていました(頭部や足の指圧の時。ダブルベッドサイズでも、お客様の手の位置などの関係で、自分の足は床にはみ出すことがよくあります)。

 その後置き畳を敷き、やっと先週からマットの周りに座布団を配置しました。

 さすがに一日に指圧をする人数が増えると、膝や足を柔らかく保護するものがないと、後で膝や足の曲げ伸ばしが厳しくなります。

 板の間だった頃、お客様が楽なようにとは考えていましたが、自分のことは全く考えていませんでした。

 指圧学校に“ここは指圧の道場である”から始まる道場訓があって、何となくその形の良さを尊重して、自分は安楽でないように、苦行をするのが当たり前だと思っていました(指圧学校の道場は板の間ではなくもっと柔らかくなっています)。

 本当はひとりずつ終わるたびに下着を代えたいくらいなのですが、お客様の前で水分を補給することも、トイレに行くことも、汗を拭くこともいまだにできません。

 期待されていること、調子が悪いと早くやって来て必ず治してもらえると思っている人たち、できれば人間的な当たり前の弱さを見せないほうが治される側に心理的な効果があることなど、セラピスト的な打算がそこにはあります。

 しかし、浪越の腹部指圧などは、おそらく初めて練習する人はまず腰が痛くなります。

 それほど油断できない、ちょうど良い姿勢が崩れると指圧は肩を痛め、腰を痛めます。これは他のどんな手技療法でも同じです(ベッドを使う場合でも同じです)。

 いい姿勢であっても指圧の数をこなせば筋肉は炎症を持ちます。それをそのままにしておけば、やがてセラピストからセラピーを受ける側に回るしかありません。

 今はベッドの四方に座布団やクッションが置いてあります。形は悪いです。

 しかし、次々とまるで今日始めてのお客様のように対応をしなければクオリティが下がってしまうので、やむをえないと思い座布団を配置しました。

 たぶんこんなこと誰も気にしていなかったりするものなのです。

 形にこだわってしまうのは、そういう気でいないとミラクルは降りてこないように思ったりして…。

 続けることを望まれているセラピストであれば、体の痛みや変形は予防すべきです。

 指力で押して指が変形している人など、どうしたものかと思います。

 幸い指の変形はなくきていますが、毎朝気づくと腰が痛かったり、頚が痛かったり、『おまえは昨日、何をやらかしたんだ!』と自分を叱りながらストレッチをする毎日です。

 ストレッチと筋トレとウォーキングで、何とか全ての痛みを克服してきました(あっ、温泉も!玄米と雑穀もあるかな、そんなことを言い出すとウンザリするほどあげられます)。

 なくても何とかやっていられますが、座布団を使ったほうがいい、やっと最近決断しました。

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2009年8月14日 (金)

指圧による発汗作用。

 70代女性、肩こりと腰痛が主訴ですが、このところの高温多湿の影響で症状が悪化しているようです。

 伏臥位ではめまいがしそうだということなので、仰臥位で指圧を始めます。

 このケースは例外でしたが、一般的に腰のヘルニアの症状悪化(腹側から神経を圧迫)では伏臥位になれない場合が多く、逆に脊柱管狭窄症(背側から神経を圧迫)では仰臥位になれないことが多いと覚えておくとよいでしょう。

 仰臥位下肢の指圧から股関節の運動法へと進むと、顔から頚にかけて玉のような汗が噴き出してきます。

 痩せ型で虚症の場合は体力がないので、少しの刺激でも運動になって汗をかくことがあります。

 今回は肩こりと腰痛の炎症が高温多湿に閉じ込められて、一種の熱中症状態を作っていたと考えられます。

 指圧は鎮痛解熱薬と同じく血行促進、毛細血管拡張の働きをしていくので、こもった熱があれば発汗を促進して体温を下げます。

 漢方薬で代表的な発汗作用を持つものとして葛根湯がありますが、ここから葛根と麻黄を抜いて発汗作用を減じた虚証用の薬が桂枝湯です。

 それをふまえればこのケースでは強い刺激をすれば汗をかかせ過ぎて(運動が過激で)よくないことがわかると思います(私は当てる程度の刺激しかしていませんが、この痩せた体からよくもこんなに汗が出るものだと感心しました)。

 指圧後30分は汗をかきつづけ、体中服に汗染みが確認できましたが、後半30分の指圧でかなり汗は引いていました。

 来なくていいよと伝えたのですが、心配だから今日もう一度指圧を受けておきたいとのこと。

 気候の他に、入浴をシャワーで済ませていたことも指圧で汗が噴き出した原因です。発汗の水冷作用はとても大切です。

* 虚症が熱を溜めた時に(風邪の初期など)汗をかきやすくなるということを理解できるようになるまでには、勉強が必要だと思います。

*  アロマセラピストは、漢方薬がその目的の働きを効かせ過ぎないために、その逆の働きをする生薬をまぜることによって、薬の効果を調和させていることを参考にするといいと思います。

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2009年8月13日 (木)

靴下ネタ(2)。

 LとRが片方ずつデザインされた靴下を、Lを右にRを左に“仕込んできた”おじいさんがいて、ニヤリとさせられてしまいました。

 別の日に別のお客様が同じ“仕込み”をしてきて、これは私に対する新たなる挑戦か!と一瞬思いました(本当はそれほど思ってないです)。

 もう靴下の右左なんかどうでもよくなっちゃった人たち(もしかしたら昔っからそんなことは気にしていない)、あるいはLとRについての区別など知ったこっちゃない人たち。

 裏返しの靴下もそうですが、LとRが逆だと気持ちが悪いので脱がせて履かせ直したくなります(しないですが…)。

 そんなことを考えながら指圧をしていることもあります。

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2009年8月12日 (水)

カレーが服のあちこちに染みている人。

 疲れる理由は人によって様々です。

 時間外にいきなり訪ねてきた女性、「用意がないので少しお待ちください」とインターフォン越しに応えると、「中で休ませてください」とのこと。

 そこそこの荷物を持ち、慌てて飛び出して来た様子です。

 大急ぎで用意をして指圧を始めると、ズボンにずいぶんと泥がついているだけでなく、上も下も、背中もおなかも、カレーが点々と染みています。

 この臭いは家庭用の(おそらく子供用の)カレールーのものです。カレー屋さんではない…。

 どうやればそんなにあちこちにカレーが飛ぶのか…?

 手には火傷の跡、おそらく性格はそそっかしく、服装にこだわらないか、こだわっている余裕のない状況で飛び出して来たのか?

 精神的、肉体的限界がきて、カレー鍋ガッシャーン!(もう何もかも今日限りだ的なシーンが想像されます)

 本人は無意識に“何事か呪詛にとんだ呟き”を漏らしながら爆睡し、指圧後には心身ともにクールダウンして、何事もなかったような別人の笑顔で帰っていかれました。

 台風9号、早朝の地震、そして彼女。

 昨日は物凄い日でした。

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2009年8月11日 (火)

ボディセッションをしてこそ価値がある。

 昨日は前から予約のある方が2人、当日の予約が4人でしたが、1人の方は来られなかったので、5人の方に指圧、そのうち1人には母指球屈筋腱のアロママッサージをプラスしました。

 このうち3人の方は初診でした。70代2人と80代1人でしたので、このあたりの年齢層の方の体を診る時には、主訴以外にどれだけの“爆弾を抱えているか”をセッションしながら勧めていく必要があります。

 セラピストの単純な予想など、ベテランの体が連れて来る物語には粉々に粉砕されてしまいます。

 曰く「胃を3分の2切り取った。しかし調べてみると癌ではなく胃潰瘍だった(40年前の医学ではそのようなことが当たり前だったとのことです)。」

 曰く「交通事故に2度巻き込まれていて、頚から背中がひどくこる(それよりも、どう診ても狭心症で徐脈が気になる)。」

 この方は母指球に軽い腱鞘炎があり、ウインターグリーンを使った患部への塗布と、それより求心性の前腕のマッサージ5分程度で、ほとんど不具合はなくなりました(小学生の孫のばね指も相談されました)。

 曰く「右腰痛(しかし、右大腿四頭筋が左と不釣合いに衰えていることと、極度の猫背、O脚、右足内側面の痛風、飲酒・タバコ・水分摂取不足などのほうが気がかりです)。」

 この3人とも高血圧で、ひとりは頻脈、ひとりは徐脈、ひとりはメタボリック…。

 まことに読み応えのある物語ばかりで、ここにあげたのはほんの一部にすぎません。

 体に触れながら感じたことをお客様に説明し、お客様の応答からボディセッションは転がっていきます。

 セラピストの視線が頚から背部のこりだけで終われば、母指球の痛み、さらには孫のばね指までの情報は得られません。

 そういったデータの蓄積が後々に役立つことや、全体的な症状の突破口となることがあります。

 本当は十分にインターバルをとってゆっくりと指圧を楽しみたいのですが、切迫した様子のお客様が続けば、質問に答えなければならず、気づいたことは瞬間に適量刺激を判断して処置していかなければなりません。

 クオリティを上げていきましょう。求められるのは幸せなことです。多くのお客様は自分の求めは何と何があるのかわかっていません。

 お客様の要求を請合うだけでなく、要求を引き出すこともまたプロの仕事です。

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2009年8月10日 (月)

くすぐったがられないタッチ(御質問の答えを考えてみました)。

 くすぐったがりの人は、足裏や腋や脇腹や内腿を他人に触られるとくすぐったいと感じやすいのですが、自分で触ってもくすぐったいと感じにくいのは何故でしょう?

 それは自分の手で触れているという触圧覚が脳へ伝わることで、くすぐったいという感覚を抑えるからです。

 これは痛覚の神経線維より太い触圧覚の伝達が、痛みの脳への伝達を抑制すること(ゲートコントロール説)と同じようなメカニズムだと考えられます。

 くすぐったがりの人は他人に腋や脇腹を触られようとしている時『くすぐったいのではないか?』という予測をしています。

 この期待?があると、笑おうとして大好きな芸人の舞台を見に行ったファンが異様に受けまくるようなことが起きてしまいます。

 セラピストがタッチをする際の対処法としては、まず『その部位を施術しますよという“お知らせのタッチ”』から始めることです。

 自分の手の触圧刺激ならばくすぐったさを抑えられるのだとしたら、タッチをした手がお客様の手のようになるまで動かさないことは一つの解決策になります。

 つまり、微弱な圧からじんわりと手掌圧を持続して、その部位のくすぐったさを抑えてから動かすという方法です。

 くすぐったがる人のほとんどは、くすぐったい部位にはくすぐったくされるのではないかという先入観があります。

 くすぐったくないという既成事実を体に学習させていけば、次回の施術では全くくすぐったがらない、安心して体を委ねていただける、ということがあります。

 あのくすぐったがりようは何だったのかと、私も思ったことがあります。

 “揉み出しを痛がられた”ということについては、揉み出せば痛いです。私は労多く効果の少ない、必要のない手技だと思っています。

 筋肉をねじって無理やり老廃物を排出しようとしても、体に備わった能力を超えれば負担になるだけです。

 もしスリミングの手技として上から強制されているようであれば、“ビートたけしさんの指圧コントのように顔だけ熱血して、やっているふりをしてください”。

 軽擦でも効果はそれほど変わりません。人間の体は過剰な刺激を受ければ恒常性を保とうとして元に戻ろうとします。

 (エステの揉み出しは生理学的にはそれほどやせないので、回数券を買わせ続けるための経営的戦略ではないかと思っています。言い過ぎかもしれません、志の高いエステティシャンの方、ごめんなさい。)

 結論。くすぐったいのも痛いのも適切な刺激をしていないということです。

 お客様がタッチを受け入れる準備のできるタッチから始め、痛がられたり大腿に力が入ったりするのは我慢させているのだから、刺激を変えなければいけません。

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2009年8月 9日 (日)

胸の動悸が主訴の指圧例

 50代男性、胸骨の奥に締め付けられるような動悸が時々起こります。1分間の脈診では13秒と60秒で脈がとびました。

 コニールと抗高脂血症薬を服用中ということなので、狭心症と高脂血症の診断のもとに治療中のようです。

 ひどい猫背が肺の伸展を妨げています。おなか周りの肥満も明らかです。おなかに引っ張られて右腰に張りがあります。

 脈がとぶ、ドキドキドキと心臓が不規則に速く脈打つ、このような不整脈は交感神経の強い緊張によって出現頻度が高くなるようです。

 不景気の中、仕事上のストレスによって胸の動悸を意識することが増えたようです。

 冠状動脈の動脈硬化は進んでいると考えられます。リスクを避けるためには痩せることと、水分の補給を怠らないことと、血流の改善が必要です。

 全身指圧をし、猫背矯正と骨盤の矯正で内臓の位置を上げて、代謝と血流の改善を目指しました。

 指圧後脈を1分とっても、安定した脈拍が続きました。

 交感神経の緊張を緩和すると不整脈が改善されることはよくあります。

 手技療法でできることは、筋肉のこりをゆるめ、血管を拡張させて副交感神経を優位にして自律神経の調整をすることです。

 手術やペースメーカーの導入を勧められていないケースでは、不整脈に手技療法が適応するケースがよくあります。

 男性の更年期のような症状と合わせて動悸が出現することがあるので、ストレッサーについてクライアントが語りたいような素振りがあれば、十分に傾聴の時間を作ると効果は一層増します。

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2009年8月 8日 (土)

肩こりで体に熱がこもる。

 蒸し暑い日が続きます。

 右の肩こりが主訴の30代の女性、Tシャツの中から熱気が上がってくるのがわかります。

 体質は虚実の中間で、どちらかといえば冷えを持ちそうなタイプです。

 右肩上部僧帽筋のやや後側のライン(二側線とも言います)にこりがあり、肩甲挙筋や棘上筋と複合した肩こりです。

 この場合は頭がグッと前にあったと考えられます。つまり猫背がきつい状態です。

 この肩こりのために“上にのぼせている”状態で、27℃の冷房で室温を暑いと感じていたようなので、エアコンの設定を一度下げました。

 軽い熱中症と言ってもいいような熱のこもり方をしています。

 この時は雷雨の前で、じっとりと肌にまとわりつく湿気は、汗による熱の放散を抑えつけて体に備わった水冷機能はうまく働いていなかったようです。

 肩こりの炎症と湿度と気温の上昇は相互作用で体に熱をこもらせていました。

 今の時期体力の弱った状態で運動は勧められないので、半身浴でじっくりと汗をかいても症状の改善に効果があったと思います。

 指圧は他動的な運動になるので、指圧後には体温も下がり肩こりも解消していました。

 いつも言うことですが、仰臥位に移って下肢前側の指圧でおなかがグーッと鳴れば胃腸管運動が活発になった、つまり交感神経の緊張がゆるんで、副交感神経が優位になったということです。

 今回もその時点で手応えがありました。

 指圧の途中でもお客様の体温が下がってきたと感じたら、お客様に寒くないか問いかけて必要ならすぐエアコンの温度を上げないといけません。

 肩こりが解消し熱が発散されれば、熱がこもった状態で快適な温度設定では寒過ぎます。

 こういうところに配慮してこそセラピーの仲間入りができます。

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2009年8月 7日 (金)

動物が立ち上がる時、爪先が外を向く=股関節の外旋。

 リスが木の実を前足で持って背中を起こして食べる時も、プレーリードッグが周囲を見渡す時も、爪先は外を向き股関節を外転外旋させてかかとに体重を乗せて体を安定させます。

 人間も立ち仕事を安定して行うためには、股関節の外旋させ爪先は外を向いてかかと体重になります。

 この時に下腿前側の前脛骨筋が緊張して、ふくらはぎの下腿三頭筋はゆるみます。

 手仕事は肩関節内転内旋、肘屈曲で行うのが常であることを考えると、肩と股関節が逆の関節運動をすることで、体幹を起こしていることになります。

 前腕の屈筋(手掌側)は内側と感じることに対して、下腿の屈筋(ふくらはぎ)は裏側と感じるスパイラル構造(ねじれ)によって、上肢と下肢は真逆の部位に同じような症状が出ることがあります。

 たとえば上腕外側の上腕三頭筋と大腿内側の内転筋群はたるみやすく、振袖と呼ばれたり、脂の多いチャーシューのようになってしまったり、あまり働かせなくても生きていくには支障がないという部位になっています。

 上腕の屈筋はこりやすく伸筋は運動不足になりがち、大腿の外転外旋筋はこりやすく、内転内旋筋はむくみやすい、これは人間だけでなく四足歩行の動物にもある程度当てはまることだと思って、動物番組などを眺めています。

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2009年8月 6日 (木)

頭痛にペパーミント+ローズマリー・シネオール+精製水で頭皮マッサージ。

 昨日の生活の木アロマ指圧講座は頭痛がテーマでした。

 基本的には筋緊張性頭痛には弱くて気持ちの良い刺激をします。

 片頭痛も基本的にはこれで良いのですが、ズキズキと拍動する部位に持続的圧迫+むくんでいる部位に運動させるような刺激+体の側面(胆経)の緊張をほぐす+照明を暗くし、静かな施術環境にすることなどに注意します。

 頭部、顔面をリフトアップする(頭頂部に向けて引き気味に)指圧をした後に、ハーブウォーターをスプレー容器で頭皮に噴霧して、マッサージをしました。

 有機ペパーミント1滴+ローズマリー・シネオール1滴+精製水10mlで1%のハーブウォーターができます。

 エタノールは入れないのか?という質問がありましたが、入れなくて十分に使用できます。

 ローズマリー・カンファーはどうか?という質問もありましたが、刺激が他のローズマリーよりは強いので、あえてスキンケアに使う必要はないと思います。

 ペパーミントは有機でなくてもよいでしょう。

 精製水を冷やした炭酸水に変えるとアストリンゼント(引き締め)効果が高まると予想されるのですが、今朝実際にやってみましたが、精製水との差は感じませんでした。

 自分で使用する場合や、急な頭痛で精製水の用意がなければミネラルウォーターや水道水でも、効果が高いのでやってみてください。

 基本的な動作は指紋部で圧を加えてからその頭皮をとらえたまま小さな円をかくことと、髪をくしけずるような軽擦です。

 前頭部から頭頂部、側頭部から頭頂部、後頭部から頭頂部と5指を使って円をえがきながら少しずつ、リフトアップ気味に上がっていきます。

 スプレーの先端を髪をかきわけて頭皮近くから噴霧し、すぐに指で圧し回していくと液だれも起こりません。

 ローズマリーには黒髪の艶を良くする効果があるので、頭痛が解消するだけでなく、トリートメント効果は即効性があります。

 頭皮にリフトアップのマッサージができれば、目はパッチリと大きく開きます。

 15分もすればほとんどの人が眠くなり、手足が温かくなってきます。

 片頭痛ならズキズキする部位に持続的圧迫と下肢外側と下肢前側の緊張をほぐす、下肢後側のむくみにテンポの良い刺激をすることで効果が違ってきます。

 

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2009年8月 5日 (水)

鎮痛解熱薬では効果のない頭痛。

 授乳中のお母さんの背中がむくんでいることがあります。

 そういう時は母乳の出が悪く、指圧が終わって血行が改善されると母乳が溜まって胸が張ってくるようです。

 実家に帰ってきたら、頭痛、肩こり、めまいを感じるという女性に初めての指圧をしました。

 頭痛薬が効かないようです。

 後頚部のこりを自覚していますが、私の感触ではそれほどの硬さはありません。

 後頭部がむくんでいて、背中もむくんでいます。

 後頭部のむくみは偏頭痛の時によくある血管拡張のサインで、鎮痛解熱薬は緊張性頭痛の時に収縮した血管を拡張させる効果を発揮します。

 自覚的にはこりから来る頭痛と思って鎮痛解熱薬を飲んだようですが、他覚的所見ではそれでは逆効果です。

 背中のむくみは授乳中の女性の感触でしたが、一年前に離乳しているとのことです。

 もしかしたら母体はまだ授乳のメカニズムの最中にあるのではないかと思いました。

 全身指圧をし、頭痛、肩こり、めまいは解消しました。

 おそらく、実家に帰ってお子さんをお母さんに預けることができるので、急激なストレスからの開放によって副交感神経が過剰に優位になり、血管拡張による偏頭痛が起こったのでしょう。

 一部の血管は収縮し、むくみが起こり、頭部への血流が阻害されてめまいが起こったようです。

 実家に帰っていなかったら、子育てのストレスによる締め付けで、鎮痛解熱薬が効果を発揮したかもしれません。

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2009年8月 4日 (火)

身代わりになったトマト。

 「スーパーで買い物をした帰りに、出口のフロアマットにつまづいて左にバッタリと倒れてしまったの。

 体に大怪我はしていないようだったけれど、買い物バッグの中のトマトがグチャグチャに潰れてしまったの。」

 これは80才間近の女性から指圧の時に聞いたお話です。

 彼女は右下肢の状態が悪いので、自然と左に倒れ、ぶら下げていたエコバッグの中のトマトが緩衝材になった上に、どうやら絶妙の受身ができたようです。

 左肘上部の上腕三頭筋には受身の時にできたと思われる硬さが残っていました。

 右下肢をかばうために左に倒れやすい重心だったことと、左にバッグを持っていたこと、高齢のため無理な咄嗟の動きができなかったこと、もしかしたら定期的に受けていた指圧で獲得した柔軟性のため、理由はいろいろつけられますが、とにかく『神様ありがとうございます』と自然にそう思いました。

 このところ良い報告をたくさん聞くことができます。“大いなるモノ”がどこかで見守っていてくれるような気がします。

 例えいなくても、毎日たくさんの人のことをお願いしています。『あの人たちにラッキーをください、私は微力ですので、そこのところ宜しくお願いします。』

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2009年8月 3日 (月)

私が蚊に刺されないのは…。

 今朝は庭で15分ほどブルーベリーの実を収穫していました。

 すぐに蚊の群れがワンワンと体の回りに集まってきましたが、1ヶ所も刺されませんでした。

 腕にとまる蚊が何匹もいましたが、なかなか刺そうとはしません。もちろん蚊がとまっていることに気づけば振り払います。

 元々蚊に刺されにくいほうでした。冬場の静電気に悩まされることもない体です。

 血液の循環が良いことと、臭いの強い食品をできるだけ摂らないようにしていることと、もしかしたら精油の香りが浸み込んでいて、防虫効果の高い体臭を発散しているのかもしれません。

 お酒を飲まなくなって以来、腕にとまりながら寸止めの状態で金縛りのようになっている蚊を目にします。

 毎日ストレッチをし、エクササイズをし、体の問題点はチェックして、できるだけ玄米+雑穀や野菜中心の食事を心がけています。

 おかげさまで半年くらい気になっていて、治らないかと思っていた右肩痛も突然嘘のように治りました。

 ストレッチ、ウィンターグリーン1~8%濃度のオイルマッサージ、岩盤浴、人工高濃度炭酸泉、塩サウナ、全てが右肩痛の緩和に効果があったのですが、治ったのは“そのことを忘れていた時”という、我ながら何とも説明しがたい状況です。

 右肩痛がある時も関節運動に支障はなかったので、指圧で痛みが出ることはありませんでした。

 そしてその間も同じような生活をして、やはり蚊には刺されませんでした。

 血流が良いことと、その血流に乗った“気の流れ”は防虫効果のあるバリアになっているのではないかと感じています。

 考えてみれば毎日の指圧で、腰が張ってきたり膝が曲げにくくなったり、いろいろな疲れを感じます。

 それが何とか毎日の工夫で大事にならずに済んできました。

 右肩は関節下滑液包炎が上腕二頭筋腱と棘下筋腱を行ったり来たりして炎症を派生させたものと考えているのですが、時間はかかっても治そうと努力をすれば治るもののようです。

 セラピストだから不快な臭いがしないようにとニンニクやねぎやアルコールを控える生活は受け入れ難い人のほうが多いと思います。

 またそれをやっても蚊にさされないとは言い切れません。体質もあります。

 しかし血流が良い、血が綺麗なセラピストであるのは良いことだと思います。

 痛みがあればそれを教科書として、自分で解決の答えを導くことは最高の勉強です。

 私は蚊に刺されません。血液検査の結果も全て正常範囲内です。こんなことはどなたかの役に…、立たないかな?

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2009年8月 2日 (日)

『月のない明るい夜に松を掘りに行く』お話し

 山すそにポツンと松があったそうです。

 南に枝が伸びていたそうです。

 おじいさんは明るいうちに周りを掘って、夜になってからトラックでその松を貰いに行ったのだそうです。

 月もないのに明るい夜だったそうです。

 ゴボウ根というしつこく深い根は、その松に限って岩を避けて横に張り出していて、簡単に掘り出すことができたそうです。

 庭に植えると、15cmだった松の幹は倍になり、その周りは熊笹で覆われたのだそうです。

 松についてきた熊笹は、きっとおじいさんの庭がとても気に入ったのでしょう。

 「熊笹がいっぱいでどうしょうもねぇ」、そう言いながらとても嬉しそうに話をしたおじいさんの、昔のちょっとした冒険談です。

《 指圧が半分も過ぎた頃、こういうお話が突然飛び出して来ることがあります。 

 これはファンタジーです(本当はそれが事実であることを疑っていませんが、お客様をヌスビトニスルワケニハイキマセン)。

 月のない明るい夜、道路から少し入った山の斜面で、松を掘るおじいさんの姿が絵本のように“見えた”ので、美しい光景だなと思って紹介しました。

 こういうお話が飛び出して来る状態にお客様があるということは、“セラピストの勝利”だと思ってよいでしょう。 》

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2009年8月 1日 (土)

イライラが溜まっている人には会話をしながら指圧をすることで血圧を下げることができる。

 「イライラが溜まってこのままでは脳の血管が切れそうだ」と指圧にいらっしゃたのは70代の女性、アルツハイマーの旦那様と暮らしています。

 入ってくるなり興奮した声で話し始めましたが、指圧をしながらお話をうかがうと、どうやら旦那様に徘徊のような行動や強迫神経症のような症状が強くなってきているようです。

 公共機関に相談しても『それなら離婚したら』という何とも情のない抜本的な最終手段の提示しかないようで、この女性はほとほと困り果てて煮詰まり、鬱の兆候も感じられます。

 体に触れると背部の緊張が強く、胃には動悸があります。

 ストレス→交感神経の緊張→血圧上昇→不眠→神経性胃炎→鬱、というパターンです。

 「なるほど(肯定)」、「そりゃあ無理もない(同意)」、「どこの家でも多かれ少なかれそういう問題を抱えていますよ(あなたはもしかしたらまだ恵まれているほうかもしれない)」… …。

 一時間くらい話し続けながら指圧をすることはよくあるのですが、その前後があって2時間近くなると、さすがに『すっ、水分が欲しい!』と体が渇望し始めました。

 しかし、とにかく指圧を終え、プラスイメージの言葉を投げかけていくと、この女性の声のトーンと脈拍は、来た当初の興奮からは見違えるほどに落ち着いたものになりました。

 確実に血圧は下がっています。

 話をして胸の内を吐き出すことでデトックスになり、表情からもヒステリックな感情や鬱の影は消えました。

 ハーブティを付ける以上に重要なことは、お客様が何をしに来たのかというその要求に応えるということです。

 ボディへのセッションはマインドへのセッションに直結しています。

 とても大変な労力になりますが、胸の内のデトックスは降圧薬や抗うつ薬に匹敵する効果があります。セラピーを目指すのなら、トークで話を転がしていくテクニックも磨いてください。

 

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2009年7月31日 (金)

偏頭痛や生理痛が消えたという報告2例。

 今週は、“夏休みになったので帰省した時に指圧を受けたい”という女子大生の予約が、そのお母さんから2件ありました。

 そのどちらも指圧後から月経不順や生理痛が消え、ひとりは長年の偏頭痛が起こらなくなり、ひとりは体形を気にしていましたが6kgのダイエットができたということです。

 1~2回の全身指圧だけですから、20才前後の全身のメンテナンスをしたことのない女性に全身指圧をすると、血行改善にかなりの効果が期待できると言っていいと思います。

 この二人に共通するのは年齢と、上半身がスリムなわりには太過ぎる下半身のバランスです。

 下半身の血流の停滞はむくみになり、冷えになり、代謝を鈍らせ肥満気味(下半身デブと言われる状態)になります。

 下半身の筋肉に運動をさせるようなタッチと関節運動をすれば、代謝は促進されます。

 痛みが続くと炎症反応としてその周囲はむくみ、離れた部位に痛みや血管収縮による冷えが起こることもあります。

 一部では血管が拡張し副交感神経優位でだるい、一部では血管が収縮し交感神経が優位になり冷えや痛みがあるという血管のアンバランスを調整すれば、血行は改善し症状は緩和されます。

 若い体には順応性があり、一度良い血流を体が覚えるとホメオスタシスはそちらを恒常モードとして採用するようです。 

 股関節の後方挙上や内旋を一度も意識したことがない人のほうが多いものです。

 おそらく彼女たちは体の使い方についても今までとは違う意識を持ったから、下肢や骨盤内や首から上の血流が改善されたのだと思います。

 今年の春休みに初めて指圧に来たのも同じ頃でした。どんなふうに変わったか再会が楽しみです。

 今週もたくさん嬉しい報告を頂きましたが、その中でも印象的だった報告です。

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2009年7月29日 (水)

昨日の『たけしの本当は怖い家庭の医学』 あのツボの捉え方では…。

 昨日の『たけしの本当は怖い家庭の医学』で、冷えに効くツボなどを紹介するコーナーがありました。

 いつもいつも言いますが、臨床では1点のツボ圧しが症状に著効を示すことは稀です。

 少なくともタッチでセラピーをしたいという考えがあるなら、痛がらせるような圧し方をしているようではいけません。

 ある症状に対してそのツボ圧しの効果があるという情報を知ってツボ圧しをするグループと、知らせずにツボ圧しをするグループの効果の違いを調べる二重盲検試験をした場合、あの収録スタジオの中でリアクションをするタレントさんを集めた評価よりも、知らずにツボ圧しをしたグループの評価は下がるはずです。

 1点のツボ圧しよりも複数点のツボ圧しのほうが効果があり、もっと言えば全身を気持ち良い刺激で物足りないくらいに圧すのが最も効果的です。

 番組内で、冷えのツボ『三陰交』が下腹の冷えに効くということの説明がされていなかったのでフォローしておきます。

 『三陰交』の経絡は脾経です。脾経は下肢内側を上行し、右は盲腸→上行結腸、左はS状結腸→下行結腸と連絡していきます。

 夏の冷房などで下腹が冷えて下痢をするような時、水分の排出を司どる脾経のツボ刺激は大腸の過敏な運動を抑制します。

 だから『三陰交』は下腹の冷えに効くという説明があると、ツボは経絡に属して効果を示すものだということがわかります。

 頬骨上にあって瞳孔の下1寸の胃経の『四白』が顔のむくみのツボとして紹介されていましたが、その(そんな)ことよりも番組内でタレントさんの大事なリアクションに注目しました。

 それは「眉毛の内側に響いた」ということです。

 『四白』は三叉神経第2枝の上顎神経上にあり、眉毛の部位は三叉神経第1枝の眼神経の支配領域です。

 あのリアクションは、ツボを勉強したものなら“おいしい反応”なので、私なら絶対に話を拾って広げていたのに…、残念に思いました。

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2009年7月28日 (火)

関連に気づき瞬時に展開していく。

 パソコンが前のより速く動くようになりました。

 セキュリティのレベルを下げる表示が偶然開き、それを低にしたら午前中にはこのブログにもログインできるようになっていましたが、お願いしていたパソコンの出張サポートの方にその他の細かい設定をしていただき、とても快適なパソコンが出来上がりました。

 設定の様子を見ていて感心したことは、次々と関連するファイルを同時に展開し、いくつもの“窓”を覗きながら問題を解決していたことです。

 これは筋肉の緊張から→筋肉の起始・停止の位置→その運動→支配神経→経絡→周囲の経穴と指圧をしながら瞬時に考えることと似ています。

 診断即治療ですから、まず触れてみて刺激位置や刺激量を瞬時に調整します。

 パソコンの設定をしてくれた方も、コピーを巧みに使って、前のファイルに戻ったり、新しくファイルを開いたりしながら問題を解決していました。

 うまくいかないことが何度もあり、原因を考えたり、タイピングミスを訂正しながらもとにかく手が止まることはなく、その引き出しにはいくつもの技術がつまっていることがよくわかりました。

 中古のパソコンですが縁が合ってこの一台というものに妥当な価格で巡り会い、そして専門家の施術を経てすっかりリフレッシュしたようです。

 見ているだけで、私の体は完璧に軽くなりました。あれは施術です。

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2009年7月27日 (月)

中古パソコン。

何でもいいからとりあえずと中古パソコンを買ってきたら、インターネットは接続できましたが、このブログへのアクセスができず、結局出張サポートで診断をお願いすることにしました。
セキュリティがしっかりしていて、やたら警告が表示されるのは、これくらいの用心深さが必要なのか、前に使っていた人の性格か…。
古い会計ソフトが使えないようなので、いろいろ面倒な作業が必要ですが、とりあえず生活の木のアロマ指圧講座のプリントは作れます。
普段考えもしないことをあれこれ長時間続けたら、このところずっと気になっていた右肩の痛みがほとんど感じないくらいになっていました。いいこともあります。
パソコンの出張サポートを待ちながら、明後日の指圧の往診を待つ方の気持ちもこんなだろうかと思いました。

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2009年7月26日 (日)

長母指屈筋。

下腿のひ骨後面下部から内踝を回って足の母指に停止する長母指屈筋は仰臥位で母指を底屈しながらふくらはぎの外側下部を探って見つけるのがわかりやすいと思います。
アキレス腱の外側を通り、明らかに下腿三頭筋とは違うことがわかると思います。
足の母指底屈で違和感があるという訴えがあれば、長母指屈筋に老廃物が溜まっていると思ってよいでしょう。
ピンポイントでこの筋肉を圧すのは難しいので、求心性のオイルマッサージがよく適応します。
母指軽擦から強擦で老廃物排出を促しますが、それでもかなり痛いので中心を少しはずすと丁寧なタッチ感覚をお客様に感じていただけます。老廃物が膝、大腿部と上行していく感覚をお客様が持てば効果ありということなので、やり過ぎないことも大切です。

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2009年7月25日 (土)

パソコンの植物状態。

パソコンはリカバリィで少し動き、やがてだんだんと動きを止めていきました。
パソコンと一日向き合うことで、体に触れながら臨終に立ち会って、現実を受け入れやすくなった時の気持ちを思い出しました。
とどまろうとするところに煩悩が生まれ、形あるものにはやがて終わる時があります。
山口県の大雨災害に比べると小さなことです。
キーボードの印字がはげたパソコンは、そろそろその役割を終えたいようです。

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2009年7月24日 (金)

携帯で。

パソコンが不安定で立ち上がらなくなり、結局ハードディスクをリカバリィすることになりました。
一時は慌てましたが、こうして携帯もあるわけです。バックアップが機能すれば問題なく、機能しなかったとしてもハードディスクの大掃除ができて動作も滑らかになることでしょう。
パソコンにもウィルスがあり、詰め込みすぎれば肩こりや腰痛の人のように動作が不安定になります。
何か大事なアイデアが飛んでしまったかもしれませんが、また考えましょう。
毎朝の脳のストレッチによく付きあってくれました。

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2009年7月23日 (木)

寝た子を起こさないようにサイレントペインも扱う。

 村上春樹さんの『1Q84』にはメインキャストとして女性のストレッチ・トレーナーが登場します。

 彼女は「現実は痛みが伴うもの」として、痛みを我慢させながらストレッチをします。

 これは施術です。施術の域を超えません。

 健康な施術者が、我慢強い人間に、あるいは我慢強くない人間にでも我慢を強いて成立する行為です。

 痛みを伴うストレッチの痛みの多くはサイレントペインです。

 彼女のようなスポーツインストラクターでストレッチトレーナーとタッチセラピストとの違いは、『痛みの扱い』です。

 タッチの専門家なら『痛くないように触る方法』や『痛くないように伸ばす方法』が、どれだけ痛みを抱えた人に有意義であるかということを思い知らされます。

 そこを思いっ切り伸ばせば痛い現実がわかっている時、サイレントペインを扱うタッチセラピストがやりたい放題のことをやれば寝た子が飛び起きます。

 現実の痛みを夢の中の出来事のように扱うのが、セラピーとしてのタッチです。

 サイレントペインを扱うことは、丁寧に触れなければ寝た子を起こすことになります。丁寧に触れてさえ起こしてしまうかもしれません。

 寝た子を起こさないようにするというのには、実害がなければスルーしてしまうということもあります(骨の変形や加齢に伴う不可避的なサイレントペインなど)。

 タッチセラピストならば、施術を超えたところにフィールドを作ってほしいと思うのです。

 現実の痛みを突きつけるのではなく、誤魔化しでもいいからファンタジーの中へ誘ってあげてほしいのです。

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2009年7月22日 (水)

サイレント・ペイン(隠れている痛み)。

 主訴とは離れた部位にある、お客様が気づいていない痛みを、私は“サイレント・ペイン”と呼ぶことにします(さっき歩きながら考えていて決めました)。

 40代女性、右手掌の屈筋腱が腱鞘炎になって調理のハードな仕事を辞め、体は楽になったはずですが、右肩こりと腰痛を訴えて指圧にいらっしゃいました。

 伏臥位、右下肢伸展挙上で痛みがあるので、まずは右腸腰筋の問題が考えられます。

 仰臥位、左股関節内旋のストレッチで骨のぶつかる音がします。左股関節が大きく動いたことは、このところほとんどなかったようです。

 右肩はごく普通の肩こりで、指圧をし、肩甲骨の可動性を拡げると随分楽になったようです。

 本人が全く気づいていない痛みが左烏口突起周囲にありました。これがサイレント・ペインです。

 調理で食材を切る時に、包丁を使う右肩・右肘・右手首は上下動がありますが、左肩・左肘・左手首は固定されます。

 屈曲に固定された左上腕二頭筋腱短頭に慢性的な炎症が生じて烏口突起あたりの痛みとなったようです。

 これを残してしまうと体調はいつまでも思わしくなりません。

 痛みのあるポイントに指を当てて肩の内旋運動をしていくと痛みが移動し、楽になっていきました。

 ハードな仕事を辞めて、急激なストレスからの解放は血流の停滞を起こしました。

 仕事はハードでもそれによって痛み物質や老廃物を少しずつ排出することはできていたわけです。

 それが急になくなって蓄積した疲労を自覚するようになり、それが右肩こりと右腸腰筋の痛みとなりました。

 しかし左烏口突起周囲の痛みや左股関節の硬さは意識に上がってはこなかったのです。

 全身指圧というのは、点で体全体のポイントをチェックする作業です。

 主訴を緩和するだけにとどまらず、サイレント・ペインを見つけて緩和することはとても重要です。

 もちろん、このケースは副交感神経が過剰に優位になっていますから、テンポの良いタッチをしました。こういう場合、眠くなるような撫でるようなタッチではだるさが増します。

 日曜日の頭痛や夏休み明けのだるさの多くは、これに近い副交感神経の過剰です。

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2009年7月21日 (火)

『1Q84』に出てくる触圧刺激の極意。

 村上春樹さんの小説『1Q84』に、触圧刺激の極意を上手に表現したシーンがあります。

 “力を入れる時に大切なことはむしろ力を抜くこと”、村上さんは高いレベルにある者にしかわからない極意をある場面で表現しています。

 村上さんの小説が世界中で評価されるのは、こうした的確なセンテンスの積み重ねが読者の共感を呼ぶからなのだなぁと今さらながら感心しました。

 新し過ぎず古過ぎない一度は聞いたこと